王太子殿下はモブさえいればいい

星ふくろう

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第四章 真紅の魔女ミレイアとの邂逅

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 分かった?
 何を?
 まさかの――心中とか言わないわよね?
 せっかく、子供を授かる機会に恵まれたのに。
 誰よりも大好きな男の――
「出口があっちなら、入り口を開ける。
 そして、また取り戻す。
 言うよ‥‥‥俺だけのメスになれよ、アリスティア!!」
 ああ、なるほどね。
 こういう人だったんだ。
 アルバートは、不器用だけじゃないんだね‥‥‥
「アルバート‥‥‥あなた、バカ?
 そのセリフ、一番似合ってないわよ?」
 真顔で言われて一番ショックなのはアルバートだ。
 なんだよ、そう言えって自分で言っていたじゃないか。
 惚れさせる言葉はそれが一番だってー‥‥‥。
 カッコつけた僕は間抜けみたいだ。
 うなだれていく少年に、アリスティアはシーツで胸元を隠しながら近寄って見降ろしてやる。
「ふーん‥‥‥まあ、世間知らずの割には、何が大事か。
 それだけ判断できたなら、まあ、いいわ。
 仕方ないから、飼ってあげる。
 あなたはいまから、わたしだけのオスよ、アルバート?
 もう、人間のしがらみなんて捨てて、灰狼の一族になればいいじゃない。
 そうしたら、世界がどうなろうが、関係ないでしょ?」
 そして、シーツをその頭からかけて押し込んでやる。
 飼ってやる?
 どういうこと?
 顔に疑問符を浮かべながらアルバートは文句を言えないでいた。
「いつまで天才王子の責務を引きずってるの、アルバートは?
 魔眼が無くなる?
 その天眼でそうできるの?
 なら、竜族やルケード大公国の王族も滅んでしまうでしょうねえ。
 だって、現代魔導の原点はその天眼だし、竜公国の竜族はもともと、家畜だった。
 どうせ、滅びの遺伝子だの、賢者の塔が隠して隠してやまない。
 あの紋章を身体に彫り込んでいるルケードの公族だって、なにかなるんでしょ?
 だから、アシュリーに恨まれるんだ?
 そして、世界に恨まれる?」
 シーツから頭を出して妻の身体に見惚れながら、アルバートは息を呑んだ。
「なんで、分かったんだい??
 君は神様にでもなってしまったのかい???」
 あなた、バカねえ。
 アリスティアはそう言って、不敵に微笑んだ。
「ねえ、そんな世界中が力を失った中に力を取り戻したわたしがいて。
 で、アルバートはどうなの?
 その天眼とリアルエルム様の魔石。
 そして、どうせ魔眼の力も何かの作用を持ち主にもたらせた後に、あなたのところに集まるんでしょ?
 以前の持ち主の魔力でも、封印するとか。
 竜族は寿命を延命できず、人間により近い形態にしかなれなくて勢力を失うとか」
 どうなのよ?
 顔を合わせて来られると、アルバートは返事がしづらい。
 視線を逸らしながら返事をした。
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