同期の御曹司様は浮気がお嫌い

秋葉なな

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同居の御曹司は浮気を許さない

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「波瑠が心配するような関係じゃないから大丈夫。俺美紗さんに振られてるし」

「え?」

それって優磨くんは恋愛感情があったということじゃないか。

「美紗さんを好きになった時期もあるけど、あれは年上の女性に対する憧れもあったよ。美紗さんは俺と出会う前からずっと慶太さんを好きだったし。二人が幸せになってほしいって願う気持ちの方が強かった」

優磨くんは私が不安に思っていることなんて関係ないとでも言う様に美紗さんへの気持ちをさらりと告白する。
暗い顔になる私を横目で見ると「こんなに好きになったのは波瑠だけだよ」と言う。

「波瑠が気にしちゃうことを敢えて言ったのは、もう過去のことだから。美紗さんと気楽に付き合えたってのは、友人としてね。言ったでしょ、俺が絶対に守ると決めて大事にしたい人は波瑠だって」

「うん……」

「波瑠と出会ってから、俺は波瑠のことしか考えてないよ」

「ありがとう、話してくれて……」

「波瑠には何も隠したくないから」

優磨くんが「ふっ」と笑った。

「また嫉妬してくれた?」

面白そうに笑うから悔しくて「いい気はしない」と不機嫌な声を出して拗ねて見せた。

「優磨くんの口から女の人の話聞きたくない……」

優磨くんの片手が伸びて、膝に置いた私の手を握る。

「嫉妬する波瑠も可愛いよ」

握った手に力を込めて機嫌が悪いことを大袈裟にアピールすると「痛いから」と優磨くんはまた笑った。

温かい手の感触をもっと感じたくて、私は更に指を絡めた。



◇◇◇◇◇



仕事に行く優磨くんを見送り掃除も一段落したころに電話が鳴る。スマートフォンに『下田浩二』と表示され目を見開いた。
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