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第三章_星満
5.納豆とあさり
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五月の連休が終わり、その日もいつものようにアルバイトに行くと、多城選手が居るのを見つけて挨拶した。
「多城さん、こんにちはっ! 今日も打って下さいねっ」
「おぉ。今日もバイトに来てるのか? ちゃんと学校にも行かなきゃダメだぞっ」
すると、その様子を見ていた同じ弁当屋でアルバイトをしている大学生のお兄さんに声を掛けられた。
「君、凄いね。多城選手と知り合いなの?」
「えっ? 別に元々は関係無いですけど、ここで知り合いになりました」
「あ、なるほどね」
何が「なるほど」なのか、僕には分からないけれど、それまで地味だったお兄さんが、次の日から別人のように積極的に挨拶する人に変わっていた。
球場の売り子は声出しが重要だと思うので、スタンドに出る前の通路裏の雰囲気も大事だと思う。
スタッフが元気よく挨拶を交わすことは良い雰囲気作りになる。
僕とお兄さんは、その雰囲気作りに一役買っている存在になっている様で、弁当屋の社長からも信頼されるようになっていた。
「お兄さん、最近よく声が出るようになりましたね」
「おぉ! 君を見習ってやってるよっ」
いやいや、別に人に見習ってもらうほど、僕なんて大したことはしてないけれど、お兄さんが元気よく働けていることに、何か役に立ったのなら、それは嬉しいとは思う。
その頃、また違和感のある朝がやって来た。
例の3000メートルのタイムが凄かった日と同じで、電車の走る速度が遅く感じたのだ。
もしかしたら、今日は蛮が驚くような速球が投げられる日なのでは?
と自分でも予感がしていた。
四月のあの日から、授業が始まる前のキャッチボールが日課になっていたが、あの時から速球が投げられる日は一回も無いまま、一ヶ月を過ぎていた。
「蛮、今日は何か予感がするんだ」
「本当かぁ? 星よぉ~ でぇ~」
軽く肩慣らしの球を投げてみると、蛮の顔が明らかに変わった。
何球か投げているうちに、蛮の顔に笑顔が溢れてきた。
「でぇ~ 星よぉ~ そろそろ本気で投げてみてくれ~ でぇ~」
「よしっ、行くぞ!」
次の球は本気で投げてみた。
例によって僕自身の手応えはいつもと同じだったが、蛮は大喜びだ。
「うぉ~ 速いぞっ! 速すぎるぞっ! お巡りさん捕まえて下さ~い。紅陵の星はスピード違反ですよぉ~ でぇ~」
いつも大袈裟だなぁ……
などと苦笑いをしながら、僕は前回と今回の共通点を考えていた。
昨日はアルバイトがあったので夕食は売れ残りの弁当だった。
おかずは焼売や酢豚といった中華系だったか?
前回は鳥のから揚げだったから、夕食は共通点が無い。
寝た時間は横浜ボールパークから帰宅した後に、風呂に入って宿題をやったので、深夜一時を過ぎていただろうか?
前回よりも遅い。起きたのは七時頃だったので、これは一緒だ。
朝食は納豆と味噌汁、具はあさりだったか……
「!!!」これだっ!
前回と共通しているのは、納豆とあさりの味噌汁だっ!
「蛮っ! 分かったぞっ! 何だか知らないけど、納豆とあさりを食べると速球が投げられるようになるみたいだっ!」
「本当かぁ? 星ぃ~ それじゃぁ明日も納豆とあさりを食べてから学校に来るんじゃぁ! でぇ~」
「おぉ! 試してみるよ。早速リクエストしておかなきゃっ!」
僕は「明日の朝ごはんは、納豆とあさりの味噌汁にして欲しい!」と母にLINEを送った。
翌朝、僕の要求通り、朝食は納豆とあさりの味噌汁だった。
あさりは昨日より大粒で効果が出そうな予感がしいいたのだが……
電車に乗っている感覚は、通常と同じで遅くは感じない。
電車を降りた後に、ドンドコ商店街に向かって、皆が歩いて行くスピードも遅く感じない。
そうなのだ、速球が投げられる日は、電車の速度や皆の歩くスピートが遅く感じていた。
米田の走るスピードも遅く感じたので最後まで付いて行けてしまったのだ。
それはつまり、僕が速くなっているのではなく、皆が遅くなっているのか?
