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第八章 エイジスの蒼い髪
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一方、隣室。
アリアに竜王は互いにその意思はない、そういう方向性で大人の解決をはかっている頃。
「あららーそうなりましたかー。
さて、そうなるとねえ、アリア?
そろそろ、痴話げんかやめない?」
イフリーテに諭されて、自分も落ちたものだわ。
水の精霊女王はそう思いながら、
「痴話げんかじゃないわよ、こんな頼りない同じ女に二度も逃げられる竜なんてみっともなくて夫に迎え入れられるものですか!」
そう止めの一撃を刺し、竜王を撃沈させてからそれでどうなったの?
と、ナターシャたちのことをイフリーテに問いかけていた。
「うーん、そうねえ。
アルフレッドは去る決心をしたみたいよ?」
「なんでよ!?」
「だって、ナターシャは王国側の罪人で、偽造身分証明書を作って国境を破ったわけだし。
アルフレッドはそれを知って、自分の妻として迎え入れた形で身分証明書を作ってたでしょ?
いわば、逃亡幇助してるから、同じく罪人よね。
枢軸連邦であっても」
「そんなー‥‥‥」
絶句するアリアに、イフリーテは仕方ないわよ。
こればかりは神でもどうにもできないわねーと冷たい返事を返す。
それはどこまでも現実的で、人の世に神は干渉してはならない。
そんな意味も込められていた。
「なんだ、あいつは!?
あれだけ言っておきながら、それが結論か!?」
「竜王様ももう変な介入しないほうがいいですよー?
しつこいと嫌われますからね?」
「イフリーテに言われるとは‥‥‥」
しかし、そうなるとどうするんだ、これからは?
そんな竜王のぼやきに、炎の女神はニヤリと初めて見せる悪い笑顔をしてみせた。
「こんなに力の強い神が三人もいて枢軸連邦からエイジス連邦に揃って入るのに、来ない訳ないでしょ?
あの人が」
「いや待て!
そんなに都合よく‥‥‥」
竜王がそう言いかけた時だ。
船がそれまでとは違う動きを始めたことを彼等は感じていた。
それは進むというよりは、止まる、風に抗う。
そんな感覚に近い。
事実、五人が乗る飛空艇の数倍はある、エイジス連邦の戦艦タイプの飛空艇の下部搬入口が開き、空中で回収しようとし始めているところだったのだから‥‥‥
さて、聞いた話をどうしたものかしら。
エイジスの蒼い髪。
弁護官という移民を守り、その連邦内での活動を監視・補佐する立場の彼女は‥‥‥収容した飛空艇からやってきた三人の神と二人の少年少女の言い分を聞いて悩んでいた。
その名の通り、真っ青な髪をしたシーナ弁護官は、神々の秘宝と言われる魔眼をその瞳に宿している。
紅の宝石のようなその額にある第三の瞳は司書の魔眼といい、この世界にある全てのものを見通す能力をもっていた。
「まず言っておきますけど。
ナターシャ?
あなたは王国でも、枢軸でも、このエイジス連邦であっても罪人です。
その理由は簡単。
王国の罪人としての罪から逃げたことで手配書がまわっています。
枢軸連邦への国境を越えた罪。
そして、そのまま逃亡幇助をさせてここまで来た罪。
どれも、法的には罪からは逃れられない。
それは理解してるかしら?」
どこまで行っても自分は罪人‥‥‥逃れられない事実がナターシャを追い詰めていく。
竜王やアリアがその弁護を申し出るが、それもシーナの一にらみで一蹴されてしまう。
妖精王妃でもあり、(元かもしれないが)、さまざまな異世界を冒険しその智謀と勇気と行動力で各国の難題やある時は神族とも対等に渡り合ってきたこの稀代の冒険家はいまやどんな神も一目置く存在であり‥‥‥
「なんでそんなのがエイジスに出戻りしたんだ!!」
そうぼやく竜王はさらに叱責されていた。
「それと、過去に枢軸と王国と竜王様の契約に私が立ちあった件、確かに覚えています。
その証文もあるわ。
でもそれは無効なのよ、エバーグリーン様」
これは電撃的な発言だった。
誰もが夢が、希望が無くなった。
そう思ってしまった。
「だってね、王国はあなたが交わした国王と、その数代後で政権紛争があり時の王家は滅んだの。
あなた、覚えていないの?
