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第一部 朔月の魔女
救いようのない英雄は困りものです‥‥‥2
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あれ、わたし死んだはずじゃあ‥‥‥???
シェイラは目を閉じる暇もなく踊り狂う火焔の舞踏会に目を見張っていた。
綺麗――
その速度と妖艶な輝きは危険と頭では理解していても、惹き付けられてしまうものがある。
始祖たちが太陽に憧れ、月に慟哭したようにシェイラもまた、自分たちに夜の闇を払いのける強さを与えてくれたその偉大なる象徴に引き寄せれられてしまいそうになっていた。
意識するまでもなく、その方向に一歩。
そうっと足を踏み入れて生きては戻れない世界に入り込もうとしていく聖女を止めたのは、やはり黒い尾だった。
「魔に魅入られるな。
力に溺れるな。
欲望の奏でる声に耳を傾けるな。
意味は分かるな?」
「サク‥‥‥様。
なぜ、わたしは生きているのですか?」
彼の言葉は脳裏に響き、歩き出そうとしてもそれ以上は先に進めない。
まるで地面に影ごと足の裏が縫い付けられたように固まっていた。
炎の輝きにより、影などないほどにあたりは深淵な光と熱の狂乱と化しているのに‥‥‥
なぜ、わたしは無事なの?
「生きているから、生きているのだろう?
力を貸し与えたまま放置して帰る神ほど、無責任の極みだな」
「無責任‥‥‥まるでアギト様に対する嫌味のようですわ、サク様。
数代前の聖女は国王の依頼で敵軍数万を焼き尽くそうとしましたが、最後は己もその力に負けて焼失し、炭と化したとか。
大いなる力を扱うには、大いなる犠牲もまた付き物と、そういうことでしょうか?」
黒狼は影のなかで高らかに笑っていた。
お前はつくづく、面白い聖女だ、と。
シェイラはその意味が理解出来ない。
首を傾げてまだ若い少女はその意味を探ろうとするが、どうもどこかで馬鹿にされているような気もしないでない。
まだ笑っていらっしゃるなんて、酷い御人ですねサク様。
そう、少しばかり不機嫌になってしまった。
「すまぬな、まあ、許せ。
なぜ、使えるはずの力を与えたのに、炭になったと思う?
簡単だ、その始末の方法を知らなんだからよ。
火を起こせても、消す作法を知らなければ火は燃料がある限り燃え続けるだろう。
その燃料に自らがなってしまうからだ。
それを止める方法を教えなかったアギトにも責任はある。
そういう話だ。
だからいま止めただろう?
お前の力は俺の与えた力。
まあ、時間をかけて覚えるがいい。
さて、何が見える?」
「何と言われましても‥‥‥部屋奥の城壁が溶け堕ちてまるで、飴細工のようになっております。
一部はガラスのように輝き‥‥‥恐ろしい光景に。
炎と煙、そして途方もない音がどこかに叫びを上げながら走っていきました。
両端のうち、隣室との壁は炭となりー‥‥‥。
王子とエリカの、あーあ。
わたしの寝るはずだったあの豪華な天蓋のベッドが‥‥‥ひっくり返って消し炭のように真っ黒に。
新婚の調度品に化粧台、ああ‥‥‥衣装ダンスまで。
全部、消し飛んでしまいました‥‥‥」
シェイラの脳裏にあれが良い、これは嫌だとさんざんこの時だけは許してもらおうと夫にわがままを言って買って貰ったお気に入りの品々が‥‥‥まるで、これで縁が綺麗に切れてさっぱりしただろ?
そうとでも言わんばかりに焼けてしまい、見る影も無くなっていた。
「ふん。
良かったではないか。
これで離縁もゆるゆると進むというものだ」
「離縁って、サク様!?
まだ、いいえ――たった一晩だけの王太子妃など、良い笑いものですわ。
一族郎党、どうなることやら‥‥‥」
妙に心配性な聖女だな?
サクはまた小刻みに笑いだした。
シェイラには聞こえないように影の中だけで。
こいつは我が一族の姫とよく似ている。
何かをして心配し、後になってもそれを悔いている。
まあ、あいつはその割にはまるで女らしくない現実主義者だったが。
しばらく会っていない彼女のことを思い出して、サクはさて、俺はどうするかな?
そう考えていた。
「で、その犯人はどこにいるのだ?
お前の夫とその浮気相手とは?」
「‥‥‥さあ?