いやいや、僕が速くなっていることに、僕自身が対応できていないので、皆が遅くなっていると感じるのだろうか?
どっちだか分からないけれど、特別な感覚になることは分かっていた。
でも今日は普通だ。
多分いつものヘロヘロ球しか投げられないだろう……
学校に到着して、早速キャッチボールをしたが、予想通り速球は投げられなかった。
納豆とあさりの味噌汁以外に、何か条件が必要なのだろうか?
それとも、逆に食べてはいけないものを食べてしまったので、覚醒しなかったのか?
理由は分からないけれど、納豆とあさりは条件に入っているだろう。
翌日から、僕だけは毎朝納豆を食べるようにしようと決めた。
味噌汁は僕の為に毎日あさりにしてもらうのは抵抗があったので、あさりのインスタント味噌汁を買うことにした。
アルバイト代は全て旅費にしたかったが、これはこれで重要なことなので、ケチるところではないな。
と感じていた。
それはそれとして、僕が普通の状態で投げているヘロヘロ球は何キロくらい出ているのだろうか?
それが特別な状態で投げると何キロになるのだろうか?
それも知っておいたほうが良いのではないか?
蛮の評価では、130キロ以上は出ている。
とのことだが、それでは強豪私立のピッチャーならば当たり前に投げているのではないか?
コンスタントに150キロを投げなければ、特別凄い投手とは言えないだろう。
その為には通常モードで投げられる球を、もう少しだけ速くしないとダメなんだろうなぁ……
とは薄々感じていた。
日曜日に一人で近所のゲームセンターに出向いた。
スピードガンで球速を計れるコーナーがあるのだ。
そこで投げてみると、平均して大体90キロくらいの速度は出ているようだ。
それが130キロになるということは、通常の約1.5倍の速度が出るようになるということなのか?
それならば、ちょっと練習して、常に100キロの球を投げられるようにしておけば、その球が150キロに化けると期待して良いに違いない。
あとは、その状態を自分の意志で作れるようになれば、蛮の期待通り野球部に入部して、甲子園を目指すのも良いだろう。
その為に、朝食は納豆とあさりの味噌汁というメニューを続けてみることにした。
五月の終わりに、三浦半島の鷹取山に練習登山に出掛けることになった。
登山と言うよりハイキングみたいなものだ。
京浜電鉄の追浜海岸駅から鷹取山を経由して、神武寺公園駅まで約5キロのコースを、いつもの練習と同じで、ザックには無意味に満タンのペットボトルを何個か入れて、わざわざ負荷を掛けて登るのだ。
でも自分で思ったよりも楽に行けている。
普段の練習でも、ドンドコ商店街までのダラダラ坂を何度も往復しているし、練習が無い日も横浜ボールパークまで走って通い、重い弁当を持ってスタンドを上がったり下がったりしているから、入学当初よりもかなりパワーアップしているのではないだろうか?
山頂で食べた弁当が、想像していたより遥かに美味しく感じた。
僕の目的は、天体写真を撮る為に、街の明かりが届かない山奥に行くことだったのだが、山岳部の仲間と色々な山の話しをしているうちに、天体写真とは関係なく、登ってみたい山がどんどん増えていたのだ。
その仲間たちと一緒に山頂で食べる弁当の、何と美味しいことかっ!
これが北岳の山頂で食べる弁当だったら、どんな味がするのだろうか?