カーティス、いえ、それは本名ね。
スナイダルと名乗っていた、あなたの親友を?
彼がエルフやその他の種族に助けを請い、あなたにもその連絡を出した時にはあなたはもう城の門を閉じていた。どうして、行かなかったの。
カーティスの代で、本来のグラン王国の正当王家は滅んでいるわ。
だから、無理なのよ。
過去に存在した国の約束の履行を迫っても、それは効力をなさないわ」
「なんと!?
そんなことは、わたしは何もーー」
「知らなくて寝ていたから。
もういいわ、あなたはあの神殿に入るなという禁忌すら破ったし。
ここでの発言権はないわね」
自分が親友の危機を見過ごしていたー‥‥‥。
その事実に竜王は涙し、もう何も言えなかった。
だけど、とシーナはナターシャに向かいまだ方法はあるわよ?
そう告げる。
「ダイナル王国からの武官としてゼイルード子爵様がいらしているの。
彼が今回の件について大いに興味があるそうよ?
あなたは彼に引き渡します」
人斬りゼイルード?
そんな、あの鮮血子爵に手渡されたら自分に待っているのは死、それだけだ。
ナターシャはアルフレッドは竜王に助けを求めるが――
「なんで、動いていない‥‥‥!?
シーナ様、何を!?」
はあ、とシーナはため息をつく。
「あなたを守ろうとされたら、その三神だけでも厄介なのに。
その少年の中には、まったく。
こんなに近くに、ヤンギガルブの血筋がいるなんて。
まあ、いいわ。いまは時間の流れからわたしとあなたを少しばかり切り離しているの。
ねえ、ナターシャ。
わたしとある契約をしない?
それを守るなら、あなたにもいいことが起こるようにしてあげるわ?」
契約?
その言葉にはなにか悪魔的な魅惑の響きがあった。
だが、アルフレッドもその家族も助けてあげれるわよ?
そう言われた時、ナターシャは内容も聞かずにうなづいていた。
「行っちゃったわねー‥‥‥」
のんびりとした声でイフリーテに言われて、アルフレッドは気落ちしたように肩を落としてその側に座り込んでいた。
アリアに竜王、ナターシャはあの巨大なエイジス連邦の戦艦に収容されたまま連行されていく。
「いいんですか?」
「なにがー?」
「主人、あの中にいますよ?」
「ああ、それね。
眷属ってのは単なる建前だからーいいのよ。
これからはわたしたちには関係ない世界だし」
「そうですか‥‥‥」
「そうそう。
まあ、何よりあれなのよね。
あなたの中にある、その血が暴走しないように見張れって言われてまともにできる神なんて、わたしくらいしかいないからー」
えっへん、と空中に出来たよく分からない床?
それとも移動する空間と言うべきか。
その中でイフリーテは胸を張っていた。
「なんでイフリーテさんしか無理なんです?」
もうどうでもいいですよ、そう投げやりにアルフレッドは問いかけた。
「うーん、それはねー‥‥‥秘密」
「そう‥‥‥」
イフリーテは言えなかった。
数億年前。
多くの神々と対決し破れた一大文明があった。
その文明の最高傑作にして最強決戦兵器。
それが、自分だなんてことはー‥‥‥。
「ねえ、これからどうなるんですか?
俺の家族は?
アギスの親方は?」
「あら、ナターシャは心配じゃないの?」
「もう、それは関わらないって決めましたから‥‥‥」
「あっそう。
あっけないものね、恋愛なんて。
えーとねー‥‥‥シーナ様が言うには、あなたとあなたの家族。
で、アギスさん?
は、なんだっけ。
あ、そうだ。
王国の逃亡犯であるギース公爵令嬢ナターシャの捕縛に協力したことをエイジス連邦から感謝されてー‥‥‥なんだっけ?
爵位?
男爵だったかなー、ロンナル男爵?
そんなのを授与されるそうよ、あなたの一族は。
アギスさんはまた別のがあるって言ってたわね。
まあ、良かったんじゃない?」
「何が良かったんですか?
意味が分かりませんよ‥‥‥」
イフリーテは冷たい冷酷な声でアルフレッドに言ってのけた。
「恋人を売り渡して安泰な未来を得たんだから。
良かったじゃない、アルフレッド?」
と。
その言葉は、アルフレッドの胸に生涯に渡り鎖のように絡まって解けなかった。
アリアに竜王は互いにその意思はない、そういう方向性で大人の解決をはかっている頃。
「あららーそうなりましたかー。
さて、そうなるとねえ、アリア?
