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第一章
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ハーミアが宿を後にする、約二日前――
神聖アーハンルド王国。
かつては西の大陸エゼア全域を支配したラスディア帝国の海洋城塞都市が、帝国の滑落と解体により誕生した衛星国家の一つである。
過去には太陽神アギトを奉じたこともあったが、いまは竜神アルバスの庇護のもと繁栄の一歩を歩んでいた。
そんな、陽気な初夏のある日。
平和な青空には数羽の渡り鳥がいきかいっている。
人口六万に満たないこの小国を揺るがすことになる神託が下ったのだった。
竜神の大神殿と、法王庁を持つこの国には大陸内外を含めて、すでに数百の支店である神殿がある。
本店の大神殿ですらも神官だけで三百はくだらない。
それに加えて、王国とはべつの指揮命令系統を持つ、神殿直轄の聖騎士団が二千。
国王以下の貴族だけで数千と、人口の二割にちかい特権階級がいるのだから‥‥‥。
神殿及び、法王庁の財政が苦しくなるのも仕方ないというものだ。
法王は、その座する法王庁の執務室で新たな難問に頭を痛めていた。
「ええ‥‥‥。
まさかーほんとう?」
四角い顔にヒゲをはやし、でっぷりと太った法王猊下ルスティカ三世。
彼は顔よりもおおきい長方形の帽子を後ろに落としそうになり、ほとほと困り果てている様子だった。
黒く艶々としたまだ生え際も後退していない髪を後ろ手に撫でつけて、若い頃は武装神官として各地で魔族との戦いに明け暮れた彼も、この十年は神殿内の政権闘争に明け暮れその腹を育てられるほどには平和だった昨今。
‥‥‥ようやく法王のイスを手にしてさあ、これから我が世の春と思っていたところにやってきた、青天のへきれきだった。
「ほんとうです、猊下。
あれがそれはもう、みごとに。
綺麗ですんだ鐘がなりましてよ?」
と秘書官が進言してきたそれを、うるさいんだよもう、とぼやきながら法皇はためいきをつく。
「鳴っちゃったんだ?」
「はい‥‥‥鳴ってしまわれたのです」
鳴ったというのは、この大神殿に設置されている神託がくだるときに鳴る合図の鐘である。
「どうするのさ、エレンちゃんー?
なんで僕が法王になったその年になるわけ?」
「猊下‥‥‥ちゃんは、おやめください」
まだ若い二十六歳。
女官から、法王の愛人になり、のぼりつめた法王の直下に位置する、数ある神官長の最上位職の一つ。
一等秘書官を務めるエレン女官長は困った顔をしていた。
その紅い豊かな髪と豊満な胸を強調する青い神官衣に身をつつんで、エレン女官長はどうします? と椅子にすわるルスティカ三世をその机の前に立ち、困りましたわね猊下? と相槌をうっていた。
「ふうん‥‥‥困ったなあ。
もうね、いっぱいいっぱいなんだよ、いまね?
わかるでしょ?
あたらしく聖女を雇う資金なんてないんだよ!?」
「そうは言われましても、まさかあの鐘がなるとは誰もおもいませんよ、猊下。
なにがしかの神託かとおもいきや、まさかの聖女認定の鐘だったなんて‥‥‥」
「そうだよねえ‥‥‥。
だって、定員。
あ、そうだ。
ねえ、エレンちゃん?
誰かこう、ぽっくり逝ったとか、は‥‥‥?」
ありません、とエレン女官長はくびをよこに振った。
「いないんだ‥‥‥」
「いないんです。
とはいえ、鐘がなったのは昨夜です。
それから今まで、誰かが他界したという可能性も‥‥‥」
「あると思うの、それ?」
難しいですねえ、そう、エレン女官長はまたしても首を振る。
鐘がなるというのは、普段は神託ないしはあたらしい職が決まる。
つまり、新たな聖職者の誕生を意味する。
それもただの聖職者ではない。
「竜神様の意をじざいに介する、聖女。
でもねーエレン女官長?
聖女があの数ってのは、ちょっと問題あると思いませんか?」
もう嫌になるよ、と。
ああ‥‥‥なんて、大きくため息をつく、ルスティカ三世。
それもそうで、勇者は神一神につき、一人だ。
もちろん、神も竜神だけではないから他の神の神殿から選ばれるわけであり、勇者だけならまだ、経費はかからない。
しかし、聖女。
これだけは‥‥‥違うのだ。
「だって、猊下?
決められたのは初代の法王猊下ですから、ねえ?
