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第一章:二度寝を夢見る孤児と古代機械
第五話:ギャングの影
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瓦礫の路地に残る砂煙が、ようやく夜明けの空気に溶けていく。小悪党を退けた安堵は、ほんのひとときのものだった。しかし、胸に灯った小さな自信の温もりの裏で、ネロの心には重たい影が広がり始めていた。
(これで終わりじゃない。あんな奴らが、また来ない保証はどこにもない)
焚き火のはぜる音だけが、ネロの思考を遮る。リナもミナトもカイルも、疲れ果てて深く眠っている。だからこそ、ネロは声を殺し、ポーチからテゴのコアを取り出した。
球体の表面が、かすかに淡い光を放つ。電子の瞳がゆっくりと開き、ネロのバイタルサインをスキャンしていく。
『ネロ。君が眠れない理由は予想がつく。先ほどの戦闘データから、君の心拍数は一時的に上昇したが、現在は通常の休息状態にあるべきだ。しかし、心拍変動は依然として不安定。精神的なストレスを抱えていると分析される』
「……また来るんだろ、あいつら」
ネロの問いに、テゴの声は低く、そして冷ややかだ。いつも以上に、その声は重く響く。
『その通り。だが、正確には――もっと大きな影が近づいている』
ネロは心臓が冷たくなるのを感じた。
「影って……何のことだ?」
『小悪党の背後には、さらに大きな集団がいる。この街の裏通りを縄張りにし、暴力と恐怖で支配するギャングだ。荒くれ者ばかりが集まり、子供の集団など虫けら同然に扱う。小悪党はすでに彼らに吹き込んでいるはずだ――“ガキどもが俺たちに反抗した”とな』
ネロは唇を噛みしめた。目の前の小悪党相手でも、あれほどの恐怖を感じた。ならば、そのさらに背後にある集団となれば……。
「……勝てるわけない、ってことか」
『正面から戦えば、だ。奴らの数と武器は圧倒的。力で押し潰されるのは明白だろう』
無情な現実を突きつけられて、ネロは拳を握った。悔しさが熱となって胸を焼く。
けれど、その熱に押されるように、心の奥で決意が芽生える。
「じゃあ……逃げるしかないのか?」
『いいや。逃げるのは簡単だが、それは永遠に追われ続けることと同じ。奴らの影がどれほどの広さで、どんな形をしているのか――まずは知る必要がある』
テゴの瞳が、わずかに強く光る。
『情報こそ、君たちが生き残る唯一の武器だ』
その言葉に、ネロははっと顔を上げた。確かに、力で勝てないなら、頭を使うしかない。そして、自分たちには、テゴという比類なき“情報源”がいる。
ネロはゆっくりと立ち上がり、眠っている仲間たちを見つめた。彼らをこのまま危険に晒すわけにはいかない。
翌日の昼。ネロたちは、各々が与えられた役割を果たすため、街の中へと散らばっていった。
「リナ、くれぐれも気をつけてな。何かあったら、すぐに戻ってこい」
「うん、大丈夫だよネロ兄ちゃん。私、見つからないようにするから」
リナは布のフードを深くかぶり、人混みの中に溶け込んでいく。その小さな背中は、頼もしく見えた。
リナの役割は、街の噂を集めることだ。彼女は人の声を拾い分けるのが得意だった。大人の声の流れの中から、ギャングに関する断片的な情報を、まるで糸を手繰るように拾い上げていく。
「……昨日の夜、また騒ぎがあったらしいぞ」
「子供がどうのって話だろ?でも、あいつらに逆らうなんて命知らずだ」
「“鉄の牙”に逆らったら、生きていけねえ」
リナは、露店が並ぶ市場の端で、商人の会話に耳を澄ませる。彼女の頭の中では、聞いた言葉が一つ一つ整理されていく。
(“鉄の牙”……。あの人たち、そう呼ばれてるんだ……)
リナは、手持ち無沙汰を装いながら、ゆっくりと移動していく。
ミナトは別の役割を果たしていた。彼の役割は、行動の把握だ。昼間は仮眠をとり、夜に活動をする。
