84 / 85
第四章 真紅の魔女ミレイアとの邂逅
8
しおりを挟む
「力は等しく均等なんだ。
つまり地上世界で一なら地下世界では五だけど。
元々、地下世界に生きている住人は、五だからね。
あまり意味がない」
「良く分からないわ、アルバート。
なら、なぜ、地下深くにいくにつれて、魔獣は強大になり、人は打ち勝ってきたの?」
そう、そこに理由がいるよね。
勇者や英雄がなぜ、地下ダンジョンや天空の塔を攻略できたのか。
その理由はね――
「人間が、学び、団結し、力を結束して物事に当たれる。
そういう習性にいおいては、他のどの種族よりも長けているからだよ?」
言葉足らず。
アリスティアは疑問だらけの顔のまま、理解を停止している。
その内、関係ないことは自分の趣味の中だけにして頂戴!!
なんて言葉がでそうだから、拒否感を示さない程度に説明することにした。
「まあ、簡単に言うと。
ダンジョン攻略で地下に行けば行くほど強いのは、元々、地上世界でいても強いんだ。
それに対抗するために、人間は魔導や法具、魔眼なんて細やかな道具を充実させてきた
意味は分かるかい?」
フルフルフルと、尾はその返事をする。
「地上世界で一なら地下で百になっても、相手も百でしょ?
それなのに勝てる理由はなに、アルバート?」
「理由はね、アリスティア。
人は短い時間で知識を取り入れ、変革を起こし、新しい自分に進化するのがどの種族よりもうまいからだよ?
最も、だからといって誰もが、英雄や勇者として称えられるわけじゃないけどね‥‥‥」
その語尾を濁らせる言い方がアリスティアはあまり好きではない。
慎重なのはいいことだ。
でも、臆病は良くない。
まあそれでも、おいおいと理解し合っていけるだろう。
そう信じることにした。
どの道、引き返す道はないのだから‥‥‥
「で、その魔眼集めはどれほど、かかるのかしら、アルバート?
かれこれ、二時間は経過しているように思うんだけど?
たまには側で休憩して、新妻の膝の上でやすもうとは思わないのか。
アリスティアは幾分、不機嫌だった。
「もう少しで終わるよ。
魔眼の回収と言っても、一般の人々には手を付けていないよ。
これまで、さんざん。
この魔眼のおかげで甘い汁をすすっていた一部から、徴収しただけさ。
それにしても、クラスアップできそうな感じだね?」
クラスアップ?
古代の冒険譚で語られる、意味のないクラスアップ制度。
まともな魔力の計測器もない時代の遺物だった。
「はいはい、で、その魔眼はどう使うの?」
アリスティアの質問は、アルバートの回答を得て彼女の心を凍てつかせていた。
「それは簡単だよ、アリスティア。
僕は最深部まで行かなきゃならない。
その為の下準備だね」
屈託のない笑顔は、彼の未来への展望を表していた。
逆に、人間が魔族になった話をアリスティアは知らない。
せめて、暴君にだけはなりませんように――。
少女は必死に祈っていた。
つまり地上世界で一なら地下世界では五だけど。
元々、地下世界に生きている住人は、五だからね。
あまり意味がない」
「良く分からないわ、アルバート。
なら、なぜ、地下深くにいくにつれて、魔獣は強大になり、人は打ち勝ってきたの?」
そう、そこに理由がいるよね。
勇者や英雄がなぜ、地下ダンジョンや天空の塔を攻略できたのか。
その理由はね――
「人間が、学び、団結し、力を結束して物事に当たれる。
そういう習性にいおいては、他のどの種族よりも長けているからだよ?」
言葉足らず。
アリスティアは疑問だらけの顔のまま、理解を停止している。
その内、関係ないことは自分の趣味の中だけにして頂戴!!