誰ですか、女官に任せておけばいい仕事を、当時は帝国が全盛期だからって。
役割分担を細かくすることを竜神様に願い出たら‥‥‥」
「そう、まさかの。
まさかの!!
認められたんだよねえ‥‥‥。
僕もう、嫌になっちゃうよ。
だってさあ?
人数、百八人だよ?
初代の法王様ってさ、聖女の数増やせばその分、お布施も増えるじゃん?
だからそれをしたんじゃないのかなって思うんだよね」
まるでどこかの東の国の宗教みたいじゃない。
百八の煩悩ならぬ、百八の聖女。
帝国がたおれたあと、大陸にあったかつての領土は分割され‥‥‥。
「いまでは神殿の財政をあっぱくする、とんでもないことになってますからねえ。
どこの国もお布施どころか、聖女なんて要りませんって国も多いですし。
魔族に対抗するのも、武装神官や聖騎士団でどうにかなりはじめましたから。
‥‥‥エレン、神殿やめようかしら」
「いやそれはないでしょう、エレンちゃん?
ここまで二人で、二人三脚で頑張って頂点までのぼりつめたんじゃない」
ほら、ね?
ここ、頂点。
そう言い、ルスティカ三世は自分の被っている法帽と椅子を指差した。
「だって、公爵様が。
王国の財務大臣のブルーゲル公爵様、お金持ちなんですよ?
奥様がいるからそんなに可愛がってやれないけどって‥‥‥エレン、寂しい」
「あのね、寂しいって。
君、僕の女でしょー」
「まだ、断ってますから。
しっかりしてくれないと、猊下とはさよならかもしれません、ね?」
「そんなあ‥‥‥」
情けない声をだすルスティカ三世をふいっと袖にして、これでも王立学院を首席で卒業した切れ者であるエレン女官長は、はいこれ、と。
ルスティカ三世に、法王の印璽を押印するように促していた。
「はあ‥‥‥まさかの。
百九人目の‥‥‥聖女!?
しかも、名前がまた‥‥‥」
「聖女のだれかが死ぬか引退したら消えるクリスタルのあかりはまだ全部、灯いてますから仕方ないですねルスティカちゃん?
でも、この名前。
なにかの暗示なのかしら‥‥‥」
法王はそれを言われて、書面から顔を上げた。
やっぱりそう思うか?
そんな面持ちだった。
神聖アーハンルド王国。
かつては西の大陸エゼア全域を支配したラスディア帝国の海洋城塞都市が、帝国の滑落と解体により誕生した衛星国家の一つである。
過去には太陽神アギトを奉じたこともあったが、いまは竜神アルバスの庇護のもと繁栄の一歩を歩んでいた。
そんな、陽気な初夏のある日。
平和な青空には数羽の渡り鳥がいきかいっている。
人口六万に満たないこの小国を揺るがすことになる神託が下ったのだった。
竜神の大神殿と、法王庁を持つこの国には大陸内外を含めて、すでに数百の支店である神殿がある。
本店の大神殿ですらも神官だけで三百はくだらない。
それに加えて、王国とはべつの指揮命令系統を持つ、神殿直轄の聖騎士団が二千。
国王以下の貴族だけで数千と、人口の二割にちかい特権階級がいるのだから‥‥‥。
神殿及び、法王庁の財政が苦しくなるのも仕方ないというものだ。
法王は、その座する法王庁の執務室で新たな難問に頭を痛めていた。
「ええ‥‥‥。
まさかーほんとう?」
四角い顔にヒゲをはやし、でっぷりと太った法王猊下ルスティカ三世。
彼は顔よりもおおきい長方形の帽子を後ろに落としそうになり、ほとほと困り果てている様子だった。
黒く艶々としたまだ生え際も後退していない髪を後ろ手に撫でつけて、若い頃は武装神官として各地で魔族との戦いに明け暮れた彼も、この十年は神殿内の政権闘争に明け暮れその腹を育てられるほどには平和だった昨今。
‥‥‥ようやく法王のイスを手にしてさあ、これから我が世の春と思っていたところにやってきた、青天のへきれきだった。
「ほんとうです、猊下。
あれがそれはもう、みごとに。
綺麗ですんだ鐘がなりましてよ?」
と秘書官が進言してきたそれを、うるさいんだよもう、とぼやきながら法皇はためいきをつく。
「鳴っちゃったんだ?」
「はい‥‥‥鳴ってしまわれたのです」
鳴ったというのは、この大神殿に設置されている神託がくだるときに鳴る合図の鐘である。
「どうするのさ、エレンちゃんー?
