婚約破棄~二度目の人生を手にした侯爵令嬢は自由に生きることにしました!!

星ふくろう

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第四章 カヌークの番人

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 さて、俺の予想は当たっているのかな?
 もうじき小屋が見えて来るそんな曲がり角を越えたところでアギスはにやりと微笑んだ。
 相変わらず、期待を裏切らない御方だ。
 そう思いながら、目線で軽くあいさつをすると彼は馬車を小屋へと走らせた。
「え、まさか‥‥‥。
 旦那、あの御方が!?
 なんで挨拶しないんだよー!!???」
 アルフレッドは視界に彼が入ってきた途端、あわてふためいて被っていた帽子を脱ぎ慌てて深々とお辞儀をした。
「旦那、命知らずだよなあ‥‥‥」
 とんでもない光景だ。
 アルフレッドはそう思った。
 小屋のテラスに座る人物の隣に、馬車を横づけしてアギスは言ったのだから。
「やあ、エバース大公。
 ご機嫌よう」
 と。
 そう言われた竜王はこれまた苦笑して、
「変わらず、飾らない男だなアギス。
 久しぶりだ。
 その男子は君の子供かね?」
 褐色の肌に良く似合う、砂漠色の紅い法衣をまとい彼はそうアギスを見あげていた。
「いえいえ、違いますよ。
 まだ見習いです。
 いずれは俺の跡を継ぐのはこいつだと思ってはいますけどね。
 ほら、挨拶しな?」
 あ、あいさつってーーー‥‥‥???
 アルフレッドはおそれ多くて、とてもその男性を見れたものではなかった。
 恐る恐る、彼はあいさつをする。
「あ、あの‥‥‥竜王様。
 アルフレッドーーです。
 初めまして‥‥‥」
 いつものあの調子の良さはどこに行ったのか。
 少年は緊張とある種の畏怖で固まっていた。
 それを見て、竜王は肩まである銀髪を払うと、青い瞳で柔らかい視線で彼を癒すように見る。
「そう、気を遣わなくてもいい。
 どうせ、この荒れた土地の主だ。
 竜とはいえ、そのはしくれ。
 本物の王族は、別の土地にいるしな。
 わたしは王と呼んで貰えるだけでもありがたい」 
「い、いえそんなっ!?
 ありがたいなんてーーー」
 しどろもどろになるアルフレッドが面白くて、アギスはとりあえず降りて馬車を置いて来い。
 そう言い、彼をその場から追い出した。

「で、来ているのかい、彼女は?」
 テラスに上がるアギスに、前置きなしに竜王は問いかける。
 かなわないなあ、いきなりなんて。
 そう思いながら、アギスは上を指差した。
「一応、午後から話をしよう、そう置き手紙と朝食はおいてきたんですがね。
 ただ、扉には鍵がかけてあるし窓はあの通り、格子戸なんで。
 逃げれはしないとは思いますが。
 どうします?」
 武器とかも見えてましたしねえ。
 もし、竜王様におけがなんてさせた日には‥‥‥
 アギスはそう心配になってしまう。

「まあ、そうだな。
 こちらにも小うるさい、ケルピーの昔馴染みがやってきていろいろと事前には聞いている。
 会うだけ会ってみるのはいいかもしれない。
 一つ、気になることもあるしな」
「気になること?」
「まあ、大したことではないよ。
 はるか昔の友に渡したある物が‥‥‥な。
 それを知りたい」
「そうですか。
 なら、危険なんでそこにいて頂いてー‥‥‥。
 王様に知られると俺が怒られるんで。
 お待ちいただけますか?」
 アギスがそう言うなら、待とう。
 竜王は再び椅子へと腰を降ろした。

「おい、アルフレッド。
 朝の残り、持って来い。
 まだ昼飯も食べてない筈だ」
 その言い方にアルフレッドは呆れてしまう。
「あのねえ、旦那。
 犬の子じゃないんだからー‥‥‥」
 まあ、用意はするけどさ。
 そうして、二人は二階に上がり例の扉を開くことになる。
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