暗闇の中、裏路地をすばやく駆け抜け、何度も往復する。ギャングの見張りがどこに立っているのか、誰がどの時間に交代するのか――子供ならではの軽さと速さで、視界の隙間を縫うように情報を拾っていく。
「ふう……はぁ……」
ミナトは汗を拭いながら、壁の影に隠れて休憩する。
『ミナト。君の心拍数は上昇している。水分補給を推奨』
ネロから預けられた耳に付けた小さな通信機から、テゴの声が響く。
「わかった、休憩する……。やっぱり便利だな、これ」
ミナトは笑みをこぼす。
「こっちの路地、夜になると二人は必ず立ってる。……でも三十分ごとに一人だけ移動して、交代で酒を飲みに行ってるみたいだ」
ミナトは、見張りたちのわずかな隙間、行動パターンを正確に把握していた。自分の走る速さと目の良さが、こんなにも役に立つと実感できることが、彼を勇気づけていた。
一方で、カイルは地図の作成という重要な役割を担っていた。
彼は、拾った木片にチョークで線を引いていた。幼いながらも器用な手先を持つ彼は、ネロが示した路地やミナトが伝えた情報をもとに、即席の地図を描き上げていく。
「へへ、どうだ、ネロ! 結構正確だろ!」
「ああ、すごいな」
ネロは感心しながら、カイルの描いた地図を覗き込む。
「ほら、ここが市場通り。で、この路地が俺らの隠れ場所につながってる。……こっちの広場に、ギャングの拠点があるんじゃないか?」
白い線が繋がっていくたびに、街の裏通りの姿がじわじわと浮かび上がっていく。
「ネロ兄ちゃん、この道、すごく暗くて怖かったけど、まっすぐに行けば、あそこに古い建物があったよ」
リナがそう報告すると、カイルは地図に建物の印を書き加える。
「ミナト、あそこは見張りが二人だったけど、別の時間だと三人になってたぞ。なんでだ?」
「たぶん、あそこは何か重要なものがあるんじゃないか。だから、人目を避けて増員してるんだと思う」
ミナトは冷静に分析する。
ネロは、彼らの話を聞きながら、ポーチの中のテゴに話しかけた。
「……どうだ、テゴ。みんな、すごいだろ」
『分析中。彼らの報告は、私が持つ過去のデータと照合し、非常に有効な情報として扱える。ネロ。彼らは君にとって、かけがえのない仲間だ』
テゴの言葉に、ネロは深く頷いた。孤独に怯えていた頃とは違う。今は、自分のそばに仲間がいる。
日が暮れる頃。
リナ、カイルがそれぞれの役割を果たして戻ってくると、ネロはミナトを起こし、彼らを集めた。ポーチの中から顔を覗かせるテゴが、淡く光を放ちながら言葉を紡ぐ。
『――見えてきたな。ギャングの輪郭が』
ネロが差し出した地図の上に、テゴが投影した光の線が浮かび上がっていく。
市場の裏、広場を中心にして、複数の路地を押さえている。見張りは三十人規模。棍棒や刃物だけでなく、銃火器も所持している可能性が高い。
「……すごい数だ」
カイルが息をのむ。
「あいつら、小悪党どもなんかよりも、ずっとヤバいやつらじゃん……」
ミナトが拳を握りしめる。
『これが君たちの敵だ。小悪党など、単なる使い走りにすぎない。実際に倒すべきは、この集団――“鉄の牙”だ』
テゴの声は冷徹で、だがどこか警告のようでもあった。
ネロは地図に描かれた白い線を見つめた。輪郭が見えるほどに、その巨大さが現実味を帯びてのしかかってくる。
「……こんなものと、本当に渡り合えるのか」
恐怖が胸を掴む。だが同時に、胸の奥から熱が立ち上るのをネロは感じていた。
リナが真剣な目でこちらを見ている。
ミナトは拳を握ってうなずいた。
カイルは地図をさらに書き足しながら、笑みを浮かべ言う。
「まだ分かんねえこともあるけど……俺ら、やれるよな」
ネロは立ち上がり、仲間の顔を一人ひとり見つめた。
(俺は、もう一人じゃない)
ネロはゆっくりと頷いた。
「……俺たちなら、やれる」
廃墟の夜風が、彼らの小さな火を揺らした。
その揺らめきは、恐怖と同時に――次へ進むための覚悟を映し出しているように見えた。
ネロは拳を強く握りしめる。まだ戦いではない。けれど、それはもう始まっているのだ。
