NTRれ請け負います。なぜか標的が彼女になった件。

星ふくろう

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第一章

9

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 その夜。
 ゆかからの返信がないまま、ヒロキは例の師匠と画面を繋げて話をしていた。
 簡単な概略図を先に師匠に送信してからの打ち合わせだった。
「よう、ヒロキ。
 で、どうだった?」
 師匠はFXや株式、仮想通貨などのトレーダーだ。
 夜通し相場に張り付いて仮眠だけだったらしい。
 眠たそうな顔をしていた。
「大丈夫ですか、師匠?
 すげー眠そうですが‥‥‥」
 画面の向こうでプリントアウトしたらしい紙を眺めている彼がいた。
「まあ、問題ない。
 で、なんだこれ?
 どういうことだ?」
 まあ、分かりにくいですよね。
 そうヒロキは思いながら返事をする。
「つまりですね、

 投稿M女=せいら これは正解なんすよ。
 ハヤテ君の妻=ゆか これもLineIDで言えば正解です」
「まあ、インスタの画像とか添付してきてたなお前。
 あれを見る限りでは、うーん?
 この
 ゆか=かなた。
 これは妊娠線とかでわからん‥‥‥な。
 投稿画像がせいらのものなら、妊娠線は、いや待てよ?
 画像からは腹がでてる時期があるな。
 これ、姉妹で二人でやってる可能性はないのか?」
「二人で?」
「だから、前半は姉で。
 妊娠期間中はあまりできねーだろ?
 それで妹を出した、とかさ」
「あー‥‥‥交代劇ですか。
 それは思いつかなった」
「お前、たまに素直だよね?
 まあいいけどな。で、それで言うなら逆もあり得るぞ?」
 逆、どういうことだ?
 師匠の頭の回転の速さにヒロキはついていけない。
「だからな、両方に産ませてる可能性がある。
 もしくは、片方が流産とかな。
 で、お前の会社の寮どうこうだが。
 これはわからんな。
 会社に拠るわー、これ。
 元本物さんでも、ちゃんと働けば雇うとこも物流系には多いからな。
 これだけでは何とも言えん。
 で、返事は来たのか?」
 ああ、ゆかからのやつか。
「いえ、まだですね。
 既読はついてんすけど」
「そりゃー売上の半分以上は店のだからな。
 個人でやりたがるのは多い。
 でも複数在席とか、こんなあからさまにやってたらなあ。
 まあ、裏にいる人らにもよるが。
 もう長いって言ってたか?」
「いえ、それは聞いてないです。
 サービス最悪すぎて」
「お前‥‥‥数万払ってその程度のネタしか拾えないのかよ。
 あきれたやつだなーー」
 そりゃ師匠みたいにいろんな世界知ってればそうなるでしょうけど‥‥‥
 そうヒロキは心でぼやいた。
 しかし、画面向こうの彼はそんなことはお見通しだったらしい。
「まあ、それならこっちも倍額だしてやれよ」
「へ?
 倍額???」
「だからな?
 個人で会うって言っても店より吹っ掛けたらすぐにばれるし誰も使わねーだろ?」
「まあ、そう、です‥‥‥ね」
 多分、以前みたいに会っていた時期ならあの堅い拳が頭に飛んできてるはずだ。
 あれ、痛いんだよな。
 堅い石みたいでさ。拳だこありまくりだもんな、この人。
 そんな懐かしい過去を思い出していた時だ。
 悩んでいた彼がとりあえず、と言い出した。
「まず、昨日の倍の時間で予約してやれ。
 見てみたら十九時から出勤になってる。
 それでだ。店、潰して来い」
「はあ?
 あ、いやすんません。
 俺、師匠みたいに喧嘩強くないです」
 彼は呆れたように言う。
「俺も強くねーよ。
 カードだ。
 前に作らせたろ、無記名で使えるVIZAのカード。
 仮想通貨で入金したら、VIZAマークあればどこでも使えるやつ」
「カード???
 あの、個人情報とかいらなくてアプリをスマホに落としたらそのまま使えるやつですか?」
「そうだよ、それを使え。
 あれなら、アプリ会社名のサインだけで済む」
 え、でもそれでどうやって潰す、と‥‥‥???
 ヒロキの頭の中には疑問符が流れてきた。
「ああいった風俗やお水系列の店は、大抵、手数料取るんだ。
 だが、それは違法なんだよ。
 先に精算求めてくるから、その時にどうせ、手数料の話もでるだろ。
 それはオーケーしてやれ。
 で、ゆかに昨日の倍の時間割いて今度はいろいろ聞いて来いよ」
「え、でも師匠。俺そんなに仮想通貨持ってないですよ?
 送金しようにも最低1日はかかるし‥‥‥」
「これだろ、お前のカードの受信アドレス?」
 そう、向こうから見せつけられた数桁の数字と記号の羅列。
 スマホアプリを起動して、それを確認ーー
「なんで知ってるんですか!?」
「お前、アホか?
 教えた時に送金テストしただろ?
 もう送金しといたからそれ使え。
 でだ、明日になったらカード会社。VIZAの方な?
 そこに電話して、このカード番号でこの店でこの領収書ですって。
 画像ごとサービスセンターに送信してやれ。即日、店側のカード端末差し押さえに行くからよ。
 やつらは」
「いや、師匠。
 それ恐いんですけど、なんですか、この百万相当って!?」
 彼は不敵に笑ってみせた。
「たまに連絡寄越した褒美だ。
 このバカ弟子が。
 なんでそのせいらが気になったんだ?」
「そ、それはー‥‥‥」
「お前の方がロリコンだな?
 可哀想って思うなら救い出せ。
 好きだと思うなら助けに行け。ただし、同情や憐みで動いたら、怪我するけどな?
 そうしたい、好きだって思うならそれ使え。
 もう恐いなら、ここでやめとけ。それは返さなくていい。
 で、俺も大阪だからな?
 週末の夜は空けとけよ?
 殴るから」
 いや、その拳が本当に怖いです、師匠。
 ヒロキはかなに店で倍の時間で会うよ。
 そう送信した後に、手帳に金曜日。夜、師匠と会食。
 そう書き込んだ。

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