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第二章:二度寝を夢見る孤児と修理屋の仲間たち
第八話:黒幕の影
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廃工場を揺るがした激闘が終わった後、残されたのは静寂と、破壊された鉄骨の残骸、そして無残に横たわる傭兵たちの影だった。倒れた彼らは二度と立ち上がらず、部隊は完全に壊滅した。ネロたちは荒い息を整えながら、残されたものを確認するために動き始めていた。
「……端末だ」
金属片をどかしたテゴが拾い上げたのは、ひしゃげた外装を持つ小型端末だった。傭兵の一人が所持していたものらしい。ネロたちは互いに目を合わせ、言葉なくうなずく。ここに、背後の影を掴む手がかりが眠っているかもしれない。
「この手の連中は、口が堅いからな。直接聞いても無駄だ。ありがとよ、テゴ」
「礼には及ばない。これはデータだ。私が処理すべきタスクだ」
カイルが肩をすくめ、リナは端末をのぞき込む。
「これ、動くの? 見るからにボロボロだけど」
「大丈夫だ。これくらいなら、俺たちの工房で直せる」
ネロはそう言って、端末を自分のジャケットのポケットにしまい込んだ。
夜。修理屋《スクラップ・ギア》の奥に設けられた簡易ラボで、テゴの青白い光が端末を照らしていた。
「セキュリティは強固だが……古い設計だ。少し時間をかければ解析できる」
テゴの合成音声が響く。カイルは落ち着きなく椅子に座り直し、リナは腕を組んでその様子を見守る。ミナトは壁に背を預け、じっと端末を見据えていた。
「おい、いつまでかかるんだ? 俺、眠くなってきたぞ」
「静かに、待ってて。みんな黙って待ってるんだから」
リナがカイルの頭を軽く叩く。
「ま、そう焦るな。こればかりはテゴに任せるしかない。それに、変なデータが入ってたら厄介だしな」
ネロはそう言って、みんなの分のコーヒーを持って来て座り。一口飲んだ。眠気を覚ますための苦い液体が、彼の心臓をゆっくりと鼓動させた。
やがて、静かな電子音と共に端末のロックが外れる。テゴの光学センサーが瞬きをするように点滅した。
「……出た。通信ログ、資金の流れ……だが、ほとんどが消去されている」
「やっぱりか。プロのやり方だな」
カイルが溜息をつく。
「使えそうなのはあるか?」
ネロが低く問う。
「完全削除を免れた断片がいくつか。断片をつなぎ合わせれば――」
テゴの声が僅かに低くなった。その場の空気が、重く沈んでいく。
「……浮かび上がった名は、“ガルヴァン”。外の街を牛耳る存在。別名――“傲慢なる大富豪”」
「……大富豪?」
リナが目を瞬かせる。聞き慣れない言葉に戸惑いを隠せない。カイルは鼻を鳴らした。
「なんだそりゃ。物語に出てくるボスの二つ名か?」
「いや、なんか聞いたことあるぞ……たしか、昔の情報に載ってたような……」
ミナトがぽつりと呟く。
「これは旧時代に実在した社会階層だ。富を極限まで集め、都市を買い、人を支配する者。荒廃以前の文明では、莫大な財を持つ者を“富豪”と呼んだ。その中でも頂点に立った者が“大富豪”。」
テゴの説明に、リナは驚きを隠せない。
「都市を……買う?」
「信じられねえ。そんなことができるのか?」
カイルが信じられないというように肩をすくめるが、テゴの説明は止まらない。
「この世界が荒れ果てた後も、古い富と権力を利用し、残された資源を独占しているのがガルヴァンだ。表では繁栄を装い、裏では人を物のように売買する。彼にとって人間は“資源”だ」
