13 / 21
第二章:二度寝を夢見る孤児と修理屋の仲間たち
第二話:不穏な前兆
しおりを挟む
――平穏とは、脆く、儚い。
修理屋を始めてから、すでに数年が経っていた。
あの時、荒廃した街の片隅で「武装した孤児の一団」と呼ばれた少年少女たちは、いまや青年へと成長し、確かな力と信頼を備えた存在へと変貌している。
ネロ。かつて十歳の孤児に過ぎなかった少年は、いまや十七歳の青年へと成長していた。黒髪を後ろで一つに束ね、日焼けした精悍な顔つきをした立派なリーダーとなっていた。
かつてビルだった拠点は、いまや立派な修理工房に生まれ変わっていた。
看板には手描きの文字が踊る――「希望の修理屋《スクラップ・ギア》」。
その名は街の人々に広まり、日々客が絶えることはなかった。
リナは帳簿を抱えて走り回り、修理依頼の受付を的確にこなしていた。
「はい、おばあさんのランタンは明日の夕方には仕上げます。お代はいつものお芋で大丈夫ですから!」
そう言って、リナは温かい笑顔を向けた。彼女の顔には、もうかつての怯えはなかった。
カイルは油で汚れた腕を拭いながら、少年に笑顔を見せる。
「ポンプは直ったぞ。これでまた水が汲めるはずだ」
「ありがとう、兄ちゃん!」
少年の瞳は純粋な感謝で輝き、カイルの胸に温かなものを残した。
「ったく、これだからやめられねぇんだよな」
カイルは照れくさそうに頭を掻いた。
ミナトは拠点の屋上から双眼鏡を覗き、街の動きを監視していた。
「……ネロ、南区画の治安がかなり安定してきた。あのチンピラどもが寄り付かなくなったからな」
周囲の治安は以前よりずっと安定している。それは彼らの存在が抑止力となっている証だった。
そして、ネロ。
青年となった彼は、静かな眼差しで修理台に向かっていた。
手元には分解された古代の通信機。彼の指先が繊細に動き、サイコキネシスの補助で細かな部品を浮かせては組み込んでいく。
「……よし、これで信号は安定するはずだ」
起動と同時に、微かな電子音が室内に響く。
「ネロ兄ちゃん、さすが!」
リナが嬉しそうに声を上げた。
作業を見守っていたテゴが評価する。
『精度が上がったな。旧時代の技術を使いこなしてきている。君たちの“修理屋”は、この街の未来そのものだ』
人々の信頼。仲間の絆。安定した物資と食料。
ネロたちの拠点には、確かに「未来」の片鱗が芽生えていた。
だが、平穏な日々は長くは続かなかった。
噂は風のように忍び寄ってくる。
「街の反対側で、妙な集団が出没してるらしい」
「スカベンジャーだってよ。荒くれ者ばかりの群れで、住民から物資を奪ってるそうだ」
工房を訪れた商人たちが、顔を青ざめさせて話していた。
最初は遠い話に過ぎなかった。
ネロも仲間たちも「どうせ一時的な騒ぎだろう」と深く考えなかった。
だが日を追うごとに、噂は具体的になり、犠牲者の名が囁かれるようになった。
「隣の区画のハンスがやられたらしい」「食料を全部奪われたってさ」「怪我人も出たそうだ」
ネロは修理の手を止め、静かに耳を傾ける。
「テゴ、スカベンジャーってのは、どういう連中だ?」
ネロが問いかけると、テゴはすぐさまデータベースを検索した。
『スカベンジャー。直訳すると「漁る者」。荒廃した世界において、資源や物資を求めて徘徊する者たちの総称だろう。中には非人道的な行為に及ぶ者もいるようだ』
夕暮れ時。
工房の門を叩く音が響いた。
「はーい、今開けますね!」
リナが慌てて駆け出し、扉を開く。
そこに立っていたのは、かつて何度も取引をしてきた老人商人だった。
だが、その姿は惨憺たるものだった。
衣服は裂け、体には無数の傷。片足を引きずり、顔は血に濡れている。
「おい……! 大丈夫か!」
カイルが驚き、すぐに駆け寄って老人の体を支える。
「……やつらに……やられた……」
か細い声が漏れる。老人の体は震え、恐怖に怯えていた。
ネロも駆け寄り、傷を確かめた。深手ではないが、相当に痛めつけられている。
「一体誰にやられたんだ? 何があった!?」
リナが悲鳴のような声を上げる。
「スカベンジャー……だ……」
老人の言葉に、拠点の空気が凍りついた。
「農業やっている村に行商に行ったんだろ。荷車は? 物資は?」
カイルが問いかける。
老人は首を振った。
「全部……奪われた……。いや、それだけじゃない。奴らは……見せしめみたいに……村を壊し尽くすんだ……」