なんて言葉がでそうだから、拒否感を示さない程度に説明することにした。
「まあ、簡単に言うと。
ダンジョン攻略で地下に行けば行くほど強いのは、元々、地上世界でいても強いんだ。
それに対抗するために、人間は魔導や法具、魔眼なんて細やかな道具を充実させてきた
意味は分かるかい?」
フルフルフルと、尾はその返事をする。
「地上世界で一なら地下で百になっても、相手も百でしょ?
それなのに勝てる理由はなに、アルバート?」
「理由はね、アリスティア。
人は短い時間で知識を取り入れ、変革を起こし、新しい自分に進化するのがどの種族よりもうまいからだよ?
最も、だからといって誰もが、英雄や勇者として称えられるわけじゃないけどね‥‥‥」
その語尾を濁らせる言い方がアリスティアはあまり好きではない。
慎重なのはいいことだ。
でも、臆病は良くない。
まあそれでも、おいおいと理解し合っていけるだろう。
そう信じることにした。
どの道、引き返す道はないのだから‥‥‥
「で、その魔眼集めはどれほど、かかるのかしら、アルバート?
かれこれ、二時間は経過しているように思うんだけど?
たまには側で休憩して、新妻の膝の上でやすもうとは思わないのか。
アリスティアは幾分、不機嫌だった。
「もう少しで終わるよ。
魔眼の回収と言っても、一般の人々には手を付けていないよ。
これまで、さんざん。
この魔眼のおかげで甘い汁をすすっていた一部から、徴収しただけさ。
それにしても、クラスアップできそうな感じだね?」
クラスアップ?
古代の冒険譚で語られる、意味のないクラスアップ制度。
まともな魔力の計測器もない時代の遺物だった。
「はいはい、で、その魔眼はどう使うの?」
アリスティアの質問は、アルバートの回答を得て彼女の心を凍てつかせていた。
「それは簡単だよ、アリスティア。
僕は最深部まで行かなきゃならない。
その為の下準備だね」
屈託のない笑顔は、彼の未来への展望を表していた。
逆に、人間が魔族になった話をアリスティアは知らない。
せめて、暴君にだけはなりませんように――。
少女は必死に祈っていた。
0
あなたにおすすめの小説
私と子供より、夫は幼馴染とその子供のほうが大切でした。
小野 まい
恋愛
結婚記念日のディナーに夫のオスカーは現れない。
「マリアが熱を出したらしい」
駆けつけた先で、オスカーがマリアと息子カイルと楽しげに食事をする姿を妻のエリザが目撃する。
「また裏切られた……」
いつも幼馴染を優先するオスカーに、エリザの不満は限界に達していた。
「あなたは家族よりも幼馴染のほうが大事なのね」
離婚する気持ちが固まっていく。
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
半竜皇女〜父は竜人族の皇帝でした!?〜
侑子
恋愛
小さな村のはずれにあるボロ小屋で、母と二人、貧しく暮らすキアラ。
父がいなくても以前はそこそこ幸せに暮らしていたのだが、横暴な領主から愛人になれと迫られた美しい母がそれを拒否したため、仕事をクビになり、家も追い出されてしまったのだ。
まだ九歳だけれど、人一倍力持ちで頑丈なキアラは、体の弱い母を支えるために森で狩りや採集に励む中、不思議で可愛い魔獣に出会う。
クロと名付けてともに暮らしを良くするために奮闘するが、まるで言葉がわかるかのような行動を見せるクロには、なんだか秘密があるようだ。
その上キアラ自身にも、なにやら出生に秘密があったようで……?
※二章からは、十四歳になった皇女キアラのお話です。
犬の散歩中に異世界召喚されました
おばあ
ファンタジー
そろそろ定年後とか終活とか考えなきゃいけないというくらいの歳になって飼い犬と一緒に異世界とやらへ飛ばされました。
何勝手なことをしてくれてんだいと腹が立ちましたので好き勝手やらせてもらいます。
カミサマの許可はもらいました。
【完結】で、お前が彼女に嫌がらせをしている理由を聞かせてもらおうか?
