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第二章 冒険する公爵令嬢
冒険は前途多難
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──あ~あ、全く君ったら、根性がないっていうの? すぐに何でも諦めちゃうんだからさ。
──まあ、貿易船に乗り遅れても、どうにかこっちまで来ようとしたのは少しだけ、ほんの少~しだけだけど、見直したよ。
──だからまた力を貸してあげる。
▲▲▲▽
「起きろ! クソガキ!!」
水を頭からかけられ意識を覚醒させられた。
何やら慌てた様子のガイウスが顔を歪めて立っていた。
胸ぐらを掴まれ乱暴に立ち上がらされる。
「お前さん! 魔術師なんだろ!? どうにかしやがれ!!」
「急になんだよ……そもそも魔封じがあるっつーの……」
「おい! さっさと鍵!!」
ガイウスが何故かびしょ濡れの部下へ叫ぶ。
爆発音とともに船を波とは違う揺れが襲った。
「船長!! もう例の海賊船が目前です!!」
「クソッタレ! 何でもいいから魔術をぶっ放してあのクソ共をぶっ殺せ!! クソガキ!!」
クソしか言えねえのかよ……。
唾が飛んでくるほどの勢いで怒鳴ってくるガイウスにうんざりしていると、ガイウスの部下が両手両足を繋ぐ魔封じの鎖を外してくれた。
彼らの様子を見るに、どうやらよほどの事態が起きているらしい。
とはいえまずは。
『強化』
ガイウスの顔を殴りつける。
「ぶへらァァァァ!!?」
「ま、一発は殴っとかないとな」
「な、何しやがんだぁ!? 自由にしてやってんだろがぁああ!! クソガキ!」
人を殴るのは初めてでじんじんと、拳が痛んだ。
一応『強化』はしてあるけどな。
「はい『拘束』 じっとしておかないと絞まってくぞ~」
「うげけえええっ!? なんで俺たちが鎖にぃいい!?」
「そら魔術よ」
せっかく魔封じまでした魔術師を自分で自由にしちゃうのだからお笑い種だ。
どんな状況だろうと、私にお前らへ力を貸す義理はないが?
拘束魔術で部下もろともガイウスを不可視の鎖で縛る。
先ほどまでの私と一転し筋骨隆々いかつい男たちが室内に転がされた。
「やだ……形勢逆転みたい?」
「クソガキゃあああ!! こんなことしてる場合じゃねえんだっての! ボケクソバーカ!」
「はいはい、言ってろ。奴隷商人に捕まるより悪いことなんて早々起こらないっつーの」
一仕事を終えて、ガッタンゴットンと揺れる部屋の扉を開く。
「さて寝てる間に船はどこまで行った、か、な……」
「手ェあげな」
扉の向こうでは見慣れない鉄製の筒……けれど私はそれの正体を理解してしまう。
主に前世で、ドラマや映画なんかでよく見かけた。
ラビ大陸では存在すらしていなかった銃が大量に私へ向けられている。
おわ、おわ、と一瞬で思考は混乱の海に突き落とされた。
言われるまま両手を上げて、ホールドアップの姿勢をとる。
ねえ?????
なんで、この世界に銃があるの????
世界観さん???? 仕事して????
「あァ? んだてめえ、この船の船員じゃねえな? 積まれてやがった商品か?」
真正面で銃を構えていた赤いコートに海賊帽子を被った人物が口を開いた。
初めに私へ警告を出した声と同じだ。
目深に被った帽子の下に白いのまつ毛に縁取られた薄いブルーの瞳と真っ黒な眼帯が見えた。
あどけない顔立ちで、思ったよりも年若そうな印象を受ける。
「だ、誰ですか?」
あいも変わらず向けられている銃にビビり散らしながら何とか質問をする。
海賊の少年はにんまりと口の端を吊り上げて、挑発するように笑みを作った。
「海賊♡」
奴隷商人の次は海賊かい!!!!