わかりかねますー‥‥‥焼いてしまったのかも」
「かもしれんな。
しかし、あのベッド。
室内がこの惨事なのに、姿をとどめているのも妙な話ではないか?」
そう言われてみれば、確かに。
爆風で煽られて傾き裏表反対になったとしても‥‥‥そんなに耐火性が強かっただろうか?
あのベッド。
ああ、わたしの天蓋。
もう、無くなっちゃった。
シェイラは心でそう涙を流していた。
例えこの惨状を作りだしたのが自分だとしても、やり過ぎたかしら?
そう、どこかで思わざるを得なかった。
「でも‥‥‥あれだけ、二人の世界に入っていたのですよ?
いかなる名だたる騎士や剣士であっても、酒・薬・女を抱く時は油断すると申しますし――」
「そんな話をどこで仕入れてくるのだお前は?
いわゆる、耳年増というやつか。
神殿も、中ではそういう色恋沙汰が噂になるようだな?」
そう嫌味を言われ、シェイラは純真な乙女のように真っ赤になっていた。
あの大司教にさんざん、毒づいた時のお前に早く戻ったらどうだ?
サクにそう言われるまで影をにらみつけていたのは秘密だ。
「その尾を燃やして差し上げても宜しいのですよ、サク様!!??」
「おう、それだ。
その意気で、行くがいい。
あの天蓋の下に誰かがいる。
まあ、生きているかは謎だが……咄嗟に防御壁を張り巡らす程度には優秀というわけだな。
あの炎を防ぎきる男か。
惜しいなシェイラ」
「何が――惜しいのですか?
強者は中途半端な攻撃で手傷を負わされたら‥‥‥しつこいぞ。
途端、最強の力で応対するはずだ。
ほらー‥‥‥」
「ひぇっ!!?」
おおよそ復讐をすると意気込んでいた姿からは程遠い悲鳴を上げて、部屋の奥から紫電を浴びて飛んでくる数条の光の槍が見えないだろうに、シェイラを正確無比に貫こうと襲い来る中、
「ふふっ、シェイラ。
俺の力を貸したのだ。
この程度で悲鳴をあげてどうする?」
「でも、サク様!!
怖いものはー‥‥‥あれ、なんで止まって???」
え、なにこれ。
さっき、やはり同じ位置で熱風も遮られていたそれを思いだして、シェイラは思わず指先を出してそれに触ろうとし‥‥‥やはり、影から出た尾に頭を強く張られていた。
「ひどいっ!!
なにをなさるんですか!!!」
あまりにも痛かったのだろう、うっすらと涙を浮かべて抗議の声を上げる聖女に、黒狼は影の中から姿を現さざるを得なかった。
「ひどくない。
俺の話はお前の興味の前では立ち消えるのか?
触るな、そう言ったはずだ。
見ろ」
そう言うと、黒狼はその辺りに散っていた残骸を、そこに向かい放り投げた。
「え‥‥‥嘘ー‥‥‥」
残骸は音もなく、ただ凝縮されて形を失い、丸い何かになって床に落ちてしまっていた。
シェイラはその恐ろしさに、ただ怯えしか感じれないでいた。
恐る恐る、後ろに立つ黒狼をかえりみると、
「わかるか?
あの場所だけ、空間が違う。
断層がある、つまり、そこを無理にでも通ろうとすれば身が縮む。
原理はあとから教えてやる。
これは盾ではない。
敵も味方も滅ぼす凶器。
それが、神の力の本質だ‥‥‥シェイラ」
「はい‥‥‥なんなりと」
「かしこくなれ。
いまはあれがお前を守っている。
だが、リクトか?
お前の夫は、あの断層‥‥‥まあ、壁でもいい。
空間の壁の向こうからこちらは見えていないぞ。
お前からは見えるがな?」
これはこちらが優位な好機だ。
賢く使え。
黒狼はそう言うと、また影に戻ってしまった。
「賢くって‥‥‥。
どうやれ、と?
ひゃん!!??」
「迂回するなり、無事なままで有利にことを進めたいなら俺に聞けばいいだろう?
聞いて、確認し、そして学べ。
ほら、行くがいい」
そんな教師然とした物言いをしながら、尾でお尻をぶつことないじゃない、この暴力教師。
シェイラはそうぼやきながら、
「では、サク様。
このまま、あれを展開して維持しつつ‥‥‥移動する方策をお教え下さい」
そう、二度と尾で叩かれないようにビビりながらお願いしたのだった。
シェイラは目を閉じる暇もなく踊り狂う火焔の舞踏会に目を見張っていた。
綺麗――
その速度と妖艶な輝きは危険と頭では理解していても、惹き付けられてしまうものがある。
始祖たちが太陽に憧れ、月に慟哭したようにシェイラもまた、自分たちに夜の闇を払いのける強さを与えてくれたその偉大なる象徴に引き寄せれられてしまいそうになっていた。
意識するまでもなく、その方向に一歩。
そうっと足を踏み入れて生きては戻れない世界に入り込もうとしていく聖女を止めたのは、やはり黒い尾だった。
「魔に魅入られるな。
力に溺れるな。
欲望の奏でる声に耳を傾けるな。
意味は分かるな?」
「サク‥‥‥様。
なぜ、わたしは生きているのですか?」
彼の言葉は脳裏に響き、歩き出そうとしてもそれ以上は先に進めない。
まるで地面に影ごと足の裏が縫い付けられたように固まっていた。
炎の輝きにより、影などないほどにあたりは深淵な光と熱の狂乱と化しているのに‥‥‥
なぜ、わたしは無事なの?
「生きているから、生きているのだろう?
力を貸し与えたまま放置して帰る神ほど、無責任の極みだな」
「無責任‥‥‥まるでアギト様に対する嫌味のようですわ、サク様。
数代前の聖女は国王の依頼で敵軍数万を焼き尽くそうとしましたが、最後は己もその力に負けて焼失し、炭と化したとか。
大いなる力を扱うには、大いなる犠牲もまた付き物と、そういうことでしょうか?」
黒狼は影のなかで高らかに笑っていた。
お前はつくづく、面白い聖女だ、と。
シェイラはその意味が理解出来ない。
首を傾げてまだ若い少女はその意味を探ろうとするが、どうもどこかで馬鹿にされているような気もしないでない。
まだ笑っていらっしゃるなんて、酷い御人ですねサク様。
そう、少しばかり不機嫌になってしまった。
「すまぬな、まあ、許せ。
なぜ、使えるはずの力を与えたのに、炭になったと思う?
簡単だ、その始末の方法を知らなんだからよ。
火を起こせても、消す作法を知らなければ火は燃料がある限り燃え続けるだろう。
その燃料に自らがなってしまうからだ。
それを止める方法を教えなかったアギトにも責任はある。
そういう話だ。
だからいま止めただろう?
お前の力は俺の与えた力。
まあ、時間をかけて覚えるがいい。
さて、何が見える?」
「何と言われましても‥‥‥部屋奥の城壁が溶け堕ちてまるで、飴細工のようになっております。
一部はガラスのように輝き‥‥‥恐ろしい光景に。
炎と煙、そして途方もない音がどこかに叫びを上げながら走っていきました。
両端のうち、隣室との壁は炭となりー‥‥‥。
王子とエリカの、あーあ。
わたしの寝るはずだったあの豪華な天蓋のベッドが‥‥‥ひっくり返って消し炭のように真っ黒に。
新婚の調度品に化粧台、ああ‥‥‥衣装ダンスまで。
全部、消し飛んでしまいました‥‥‥」
シェイラの脳裏にあれが良い、これは嫌だとさんざんこの時だけは許してもらおうと夫にわがままを言って買って貰ったお気に入りの品々が‥‥‥まるで、これで縁が綺麗に切れてさっぱりしただろ?
そうとでも言わんばかりに焼けてしまい、見る影も無くなっていた。
「ふん。
良かったではないか。
これで離縁もゆるゆると進むというものだ」
「離縁って、サク様!?
まだ、いいえ――たった一晩だけの王太子妃など、良い笑いものですわ。
一族郎党、どうなることやら‥‥‥」
妙に心配性な聖女だな?
サクはまた小刻みに笑いだした。
シェイラには聞こえないように影の中だけで。
こいつは我が一族の姫とよく似ている。
何かをして心配し、後になってもそれを悔いている。
まあ、あいつはその割にはまるで女らしくない現実主義者だったが。
しばらく会っていない彼女のことを思い出して、サクはさて、俺はどうするかな?
そう考えていた。
「で、その犯人はどこにいるのだ?
お前の夫とその浮気相手とは?」
「‥‥‥さあ?
わかりかねますー‥‥‥焼いてしまったのかも」
「かもしれんな。
しかし、あのベッド。
室内がこの惨事なのに、姿をとどめているのも妙な話ではないか?」
そう言われてみれば、確かに。
爆風で煽られて傾き裏表反対になったとしても‥‥‥そんなに耐火性が強かっただろうか?
あのベッド。
ああ、わたしの天蓋。
もう、無くなっちゃった。
シェイラは心でそう涙を流していた。
例えこの惨状を作りだしたのが自分だとしても、やり過ぎたかしら?
そう、どこかで思わざるを得なかった。
「でも‥‥‥あれだけ、二人の世界に入っていたのですよ?
いかなる名だたる騎士や剣士であっても、酒・薬・女を抱く時は油断すると申しますし――」
「そんな話をどこで仕入れてくるのだお前は?
いわゆる、耳年増というやつか。
神殿も、中ではそういう色恋沙汰が噂になるようだな?」
そう嫌味を言われ、シェイラは純真な乙女のように真っ赤になっていた。
あの大司教にさんざん、毒づいた時のお前に早く戻ったらどうだ?
サクにそう言われるまで影をにらみつけていたのは秘密だ。
「その尾を燃やして差し上げても宜しいのですよ、サク様!!??」
「おう、それだ。
その意気で、行くがいい。
あの天蓋の下に誰かがいる。
まあ、生きているかは謎だが……咄嗟に防御壁を張り巡らす程度には優秀というわけだな。
あの炎を防ぎきる男か。
惜しいなシェイラ」
「何が――惜しいのですか?
強者は中途半端な攻撃で手傷を負わされたら‥‥‥しつこいぞ。
途端、最強の力で応対するはずだ。
ほらー‥‥‥」
「ひぇっ!!?」
おおよそ復讐をすると意気込んでいた姿からは程遠い悲鳴を上げて、部屋の奥から紫電を浴びて飛んでくる数条の光の槍が見えないだろうに、シェイラを正確無比に貫こうと襲い来る中、
「ふふっ、シェイラ。
俺の力を貸したのだ。
この程度で悲鳴をあげてどうする?」
「でも、サク様!!
怖いものはー‥‥‥あれ、なんで止まって???」
え、なにこれ。
さっき、やはり同じ位置で熱風も遮られていたそれを思いだして、シェイラは思わず指先を出してそれに触ろうとし‥‥‥やはり、影から出た尾に頭を強く張られていた。
「ひどいっ!!
なにをなさるんですか!!!」
あまりにも痛かったのだろう、うっすらと涙を浮かべて抗議の声を上げる聖女に、黒狼は影の中から姿を現さざるを得なかった。
「ひどくない。
俺の話はお前の興味の前では立ち消えるのか?
触るな、そう言ったはずだ。
見ろ」
そう言うと、黒狼はその辺りに散っていた残骸を、そこに向かい放り投げた。
「え‥‥‥嘘ー‥‥‥」
残骸は音もなく、ただ凝縮されて形を失い、丸い何かになって床に落ちてしまっていた。
シェイラはその恐ろしさに、ただ怯えしか感じれないでいた。
恐る恐る、後ろに立つ黒狼をかえりみると、
「わかるか?
あの場所だけ、空間が違う。
断層がある、つまり、そこを無理にでも通ろうとすれば身が縮む。
原理はあとから教えてやる。
これは盾ではない。
敵も味方も滅ぼす凶器。
それが、神の力の本質だ‥‥‥シェイラ」
「はい‥‥‥なんなりと」
「かしこくなれ。
いまはあれがお前を守っている。
だが、リクトか?
お前の夫は、あの断層‥‥‥まあ、壁でもいい。
空間の壁の向こうからこちらは見えていないぞ。
お前からは見えるがな?」
これはこちらが優位な好機だ。
賢く使え。
黒狼はそう言うと、また影に戻ってしまった。
「賢くって‥‥‥。
どうやれ、と?
ひゃん!!??」
「迂回するなり、無事なままで有利にことを進めたいなら俺に聞けばいいだろう?
聞いて、確認し、そして学べ。
ほら、行くがいい」
そんな教師然とした物言いをしながら、尾でお尻をぶつことないじゃない、この暴力教師。
シェイラはそうぼやきながら、
「では、サク様。
このまま、あれを展開して維持しつつ‥‥‥移動する方策をお教え下さい」
そう、二度と尾で叩かれないようにビビりながらお願いしたのだった。
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