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ふしぎなおともだち
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はるです、ここはきんじょにある「サクラなみき」
まいとしこんなふうにいっぱいのさくらがさいてピンクいろでとってもキレイです!
でも、このサクラなみきのなかにいっぽんだけ
ぜったいにはながさかないサクラがあります・・・。
ボクは、はるになるといつもそのきのところにいきます。
なんだかぶきみでこわい?だいじょうぶだよ!
だってこのきのしたには、はるにしかあえないボクのおともだちがいるんだから!
「こんにちわ、はるこちゃん!」
「あ・・・ケンくんきょうもきてくれたんだ・・・」
おともだちのはるこちゃんです!まいとしこのばしょでしか、
そしてまわりのサクラがなくなっちゃうとどうしてか
いっしょにいなくなっちゃうボクのふしぎなおともだちです。
どこにすんでいるのかもパパもママもみたことがありません。
でも、はるこちゃんがぼくはだいすきです!
だってやさしくてかわいいからです!
「きょうはシートもってきたんだ!いっしょにおちゃのもう?」
「うん、ありがとうケンくん・・・」
さっそくじゅんびをしてボクたちはいっしょにおちゃをのみます。
「はるこちゃんはどこからきてるの?」
「わたしはずっとここにいるの・・・」
「おうちにかえるでしょ?」
「ううん、かえらないわ・・・ずっとここにいる」
「パパやママは?」
「そんなのもうわすれちゃった・・・」
そんなわけ・・・ないのにな・・・
ボクはそんなうそをつくはるこちゃんがもっとふしぎになりました。
「じゃ、じゃあどこのがっこうにいってるの?それともようちえん?ほいくえん?」
はるこちゃんはこまったかおをして、なにもいいませんでした。
「はるこちゃん、じゃあきみはここでなにをしているの!?」
ボクがそうきくと、はるこちゃんはやさしいかおになりました。
「ひとをまっているの」
「そうなんだ、どんなひと?」
「わからないの、なんじゅうねんもここにいるから…もうわすれちゃった」
そのとき、えがおだったはるこちゃんのめからなみだがこぼれました
「あのひとはどこ・・・どうしてきてくれないの・・・?」
ポロポロとはるこちゃんのめからなみだがどんどんあふれてきます
「(なんじゅうねんって・・・なかせちゃった・・・どうしよ・・・!)」
ボクはびっくりしてしまいました、このこはなにものなんだろう?
「ごめんねはるこちゃん・・・!」
はるこちゃんをぎゅっとだきしめました。
そのときです
「ぼうや、いま、はるこっていったか!?」
しらないおじいさんがとつぜんはなしかけてきました
こういうときはすぐににげるようにボクはパパとママにいわれています
《にげなきゃ!》
そうおもってはしろうとしたしゅんかん、おじいさんがボクのてをつかんだのです
「なぁ!いまはるこっていわなかったかい!?」
ウルウルとしためでおじいさんもなぜかなきそうなかおです。
ボクはにげるのをやめました、たぶんこのひとはだいじょうぶだとおもったからです。
「はるこちゃんは・・・そのきのしたにいます・・・」
そういうと、おじいさんはゆっくりさくらがさかないきのしたにいきました。
「はるこ・・・ここにいるのかい?ぼくだよ、げんじだよ!」
「げんじ・・・?」
「ずいぶんおそくなってしまった、ごめんなはるこ、やっとむかえにこれた・・・」
おじいさんもポロポロとなみだをながしています
「げんじ・・・さん・・・?」
そのしゅんかん、このいっぽんだけさいてなかったさくらがとつぜんいっしゅんでブワッとキレイにまんかいにさいたのです!
どのサクラよりもうつくしく、まるでとまっていたじかんがうごきだすように・・・
ボクがまばたきをすると、はるこちゃんはとつぜんおとなのすがたになっていました。
「げんじさん、やっときてくれたのね…ずっと、ずっとおあいしたかった…あいしております…」
「ああ・・・あれからもう50ねんがたってしまった・・・ワシももうとしよりじゃ・・・でも・・・ぼくもはるこをいまもずっとあいしているよ・・・」
はるこさんとげんじさんはふたりともなきながらだきしめあっています
ボクはそれをじっとみつめていることしかできませんでした
そして・・・はるこさんはちいさなたくさんのひかりのつぶとなってそらへとあがっていきました・・・
「はるこちゃんは・・・オバケだったんだ・・・」
おじいさんはボクのところにきて、こういいました
「ぼうや、ありがとう…これでけっこんまえにここでなくなったはるこもじょうぶつできた、さいごにはるこにあえてよかった…ほんとうにありがとう」
ボクのきおくはここまで。
とおいとおい…むかしのふしぎなおもいでです。
まいとしこんなふうにいっぱいのさくらがさいてピンクいろでとってもキレイです!
