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第二章 難航するギルド開設と黒い翼の姫君
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「ねえ、リッカ。
勝手に主役の場を奪わないでくれない?」
「茜。
君って本当に優しさっていうか、配慮というか、人としての気配りに欠けてるね‥‥‥」
「はいはい、あの渋谷の路上でいきなり影に引きずり込まれて、異世界の匂いがするからって行方不明の兄弟探しに駆り出されたわたしには、可哀想なんて言葉はないのかしら?
偉大なる黒狼様?」
「‥‥‥茜は嫌いだ」
リッカはさんざんな嫌味を言われて、茜の影に引っ込んでしまった。
ちょっと悪いことをしたかな?
そう思いながら茜は先ほどまで、彼の肉球に抑えつけられていたアイニスの手を取って立ち上がらせた。
「ありがとう‥‥‥」
光の精霊女王は助かったわと例を述べたが、
「ねえ、アイニス。
さっさと精霊に戻ればリッカに捕まることも無かったんじゃないの?
でも、まさか実体を保てるなんてー‥‥‥」
茜はふと思いついた疑問を口に出さずに心に留めておくことにした。
アッシュとはその姿で――肉体関係や愛を語り合った仲ではなかったの?
そう聞きたかったが、いまはアッシュを信じたほうがいいかもしれない。
でも、もしこの杞憂がこの先もあれば――
「ないわよ」
「へ‥‥‥っ!?
な、何がかな‥‥‥アイニス???」
はーあ、そうため息をついて元の精霊女王に戻ったアイニスはやれやれと肩をすくめた。
言葉は先程と同じように聞こえてくるのがどこか不気味だったけど。
「いい、茜?
わたしが好きで、死ぬまでいたいと願ったのは最初の契約者だけ。
彼の子供も精霊界にはいるし、彼もまた、あー‥‥‥これは秘密ね?
もう、わたしは人妻なの。
アッシュは可愛い可愛い、孫?
ひ孫かも?
だから、ないわよ」
「ああ‥‥‥そう。
そんな大暴露されても困るんだけど、アイニス?
初代? が好きならずっと夫婦でいれば良いのに‥‥‥」
「初代じゃないわ」
「は‥‥‥?」
「初代と契約したのは水の精霊王。
でも、彼はいろいろとあって力を失い、その地位は新たな精霊女王に受け継がれたの。
わたしは二代目で、彼の曽祖父と契約したのよ」
「はあ‥‥‥その契約どうこうはわたしには良く分からないんけどー‥‥‥。
何を対価にして契約したの?」
うーん?
アイニスは小首を傾げてはるかな記憶を探ってみる。
「多分ーうーん。
何だったかしら?
気楽に側にいれるのがいい。
それだけだった気がする」
茜は本当にありえない精霊女王に出会ってしまった。
そんな顔をしていた。
精霊ではなく、王であり、女王なのだ。
そんなレベルの高い神との契約が‥‥‥それだけ!?
なんてあり得ない。
「茜は?
あのリッカだって、神や魔の神格でいえば第四位くらい。
惑星の主神クラスの存在なのに。
どんな契約をしたの?」
どんなってー‥‥‥。
人探しをある条件つきで二人で引き受けたに過ぎない。
相方にはもう一匹が。
自分にはリッカが。
ただ、それだけ。
「兄を探して欲しい、と。
そして、彼等のお姫様を」
「ふーん、ねえ、リッカ。
そのお姫様ってー‥‥‥」
アイニスの呼びかけにリッカが茜の影からひょっこりと顔を突き出して来た。
光の精霊女王は、茜が作り出したような不思議なこの世の別の場所を映し出す鏡のようなものを作り出すと、それをリッカの鼻先に近づけた。
それはあの大広間にあった三人の精霊たちと契約した者たちと、賢識の覇者マキナのあの画像だった。
「あ‥‥‥ボクはこの女性を見たことがあるよ、アイニス。
これ、どこで‥‥‥!?」
「上にあるわよ?
見てくればどう、リッカ。
あんたが影から顔出す度に下着を覗かれているようでいい気はしないわ。
人には視えないように気をつけてたら外にいて欲しいんだけど?」
「茜は本当に優しくない」
うるさいわよ、とばかりに茜は影から抜け出した黒狼の尾を軽く踏んでやる。
ヒャンっ!?
そうまだ若い狼は悲鳴を上げて茜に軽く威嚇の声を上げながら大広間に向かった。
勝手に主役の場を奪わないでくれない?」
「茜。
君って本当に優しさっていうか、配慮というか、人としての気配りに欠けてるね‥‥‥」
「はいはい、あの渋谷の路上でいきなり影に引きずり込まれて、異世界の匂いがするからって行方不明の兄弟探しに駆り出されたわたしには、可哀想なんて言葉はないのかしら?
偉大なる黒狼様?」
「‥‥‥茜は嫌いだ」
リッカはさんざんな嫌味を言われて、茜の影に引っ込んでしまった。
ちょっと悪いことをしたかな?
そう思いながら茜は先ほどまで、彼の肉球に抑えつけられていたアイニスの手を取って立ち上がらせた。
「ありがとう‥‥‥」
光の精霊女王は助かったわと例を述べたが、
「ねえ、アイニス。
さっさと精霊に戻ればリッカに捕まることも無かったんじゃないの?
でも、まさか実体を保てるなんてー‥‥‥」
茜はふと思いついた疑問を口に出さずに心に留めておくことにした。
アッシュとはその姿で――肉体関係や愛を語り合った仲ではなかったの?
そう聞きたかったが、いまはアッシュを信じたほうがいいかもしれない。
でも、もしこの杞憂がこの先もあれば――
「ないわよ」
「へ‥‥‥っ!?
な、何がかな‥‥‥アイニス???」
はーあ、そうため息をついて元の精霊女王に戻ったアイニスはやれやれと肩をすくめた。
言葉は先程と同じように聞こえてくるのがどこか不気味だったけど。
「いい、茜?
わたしが好きで、死ぬまでいたいと願ったのは最初の契約者だけ。
彼の子供も精霊界にはいるし、彼もまた、あー‥‥‥これは秘密ね?
もう、わたしは人妻なの。
アッシュは可愛い可愛い、孫?
ひ孫かも?
だから、ないわよ」
「ああ‥‥‥そう。
そんな大暴露されても困るんだけど、アイニス?
初代? が好きならずっと夫婦でいれば良いのに‥‥‥」
「初代じゃないわ」
「は‥‥‥?」
「初代と契約したのは水の精霊王。
でも、彼はいろいろとあって力を失い、その地位は新たな精霊女王に受け継がれたの。
わたしは二代目で、彼の曽祖父と契約したのよ」
「はあ‥‥‥その契約どうこうはわたしには良く分からないんけどー‥‥‥。
何を対価にして契約したの?」
うーん?
アイニスは小首を傾げてはるかな記憶を探ってみる。
「多分ーうーん。
何だったかしら?
気楽に側にいれるのがいい。
それだけだった気がする」
茜は本当にありえない精霊女王に出会ってしまった。
そんな顔をしていた。
精霊ではなく、王であり、女王なのだ。
そんなレベルの高い神との契約が‥‥‥それだけ!?
なんてあり得ない。
「茜は?
あのリッカだって、神や魔の神格でいえば第四位くらい。
惑星の主神クラスの存在なのに。
どんな契約をしたの?」
どんなってー‥‥‥。
人探しをある条件つきで二人で引き受けたに過ぎない。
相方にはもう一匹が。
自分にはリッカが。
ただ、それだけ。
「兄を探して欲しい、と。
そして、彼等のお姫様を」
「ふーん、ねえ、リッカ。
そのお姫様ってー‥‥‥」
アイニスの呼びかけにリッカが茜の影からひょっこりと顔を突き出して来た。
光の精霊女王は、茜が作り出したような不思議なこの世の別の場所を映し出す鏡のようなものを作り出すと、それをリッカの鼻先に近づけた。
それはあの大広間にあった三人の精霊たちと契約した者たちと、賢識の覇者マキナのあの画像だった。
「あ‥‥‥ボクはこの女性を見たことがあるよ、アイニス。
これ、どこで‥‥‥!?」
「上にあるわよ?
見てくればどう、リッカ。
あんたが影から顔出す度に下着を覗かれているようでいい気はしないわ。
人には視えないように気をつけてたら外にいて欲しいんだけど?」
「茜は本当に優しくない」
うるさいわよ、とばかりに茜は影から抜け出した黒狼の尾を軽く踏んでやる。
ヒャンっ!?
そうまだ若い狼は悲鳴を上げて茜に軽く威嚇の声を上げながら大広間に向かった。
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