その言葉に、全員の背筋が冷たくなる。リナは唇を震わせた。
「人を……資源……? そんな……」
「捕える理由はそれだろう」
ネロが拳を握りしめる。
「俺のサイコキネシスと、AIのテゴ。リナの狙撃技術。カイルの銃の腕。ミナトの指揮。そして、修理屋としての技術……奴らにとっては、喉から手が出るほど欲しい“資源”なんだ。街ごと潰す気はない。ただ俺たちを捕まえ、金に変えるつもりなんだ」
沈黙が落ちる。重い、息苦しいほどの沈黙。誰もが言葉を失い、目に見えぬ鎖で縛られたように動けなかった。
「……信じられない」
リナが小さく呟く。
「でも、これが現実なんだ。俺たちは、とんでもない相手に目をつけられちまった」
カイルが椅子から立ち上がり、窓の外を見つめる。
「だが、このまま黙っていても、奴は俺たちを諦めないだろう。いつかまた、もっと強力な傭兵団を差し向けてくるかもしれない」
ネロは静かに言った。
「だったら……こっちから行くしかない」
テゴが言う。
「奴は街の全てを支配している。表も裏も、全てをだ。奴の街に潜り込むのは、危険すぎる」
翌日。街にはすでに噂が広がっていた。修理屋を狙う謎の勢力との衝突。依頼に訪れる人々の顔には恐れと疑念が浮かび、かつてのような信頼の空気は揺らぎ始めていた。
「これじゃあ……」
リナが依頼帳を閉じながら小さく吐き出す。
「私たちだけじゃなく、この街全体が巻き込まれる。いつか、みんなも巻き込まれてしまうんじゃないかって、不安になるわ」
カイルは苛立ちを隠さず机を叩いた。
「チクショウ……金で人を動かす? そんな奴に好き勝手やられてたまるかよ! 俺たちは、自分たちの手でこの街を守ってきたんだ。それを、見知らぬ大富豪に壊されてたまるか!」
ネロは黙っていた。だがその瞳の奥では、燃えさかる炎のような決意が揺らめいていた。
仲間たちは顔を見合わせ、そして一つの覚悟を固めていく。
「正体を突き止めただけじゃ足りない」
ネロが低く言う。
「やっぱり危険でも、直接奴の街に潜り込む。そして、奴の支配の秘密を暴いてやる」
「おい、本当にやるのか? 相手は“傲慢なる大富豪”だぞ? 生半可な気持ちじゃ、帰ってこられなくなる」
カイルが不安そうな声でネロに尋ねる。
「……ああ。やるさ。俺たちは、もう逃げない。この街と、そして自分たちの未来のために」
その夜。街の裏門からひっそりと出ていく五つの影があった。月光に照らされながら、錆びついた鉄路を歩き続ける。
「ここを越えれば……ガルヴァンの縄張りだ」
テゴの機械音声が静かに告げる。遠くの闇の向こう、微かに煌めく別の街の灯りが見えていた。
ネロは握りしめた拳を解かず、低く笑った。
「奴の住処に潜って暴いてやるさ。……あの傲慢野郎の腹の底をな」
たどり着いた街は、彼らの知る世界とはまるで違っていた。表通りには光があふれ、豪奢な建物が立ち並び、きらびやかな娯楽施設が軒を連ねる。高級車の群れが行き交い、人々は華美な衣服に身を包んで笑っていた。ネロたちの貧相な服装は、周囲から浮き、嫌悪の視線を向けられている。
「うわ……これが“外の街”……? なんか、想像と違うわ」
リナの声は震えていた。彼女が思い描いていたのは、もっと荒廃した、自分たちの街と似たような光景だった。
「見せかけの繁栄だ。裏は地獄だな」
カイルが唾を吐き捨てる。彼らが一歩裏路地に入れば景色は一変する。暗がりに労働者がうずくまり、監視ドローンが低い唸りを上げて頭上を旋回していた。使い捨てられる人々の群れ、搾取と監視の街。その対比があまりにも鮮烈だった。
「あの人たち……みんな、まるで生気がないみたい」
リナが目を丸くして、闇にうずくまる労働者たちを見つめる。