でも、このサクラなみきのなかにいっぽんだけ
ぜったいにはながさかないサクラがあります・・・。
ボクは、はるになるといつもそのきのところにいきます。
なんだかぶきみでこわい?だいじょうぶだよ!
だってこのきのしたには、はるにしかあえないボクのおともだちがいるんだから!
「こんにちわ、はるこちゃん!」
「あ・・・ケンくんきょうもきてくれたんだ・・・」
おともだちのはるこちゃんです!まいとしこのばしょでしか、
そしてまわりのサクラがなくなっちゃうとどうしてか
いっしょにいなくなっちゃうボクのふしぎなおともだちです。
どこにすんでいるのかもパパもママもみたことがありません。
でも、はるこちゃんがぼくはだいすきです!
だってやさしくてかわいいからです!
「きょうはシートもってきたんだ!いっしょにおちゃのもう?」
「うん、ありがとうケンくん・・・」
さっそくじゅんびをしてボクたちはいっしょにおちゃをのみます。
「はるこちゃんはどこからきてるの?」
「わたしはずっとここにいるの・・・」
「おうちにかえるでしょ?」
「ううん、かえらないわ・・・ずっとここにいる」
「パパやママは?」
「そんなのもうわすれちゃった・・・」
そんなわけ・・・ないのにな・・・
ボクはそんなうそをつくはるこちゃんがもっとふしぎになりました。
「じゃ、じゃあどこのがっこうにいってるの?それともようちえん?ほいくえん?」
はるこちゃんはこまったかおをして、なにもいいませんでした。
「はるこちゃん、じゃあきみはここでなにをしているの!?」
ボクがそうきくと、はるこちゃんはやさしいかおになりました。
「ひとをまっているの」
「そうなんだ、どんなひと?」
「わからないの、なんじゅうねんもここにいるから…もうわすれちゃった」
そのとき、えがおだったはるこちゃんのめからなみだがこぼれました
「あのひとはどこ・・・どうしてきてくれないの・・・?」
ポロポロとはるこちゃんのめからなみだがどんどんあふれてきます
「(なんじゅうねんって・・・なかせちゃった・・・どうしよ・・・!)」
ボクはびっくりしてしまいました、このこはなにものなんだろう?
「ごめんねはるこちゃん・・・!」
はるこちゃんをぎゅっとだきしめました。
そのときです
「ぼうや、いま、はるこっていったか!?」
しらないおじいさんがとつぜんはなしかけてきました
こういうときはすぐににげるようにボクはパパとママにいわれています
《にげなきゃ!》
そうおもってはしろうとしたしゅんかん、おじいさんがボクのてをつかんだのです
「なぁ!いまはるこっていわなかったかい!?」
ウルウルとしためでおじいさんもなぜかなきそうなかおです。
ボクはにげるのをやめました、たぶんこのひとはだいじょうぶだとおもったからです。
「はるこちゃんは・・・そのきのしたにいます・・・」
そういうと、おじいさんはゆっくりさくらがさかないきのしたにいきました。
「はるこ・・・ここにいるのかい?ぼくだよ、げんじだよ!」
「げんじ・・・?」
「ずいぶんおそくなってしまった、ごめんなはるこ、やっとむかえにこれた・・・」
おじいさんもポロポロとなみだをながしています
「げんじ・・・さん・・・?」
そのしゅんかん、このいっぽんだけさいてなかったさくらがとつぜんいっしゅんでブワッとキレイにまんかいにさいたのです!
どのサクラよりもうつくしく、まるでとまっていたじかんがうごきだすように・・・
ボクがまばたきをすると、はるこちゃんはとつぜんおとなのすがたになっていました。
「げんじさん、やっときてくれたのね…ずっと、ずっとおあいしたかった…あいしております…」
「ああ・・・あれからもう50ねんがたってしまった・・・ワシももうとしよりじゃ・・・でも・・・ぼくもはるこをいまもずっとあいしているよ・・・」
はるこさんとげんじさんはふたりともなきながらだきしめあっています
ボクはそれをじっとみつめていることしかできませんでした
そして・・・はるこさんはちいさなたくさんのひかりのつぶとなってそらへとあがっていきました・・・
「はるこちゃんは・・・オバケだったんだ・・・」
おじいさんはボクのところにきて、こういいました
「ぼうや、ありがとう…これでけっこんまえにここでなくなったはるこもじょうぶつできた、さいごにはるこにあえてよかった…ほんとうにありがとう」
ボクのきおくはここまで。
とおいとおい…むかしのふしぎなおもいでです。
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