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第一部 朔月の魔女
救いようのない英雄は困りものです‥‥‥1
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親友に夫を寝取られて気づかない女?
いいえ、あの二人はもうー‥‥‥二年の仲だと叔父様、もといあのクサレ大司教猊下は言っていた。
アルム公爵令嬢エリカ。
わたしの幼馴染。
聖女になるよりも神官の名誉よりも数年前に彼女が神殿を去った理由は、王族の端に連なるある貴族子弟との婚約と結婚だった。
誰よりも権力が好きで、豪華なものに目が無くて‥‥‥強欲という名が皮を被ったようなかつての親友。
「ねえ、シェイラ?
わたくし、この神殿を去りますわ」
「え‥‥‥なぜ、エリカ様?
もうご成婚の時期は過ぎたと、悲しまれていたではありませんか?
二人で聖女様を支え、この神殿で女神官として生きていこうと誓ったあの約束は??」
幼い、少女二人は神殿の側にある、巫女見習いに与えられる寄宿舎で同室だった。
あの頃はまだ、こんな恨みも知らなかったのに。
そう、シェイラは過去を思い出す。
「だって、シェイラ?
わたしに諦めていたことが訪れたの。
それに―‥‥‥実家のお父様の御命令であれば、従わないわけにはいかないわ。
そうでしょ?」
「御実家からの御命令ですか‥‥‥?
神殿に入った時から、俗世への干渉もあちらに戻ることも許されないはずですが‥‥‥???」
あなたはまだまだ、世間知らずね、シェイラ様?
エリカは公爵、シェイラは侯爵。
上位の貴族である彼女は、ふふ、と面白そうにシェイラを小馬鹿にして笑い出した。
「神殿の内部をもっと見られることですわ、シェイラ様。
聖女様でもない限り、この神殿、ひいてはこの国の中に純潔などどいう概念はありませんのよ?」
「純潔が、ない‥‥‥???
エリカ様、おっしゃている意味が――わかりかねます」
はああ、そうエリカはため息をついていた。
思えば、夜に教義を授けると大司教の元に呼び出されていく彼女がいて、それはこの記憶の前後数ヶ月だったことをシェイラは思い出す。
「まあ、あなたは大司教様の姪御様であらせられますから。
いずれ、闇も理解為されるのではありませんこと?
わたくし、王族の殿方との婚姻が決まりましたの。
明日、ここを去りますわ」
「エリカ様‥‥‥」
そして、弱冠十三歳の彼女は不安げな顔を見せながらシェイラに言うのだった。
まるでそれは遺言のようであり、彼女の神官としての聖なるものをシェイラに託すような物言いだった。
「シェイラ様。
お別れです、どうか‥‥‥あなたは綺麗に生きて下さいね?」
「エリカ様‥‥‥。
はい、シェイラは聖女になり、多くの人を信徒を心から救ってみせます。
エリカ様にアギト様の祝福があらんことを」
いま思いだせば、おうむ返しのような返事の間にも、あの子は泣きそうになっていた。
あれは、あの悲しそうな顔をさせた張本人は大司教だ。
我が叔父ながら幼女にまで手を出して抱いていたなんて。
「神はすべてをお見通しではなかったのですか、サク様‥‥‥」
悲し気に、影からでているたくましい尾に抱かれてシェイラは泣いていた。
神は多くを語らない。
ただ、下界にその使いを聖女や神官に神託という形で降ろし、あとは見守るのみ。
こんな運命、誰も望んでいなかったのに。
すすり鳴く聖女を、神がいま慰めている。
それはとても奇妙な光景だった。
そしていま――
「ううわっ!?」
自分が放った宝珠の威力に、腰を抜かしそうにシェイラはなっていた。
いやその前に‥‥‥『王太子夫妻の寝室』。
そこには衛兵もいれば、それ以外の侍女も身の周りの世話を行う者も、そして彼等、王太子リクト直属の部下たる騎士たちも、その付近の部屋には詰めているのだ。
シェイラの記憶は少し前に飛んでいた。
まず、廊下の端にて待機している侍女がシェイラを見て驚いていた。
あの部屋の中にはでは、誰が‥‥‥?