「奴隷のようなものだ。ガルヴァンにとって、彼らはただの労働力にすぎない。使い潰したら、また新しい『資源』を調達する」
久しぶりにポーチに入ったテゴが淡々と説明する。その言葉の重みが、ネロたちの心をさらに締め付ける。
一行は人混みに紛れ、酒場や市場を巡りながら噂を拾った。
「なあ、あんた。ガルヴァンって大富豪について、何か知らねえか?」
カイルが酒場の男に尋ねる。男は一瞬、顔色を変え、静かにグラスを置いた。
「そいつの名は、口に出さない方がいい。あんた、よそ者だろう。早くここから出て行きな」
男はそれだけ言って、足早に去っていった。
「“ガルヴァン”と聞いただけで、みんな口を閉ざす」
テゴが低く呟く。
「……それだけ恐れられてるってことか」
ネロの眉間に皺が寄る。沈黙が、彼の支配の強さを証明していた。影から街そのものを握り潰す存在。彼らは悟る。――ここでの戦いは、これまでとはまったく次元が違うのだと。
「どうする? このまま情報を集めても、埒が明かないんじゃないか?」
リナが不安そうな顔で尋ねる。
「ああ。ここでの戦いは、これまでとはまるで違う。正面からぶつかっても、街中の兵隊たちの数が多くて勝ち目はない」
ネロが静かに言う。
「じゃあ、どうするんだよ? まさか、このまま引き返すのか?」
カイルが焦る。
「いや、違う。俺たちは、奴の『心臓部』に潜り込む」
ネロはそう言って、テゴが手に入れた街の地図データを紙に書き写していく。地図には、街の中心に位置する巨大なタワーが記されていた。
「ここがガルヴァンの居城だ。奴の全財産と、全ての情報がそこに集まっている」
ネロの言葉に、リナとカイルは息をのむ。
「……まさか、そこに乗り込むつもりか?」
カイルが震える声で尋ねる。
「ああ。それが、奴の支配を終わらせる唯一の方法だ。奴の心臓部を暴き、支配の鎖を断ち切る。それが、俺たちがやらなきゃならないことだ」
こうして修理屋の仲間たちは、黒幕の牙城に潜り込み、敵の心臓部を暴く戦いへと踏み出していくのだった――。
「……端末だ」
金属片をどかしたテゴが拾い上げたのは、ひしゃげた外装を持つ小型端末だった。傭兵の一人が所持していたものらしい。ネロたちは互いに目を合わせ、言葉なくうなずく。ここに、背後の影を掴む手がかりが眠っているかもしれない。
「この手の連中は、口が堅いからな。直接聞いても無駄だ。ありがとよ、テゴ」
「礼には及ばない。これはデータだ。私が処理すべきタスクだ」
カイルが肩をすくめ、リナは端末をのぞき込む。
「これ、動くの? 見るからにボロボロだけど」
「大丈夫だ。これくらいなら、俺たちの工房で直せる」
ネロはそう言って、端末を自分のジャケットのポケットにしまい込んだ。
夜。修理屋《スクラップ・ギア》の奥に設けられた簡易ラボで、テゴの青白い光が端末を照らしていた。
「セキュリティは強固だが……古い設計だ。少し時間をかければ解析できる」
テゴの合成音声が響く。カイルは落ち着きなく椅子に座り直し、リナは腕を組んでその様子を見守る。ミナトは壁に背を預け、じっと端末を見据えていた。
「おい、いつまでかかるんだ? 俺、眠くなってきたぞ」
「静かに、待ってて。みんな黙って待ってるんだから」
リナがカイルの頭を軽く叩く。
「ま、そう焦るな。こればかりはテゴに任せるしかない。それに、変なデータが入ってたら厄介だしな」
ネロはそう言って、みんなの分のコーヒーを持って来て座り。一口飲んだ。眠気を覚ますための苦い液体が、彼の心臓をゆっくりと鼓動させた。
やがて、静かな電子音と共に端末のロックが外れる。テゴの光学センサーが瞬きをするように点滅した。