そろそろ、痴話げんかやめない?」
イフリーテに諭されて、自分も落ちたものだわ。
水の精霊女王はそう思いながら、
「痴話げんかじゃないわよ、こんな頼りない同じ女に二度も逃げられる竜なんてみっともなくて夫に迎え入れられるものですか!」
そう止めの一撃を刺し、竜王を撃沈させてからそれでどうなったの?
と、ナターシャたちのことをイフリーテに問いかけていた。
「うーん、そうねえ。
アルフレッドは去る決心をしたみたいよ?」
「なんでよ!?」
「だって、ナターシャは王国側の罪人で、偽造身分証明書を作って国境を破ったわけだし。
アルフレッドはそれを知って、自分の妻として迎え入れた形で身分証明書を作ってたでしょ?
いわば、逃亡幇助してるから、同じく罪人よね。
枢軸連邦であっても」
「そんなー‥‥‥」
絶句するアリアに、イフリーテは仕方ないわよ。
こればかりは神でもどうにもできないわねーと冷たい返事を返す。
それはどこまでも現実的で、人の世に神は干渉してはならない。
そんな意味も込められていた。
「なんだ、あいつは!?
あれだけ言っておきながら、それが結論か!?」
「竜王様ももう変な介入しないほうがいいですよー?
しつこいと嫌われますからね?」
「イフリーテに言われるとは‥‥‥」
しかし、そうなるとどうするんだ、これからは?
そんな竜王のぼやきに、炎の女神はニヤリと初めて見せる悪い笑顔をしてみせた。
「こんなに力の強い神が三人もいて枢軸連邦からエイジス連邦に揃って入るのに、来ない訳ないでしょ?
あの人が」
「いや待て!
そんなに都合よく‥‥‥」
竜王がそう言いかけた時だ。
船がそれまでとは違う動きを始めたことを彼等は感じていた。
それは進むというよりは、止まる、風に抗う。
そんな感覚に近い。
事実、五人が乗る飛空艇の数倍はある、エイジス連邦の戦艦タイプの飛空艇の下部搬入口が開き、空中で回収しようとし始めているところだったのだから‥‥‥
さて、聞いた話をどうしたものかしら。
エイジスの蒼い髪。
弁護官という移民を守り、その連邦内での活動を監視・補佐する立場の彼女は‥‥‥収容した飛空艇からやってきた三人の神と二人の少年少女の言い分を聞いて悩んでいた。
その名の通り、真っ青な髪をしたシーナ弁護官は、神々の秘宝と言われる魔眼をその瞳に宿している。
紅の宝石のようなその額にある第三の瞳は司書の魔眼といい、この世界にある全てのものを見通す能力をもっていた。
「まず言っておきますけど。
ナターシャ?
あなたは王国でも、枢軸でも、このエイジス連邦であっても罪人です。
その理由は簡単。
王国の罪人としての罪から逃げたことで手配書がまわっています。
枢軸連邦への国境を越えた罪。
そして、そのまま逃亡幇助をさせてここまで来た罪。
どれも、法的には罪からは逃れられない。
それは理解してるかしら?」
どこまで行っても自分は罪人‥‥‥逃れられない事実がナターシャを追い詰めていく。
竜王やアリアがその弁護を申し出るが、それもシーナの一にらみで一蹴されてしまう。
妖精王妃でもあり、(元かもしれないが)、さまざまな異世界を冒険しその智謀と勇気と行動力で各国の難題やある時は神族とも対等に渡り合ってきたこの稀代の冒険家はいまやどんな神も一目置く存在であり‥‥‥
「なんでそんなのがエイジスに出戻りしたんだ!!」
そうぼやく竜王はさらに叱責されていた。
「それと、過去に枢軸と王国と竜王様の契約に私が立ちあった件、確かに覚えています。
その証文もあるわ。
でもそれは無効なのよ、エバーグリーン様」
これは電撃的な発言だった。
誰もが夢が、希望が無くなった。
そう思ってしまった。
「だってね、王国はあなたが交わした国王と、その数代後で政権紛争があり時の王家は滅んだの。
あなた、覚えていないの?
