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第四章 真紅の魔女ミレイアとの邂逅
エピローグ
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さて、そう言いアルバートが一連の作業を終わらせたのは昼も間近になった頃だ。
アリスティアはその行為が、世界中からどんな反感を買うのかと。
そこまでの心配をしてしまっていた。
「魔眼を集めた、かあ‥‥‥ねえ、それ何に使うの、アルバート?」
「これかい?
これはそうだね‥‥‥シルド大公時代から仕組まれていたことだからねえ」
仕組まれていた?
そんな千年も昔から、この未来図を描いていたの?
アリスティアはますます理解に苦しむ。
彼が言う魔眼やシルド大公、そして真紅の魔女ミレイア。
それがどう関わるのか、まったくもって先が見えない。
「ねえ、ミレイアの届けるのはその神剣だけではないの?
魔眼の力にとどんどん増えて行ってない?」
「増えてるね、それは確かに」
ねえ、と。
アリスティアはアルバートの首に両手を回した。
「まさか、その命だの、リアルエルム様の魔石まで渡して天眼の力のせいで寿命まで無くなって。
渡した瞬間に消えていくとか。
あっけなく死にに至るとか。
そんな、オチないわよね?」
あれ、君は意外に鋭いね?
アルバートはそんなことは言えずに、背筋に汗をかいていた。
「ふうん、そうなんだ?
わたし一人残して、先に逝く気だったの?
そんな未来、許すと思ってる?」
「いやー‥‥‥。
思ってないよ。
だから、迷ってる。
というか、その為のこの魔眼の力を集めたんだけどね?」
その為の?
つまり、この魔眼の魔力の回収は想定外?
これだけの魔力に相当するものといえば――
「リアルエルム様の魔石を渡す気はなかった?
そういうこと?」
「まあ、本当は渡しても生き残れるように考えての術なんだけどね‥‥‥。
こうでもしなきゃ、君は生きている限り僕を探しただろ?
どこかに生きている、なんて思い出に浸りながら。
その殺し屋としての技を生かして闇に身を落とした気がするからね。
違うかい?」
違うかいと言われて、違うなんて言えるほどアリスティアは器用ではなかった。
そう生きたかもしれないし、彼の後を追って自殺したかもしれない。
どちらにせよ、明るい未来はないだろう。
それだけは理解できた。
「ふん。
嫌いよアルバートなんて。
そこまで思わせて、この行動なの?」
まあまあ、そうアルバートは妻をたしなめながらさあ、行こうか。
そう言い、神殿の中へと足を踏み入れた。
「ねえ、ここからどうやって地下へ?
だって、入り口なんて――?」
「うん?
大丈夫だよ。
彼らが来るから‥‥‥僕はもう、ここでこれを終わらすことにするよ」
彼等?
どこにも入り口が見当たらないその神殿の銅像の側に、いつの間にか陰から立ち上る人影が二つあった。
「誰‥‥‥?」
「大丈夫、迎えだよ。
まっててくれるかな?」
アリスティアの返事も聞かず、アルバートはその二人。
赤髪の人間と、魔族と思しき紫の髪をしたコウモリのような翼を持つ二人に――
彼が集めた魔眼の力を集積したものと神剣を手渡した。
「これで彼女は戻れるはず。
はるかな、過去に。
どうか、イゼアが宜しくと。
そう伝えていたと」
うなづく人影はそれで消え去り、アルバートはアリスティアの側に戻って来た。
「なによ、イゼアって!?」
「なんでもないよ。
さ、行こう。
僕らは僕らの生活を、冒険をさ。
始めよう?」
「変なアルバート。
まあ、いいわ。
いつかはどこかで落ち着けるでしょ」
アリスティアは一抹の不安を残しながら、二人でここから新たな人生を歩みだすことにした。
アルバートははるかな過去。
あの青い空の下で、虚無の空間に吸い込まれて生き別れになり、再度、この地上に戻った時にはこの肉体に宿っていたことを思い出した。
ミレイア、いや‥‥‥シェナ。
幸せを手にする為に、過去に戻るために手助けができるのはここまでだ。
後は――
僕にはアリスティアとの人生がある。
さようなら、過去の恋人。
そう心で別れを告げて、新たなる歩みを踏み出した。
アリスティアはその行為が、世界中からどんな反感を買うのかと。
そこまでの心配をしてしまっていた。
「魔眼を集めた、かあ‥‥‥ねえ、それ何に使うの、アルバート?」
「これかい?