「……出た。通信ログ、資金の流れ……だが、ほとんどが消去されている」
「やっぱりか。プロのやり方だな」
カイルが溜息をつく。
「使えそうなのはあるか?」
ネロが低く問う。
「完全削除を免れた断片がいくつか。断片をつなぎ合わせれば――」
テゴの声が僅かに低くなった。その場の空気が、重く沈んでいく。
「……浮かび上がった名は、“ガルヴァン”。外の街を牛耳る存在。別名――“傲慢なる大富豪”」
「……大富豪?」
リナが目を瞬かせる。聞き慣れない言葉に戸惑いを隠せない。カイルは鼻を鳴らした。
「なんだそりゃ。物語に出てくるボスの二つ名か?」
「いや、なんか聞いたことあるぞ……たしか、昔の情報に載ってたような……」
ミナトがぽつりと呟く。
「これは旧時代に実在した社会階層だ。富を極限まで集め、都市を買い、人を支配する者。荒廃以前の文明では、莫大な財を持つ者を“富豪”と呼んだ。その中でも頂点に立った者が“大富豪”。」
テゴの説明に、リナは驚きを隠せない。
「都市を……買う?」
「信じられねえ。そんなことができるのか?」
カイルが信じられないというように肩をすくめるが、テゴの説明は止まらない。
「この世界が荒れ果てた後も、古い富と権力を利用し、残された資源を独占しているのがガルヴァンだ。表では繁栄を装い、裏では人を物のように売買する。彼にとって人間は“資源”だ」
その言葉に、全員の背筋が冷たくなる。リナは唇を震わせた。
「人を……資源……? そんな……」
「捕える理由はそれだろう」
ネロが拳を握りしめる。
「俺のサイコキネシスと、AIのテゴ。リナの狙撃技術。カイルの銃の腕。ミナトの指揮。そして、修理屋としての技術……奴らにとっては、喉から手が出るほど欲しい“資源”なんだ。街ごと潰す気はない。ただ俺たちを捕まえ、金に変えるつもりなんだ」
沈黙が落ちる。重い、息苦しいほどの沈黙。誰もが言葉を失い、目に見えぬ鎖で縛られたように動けなかった。
「……信じられない」
リナが小さく呟く。
「でも、これが現実なんだ。俺たちは、とんでもない相手に目をつけられちまった」
カイルが椅子から立ち上がり、窓の外を見つめる。
「だが、このまま黙っていても、奴は俺たちを諦めないだろう。いつかまた、もっと強力な傭兵団を差し向けてくるかもしれない」
ネロは静かに言った。
「だったら……こっちから行くしかない」
テゴが言う。
「奴は街の全てを支配している。表も裏も、全てをだ。奴の街に潜り込むのは、危険すぎる」
翌日。街にはすでに噂が広がっていた。修理屋を狙う謎の勢力との衝突。依頼に訪れる人々の顔には恐れと疑念が浮かび、かつてのような信頼の空気は揺らぎ始めていた。
「これじゃあ……」
リナが依頼帳を閉じながら小さく吐き出す。
「私たちだけじゃなく、この街全体が巻き込まれる。いつか、みんなも巻き込まれてしまうんじゃないかって、不安になるわ」
カイルは苛立ちを隠さず机を叩いた。
「チクショウ……金で人を動かす? そんな奴に好き勝手やられてたまるかよ! 俺たちは、自分たちの手でこの街を守ってきたんだ。それを、見知らぬ大富豪に壊されてたまるか!」
ネロは黙っていた。だがその瞳の奥では、燃えさかる炎のような決意が揺らめいていた。
仲間たちは顔を見合わせ、そして一つの覚悟を固めていく。
「正体を突き止めただけじゃ足りない」
ネロが低く言う。
「やっぱり危険でも、直接奴の街に潜り込む。そして、奴の支配の秘密を暴いてやる」
「おい、本当にやるのか? 相手は“傲慢なる大富豪”だぞ? 生半可な気持ちじゃ、帰ってこられなくなる」
カイルが不安そうな声でネロに尋ねる。