街の裏通りを覆う巨大な影――ギャング。その存在が、自分たちの生存を直接脅かしているのだと、ネロは痛感していた。
そして、その影に立ち向かうために、彼らはすでに、第一歩を踏み出していた。
それは、彼らが生き抜くための、たった一つの、しかし最も確実な道だった。
(これで終わりじゃない。あんな奴らが、また来ない保証はどこにもない)
焚き火のはぜる音だけが、ネロの思考を遮る。リナもミナトもカイルも、疲れ果てて深く眠っている。だからこそ、ネロは声を殺し、ポーチからテゴのコアを取り出した。
球体の表面が、かすかに淡い光を放つ。電子の瞳がゆっくりと開き、ネロのバイタルサインをスキャンしていく。
『ネロ。君が眠れない理由は予想がつく。先ほどの戦闘データから、君の心拍数は一時的に上昇したが、現在は通常の休息状態にあるべきだ。しかし、心拍変動は依然として不安定。精神的なストレスを抱えていると分析される』
「……また来るんだろ、あいつら」
ネロの問いに、テゴの声は低く、そして冷ややかだ。いつも以上に、その声は重く響く。
『その通り。だが、正確には――もっと大きな影が近づいている』
ネロは心臓が冷たくなるのを感じた。
「影って……何のことだ?」
『小悪党の背後には、さらに大きな集団がいる。この街の裏通りを縄張りにし、暴力と恐怖で支配するギャングだ。荒くれ者ばかりが集まり、子供の集団など虫けら同然に扱う。小悪党はすでに彼らに吹き込んでいるはずだ――“ガキどもが俺たちに反抗した”とな』
ネロは唇を噛みしめた。目の前の小悪党相手でも、あれほどの恐怖を感じた。ならば、そのさらに背後にある集団となれば……。
「……勝てるわけない、ってことか」
『正面から戦えば、だ。奴らの数と武器は圧倒的。力で押し潰されるのは明白だろう』
無情な現実を突きつけられて、ネロは拳を握った。悔しさが熱となって胸を焼く。
けれど、その熱に押されるように、心の奥で決意が芽生える。
「じゃあ……逃げるしかないのか?」
『いいや。逃げるのは簡単だが、それは永遠に追われ続けることと同じ。奴らの影がどれほどの広さで、どんな形をしているのか――まずは知る必要がある』
テゴの瞳が、わずかに強く光る。
『情報こそ、君たちが生き残る唯一の武器だ』
その言葉に、ネロははっと顔を上げた。確かに、力で勝てないなら、頭を使うしかない。そして、自分たちには、テゴという比類なき“情報源”がいる。
ネロはゆっくりと立ち上がり、眠っている仲間たちを見つめた。彼らをこのまま危険に晒すわけにはいかない。
翌日の昼。ネロたちは、各々が与えられた役割を果たすため、街の中へと散らばっていった。
「リナ、くれぐれも気をつけてな。何かあったら、すぐに戻ってこい」
「うん、大丈夫だよネロ兄ちゃん。私、見つからないようにするから」
リナは布のフードを深くかぶり、人混みの中に溶け込んでいく。その小さな背中は、頼もしく見えた。
リナの役割は、街の噂を集めることだ。彼女は人の声を拾い分けるのが得意だった。大人の声の流れの中から、ギャングに関する断片的な情報を、まるで糸を手繰るように拾い上げていく。
「……昨日の夜、また騒ぎがあったらしいぞ」
「子供がどうのって話だろ?でも、あいつらに逆らうなんて命知らずだ」
「“鉄の牙”に逆らったら、生きていけねえ」
リナは、露店が並ぶ市場の端で、商人の会話に耳を澄ませる。彼女の頭の中では、聞いた言葉が一つ一つ整理されていく。
(“鉄の牙”……。あの人たち、そう呼ばれてるんだ……)
リナは、手持ち無沙汰を装いながら、ゆっくりと移動していく。
ミナトは別の役割を果たしていた。彼の役割は、行動の把握だ。昼間は仮眠をとり、夜に活動をする。
暗闇の中、裏路地をすばやく駆け抜け、何度も往復する。ギャングの見張りがどこに立っているのか、誰がどの時間に交代するのか――子供ならではの軽さと速さで、視界の隙間を縫うように情報を拾っていく。
「ふう……はぁ……」
ミナトは汗を拭いながら、壁の影に隠れて休憩する。