蛮の為に、野球のことは常に頭の片隅にはあるのだが、僕はどんどん山登りの魅力に取りつかれていった。
その後、納豆とあさりの味噌汁は欠かさなかったのだが、毎朝の日課のキャッチボールは、常にガッカリする結果になっていた。
でも蛮は前向きだった。
ヘロヘロ球は仕方ないとして、先ずは投球フォームそのものをもう少し変えてみよう。
と提案された。
なるほど、今まで補欠だったし、ピッチャーなんてやろうと思ったことも無かったので、ピッチングフォームは全くの自己流だ。
球技のセンスが無いので、それはそれは酷いフォームなのだろう。
野球を辞めてしまってから、投球フォームを研究するなんて、順番が逆なのだが、毎日キャッチボールするのだから、少しは上手くなりたいよなぁ……
などと思い、とりあえず向上心を持ってやることにした。
「多城さん、こんにちはっ! 今日も打って下さいねっ」
「おぉ。今日もバイトに来てるのか? ちゃんと学校にも行かなきゃダメだぞっ」
すると、その様子を見ていた同じ弁当屋でアルバイトをしている大学生のお兄さんに声を掛けられた。
「君、凄いね。多城選手と知り合いなの?」
「えっ? 別に元々は関係無いですけど、ここで知り合いになりました」
「あ、なるほどね」
何が「なるほど」なのか、僕には分からないけれど、それまで地味だったお兄さんが、次の日から別人のように積極的に挨拶する人に変わっていた。
球場の売り子は声出しが重要だと思うので、スタンドに出る前の通路裏の雰囲気も大事だと思う。
スタッフが元気よく挨拶を交わすことは良い雰囲気作りになる。
僕とお兄さんは、その雰囲気作りに一役買っている存在になっている様で、弁当屋の社長からも信頼されるようになっていた。
「お兄さん、最近よく声が出るようになりましたね」
「おぉ! 君を見習ってやってるよっ」
いやいや、別に人に見習ってもらうほど、僕なんて大したことはしてないけれど、お兄さんが元気よく働けていることに、何か役に立ったのなら、それは嬉しいとは思う。
その頃、また違和感のある朝がやって来た。
例の3000メートルのタイムが凄かった日と同じで、電車の走る速度が遅く感じたのだ。
もしかしたら、今日は蛮が驚くような速球が投げられる日なのでは?
と自分でも予感がしていた。
四月のあの日から、授業が始まる前のキャッチボールが日課になっていたが、あの時から速球が投げられる日は一回も無いまま、一ヶ月を過ぎていた。
「蛮、今日は何か予感がするんだ」
「本当かぁ? 星よぉ~ でぇ~」
軽く肩慣らしの球を投げてみると、蛮の顔が明らかに変わった。
何球か投げているうちに、蛮の顔に笑顔が溢れてきた。
「でぇ~ 星よぉ~ そろそろ本気で投げてみてくれ~ でぇ~」
「よしっ、行くぞ!」
次の球は本気で投げてみた。
例によって僕自身の手応えはいつもと同じだったが、蛮は大喜びだ。
「うぉ~ 速いぞっ! 速すぎるぞっ! お巡りさん捕まえて下さ~い。紅陵の星はスピード違反ですよぉ~ でぇ~」
いつも大袈裟だなぁ……
などと苦笑いをしながら、僕は前回と今回の共通点を考えていた。
昨日はアルバイトがあったので夕食は売れ残りの弁当だった。
おかずは焼売や酢豚といった中華系だったか?
前回は鳥のから揚げだったから、夕食は共通点が無い。
寝た時間は横浜ボールパークから帰宅した後に、風呂に入って宿題をやったので、深夜一時を過ぎていただろうか?
前回よりも遅い。起きたのは七時頃だったので、これは一緒だ。
朝食は納豆と味噌汁、具はあさりだったか……
「!!!」これだっ!
前回と共通しているのは、納豆とあさりの味噌汁だっ!
「蛮っ! 分かったぞっ! 何だか知らないけど、納豆とあさりを食べると速球が投げられるようになるみたいだっ!」
「本当かぁ? 星ぃ~ それじゃぁ明日も納豆とあさりを食べてから学校に来るんじゃぁ! でぇ~」
「おぉ! 試してみるよ。早速リクエストしておかなきゃっ!」
僕は「明日の朝ごはんは、納豆とあさりの味噌汁にして欲しい!」と母にLINEを送った。
翌朝、僕の要求通り、朝食は納豆とあさりの味噌汁だった。
あさりは昨日より大粒で効果が出そうな予感がしいいたのだが……
電車に乗っている感覚は、通常と同じで遅くは感じない。
電車を降りた後に、ドンドコ商店街に向かって、皆が歩いて行くスピードも遅く感じない。
そうなのだ、速球が投げられる日は、電車の速度や皆の歩くスピートが遅く感じていた。
米田の走るスピードも遅く感じたので最後まで付いて行けてしまったのだ。
それはつまり、僕が速くなっているのではなく、皆が遅くなっているのか?