これはそうだね‥‥‥シルド大公時代から仕組まれていたことだからねえ」
仕組まれていた?
そんな千年も昔から、この未来図を描いていたの?
アリスティアはますます理解に苦しむ。
彼が言う魔眼やシルド大公、そして真紅の魔女ミレイア。
それがどう関わるのか、まったくもって先が見えない。
「ねえ、ミレイアの届けるのはその神剣だけではないの?
魔眼の力にとどんどん増えて行ってない?」
「増えてるね、それは確かに」
ねえ、と。
アリスティアはアルバートの首に両手を回した。
「まさか、その命だの、リアルエルム様の魔石まで渡して天眼の力のせいで寿命まで無くなって。
渡した瞬間に消えていくとか。
あっけなく死にに至るとか。
そんな、オチないわよね?」
あれ、君は意外に鋭いね?
アルバートはそんなことは言えずに、背筋に汗をかいていた。
「ふうん、そうなんだ?
わたし一人残して、先に逝く気だったの?
そんな未来、許すと思ってる?」
「いやー‥‥‥。
思ってないよ。
だから、迷ってる。
というか、その為のこの魔眼の力を集めたんだけどね?」
その為の?
つまり、この魔眼の魔力の回収は想定外?
これだけの魔力に相当するものといえば――
「リアルエルム様の魔石を渡す気はなかった?
そういうこと?」
「まあ、本当は渡しても生き残れるように考えての術なんだけどね‥‥‥。
こうでもしなきゃ、君は生きている限り僕を探しただろ?
どこかに生きている、なんて思い出に浸りながら。
その殺し屋としての技を生かして闇に身を落とした気がするからね。
違うかい?」
違うかいと言われて、違うなんて言えるほどアリスティアは器用ではなかった。
そう生きたかもしれないし、彼の後を追って自殺したかもしれない。
どちらにせよ、明るい未来はないだろう。
それだけは理解できた。
「ふん。
嫌いよアルバートなんて。
そこまで思わせて、この行動なの?」
まあまあ、そうアルバートは妻をたしなめながらさあ、行こうか。
そう言い、神殿の中へと足を踏み入れた。
「ねえ、ここからどうやって地下へ?
だって、入り口なんて――?」
「うん?
大丈夫だよ。
彼らが来るから‥‥‥僕はもう、ここでこれを終わらすことにするよ」
彼等?
どこにも入り口が見当たらないその神殿の銅像の側に、いつの間にか陰から立ち上る人影が二つあった。
「誰‥‥‥?」
「大丈夫、迎えだよ。
まっててくれるかな?」
アリスティアの返事も聞かず、アルバートはその二人。
赤髪の人間と、魔族と思しき紫の髪をしたコウモリのような翼を持つ二人に――
彼が集めた魔眼の力を集積したものと神剣を手渡した。
「これで彼女は戻れるはず。
はるかな、過去に。
どうか、イゼアが宜しくと。
そう伝えていたと」
うなづく人影はそれで消え去り、アルバートはアリスティアの側に戻って来た。
「なによ、イゼアって!?」
「なんでもないよ。
さ、行こう。
僕らは僕らの生活を、冒険をさ。
始めよう?」
「変なアルバート。
まあ、いいわ。
いつかはどこかで落ち着けるでしょ」
アリスティアは一抹の不安を残しながら、二人でここから新たな人生を歩みだすことにした。
アルバートははるかな過去。
あの青い空の下で、虚無の空間に吸い込まれて生き別れになり、再度、この地上に戻った時にはこの肉体に宿っていたことを思い出した。
ミレイア、いや‥‥‥シェナ。
幸せを手にする為に、過去に戻るために手助けができるのはここまでだ。
後は――
僕にはアリスティアとの人生がある。
さようなら、過去の恋人。
そう心で別れを告げて、新たなる歩みを踏み出した。
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