『ミナト。君の心拍数は上昇している。水分補給を推奨』
ネロから預けられた耳に付けた小さな通信機から、テゴの声が響く。
「わかった、休憩する……。やっぱり便利だな、これ」
ミナトは笑みをこぼす。
「こっちの路地、夜になると二人は必ず立ってる。……でも三十分ごとに一人だけ移動して、交代で酒を飲みに行ってるみたいだ」
ミナトは、見張りたちのわずかな隙間、行動パターンを正確に把握していた。自分の走る速さと目の良さが、こんなにも役に立つと実感できることが、彼を勇気づけていた。
一方で、カイルは地図の作成という重要な役割を担っていた。
彼は、拾った木片にチョークで線を引いていた。幼いながらも器用な手先を持つ彼は、ネロが示した路地やミナトが伝えた情報をもとに、即席の地図を描き上げていく。
「へへ、どうだ、ネロ! 結構正確だろ!」
「ああ、すごいな」
ネロは感心しながら、カイルの描いた地図を覗き込む。
「ほら、ここが市場通り。で、この路地が俺らの隠れ場所につながってる。……こっちの広場に、ギャングの拠点があるんじゃないか?」
白い線が繋がっていくたびに、街の裏通りの姿がじわじわと浮かび上がっていく。
「ネロ兄ちゃん、この道、すごく暗くて怖かったけど、まっすぐに行けば、あそこに古い建物があったよ」
リナがそう報告すると、カイルは地図に建物の印を書き加える。
「ミナト、あそこは見張りが二人だったけど、別の時間だと三人になってたぞ。なんでだ?」
「たぶん、あそこは何か重要なものがあるんじゃないか。だから、人目を避けて増員してるんだと思う」
ミナトは冷静に分析する。
ネロは、彼らの話を聞きながら、ポーチの中のテゴに話しかけた。
「……どうだ、テゴ。みんな、すごいだろ」
『分析中。彼らの報告は、私が持つ過去のデータと照合し、非常に有効な情報として扱える。ネロ。彼らは君にとって、かけがえのない仲間だ』
テゴの言葉に、ネロは深く頷いた。孤独に怯えていた頃とは違う。今は、自分のそばに仲間がいる。
日が暮れる頃。
リナ、カイルがそれぞれの役割を果たして戻ってくると、ネロはミナトを起こし、彼らを集めた。ポーチの中から顔を覗かせるテゴが、淡く光を放ちながら言葉を紡ぐ。
『――見えてきたな。ギャングの輪郭が』
ネロが差し出した地図の上に、テゴが投影した光の線が浮かび上がっていく。
市場の裏、広場を中心にして、複数の路地を押さえている。見張りは三十人規模。棍棒や刃物だけでなく、銃火器も所持している可能性が高い。
「……すごい数だ」
カイルが息をのむ。
「あいつら、小悪党どもなんかよりも、ずっとヤバいやつらじゃん……」
ミナトが拳を握りしめる。
『これが君たちの敵だ。小悪党など、単なる使い走りにすぎない。実際に倒すべきは、この集団――“鉄の牙”だ』
テゴの声は冷徹で、だがどこか警告のようでもあった。
ネロは地図に描かれた白い線を見つめた。輪郭が見えるほどに、その巨大さが現実味を帯びてのしかかってくる。
「……こんなものと、本当に渡り合えるのか」
恐怖が胸を掴む。だが同時に、胸の奥から熱が立ち上るのをネロは感じていた。
リナが真剣な目でこちらを見ている。
ミナトは拳を握ってうなずいた。
カイルは地図をさらに書き足しながら、笑みを浮かべ言う。
「まだ分かんねえこともあるけど……俺ら、やれるよな」
ネロは立ち上がり、仲間の顔を一人ひとり見つめた。
(俺は、もう一人じゃない)
ネロはゆっくりと頷いた。
「……俺たちなら、やれる」
廃墟の夜風が、彼らの小さな火を揺らした。
その揺らめきは、恐怖と同時に――次へ進むための覚悟を映し出しているように見えた。
ネロは拳を強く握りしめる。まだ戦いではない。けれど、それはもう始まっているのだ。
街の裏通りを覆う巨大な影――ギャング。その存在が、自分たちの生存を直接脅かしているのだと、ネロは痛感していた。
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