その言葉に、拠点の空気が凍りついた。
「壊す……?」
リナが震える声で呟く。
「そうだ……。奪うだけじゃ飽き足らず……井戸を潰し、家を燃やし……笑いながら……人を蹴散らす……。あれは……ただの盗賊じゃない……狂気だ……」
老人の声が途切れ、気を失った。
拠点の医療室に運ばれ、応急処置を施した後。
仲間たちは集まっていた。
「ふざけんな……!」
カイルが壁を殴り、拳を震わせる。
「ただ奪うだけじゃなく、壊して楽しんでるだと!? そんな連中、許せるか!」
ミナトは険しい表情で腕を組んだ。
「つまり、あのスカベンジャーどもは街を無法地帯に戻すつもりだ。もし放置すれば……次に狙われるのは、俺たちの拠点かもしれない。彼らにとって、俺たちの存在は邪魔なはずだ」
リナは不安げにネロを見つめる。
「ネロ……どうするの? 私たち、せっかく築いた平和を守れるの……?」
静寂の中、ネロはゆっくりと拳を握りしめた。
彼の目には恐怖ではなく、冷たい光が宿っている。
「――備えるしかない」
短く、しかし重い言葉だった。
「俺たちはもう子供じゃない。街の人々も、俺たちを頼ってる。なら、逃げることはできない。敵が来るなら……迎え撃つ覚悟を決める」
テゴが同意する。
『避けられぬ戦いになるだろう。だが、備えさえすれば勝機はある。奴らは暴力と破壊しか知らん。君たちの“知恵と秩序”で対抗するのだ』
その瞬間、拠点に漂う空気は変わった。
繁栄の日々の裏に潜んでいた緊張が、ついに表に姿を現したのだ。
夜。街の外に、焚き火の明かりがいくつか見える。遠くに見える炎の揺らめきは、まるで不吉な狼煙のようだった。人々は怯え、噂は恐怖と共に拡散する。
「スカベンジャーが迫っている」
「次は、この拠点が狙われるかもしれない」
静かな繁栄の日々は終わった。
街全体を覆う影――それが、荒くれスカベンジャーたちの影だった。
そして、ネロは確信する。これは始まりにすぎない。本当の嵐が、いま街へと近づいているのだ。
ネロは屋上から遠くの炎を見つめていた。その隣に、ミナトが静かに立つ。
「ネロ、無理はするな。一人で背負い込むな」
「わかってる。……でも、俺たちが何もしなければ、この街はまた元の恐怖に怯えた街に戻っちまう。俺たちがやってきたこと、全部無駄になる」
ネロは強く拳を握りしめた。
「俺たちの平和を、あいつらには壊させない」
ミナトは何も言わず、ネロの肩に手を置いた。その手の温かさが、ネロの心に静かな力を与えた。
この街を守るために、彼らは再び、戦いの渦へと身を投じていく。
修理屋を始めてから、すでに数年が経っていた。
あの時、荒廃した街の片隅で「武装した孤児の一団」と呼ばれた少年少女たちは、いまや青年へと成長し、確かな力と信頼を備えた存在へと変貌している。
ネロ。かつて十歳の孤児に過ぎなかった少年は、いまや十七歳の青年へと成長していた。黒髪を後ろで一つに束ね、日焼けした精悍な顔つきをした立派なリーダーとなっていた。
かつてビルだった拠点は、いまや立派な修理工房に生まれ変わっていた。
看板には手描きの文字が踊る――「希望の修理屋《スクラップ・ギア》」。
その名は街の人々に広まり、日々客が絶えることはなかった。
リナは帳簿を抱えて走り回り、修理依頼の受付を的確にこなしていた。
「はい、おばあさんのランタンは明日の夕方には仕上げます。お代はいつものお芋で大丈夫ですから!」
そう言って、リナは温かい笑顔を向けた。彼女の顔には、もうかつての怯えはなかった。
カイルは油で汚れた腕を拭いながら、少年に笑顔を見せる。
「ポンプは直ったぞ。これでまた水が汲めるはずだ」
「ありがとう、兄ちゃん!」
少年の瞳は純粋な感謝で輝き、カイルの胸に温かなものを残した。
「ったく、これだからやめられねぇんだよな」
カイルは照れくさそうに頭を掻いた。
ミナトは拠点の屋上から双眼鏡を覗き、街の動きを監視していた。
「……ネロ、南区画の治安がかなり安定してきた。あのチンピラどもが寄り付かなくなったからな」
周囲の治安は以前よりずっと安定している。それは彼らの存在が抑止力となっている証だった。
そして、ネロ。
青年となった彼は、静かな眼差しで修理台に向かっていた。
手元には分解された古代の通信機。彼の指先が繊細に動き、サイコキネシスの補助で細かな部品を浮かせては組み込んでいく。