そんな顔をして恐れを抱いてシェイラを見ていた。
「下がりなさい。
他の者も下がらせなさい」
その一言に、はるかに年配の侍女はあたふたとしながら、自分たちの詰所へと駆け込んでいく。
侍従長や執事が驚いて駆けだしてくるが、その誰もをシェイラは一にらみして下がらせた。
犠牲は少ない方がいいのよ。
それがシェイラの優しさというか、嫉妬に駆られた心の中でもどうにか理性を保たせていた。
続いて衛兵たちに守るべき通路を少しだけ変えるように命じる。
この部屋に関して往来できる場所を移動させるだけの命令だったが、彼等も侍女同様に驚き、悲しそうな目をし、そして自分の持ち場はここですから、と。
その職務に忠実であり、それでも王太子妃の悲しみを理解する素振りを見せていた。
「位置を変えるだけでいいの。
あなた方に非はないわ。
わたしが命じるのだから。
夫婦の交わりがある今夜、大司教様と数名が確認をしに来られます。
意味がわかるかしら?
夫と、その前に大事な話があるの。
お願い」
「奥様‥‥‥」
衛兵たちはまだよかった。
問題は、夫の部下たちだ。
彼等は知らない筈がない。
戦場で命を預けて戦ってきたその主君の行いが振る舞いがどうだったかを。
せめて、誰か教えてくれるだけでも違った結末になったのに。
シェイラはそう思うが、それも大司教の存在を考えると怪しいものだった。
あの叔父のやることだ。
念入りに、念入りにと彼等にもなにがしかの手を回している可能性が高かった。
つまり、
「騎士たちだけは敵になる可能性がありますわ、サク様」
できる事なら誰も傷つけたくない。
大事な、夫の部下であり彼を守り信じてついてきてくれた部下なのだから。
そして、ある意味、彼等も被害者なのだから。
「すべてを薙ぎ払ってはどうだ?
だれもを救えるわけではあるまい?」
「また怖いことを、薙ぎ払うのはあの部屋だけで良いのですから!!」
ふう、と黒狼は影のなかにて大きなため息をつく。
その感覚こそが何よりも怖いとは感じないのだろうか、と。
ついつい、心配になってしまうからだ。
「夫と愛人を焼き殺す気か?」
「まさか、サク様。
あの二人には道化でいてもらわないと困ります。
救国の英雄は、いまだ健在でなければこの国は傾きますわ‥‥‥」
「お前の判断が正しいことを祈ろう。
騎士だけな、騎士だけ、か‥‥‥」
ふと、黒狼の尾が影に引き込まれた。
その気配が消え、シェイラはどうしようもない不安に襲われる自分がいることに気づく。
彼から、リクトから本気で平手でも喰らえば、自分は気を失うほどに弱いと実感しているからだ。
戦場での英雄は、個人になれば単なる人殺しに過ぎない。
笑顔で敵を殲滅してきたリクトが、いまはどうしようもなく恐ろしかった。
「サク‥‥‥様!?」
夫との寝室まであと少し。
その廊下の曲がり角で、彼は急にその気配を消してしまった。
どうしよう、行っていいのかしら?
一抹の不安が心を過ぎっていく。
もし、これが失敗したら、と。
自分は極刑では済まないだろう。
大司教も、神殿も、そして‥‥‥一族すらも。
いま思い返せば犠牲が大きすぎる反乱だった。
引き返すなら――???
そう思った時だ。
ふと見ると、灯の下の影からあの見覚えのある尾は合図していた。
「一体、何を‥‥‥?」
不思議に思い、そこまで小走りにいくとそこは騎士たちの詰所の裏側に通じる入り口の側。
彼はこの中でなにをして来たのかしら?
想像にかたくないのは、室内に広がる悲惨な光景。
騎士たちの血がそこらじゅうに巻き散り、壁や床が一面の血の海にー‥‥‥。
「開けてみろ。
中を見ればわかる」
「中を、と言われてもー‥‥‥」
「なんだ、臆病風に吹かれたか?
見るだけでいい」
自分の影に戻って来た黒狼に言われて、シェイラは恐る恐る、その入り口を開けてなかを覗き込む。
一面に血、などはなくただ、誰もが意思を無くしたかのように床やテーブル、ソファーに倒れこんでいた。
「何、を‥‥‥なさいました?」
「眠らせただけだ。
後から教えてやろう。
さあ、行けばいい。
やるべきことは分かっているだろう?」
そして今。
自分が放った宝珠の威力に驚き、その恩恵は放った主人にまで襲い掛かろうとしていた。
寝室の扉やその周りの石造りの壁を溶解させた宝珠は、木造りのドアを爆散させていた。
熱風は周囲に広く及び、それを伴った爆風は上に横にと広がりを見せる。
扉の目の前にいたシェイラも例外なく、その肺の中を焼き尽くそうとする熱波にさらされていた。
「え‥‥‥」
その言葉は言葉にならない。
脳裏で呟き、まるで意思を持ったかのように火炎がシェイラに向かってくる様は美しくも死を意味していた。
ああ、死ぬのか。
そうどこかで思った時、しかし、それらは彼女の前で何かによって弾かれていた。
いいえ、あの二人はもうー‥‥‥二年の仲だと叔父様、もといあのクサレ大司教猊下は言っていた。
アルム公爵令嬢エリカ。
わたしの幼馴染。
聖女になるよりも神官の名誉よりも数年前に彼女が神殿を去った理由は、王族の端に連なるある貴族子弟との婚約と結婚だった。
誰よりも権力が好きで、豪華なものに目が無くて‥‥‥強欲という名が皮を被ったようなかつての親友。
「ねえ、シェイラ?
わたくし、この神殿を去りますわ」
「え‥‥‥なぜ、エリカ様?
もうご成婚の時期は過ぎたと、悲しまれていたではありませんか?
二人で聖女様を支え、この神殿で女神官として生きていこうと誓ったあの約束は??」
幼い、少女二人は神殿の側にある、巫女見習いに与えられる寄宿舎で同室だった。
あの頃はまだ、こんな恨みも知らなかったのに。
そう、シェイラは過去を思い出す。
「だって、シェイラ?
わたしに諦めていたことが訪れたの。
それに―‥‥‥実家のお父様の御命令であれば、従わないわけにはいかないわ。
そうでしょ?」
「御実家からの御命令ですか‥‥‥?
神殿に入った時から、俗世への干渉もあちらに戻ることも許されないはずですが‥‥‥???」
あなたはまだまだ、世間知らずね、シェイラ様?
エリカは公爵、シェイラは侯爵。
上位の貴族である彼女は、ふふ、と面白そうにシェイラを小馬鹿にして笑い出した。
「神殿の内部をもっと見られることですわ、シェイラ様。
聖女様でもない限り、この神殿、ひいてはこの国の中に純潔などどいう概念はありませんのよ?」
「純潔が、ない‥‥‥???
エリカ様、おっしゃている意味が――わかりかねます」
はああ、そうエリカはため息をついていた。
思えば、夜に教義を授けると大司教の元に呼び出されていく彼女がいて、それはこの記憶の前後数ヶ月だったことをシェイラは思い出す。
「まあ、あなたは大司教様の姪御様であらせられますから。
いずれ、闇も理解為されるのではありませんこと?
わたくし、王族の殿方との婚姻が決まりましたの。
明日、ここを去りますわ」
「エリカ様‥‥‥」
そして、弱冠十三歳の彼女は不安げな顔を見せながらシェイラに言うのだった。
まるでそれは遺言のようであり、彼女の神官としての聖なるものをシェイラに託すような物言いだった。
「シェイラ様。
お別れです、どうか‥‥‥あなたは綺麗に生きて下さいね?」
「エリカ様‥‥‥。
はい、シェイラは聖女になり、多くの人を信徒を心から救ってみせます。
エリカ様にアギト様の祝福があらんことを」
いま思いだせば、おうむ返しのような返事の間にも、あの子は泣きそうになっていた。
あれは、あの悲しそうな顔をさせた張本人は大司教だ。
我が叔父ながら幼女にまで手を出して抱いていたなんて。
「神はすべてをお見通しではなかったのですか、サク様‥‥‥」
悲し気に、影からでているたくましい尾に抱かれてシェイラは泣いていた。
神は多くを語らない。
ただ、下界にその使いを聖女や神官に神託という形で降ろし、あとは見守るのみ。
こんな運命、誰も望んでいなかったのに。
すすり鳴く聖女を、神がいま慰めている。
それはとても奇妙な光景だった。
そしていま――
「ううわっ!?」
自分が放った宝珠の威力に、腰を抜かしそうにシェイラはなっていた。
いやその前に‥‥‥『王太子夫妻の寝室』。
そこには衛兵もいれば、それ以外の侍女も身の周りの世話を行う者も、そして彼等、王太子リクト直属の部下たる騎士たちも、その付近の部屋には詰めているのだ。
シェイラの記憶は少し前に飛んでいた。
まず、廊下の端にて待機している侍女がシェイラを見て驚いていた。
あの部屋の中にはでは、誰が‥‥‥?
そんな顔をして恐れを抱いてシェイラを見ていた。
「下がりなさい。
他の者も下がらせなさい」
その一言に、はるかに年配の侍女はあたふたとしながら、自分たちの詰所へと駆け込んでいく。
侍従長や執事が驚いて駆けだしてくるが、その誰もをシェイラは一にらみして下がらせた。
犠牲は少ない方がいいのよ。
それがシェイラの優しさというか、嫉妬に駆られた心の中でもどうにか理性を保たせていた。
続いて衛兵たちに守るべき通路を少しだけ変えるように命じる。
この部屋に関して往来できる場所を移動させるだけの命令だったが、彼等も侍女同様に驚き、悲しそうな目をし、そして自分の持ち場はここですから、と。
その職務に忠実であり、それでも王太子妃の悲しみを理解する素振りを見せていた。
「位置を変えるだけでいいの。
あなた方に非はないわ。
わたしが命じるのだから。
夫婦の交わりがある今夜、大司教様と数名が確認をしに来られます。
意味がわかるかしら?
夫と、その前に大事な話があるの。
お願い」
「奥様‥‥‥」
衛兵たちはまだよかった。
問題は、夫の部下たちだ。
彼等は知らない筈がない。
戦場で命を預けて戦ってきたその主君の行いが振る舞いがどうだったかを。
せめて、誰か教えてくれるだけでも違った結末になったのに。
シェイラはそう思うが、それも大司教の存在を考えると怪しいものだった。
あの叔父のやることだ。
念入りに、念入りにと彼等にもなにがしかの手を回している可能性が高かった。
つまり、
「騎士たちだけは敵になる可能性がありますわ、サク様」
できる事なら誰も傷つけたくない。
大事な、夫の部下であり彼を守り信じてついてきてくれた部下なのだから。
そして、ある意味、彼等も被害者なのだから。
「すべてを薙ぎ払ってはどうだ?
だれもを救えるわけではあるまい?」
「また怖いことを、薙ぎ払うのはあの部屋だけで良いのですから!!」
ふう、と黒狼は影のなかにて大きなため息をつく。
その感覚こそが何よりも怖いとは感じないのだろうか、と。
ついつい、心配になってしまうからだ。
「夫と愛人を焼き殺す気か?」
「まさか、サク様。
あの二人には道化でいてもらわないと困ります。
救国の英雄は、いまだ健在でなければこの国は傾きますわ‥‥‥」
「お前の判断が正しいことを祈ろう。
騎士だけな、騎士だけ、か‥‥‥」
ふと、黒狼の尾が影に引き込まれた。
その気配が消え、シェイラはどうしようもない不安に襲われる自分がいることに気づく。
彼から、リクトから本気で平手でも喰らえば、自分は気を失うほどに弱いと実感しているからだ。
戦場での英雄は、個人になれば単なる人殺しに過ぎない。
笑顔で敵を殲滅してきたリクトが、いまはどうしようもなく恐ろしかった。
「サク‥‥‥様!?」
夫との寝室まであと少し。
その廊下の曲がり角で、彼は急にその気配を消してしまった。
どうしよう、行っていいのかしら?
一抹の不安が心を過ぎっていく。
もし、これが失敗したら、と。
自分は極刑では済まないだろう。
大司教も、神殿も、そして‥‥‥一族すらも。
いま思い返せば犠牲が大きすぎる反乱だった。
引き返すなら――???
そう思った時だ。
ふと見ると、灯の下の影からあの見覚えのある尾は合図していた。
「一体、何を‥‥‥?」
不思議に思い、そこまで小走りにいくとそこは騎士たちの詰所の裏側に通じる入り口の側。
彼はこの中でなにをして来たのかしら?
想像にかたくないのは、室内に広がる悲惨な光景。
騎士たちの血がそこらじゅうに巻き散り、壁や床が一面の血の海にー‥‥‥。
「開けてみろ。
中を見ればわかる」
「中を、と言われてもー‥‥‥」
「なんだ、臆病風に吹かれたか?
見るだけでいい」
自分の影に戻って来た黒狼に言われて、シェイラは恐る恐る、その入り口を開けてなかを覗き込む。
一面に血、などはなくただ、誰もが意思を無くしたかのように床やテーブル、ソファーに倒れこんでいた。
「何、を‥‥‥なさいました?」
「眠らせただけだ。
後から教えてやろう。
さあ、行けばいい。
やるべきことは分かっているだろう?」
そして今。
自分が放った宝珠の威力に驚き、その恩恵は放った主人にまで襲い掛かろうとしていた。
寝室の扉やその周りの石造りの壁を溶解させた宝珠は、木造りのドアを爆散させていた。
熱風は周囲に広く及び、それを伴った爆風は上に横にと広がりを見せる。
扉の目の前にいたシェイラも例外なく、その肺の中を焼き尽くそうとする熱波にさらされていた。
「え‥‥‥」
その言葉は言葉にならない。
脳裏で呟き、まるで意思を持ったかのように火炎がシェイラに向かってくる様は美しくも死を意味していた。
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