こいラテ。生徒会長ルート

まなづるるい

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第6話

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目を閉じる。この一瞬一瞬を噛み締める。
私、会長とキスしてる。
何秒くらい、こうしていたのだろうか。付かず離れず数回、唇を離しては触れ、互いの唇の熱を感じていた。
ずっとこうしたかった。
会長に触れていたかった。
私は会長の背中に腕を回す。会長の手は私の頬に触れ、耳に触れ、ほんの少し擽ったい。
「ん……っ、ふ」
多分、声を出したのは私の方。
だって会長が指で耳をなぞるから。
ようやく唇が離れると、私は目を開けて会長を見た。
「会長、どうしてキスするの?」
「……きみのことが好きだから」
嘘。もういっかい言ってほしい。
ねえ会長、いつから私のことが好きだったの?
もっと早く教えてほしかった。そしたらもっと、学生のうちに色んなことができたのに。
ねえ会長、私達もうすぐ卒業するんだよ。離れ離れになっちゃうんだよ。
会長、大学に行くんでしょう。私、頭悪いから、会長と同じ大学なんて行けないよ。
「会長、好き」
私は会長に抱きついた。会長の首元に顔を寄せて、会長の匂いを堪能する。

……

奇跡の日から数ヶ月後。私と会長はとうとう学校を卒業してしまった。
明日からどうすればいいのだろう。
会う時間が減ってしまう。
「そういえば、ひとつ言い忘れてたんだけど」
帰り道。私は会長と手を繋ぎながら歩いていた。
「大学、きみと同じとこにした」
「へ」
だいぶランクを落としたのでは?
会長ならいい大学に行けるのに。というかそんな大事な話、一言も聞いてないんだけど。
「い、いいの? その……私としては嬉しいけど、親とかめちゃくちゃ怒ったんじゃない?」
「うん。めちゃくちゃ怒ってた。彼女のためにランクを落とすなんて馬鹿げてるって」
返す言葉もありません。
「だけど僕もきみと会えなくなるのはいやだったから」
会長のパパとママ、ごめんなさい。
貴方の息子がこんなことを言っているのに、私は今、とても嬉しいと思っている。
「きみも喜んでくれるだろう?」
曇りのない、キラキラとした笑顔で会長は私に言った。
私は。

「当たり前でしょう!」←
「やっぱりご両親に悪いよ。もういっかい、考えなおそう?」


(こいラテ。生徒会長ルート HappyEND)
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