なんで僕が法王になったその年になるわけ?」
「猊下‥‥‥ちゃんは、おやめください」
まだ若い二十六歳。
女官から、法王の愛人になり、のぼりつめた法王の直下に位置する、数ある神官長の最上位職の一つ。
一等秘書官を務めるエレン女官長は困った顔をしていた。
その紅い豊かな髪と豊満な胸を強調する青い神官衣に身をつつんで、エレン女官長はどうします? と椅子にすわるルスティカ三世をその机の前に立ち、困りましたわね猊下? と相槌をうっていた。
「ふうん‥‥‥困ったなあ。
もうね、いっぱいいっぱいなんだよ、いまね?
わかるでしょ?
あたらしく聖女を雇う資金なんてないんだよ!?」
「そうは言われましても、まさかあの鐘がなるとは誰もおもいませんよ、猊下。
なにがしかの神託かとおもいきや、まさかの聖女認定の鐘だったなんて‥‥‥」
「そうだよねえ‥‥‥。
だって、定員。
あ、そうだ。
ねえ、エレンちゃん?
誰かこう、ぽっくり逝ったとか、は‥‥‥?」
ありません、とエレン女官長はくびをよこに振った。
「いないんだ‥‥‥」
「いないんです。
とはいえ、鐘がなったのは昨夜です。
それから今まで、誰かが他界したという可能性も‥‥‥」
「あると思うの、それ?」
難しいですねえ、そう、エレン女官長はまたしても首を振る。
鐘がなるというのは、普段は神託ないしはあたらしい職が決まる。
つまり、新たな聖職者の誕生を意味する。
それもただの聖職者ではない。
「竜神様の意をじざいに介する、聖女。
でもねーエレン女官長?
聖女があの数ってのは、ちょっと問題あると思いませんか?」
もう嫌になるよ、と。
ああ‥‥‥なんて、大きくため息をつく、ルスティカ三世。
それもそうで、勇者は神一神につき、一人だ。
もちろん、神も竜神だけではないから他の神の神殿から選ばれるわけであり、勇者だけならまだ、経費はかからない。
しかし、聖女。
これだけは‥‥‥違うのだ。
「だって、猊下?
決められたのは初代の法王猊下ですから、ねえ?
誰ですか、女官に任せておけばいい仕事を、当時は帝国が全盛期だからって。
役割分担を細かくすることを竜神様に願い出たら‥‥‥」
「そう、まさかの。
まさかの!!
認められたんだよねえ‥‥‥。
僕もう、嫌になっちゃうよ。
だってさあ?
人数、百八人だよ?
初代の法王様ってさ、聖女の数増やせばその分、お布施も増えるじゃん?
だからそれをしたんじゃないのかなって思うんだよね」
まるでどこかの東の国の宗教みたいじゃない。
百八の煩悩ならぬ、百八の聖女。
帝国がたおれたあと、大陸にあったかつての領土は分割され‥‥‥。
「いまでは神殿の財政をあっぱくする、とんでもないことになってますからねえ。
どこの国もお布施どころか、聖女なんて要りませんって国も多いですし。
魔族に対抗するのも、武装神官や聖騎士団でどうにかなりはじめましたから。
‥‥‥エレン、神殿やめようかしら」
「いやそれはないでしょう、エレンちゃん?
ここまで二人で、二人三脚で頑張って頂点までのぼりつめたんじゃない」
ほら、ね?
ここ、頂点。
そう言い、ルスティカ三世は自分の被っている法帽と椅子を指差した。
「だって、公爵様が。
王国の財務大臣のブルーゲル公爵様、お金持ちなんですよ?
奥様がいるからそんなに可愛がってやれないけどって‥‥‥エレン、寂しい」
「あのね、寂しいって。
君、僕の女でしょー」
「まだ、断ってますから。
しっかりしてくれないと、猊下とはさよならかもしれません、ね?」
「そんなあ‥‥‥」
情けない声をだすルスティカ三世をふいっと袖にして、これでも王立学院を首席で卒業した切れ者であるエレン女官長は、はいこれ、と。
ルスティカ三世に、法王の印璽を押印するように促していた。
「はあ‥‥‥まさかの。
百九人目の‥‥‥聖女!?
しかも、名前がまた‥‥‥」
「聖女のだれかが死ぬか引退したら消えるクリスタルのあかりはまだ全部、灯いてますから仕方ないですねルスティカちゃん?
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なにかの暗示なのかしら‥‥‥」
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