「……よし、これで信号は安定するはずだ」
起動と同時に、微かな電子音が室内に響く。
「ネロ兄ちゃん、さすが!」
リナが嬉しそうに声を上げた。
作業を見守っていたテゴが評価する。
『精度が上がったな。旧時代の技術を使いこなしてきている。君たちの“修理屋”は、この街の未来そのものだ』
人々の信頼。仲間の絆。安定した物資と食料。
ネロたちの拠点には、確かに「未来」の片鱗が芽生えていた。
だが、平穏な日々は長くは続かなかった。
噂は風のように忍び寄ってくる。
「街の反対側で、妙な集団が出没してるらしい」
「スカベンジャーだってよ。荒くれ者ばかりの群れで、住民から物資を奪ってるそうだ」
工房を訪れた商人たちが、顔を青ざめさせて話していた。
最初は遠い話に過ぎなかった。
ネロも仲間たちも「どうせ一時的な騒ぎだろう」と深く考えなかった。
だが日を追うごとに、噂は具体的になり、犠牲者の名が囁かれるようになった。
「隣の区画のハンスがやられたらしい」「食料を全部奪われたってさ」「怪我人も出たそうだ」
ネロは修理の手を止め、静かに耳を傾ける。
「テゴ、スカベンジャーってのは、どういう連中だ?」
ネロが問いかけると、テゴはすぐさまデータベースを検索した。
『スカベンジャー。直訳すると「漁る者」。荒廃した世界において、資源や物資を求めて徘徊する者たちの総称だろう。中には非人道的な行為に及ぶ者もいるようだ』
夕暮れ時。
工房の門を叩く音が響いた。
「はーい、今開けますね!」
リナが慌てて駆け出し、扉を開く。
そこに立っていたのは、かつて何度も取引をしてきた老人商人だった。
だが、その姿は惨憺たるものだった。
衣服は裂け、体には無数の傷。片足を引きずり、顔は血に濡れている。
「おい……! 大丈夫か!」
カイルが驚き、すぐに駆け寄って老人の体を支える。
「……やつらに……やられた……」
か細い声が漏れる。老人の体は震え、恐怖に怯えていた。
ネロも駆け寄り、傷を確かめた。深手ではないが、相当に痛めつけられている。
「一体誰にやられたんだ? 何があった!?」
リナが悲鳴のような声を上げる。
「スカベンジャー……だ……」
老人の言葉に、拠点の空気が凍りついた。
「農業やっている村に行商に行ったんだろ。荷車は? 物資は?」
カイルが問いかける。
老人は首を振った。
「全部……奪われた……。いや、それだけじゃない。奴らは……見せしめみたいに……村を壊し尽くすんだ……」
その言葉に、拠点の空気が凍りついた。
「壊す……?」
リナが震える声で呟く。
「そうだ……。奪うだけじゃ飽き足らず……井戸を潰し、家を燃やし……笑いながら……人を蹴散らす……。あれは……ただの盗賊じゃない……狂気だ……」
老人の声が途切れ、気を失った。
拠点の医療室に運ばれ、応急処置を施した後。
仲間たちは集まっていた。
「ふざけんな……!」
カイルが壁を殴り、拳を震わせる。
「ただ奪うだけじゃなく、壊して楽しんでるだと!? そんな連中、許せるか!」
ミナトは険しい表情で腕を組んだ。
「つまり、あのスカベンジャーどもは街を無法地帯に戻すつもりだ。もし放置すれば……次に狙われるのは、俺たちの拠点かもしれない。彼らにとって、俺たちの存在は邪魔なはずだ」
リナは不安げにネロを見つめる。
「ネロ……どうするの? 私たち、せっかく築いた平和を守れるの……?」
静寂の中、ネロはゆっくりと拳を握りしめた。
彼の目には恐怖ではなく、冷たい光が宿っている。
「――備えるしかない」
短く、しかし重い言葉だった。
「俺たちはもう子供じゃない。街の人々も、俺たちを頼ってる。なら、逃げることはできない。敵が来るなら……迎え撃つ覚悟を決める」
テゴが同意する。
『避けられぬ戦いになるだろう。だが、備えさえすれば勝機はある。奴らは暴力と破壊しか知らん。君たちの“知恵と秩序”で対抗するのだ』
その瞬間、拠点に漂う空気は変わった。
繁栄の日々の裏に潜んでいた緊張が、ついに表に姿を現したのだ。
夜。街の外に、焚き火の明かりがいくつか見える。遠くに見える炎の揺らめきは、まるで不吉な狼煙のようだった。人々は怯え、噂は恐怖と共に拡散する。
「スカベンジャーが迫っている」
「次は、この拠点が狙われるかもしれない」
静かな繁栄の日々は終わった。