「……ああ。やるさ。俺たちは、もう逃げない。この街と、そして自分たちの未来のために」
その夜。街の裏門からひっそりと出ていく五つの影があった。月光に照らされながら、錆びついた鉄路を歩き続ける。
「ここを越えれば……ガルヴァンの縄張りだ」
テゴの機械音声が静かに告げる。遠くの闇の向こう、微かに煌めく別の街の灯りが見えていた。
ネロは握りしめた拳を解かず、低く笑った。
「奴の住処に潜って暴いてやるさ。……あの傲慢野郎の腹の底をな」
たどり着いた街は、彼らの知る世界とはまるで違っていた。表通りには光があふれ、豪奢な建物が立ち並び、きらびやかな娯楽施設が軒を連ねる。高級車の群れが行き交い、人々は華美な衣服に身を包んで笑っていた。ネロたちの貧相な服装は、周囲から浮き、嫌悪の視線を向けられている。
「うわ……これが“外の街”……? なんか、想像と違うわ」
リナの声は震えていた。彼女が思い描いていたのは、もっと荒廃した、自分たちの街と似たような光景だった。
「見せかけの繁栄だ。裏は地獄だな」
カイルが唾を吐き捨てる。彼らが一歩裏路地に入れば景色は一変する。暗がりに労働者がうずくまり、監視ドローンが低い唸りを上げて頭上を旋回していた。使い捨てられる人々の群れ、搾取と監視の街。その対比があまりにも鮮烈だった。
「あの人たち……みんな、まるで生気がないみたい」
リナが目を丸くして、闇にうずくまる労働者たちを見つめる。
「奴隷のようなものだ。ガルヴァンにとって、彼らはただの労働力にすぎない。使い潰したら、また新しい『資源』を調達する」
久しぶりにポーチに入ったテゴが淡々と説明する。その言葉の重みが、ネロたちの心をさらに締め付ける。
一行は人混みに紛れ、酒場や市場を巡りながら噂を拾った。
「なあ、あんた。ガルヴァンって大富豪について、何か知らねえか?」
カイルが酒場の男に尋ねる。男は一瞬、顔色を変え、静かにグラスを置いた。
「そいつの名は、口に出さない方がいい。あんた、よそ者だろう。早くここから出て行きな」
男はそれだけ言って、足早に去っていった。
「“ガルヴァン”と聞いただけで、みんな口を閉ざす」
テゴが低く呟く。
「……それだけ恐れられてるってことか」
ネロの眉間に皺が寄る。沈黙が、彼の支配の強さを証明していた。影から街そのものを握り潰す存在。彼らは悟る。――ここでの戦いは、これまでとはまったく次元が違うのだと。
「どうする? このまま情報を集めても、埒が明かないんじゃないか?」
リナが不安そうな顔で尋ねる。
「ああ。ここでの戦いは、これまでとはまるで違う。正面からぶつかっても、街中の兵隊たちの数が多くて勝ち目はない」
ネロが静かに言う。
「じゃあ、どうするんだよ? まさか、このまま引き返すのか?」
カイルが焦る。
「いや、違う。俺たちは、奴の『心臓部』に潜り込む」
ネロはそう言って、テゴが手に入れた街の地図データを紙に書き写していく。地図には、街の中心に位置する巨大なタワーが記されていた。
「ここがガルヴァンの居城だ。奴の全財産と、全ての情報がそこに集まっている」
ネロの言葉に、リナとカイルは息をのむ。
「……まさか、そこに乗り込むつもりか?」
カイルが震える声で尋ねる。
「ああ。それが、奴の支配を終わらせる唯一の方法だ。奴の心臓部を暴き、支配の鎖を断ち切る。それが、俺たちがやらなきゃならないことだ」
こうして修理屋の仲間たちは、黒幕の牙城に潜り込み、敵の心臓部を暴く戦いへと踏み出していくのだった――。
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