第二章 冒険する公爵令嬢
ラビ大陸編 完
──まあ、貿易船に乗り遅れても、どうにかこっちまで来ようとしたのは少しだけ、ほんの少~しだけだけど、見直したよ。
──だからまた力を貸してあげる。
▲▲▲▽
「起きろ! クソガキ!!」
水を頭からかけられ意識を覚醒させられた。
何やら慌てた様子のガイウスが顔を歪めて立っていた。
胸ぐらを掴まれ乱暴に立ち上がらされる。
「お前さん! 魔術師なんだろ!? どうにかしやがれ!!」
「急になんだよ……そもそも魔封じがあるっつーの……」
「おい! さっさと鍵!!」
ガイウスが何故かびしょ濡れの部下へ叫ぶ。
爆発音とともに船を波とは違う揺れが襲った。
「船長!! もう例の海賊船が目前です!!」
「クソッタレ! 何でもいいから魔術をぶっ放してあのクソ共をぶっ殺せ!! クソガキ!!」
クソしか言えねえのかよ……。
唾が飛んでくるほどの勢いで怒鳴ってくるガイウスにうんざりしていると、ガイウスの部下が両手両足を繋ぐ魔封じの鎖を外してくれた。
彼らの様子を見るに、どうやらよほどの事態が起きているらしい。
とはいえまずは。
『強化』
ガイウスの顔を殴りつける。
「ぶへらァァァァ!!?」
「ま、一発は殴っとかないとな」
「な、何しやがんだぁ!? 自由にしてやってんだろがぁああ!! クソガキ!」
人を殴るのは初めてでじんじんと、拳が痛んだ。
一応『強化』はしてあるけどな。
「はい『拘束』 じっとしておかないと絞まってくぞ~」
「うげけえええっ!? なんで俺たちが鎖にぃいい!?」
「そら魔術よ」
せっかく魔封じまでした魔術師を自分で自由にしちゃうのだからお笑い種だ。
どんな状況だろうと、私にお前らへ力を貸す義理はないが?
拘束魔術で部下もろともガイウスを不可視の鎖で縛る。
先ほどまでの私と一転し筋骨隆々いかつい男たちが室内に転がされた。
「やだ……形勢逆転みたい?」
「クソガキゃあああ!! こんなことしてる場合じゃねえんだっての! ボケクソバーカ!」
「はいはい、言ってろ。奴隷商人に捕まるより悪いことなんて早々起こらないっつーの」
一仕事を終えて、ガッタンゴットンと揺れる部屋の扉を開く。
「さて寝てる間に船はどこまで行った、か、な……」
「手ェあげな」
扉の向こうでは見慣れない鉄製の筒……けれど私はそれの正体を理解してしまう。
主に前世で、ドラマや映画なんかでよく見かけた。
ラビ大陸では存在すらしていなかった銃が大量に私へ向けられている。
おわ、おわ、と一瞬で思考は混乱の海に突き落とされた。
言われるまま両手を上げて、ホールドアップの姿勢をとる。
ねえ?????
なんで、この世界に銃があるの????
世界観さん???? 仕事して????
「あァ? んだてめえ、この船の船員じゃねえな? 積まれてやがった商品か?」
真正面で銃を構えていた赤いコートに海賊帽子を被った人物が口を開いた。
初めに私へ警告を出した声と同じだ。
目深に被った帽子の下に白いのまつ毛に縁取られた薄いブルーの瞳と真っ黒な眼帯が見えた。
あどけない顔立ちで、思ったよりも年若そうな印象を受ける。
「だ、誰ですか?」
あいも変わらず向けられている銃にビビり散らしながら何とか質問をする。
海賊の少年はにんまりと口の端を吊り上げて、挑発するように笑みを作った。
「海賊♡」
奴隷商人の次は海賊かい!!!!
第二章 冒険する公爵令嬢
ラビ大陸編 完
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