Debby
恋愛
ヴェルトが友人からの手紙を手に辺境伯令嬢であるレィディアンスの元を訪れたのは、その手紙に「詳細は彼女に聞け」と書いてあったからだ。
簡単にいうと、手紙の内容は「学園で問題を起こした平民──エボニーを妻として引き取ってくれ」というものだった。
一方その話を聞いてしまった伯爵令嬢のオリーブは動揺していた。
ヴェルトとは静かに愛を育んできた。そんな自分を差し置いて、言われるがまま平民を妻に迎えてしまうのだろうか。
そんなオリーブの気持ちを知るはずもないエボニーは、辺境伯邸で行儀見習いをすることになる。
オリーブは何とかしてヴェルトを取り戻そうと画策し、そのことを咎められてしまう。もう後は無い。
オリーブが最後の望みをかけてヴェルトに自分を選んで欲しいと懇願する中、レィディアンスが静かに口を開いた。
「で、そろそろお前が彼女に嫌がらせをしている理由を聞かせてもらおうか」
「はい?」
ヴェルトは自分が何を言われたのか全く理解が出来なかった。
*--*--*
覗いてくださりありがとうございます。(* ᴗ ᴗ)⁾⁾
★全31話7時19時更新で、全話予約投稿済みです。
★★「このお話だけ読んでいただいてもOKです!」という前提のもと↓↓↓
このお話は独立した一つのお話ですが、「で。」シリーズのサイドストーリーでもあり、第一弾「で、私がその方に嫌がらせをする理由をお聞かせいただいても?」の「エボニーその後」でもあります(あるいは「最終話」のその後)。
第一弾「で、私がその方に嫌がらせをする理由をお聞かせいただいても?」
第二弾「で、あなたが私に嫌がらせをする理由を伺っても?」
第三弾「で、あなたが彼に嫌がらせをする理由をお話しいただいても?」
どれも女性向けHOTランキングに入り、特に第二弾はHOT一位になることが出来ました!(*´▽`人)アリガトウ
もしよかったら宜しくお願いしますね!
幽閉王女と指輪の精霊~嫁いだら幽閉された!餓死する前に脱出したい!~
二階堂吉乃
恋愛
同盟国へ嫁いだヴァイオレット姫。夫である王太子は初夜に現れなかった。たった1人幽閉される姫。やがて貧しい食事すら届かなくなる。長い幽閉の末、死にかけた彼女を救ったのは、家宝の指輪だった。
1年後。同盟国を訪れたヴァイオレットの従兄が彼女を発見する。忘れられた牢獄には姫のミイラがあった。激怒した従兄は同盟を破棄してしまう。
一方、下町に代書業で身を立てる美少女がいた。ヴィーと名を偽ったヴァイオレットは指輪の精霊と助けあいながら暮らしていた。そこへ元夫?である王太子が視察に来る。彼は下町を案内してくれたヴィーに恋をしてしまう…。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
そのご寵愛、理由が分かりません
秋月真鳥
恋愛
貧乏子爵家の長女、レイシーは刺繍で家計を支える庶民派令嬢。
幼いころから前世の夢を見ていて、その技術を活かして地道に慎ましく生きていくつもりだったのに——
「君との婚約はなかったことに」
卒業パーティーで、婚約者が突然の裏切り!
え? 政略結婚しなくていいの? ラッキー!
領地に帰ってスローライフしよう!
そう思っていたのに、皇帝陛下が現れて——
「婚約破棄されたのなら、わたしが求婚してもいいよね?」
……は???
お金持ちどころか、国ごと背負ってる人が、なんでわたくしに!?
刺繍を褒められ、皇宮に連れて行かれ、気づけば妃教育まで始まり——
気高く冷静な陛下が、なぜかわたくしにだけ甘い。
でもその瞳、どこか昔、夢で見た“あの少年”に似ていて……?
夢と現実が交差する、とんでもスピード婚約ラブストーリー!
理由は分からないけど——わたくし、寵愛されてます。
※毎朝6時、夕方18時更新!
※他のサイトにも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる