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第二章 第二の身分証明書
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歩き出して十数分。
ナターシャは己の考えの浅はかさを思い知ることになる。
それは普段の彼女なら勘単に思い至ったことかもしれない。
死の極限に置かれていた少女に、そこまでを予見しろということは酷かもしれない。
それはとても簡単で、分かりやすかった。
パキッ。
足元を照らし出す月明かりの元で、ナターシャは路面の舗装が変わったことをあまり気にしていなかった。
その枝を踏み折った瞬間、小枝の先は彼女の足の裏の皮膚を軽々と突いたのだから。
「いった!?
え‥‥‥なんで?」
生憎、その小枝は足の皮膚を裂くまでは至っていなかった。
ただし、そこから先は誰も通る者のいない、自然の道だぞ。
それを警告してくれていた。
「そんな、国境の向こうまで‥‥‥あるわけはないわよねーー」
嘆息するナターシャ。
裸足でこの山を越えれることは難しい。
その認識をあっけなく思いだすことになる。
「馬車で最低でも一時間はかけて上がってきた山だもの、それは深いはずだわ‥‥‥」
どうしよう?
頭の中で思考が交錯する。
答えは‥‥‥一つしかない。
「戻ろうーー」
またあの瘴気のような凄まじい臭いの元へと行かなければならない。
なにか他にないのだろうか?
兵士の詰所とか、罪人の持ち物を一旦、安置しておく場所とか。
あの刑場は貴族や王族にも限らず使われていたはずだ。
その備品などはどうなっているのだろう?
何よりーー
「なぜ刑場なのに誰も見張りがいないのかしら‥‥‥?」
こんな国境付近で、隣国はすぐ隣だ。
この山の標高はどれくらい?
五百エダも無い気がする。
軍勢が一日もあれば、山を越えて国境を拡大することもできるだろう。
それなのに、なにもない。
死体の捨て置かれた王国の闇があるだけ。
「見張る必要性に欠けている?
それとも‥‥‥他に誰かが見ている?
そういうことかしら?
こういう時に妖精でも呼び出せる魔法が使えたら‥‥‥」
残念ながらそういう高等魔法は素質のある者が通う魔法科以外、教えては貰えない。
ナターシャは単なる普通学科。
淑女のための、裁縫、刺繍、詩歌をたしなみ、古代語を読み、書き、話し、そして‥‥‥
「籠城戦の方法を覚えるー‥‥‥いまどき、どこの城だって籠城する前にさっさと転移魔法で逃げ出すわよ」
まあ、それでも古代語と呼ばれる古王国時代の文字の読み書きと会話はこれから役に立つはずだ。
なぜなら、この大陸ではそれが公用語だから。
足早に石畳が敷かれた上を駆けて戻ること数分。
ナターシャは刑場の全容を見ることが出来ていた。
ナターシャは己の考えの浅はかさを思い知ることになる。
それは普段の彼女なら勘単に思い至ったことかもしれない。
死の極限に置かれていた少女に、そこまでを予見しろということは酷かもしれない。
それはとても簡単で、分かりやすかった。
パキッ。
足元を照らし出す月明かりの元で、ナターシャは路面の舗装が変わったことをあまり気にしていなかった。
その枝を踏み折った瞬間、小枝の先は彼女の足の裏の皮膚を軽々と突いたのだから。
「いった!?
え‥‥‥なんで?」
生憎、その小枝は足の皮膚を裂くまでは至っていなかった。
ただし、そこから先は誰も通る者のいない、自然の道だぞ。
それを警告してくれていた。
「そんな、国境の向こうまで‥‥‥あるわけはないわよねーー」
嘆息するナターシャ。
裸足でこの山を越えれることは難しい。
その認識をあっけなく思いだすことになる。
「馬車で最低でも一時間はかけて上がってきた山だもの、それは深いはずだわ‥‥‥」
どうしよう?
頭の中で思考が交錯する。
答えは‥‥‥一つしかない。
「戻ろうーー」
またあの瘴気のような凄まじい臭いの元へと行かなければならない。
なにか他にないのだろうか?
兵士の詰所とか、罪人の持ち物を一旦、安置しておく場所とか。
あの刑場は貴族や王族にも限らず使われていたはずだ。
その備品などはどうなっているのだろう?
何よりーー
「なぜ刑場なのに誰も見張りがいないのかしら‥‥‥?」
こんな国境付近で、隣国はすぐ隣だ。
この山の標高はどれくらい?
五百エダも無い気がする。
軍勢が一日もあれば、山を越えて国境を拡大することもできるだろう。
それなのに、なにもない。
死体の捨て置かれた王国の闇があるだけ。
「見張る必要性に欠けている?
それとも‥‥‥他に誰かが見ている?
そういうことかしら?
こういう時に妖精でも呼び出せる魔法が使えたら‥‥‥」
残念ながらそういう高等魔法は素質のある者が通う魔法科以外、教えては貰えない。
ナターシャは単なる普通学科。
淑女のための、裁縫、刺繍、詩歌をたしなみ、古代語を読み、書き、話し、そして‥‥‥
「籠城戦の方法を覚えるー‥‥‥いまどき、どこの城だって籠城する前にさっさと転移魔法で逃げ出すわよ」
まあ、それでも古代語と呼ばれる古王国時代の文字の読み書きと会話はこれから役に立つはずだ。
なぜなら、この大陸ではそれが公用語だから。
足早に石畳が敷かれた上を駆けて戻ること数分。
ナターシャは刑場の全容を見ることが出来ていた。
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