恋して、愛して、変になる

まなづるるい

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第一章 綺麗なお姉さんと混浴でいちゃいちゃえっち

秘密がばれた瞬間

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 冷静になって考えてみれば、どうして彼氏はお姉さんとのことを知っていたのだろうか。

 あの時は目の前の光景に夢中ですっかり忘れていたけど、彼氏と解散した今、そんな疑問が浮かんでくる。

 結局、私は許されたのだろうか。それすらも曖昧なまま今に至る。

 それに、なんだか彼氏の意外な一面を見た気がする。まさか寝取られ好きだったりするのかな。あんな表情、初めて見た。

 そんなことよりもスマホで見せてもらったあのアングル、なんかおかしくない?

 だって、あのホテルはお姉さんと一緒に決めた場所。最終的に決めたのは私のはずで、入室してすぐにやりだしたんだから、スマホを設置している暇もないはずだ。

 ああ嫌だな、今の言い方だとまるでお姉さんが盗撮したみたいじゃない。そんなはずないよ。だって、そんなことして何になるの?

 それに、仮にお姉さんにそういう趣味があったとして、それをどうして彼氏が知っているの?

 そんなの答えはひとつしかないじゃない。

 まさか、そんなはずないよ。二人に接点なんてないはずだし、私には一言も。

 駄目だよ私の悪い癖。そうやって、自分が理解できないことは全部悪い方に考えるの。まずはほら、お姉さんに確認してみないと。

『お姉さん、今度いつ会えますか?』
『来週の土曜日なら空いてるよ』




 約束の日。私はこの間行ったラブホテルの前で、お姉さんがくるのを待っていた。お姉さんは私より五分遅れてやってくると「会いたかったよ由乃ちゃん」と言って、優しく抱き締めてくれた。

 室内に入り、靴を脱いでベットへと腰を下ろす。

 今日は話をしにきたんだから、お姉さんのペースに飲まれちゃ駄目。

「由乃ちゃん、なに飲む?」
「えと……なんでもいいですよ」
「今日は随分と大人しいね。そんな由乃ちゃんも嫌いじゃないけど」

 お姉さんは冷蔵庫からお茶の入ったペットボトルを二本持ってくると、私のすぐ隣に腰を下ろした。香水のような甘い匂いに、胸の奥がキュウッとなる。

「あのね、お姉さんに聞きたいことがあるの」
「なに?」
「こないだ会った時にさ……スマホかなにかで録画とか、した?」
「録画ってなにを?」
「その、……私との……えっち」

 否定してくれると期待した。

 それなのにお姉さんは、間髪入れずに私の希望を打ち砕く。

「したよ」
「え」
「いいアングルだったでしょう? あれを色んな人達に見てもらえば、きっと由乃ちゃんは今よりもっと人気者になれると思ったの」
「私が……人気者に……」

 それは悪魔のような囁きで、心に秘めていた承認欲求を一瞬で満たしてくれるような甘い罠。

「由乃ちゃんって、人に見られるのが好きでしょう」
「え?」
「アイドルにでもなりたいのかな。きっかけはなんだっていい、誰かに振り向いてほしくてしょうがないって感じ。自分が一番じゃないと気が済まないタイプだよね。愛されてないと死んじゃうくらい、他人からの愛情に飢えている」

 そうだよ、何もせずして他人に愛されるわけがない。

 だから私は努力するの。努力して、自分の居場所は自分の力で確立するの。

「あの動画、由乃ちゃんさえ良ければネットに拡散してあげる。色んな人達が由乃ちゃんのえっちな姿に興奮して、この子誰? 可愛い! ってなるの」
「で、でも汚いおっさん達のちんぽ勃たせても嬉しくない」
「きっかけなんてなんでもいいのよ。由乃ちゃんは誰かに注目されたいんでしょう? なら、私とのえっち、皆に見てもらおうよ」
「え、や、やだ。それは流石に恥ずかしいよ」
「あはは。そうだね、じゃあまずは由乃ちゃんの彼氏に見てもらおっか」

 私は自分の耳を疑った。

 ただでさえ今、お姉さんとの浮気を疑われているというのに、直接本人に「お姉さんとのえっちを見てほしい」なんて言えるわけないでしょう。

「い、言えないよ。だって私、お姉さんと浮気してるって思われてる」
「浮気じゃないわよ。ちょっと気持ち良いことしてるだけ」

 それに、とお姉さんは言葉を続ける。

「もしかしたらこれがきっかけで、彼氏に突っ込んでもらえるかもよ?」

 確かにあの時の彼氏の様子はおかしかった。ああいう趣味があるのかなって、思ったよ。でもどうかな。お姉さんに犯される私を見て、私に入れたいと思うかな。

「ねえ由乃ちゃん。貴女はどうして彼氏とえっちしないのかな?」

 お仕事で疲れてるだろうからなんて建前だ。本当は私だって、彼氏と繋がりたい。

 ならどうして。

「ねえ由乃ちゃん。もしかして貴女、処女なの?」

 図星だった。私は最後までするのが怖いんだ。

 無言を肯定と判断したのだろう。お姉さんは嬉しそうにふんわりと笑うと、私の唇を奪った。

「あっは♡ かわいー、由乃ちゃん。じゃあさ、今から私と由乃ちゃんのえっちなライブ配信をやるか、由乃ちゃんの彼氏を此処に呼んで目の前で見せつけるの、どっちがいい?」
「えっ……じょ、冗談」
「冗談じゃないって。早くどちらか選びなよ」

 そんなの選べるはずがない。どんな人達が見ているか分からないようなネット配信か、彼氏か……なんて。

「お、お願いだから、彼氏には、言わないで……」

 藁にもすがる想いで懇願すると「生配信だからね」と告げられた私は、この選択が間違いだったのでは……と、既に後悔し始めていた。

 だけど此処で拒めば、私とお姉さんのプレイを彼氏に見せることになる。

 それだけは絶対に嫌だった。

「目線は常にカメラを意識して。恥じらうのもいいけど隠さないで。緊張しないで大丈夫。声も我慢しなくていいからね」

 配信の準備が整ったのか、お姉さんが私にキスをする。

 これってもう始まっているのかな。

 ドキドキしていると、触れた唇からにゅるりと熱い舌が捩じ込まれて、ずっと欲しかった感触が私の全身を支配する。

「あっ……はあっ、ん」
「由乃ちゃんかわい♡ おっぱいも舐めてあげる。あは、もう乳首立ってるね」
「や、ぁ、ひゃえ」

 恥ずかしすぎて死にそうだった。左右どちらを舐められても気持ちが良くて、勝手に下半身が疼いてしまう。

 パンツを片足だけ脱がされると、両膝を立てて御開帳。

 これでは恥ずかしいところが丸見えだ。

「割れ目からどんどん愛液が溢れてくるの、皆に見せてあげようね」

 指の腹で優しく撫でられるだけで、じんわりと湿っていく。

 こんなの、どう足掻いたって無理。我慢できるはずがない。

 もうイッちゃう。

 そう思った瞬間、ドアが開いた。

「……なにやってんの、お前」

 いるはずのない人がそこにいて、こちらに軽蔑の眼差しを向けている。

 どうして貴方が此処にいるの。どうして私が此処にいるのが分かったの。こんなの言い訳できないよ。今度こそ振られちゃう。ごめんなさいごめんなさい。お願いだから嫌いにならないで。

「そ……奏太くん……っ」
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