街全体を覆う影――それが、荒くれスカベンジャーたちの影だった。
そして、ネロは確信する。これは始まりにすぎない。本当の嵐が、いま街へと近づいているのだ。
ネロは屋上から遠くの炎を見つめていた。その隣に、ミナトが静かに立つ。
「ネロ、無理はするな。一人で背負い込むな」
「わかってる。……でも、俺たちが何もしなければ、この街はまた元の恐怖に怯えた街に戻っちまう。俺たちがやってきたこと、全部無駄になる」
ネロは強く拳を握りしめた。
「俺たちの平和を、あいつらには壊させない」
ミナトは何も言わず、ネロの肩に手を置いた。その手の温かさが、ネロの心に静かな力を与えた。
この街を守るために、彼らは再び、戦いの渦へと身を投じていく。
0
あなたにおすすめの小説
与兵衛長屋つれあい帖 お江戸ふたり暮らし
かずえ
歴史・時代
旧題:ふたり暮らし
長屋シリーズ一作目。
第八回歴史・時代小説大賞で優秀短編賞を頂きました。応援してくださった皆様、ありがとうございます。
十歳のみつは、十日前に一人親の母を亡くしたばかり。幸い、母の蓄えがあり、自分の裁縫の腕の良さもあって、何とか今まで通り長屋で暮らしていけそうだ。
頼まれた繕い物を届けた帰り、くすんだ着物で座り込んでいる男の子を拾う。
一人で寂しかったみつは、拾った男の子と二人で暮らし始めた。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
廃城の泣き虫アデリー
今野綾
ファンタジー
領主の娘だったアデリーはある日家族を殺され育った領地から命からがら逃げ出した。辿り着いた先は廃城。ひとり、ふたりと住人が増える中、問題が次々とおこって…
表紙はフリー素材です
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
妹のために愛の無い結婚をすることになりました
バンブー竹田
恋愛
「エミリー、君との婚約は破棄することに決まった」
愛するラルフからの唐突な通告に私は言葉を失ってしまった。
婚約が破棄されたことはもちろんショックだけど、それだけじゃない。
私とラルフの結婚は妹のシエルの命がかかったものでもあったから・・・。
落ちこむ私のもとに『アレン』という大金持ちの平民からの縁談が舞い込んできた。
思い悩んだ末、私は会ったこともない殿方と結婚することに決めた。
沢田くんはおしゃべり
ゆづ
青春
第13回ドリーム大賞奨励賞受賞✨ありがとうございました!!
【あらすじ】
空気を読む力が高まりすぎて、他人の心の声が聞こえるようになってしまった普通の女の子、佐藤景子。
友達から地味だのモブだの心の中で言いたい放題言われているのに言い返せない悔しさの日々の中、景子の唯一の癒しは隣の席の男子、沢田空の心の声だった。
【佐藤さん、マジ天使】(心の声)
無口でほとんどしゃべらない沢田くんの心の声が、まさかの愛と笑いを巻き起こす!
めちゃコミ女性向け漫画原作賞の優秀作品にノミネートされました✨
エブリスタでコメディートレンドランキング年間1位(ただし完結作品に限るッ!)
エブリスタ→https://estar.jp/novels/25774848
主婦が役立たず? どう思うかは勝手だけど、こっちも勝手にやらせて貰うから
渡里あずま
ファンタジー
安藤舞は、専業主婦である。ちなみに現在、三十二歳だ。
朝、夫と幼稚園児の子供を見送り、さて掃除と洗濯をしようとしたところで――気づけば、石造りの知らない部屋で座り込んでいた。そして映画で見たような古めかしいコスプレをした、外国人集団に囲まれていた。
「我々が召喚したかったのは、そちらの世界での『学者』や『医者』だ。それを『主婦』だと!? そんなごく潰しが、聖女になどなれるものか! 役立たずなどいらんっ」
「いや、理不尽!」
初対面の見た目だけ美青年に暴言を吐かれ、舞はそのまま無一文で追い出されてしまう。腹を立てながらも、舞は何としても元の世界に戻ることを決意する。
「主婦が役立たず? どう思うかは勝手だけど、こっちも勝手にやらせて貰うから」
※※※
専業主婦の舞が、主婦力・大人力を駆使して元の世界に戻ろうとする話です(ざまぁあり)
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる