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第二章 ダンジョンの死霊術師
卑劣な朱色のパーティ
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「質問なんだが、あー‥‥‥リーファさん?」
「私に何か御用??」
「俺はまだ日が浅いんだ。
ギルドに登録したのもそうだし、この地下世界に降りてくるなんて地上世界の連中は二の足を踏む。
金が欲しかったから受けたんだ、あと、物珍しさもあった。
で、質問だ。
地下世界じゃ、そうやって死んだ仲間を酷使して、遺体を引きずって戻るのが死者への‥‥‥なんだ?
ああ、そう。
冒涜じゃなく、手向けのなにかになるような、そんな美徳の習慣でもあるのか?」
「美徳‥‥‥ぅ?」
「そう、死者を葬送するのにそんな習慣でもあるのかと思ってな。そうでもないのか?」
「それは‥‥‥」
口ごもるリーファ。
その会話を遮るようにアーレンがどうでもいいだろう、と口をはさんでくる。
ま、ないんだよな?
あるわけないよな、そんな習慣。
敗北して死んだ負け犬に罰を与えるとか、周囲に見せしめにする以外に考えられない。
あとは‥‥‥まあ、いいか。
「そうだな、どうでもいいな。すまない、見知らぬ土地のことに口をはさんだようだ。で、俺はどうすればいいと?」
「だから、こいつらを甦らせてくれ。そう言ってるだろ?」
「いや、だから。蘇生は出来ない。再生はできるが、媒体がないから反魂はそうだな‥‥‥なにか元がいるな」
「どういうことだ? 神官のように復活させれるんじゃないのか?」
「死霊術はそういった神格のある存在から力を借りて蘇生させるんじゃないんだ。第一、神官や魔族の復活――死んだ者を再生させるのは本当には生き返っていないんだよ、意味わかるかな?」
「生き返っていない? だが、俺の仲間は何人もそれで再生したりしてるぞ?」
まあ、その違いは理解出来ないだろうな。
神の領域の話になるのだから、正しい理解をしている神官がいることがおかしい。
存在のレベル自体が低い存在に、高位の存在が、その力の使い方を教えることはまずないからだ。
教えれば――それは、高位の誰かを討ち滅ぼす手段になりかねない。
「まあ、とりあえずきちんと反魂までするならなにか代償がいる。 それはどうするつもりだ?」
「反魂? それと再生とどう違うの反魂と蘇生まで含めての再生でしょう?」
「‥‥‥まあ、そういう考えならそれでもいいよ」
「何言ってるの? あなた本当に死霊術師? 私が学んだ死霊術とは似ても似つかない‥‥‥」
「どういうことだ、リーファ? こいつは偽物ってことか?」
全くもってこのパーティは早計なやつばかりだ。
アーチャーは心で苦笑していた。
地上世界から来たばかりだって言ったらこれだ。
地下と地上が隔絶されてどれだけの年月が経過したと思っているんだよ。
そりゃ、考え方が変われば魔術の体系だって変わるだろう?
最も――彼らの持っている認識は間違いだらけだが。
「おいおい‥‥‥考えてくれよ。地上にはほら――」
アーチャーはそう言い、天高く輝く地下世界の太陽を指し示す。
「太陽は一つだが、月は三つ。それ以外にも無数の星々がある。だが、この地下世界には太陽が一つ、月は二つだけだ。ある意味、ここは別世界なんだぞ? 違いがあって当然だとは思わないのか?
魔法の形式だって異なっててもおかしくないだろ?」
「あ‥‥‥、それは確かに‥‥‥あり得るかもしれないわね」
「そう――なの、か? なら、どうすればいい? こいつらを自力で立たせてパルドのある場所まで連れて行きたいんだ」
「ある場所? だがこの子たち‥‥‥でいいのか? 二人とも生き返ったとしても――そう長くは生きれないぞ?」
「寿命が近いとそういうことか!?」
「うーん‥‥‥寿命はまだまだあるが、そもそも運命ってものが存在しないからな。各個人が生まれながらにもっている‥‥‥そう、コップを人間一人一人の寿命だとするだろ? そこには最初から満杯にまで水が入ってる。でも、生き方でそれは早くなくなったり、増やすことはできなくても減る速度を遅くしたりはできるんだ。それが寿命なんて、呼ばれているものの正体さ。この二人はその水を使い果たす寸前なんだよ。最後にはそれだけ残して命を散らしている」
「前置きはいい。どうすれば運べる? 動かせる?」
そうだなあ。
生贄が二人分もあれば――蘇生どころか再生まで完璧にして新たな人生をこの獣人たちに与えることができる。ちょうど今、この場には生きている人間が三人。
二人程度、命を散らしても文句は出なさそうだが‥‥‥抵抗されてもめんどくさい。
「例えばだが、あんたたちが退治したっていう魔物の魔石はどこにある? あれがそうだな、大型の獣なら二匹分もあれば‥‥‥蘇生程度は可能かもな」
「魔石? 大型獣なら――あの塔の外壁付近にあるが‥‥‥。ここにはないな」
「無い? だが、俺には魔石の反応が感じれるがな?
その、あんただリーファ? あんたが持つそのリュックから大きな反応を感じるけどな。そもそも、この二人はどうやって死んだんだ? あんたたち、よくよく見れば――随分と怪我が少ないな? そこのレズロか? 見た感じ、足に大怪我を負っているように思うんだがどうやって回復したんだ? どうしてそれをこの子たちに使わない? 何より、その魔石があれば――」
魔女なら最低限の回復魔法か蘇生魔法が使えるだろう?
仲間を大事に思うならどうして使わない?
そう、一方的に畳みかけるアーチャーに、三人は警戒を強めていた。
「私に何か御用??」
「俺はまだ日が浅いんだ。
ギルドに登録したのもそうだし、この地下世界に降りてくるなんて地上世界の連中は二の足を踏む。
金が欲しかったから受けたんだ、あと、物珍しさもあった。
で、質問だ。
地下世界じゃ、そうやって死んだ仲間を酷使して、遺体を引きずって戻るのが死者への‥‥‥なんだ?
ああ、そう。
冒涜じゃなく、手向けのなにかになるような、そんな美徳の習慣でもあるのか?」
「美徳‥‥‥ぅ?」
「そう、死者を葬送するのにそんな習慣でもあるのかと思ってな。そうでもないのか?」
「それは‥‥‥」
口ごもるリーファ。
その会話を遮るようにアーレンがどうでもいいだろう、と口をはさんでくる。
ま、ないんだよな?
あるわけないよな、そんな習慣。
敗北して死んだ負け犬に罰を与えるとか、周囲に見せしめにする以外に考えられない。
あとは‥‥‥まあ、いいか。
「そうだな、どうでもいいな。すまない、見知らぬ土地のことに口をはさんだようだ。で、俺はどうすればいいと?」
「だから、こいつらを甦らせてくれ。そう言ってるだろ?」
「いや、だから。蘇生は出来ない。再生はできるが、媒体がないから反魂はそうだな‥‥‥なにか元がいるな」
「どういうことだ? 神官のように復活させれるんじゃないのか?」
「死霊術はそういった神格のある存在から力を借りて蘇生させるんじゃないんだ。第一、神官や魔族の復活――死んだ者を再生させるのは本当には生き返っていないんだよ、意味わかるかな?」
「生き返っていない? だが、俺の仲間は何人もそれで再生したりしてるぞ?」
まあ、その違いは理解出来ないだろうな。
神の領域の話になるのだから、正しい理解をしている神官がいることがおかしい。
存在のレベル自体が低い存在に、高位の存在が、その力の使い方を教えることはまずないからだ。
教えれば――それは、高位の誰かを討ち滅ぼす手段になりかねない。
「まあ、とりあえずきちんと反魂までするならなにか代償がいる。 それはどうするつもりだ?」
「反魂? それと再生とどう違うの反魂と蘇生まで含めての再生でしょう?」
「‥‥‥まあ、そういう考えならそれでもいいよ」
「何言ってるの? あなた本当に死霊術師? 私が学んだ死霊術とは似ても似つかない‥‥‥」
「どういうことだ、リーファ? こいつは偽物ってことか?」
全くもってこのパーティは早計なやつばかりだ。
アーチャーは心で苦笑していた。
地上世界から来たばかりだって言ったらこれだ。
地下と地上が隔絶されてどれだけの年月が経過したと思っているんだよ。
そりゃ、考え方が変われば魔術の体系だって変わるだろう?
最も――彼らの持っている認識は間違いだらけだが。
「おいおい‥‥‥考えてくれよ。地上にはほら――」
アーチャーはそう言い、天高く輝く地下世界の太陽を指し示す。
「太陽は一つだが、月は三つ。それ以外にも無数の星々がある。だが、この地下世界には太陽が一つ、月は二つだけだ。ある意味、ここは別世界なんだぞ? 違いがあって当然だとは思わないのか?
魔法の形式だって異なっててもおかしくないだろ?」
「あ‥‥‥、それは確かに‥‥‥あり得るかもしれないわね」
「そう――なの、か? なら、どうすればいい? こいつらを自力で立たせてパルドのある場所まで連れて行きたいんだ」
「ある場所? だがこの子たち‥‥‥でいいのか? 二人とも生き返ったとしても――そう長くは生きれないぞ?」
「寿命が近いとそういうことか!?」
「うーん‥‥‥寿命はまだまだあるが、そもそも運命ってものが存在しないからな。各個人が生まれながらにもっている‥‥‥そう、コップを人間一人一人の寿命だとするだろ? そこには最初から満杯にまで水が入ってる。でも、生き方でそれは早くなくなったり、増やすことはできなくても減る速度を遅くしたりはできるんだ。それが寿命なんて、呼ばれているものの正体さ。この二人はその水を使い果たす寸前なんだよ。最後にはそれだけ残して命を散らしている」
「前置きはいい。どうすれば運べる? 動かせる?」
そうだなあ。
生贄が二人分もあれば――蘇生どころか再生まで完璧にして新たな人生をこの獣人たちに与えることができる。ちょうど今、この場には生きている人間が三人。
二人程度、命を散らしても文句は出なさそうだが‥‥‥抵抗されてもめんどくさい。
「例えばだが、あんたたちが退治したっていう魔物の魔石はどこにある? あれがそうだな、大型の獣なら二匹分もあれば‥‥‥蘇生程度は可能かもな」
「魔石? 大型獣なら――あの塔の外壁付近にあるが‥‥‥。ここにはないな」
「無い? だが、俺には魔石の反応が感じれるがな?
その、あんただリーファ? あんたが持つそのリュックから大きな反応を感じるけどな。そもそも、この二人はどうやって死んだんだ? あんたたち、よくよく見れば――随分と怪我が少ないな? そこのレズロか? 見た感じ、足に大怪我を負っているように思うんだがどうやって回復したんだ? どうしてそれをこの子たちに使わない? 何より、その魔石があれば――」
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