カーティス、いえ、それは本名ね。
スナイダルと名乗っていた、あなたの親友を?
彼がエルフやその他の種族に助けを請い、あなたにもその連絡を出した時にはあなたはもう城の門を閉じていた。どうして、行かなかったの。
カーティスの代で、本来のグラン王国の正当王家は滅んでいるわ。
だから、無理なのよ。
過去に存在した国の約束の履行を迫っても、それは効力をなさないわ」
「なんと!?
そんなことは、わたしは何もーー」
「知らなくて寝ていたから。
もういいわ、あなたはあの神殿に入るなという禁忌すら破ったし。
ここでの発言権はないわね」
自分が親友の危機を見過ごしていたー‥‥‥。
その事実に竜王は涙し、もう何も言えなかった。
だけど、とシーナはナターシャに向かいまだ方法はあるわよ?
そう告げる。
「ダイナル王国からの武官としてゼイルード子爵様がいらしているの。
彼が今回の件について大いに興味があるそうよ?
あなたは彼に引き渡します」
人斬りゼイルード?
そんな、あの鮮血子爵に手渡されたら自分に待っているのは死、それだけだ。
ナターシャはアルフレッドは竜王に助けを求めるが――
「なんで、動いていない‥‥‥!?
シーナ様、何を!?」
はあ、とシーナはため息をつく。
「あなたを守ろうとされたら、その三神だけでも厄介なのに。
その少年の中には、まったく。
こんなに近くに、ヤンギガルブの血筋がいるなんて。
まあ、いいわ。いまは時間の流れからわたしとあなたを少しばかり切り離しているの。
ねえ、ナターシャ。
わたしとある契約をしない?
それを守るなら、あなたにもいいことが起こるようにしてあげるわ?」
契約?
その言葉にはなにか悪魔的な魅惑の響きがあった。
だが、アルフレッドもその家族も助けてあげれるわよ?
そう言われた時、ナターシャは内容も聞かずにうなづいていた。
「行っちゃったわねー‥‥‥」
のんびりとした声でイフリーテに言われて、アルフレッドは気落ちしたように肩を落としてその側に座り込んでいた。
アリアに竜王、ナターシャはあの巨大なエイジス連邦の戦艦に収容されたまま連行されていく。
「いいんですか?」
「なにがー?」
「主人、あの中にいますよ?」
「ああ、それね。
眷属ってのは単なる建前だからーいいのよ。
これからはわたしたちには関係ない世界だし」
「そうですか‥‥‥」
「そうそう。
まあ、何よりあれなのよね。
あなたの中にある、その血が暴走しないように見張れって言われてまともにできる神なんて、わたしくらいしかいないからー」
えっへん、と空中に出来たよく分からない床?
それとも移動する空間と言うべきか。
その中でイフリーテは胸を張っていた。
「なんでイフリーテさんしか無理なんです?」
もうどうでもいいですよ、そう投げやりにアルフレッドは問いかけた。
「うーん、それはねー‥‥‥秘密」
「そう‥‥‥」
イフリーテは言えなかった。
数億年前。
多くの神々と対決し破れた一大文明があった。
その文明の最高傑作にして最強決戦兵器。
それが、自分だなんてことはー‥‥‥。
「ねえ、これからどうなるんですか?
俺の家族は?
アギスの親方は?」
「あら、ナターシャは心配じゃないの?」
「もう、それは関わらないって決めましたから‥‥‥」
「あっそう。
あっけないものね、恋愛なんて。
えーとねー‥‥‥シーナ様が言うには、あなたとあなたの家族。
で、アギスさん?
は、なんだっけ。
あ、そうだ。
王国の逃亡犯であるギース公爵令嬢ナターシャの捕縛に協力したことをエイジス連邦から感謝されてー‥‥‥なんだっけ?
爵位?
男爵だったかなー、ロンナル男爵?
そんなのを授与されるそうよ、あなたの一族は。
アギスさんはまた別のがあるって言ってたわね。
まあ、良かったんじゃない?」
「何が良かったんですか?
意味が分かりませんよ‥‥‥」
イフリーテは冷たい冷酷な声でアルフレッドに言ってのけた。
「恋人を売り渡して安泰な未来を得たんだから。
良かったじゃない、アルフレッド?」
と。
その言葉は、アルフレッドの胸に生涯に渡り鎖のように絡まって解けなかった。
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