いやいや、僕が速くなっていることに、僕自身が対応できていないので、皆が遅くなっていると感じるのだろうか?
どっちだか分からないけれど、特別な感覚になることは分かっていた。
でも今日は普通だ。
多分いつものヘロヘロ球しか投げられないだろう……
学校に到着して、早速キャッチボールをしたが、予想通り速球は投げられなかった。
納豆とあさりの味噌汁以外に、何か条件が必要なのだろうか?
それとも、逆に食べてはいけないものを食べてしまったので、覚醒しなかったのか?
理由は分からないけれど、納豆とあさりは条件に入っているだろう。
翌日から、僕だけは毎朝納豆を食べるようにしようと決めた。
味噌汁は僕の為に毎日あさりにしてもらうのは抵抗があったので、あさりのインスタント味噌汁を買うことにした。
アルバイト代は全て旅費にしたかったが、これはこれで重要なことなので、ケチるところではないな。
と感じていた。
それはそれとして、僕が普通の状態で投げているヘロヘロ球は何キロくらい出ているのだろうか?
それが特別な状態で投げると何キロになるのだろうか?
それも知っておいたほうが良いのではないか?
蛮の評価では、130キロ以上は出ている。
とのことだが、それでは強豪私立のピッチャーならば当たり前に投げているのではないか?
コンスタントに150キロを投げなければ、特別凄い投手とは言えないだろう。
その為には通常モードで投げられる球を、もう少しだけ速くしないとダメなんだろうなぁ……
とは薄々感じていた。
日曜日に一人で近所のゲームセンターに出向いた。
スピードガンで球速を計れるコーナーがあるのだ。
そこで投げてみると、平均して大体90キロくらいの速度は出ているようだ。
それが130キロになるということは、通常の約1.5倍の速度が出るようになるということなのか?
それならば、ちょっと練習して、常に100キロの球を投げられるようにしておけば、その球が150キロに化けると期待して良いに違いない。
あとは、その状態を自分の意志で作れるようになれば、蛮の期待通り野球部に入部して、甲子園を目指すのも良いだろう。
その為に、朝食は納豆とあさりの味噌汁というメニューを続けてみることにした。
五月の終わりに、三浦半島の鷹取山に練習登山に出掛けることになった。
登山と言うよりハイキングみたいなものだ。
京浜電鉄の追浜海岸駅から鷹取山を経由して、神武寺公園駅まで約5キロのコースを、いつもの練習と同じで、ザックには無意味に満タンのペットボトルを何個か入れて、わざわざ負荷を掛けて登るのだ。
でも自分で思ったよりも楽に行けている。
普段の練習でも、ドンドコ商店街までのダラダラ坂を何度も往復しているし、練習が無い日も横浜ボールパークまで走って通い、重い弁当を持ってスタンドを上がったり下がったりしているから、入学当初よりもかなりパワーアップしているのではないだろうか?
山頂で食べた弁当が、想像していたより遥かに美味しく感じた。
僕の目的は、天体写真を撮る為に、街の明かりが届かない山奥に行くことだったのだが、山岳部の仲間と色々な山の話しをしているうちに、天体写真とは関係なく、登ってみたい山がどんどん増えていたのだ。
その仲間たちと一緒に山頂で食べる弁当の、何と美味しいことかっ!
これが北岳の山頂で食べる弁当だったら、どんな味がするのだろうか?
蛮の為に、野球のことは常に頭の片隅にはあるのだが、僕はどんどん山登りの魅力に取りつかれていった。
その後、納豆とあさりの味噌汁は欠かさなかったのだが、毎朝の日課のキャッチボールは、常にガッカリする結果になっていた。
でも蛮は前向きだった。
ヘロヘロ球は仕方ないとして、先ずは投球フォームそのものをもう少し変えてみよう。
と提案された。
なるほど、今まで補欠だったし、ピッチャーなんてやろうと思ったことも無かったので、ピッチングフォームは全くの自己流だ。
球技のセンスが無いので、それはそれは酷いフォームなのだろう。
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