デビルフェイス

ガトリングレックス

文字の大きさ
12 / 51
救い編

第6話電撃と書いて拳と書く

しおりを挟む
朝食を食べるヒメとコサメ。
学校に行く事で友達に会えるコサメと家でダラダラできるヒメ。
どちらともうらやましいところがあるが、ヒメは家族が一緒じゃなければ外に出れず、コサメは勉強を強要される。
(まあ別にヒメ姉だって勉強してるんだし、しかも外出れないとか、やっぱり外出れるの最高だよね) 
朝食を食べ終わり「ごちそうさま」と言って、食器を洗い場において、洗面台で歯を磨いて、バックを持って、玄関のドアを開ける。
「行って来ます!」
そう叫んでから、ドアを閉め、カギを閉める。
近頃はロボットスーツが警備している事が多く、市民が迷惑がっている。
と言うのも、コンビニ強盗殺人がこの地域に度々起きているため、それがSNSで話題になっている。デビルの仕業だとしたら。
「コンビニに行けないのは不便だけど、近くにスーパーもあるし、まあ良いか」
中学校につくのにおよそ40分かかる。
道中、車が何台も事故を起こし、警察が出動。だがパトカーまで事故を起こす。
さらにいろんな人が倒れていて、まるで 皆が疫病にかかっている様な状態だ。
(なによこれ)
そう思いながらスーパーの中に逃げ込む。
あたりを見回すと、全員倒れ、死体と化していた。
そんな状況で冷静になれる訳がなく、コサメはどうすれば良いのか分からなくなる。
(なんで、なんでみんな死んでるの? ドッキリ・・・・・じゃないもんね、どうしてこんな)
動揺しつつ、車が突っ込んで来る事を見越し、奥に進む。
「お邪魔しまーす」
おそるおそるバックヤードに入る。
そこにいたのは、ガスマスクを装着し、軍服を着て、禍々しい形状をしたハンドガンを持つ、怪しい人だった。
「あのー、こんなところでコスプレ大会はやってないですよ」
コサメの声に驚き、人は素早く後ろを振り返る。
「貴様、契約者だな」
「契約者? なに中二臭い事言って・・・・・」
続きを言おうとした時だった。
ハンドガンの銃口をコサメに向けてトリガーを引く。
サプレッサーによって最小限に抑えられたプシュと言う音と共に放たれる銃弾。
一瞬の事だ。
コサメのバックから電気を纏った金髪の少女が召喚され、電気で銃弾を弾いた。
「やはり、俺のウイルスは契約者とデビルには効かないからな、すぐに分かる」
状況を理解できないコサメをほったらかし状態で名乗りが始まる。
「俺の名はウイルス、伝染病を暗示する者だ」
「私の名前はスパーク、電気を暗示する者よ」
「ちょっと、私が分かる様にこの状況を説明してよ」
「黙れ新米マスター。お前はただこの戦いを見守っていれば良いのだ!」
「ひっど。知り合って何分も経ってないのにそんな事言わないでくれる」
「はぁー、子どもは嫌いだ。さっき近くの中学校の子どもを病死させておいたのによぉ。まさか子どもに契約者がいるなんて。まあ良い、ここで始末させてもらうぜ」
「えっ、その中学校って。まさか」
この近くにある中学校はコサメの通うところしかない。
つまりウイルスが放った伝染病によって生徒や教師が死んだ。
友達も死んだ。
お気に入りの先生も死んだ。
そう言う事を平然と言われた。
コサメにとって衝撃的な発言だった。
ウイルスは動揺しているコサメに銃口を向けて発砲する。
だが銃弾はスパークの電撃によって焦げ落ちる。
そしてスパークはウイルスに急接近し、電気を纏った拳を叩き込む。
さらに連続パンチと連続キックで、ウイルスを追い込んで行くが、うまくガードされる。
(この威力、ランクBか。油断してるとお陀仏だぜ)
攻撃のラッシュを防ぎながら、攻撃のチャンスを伺う。
だが、攻撃のテンポが変わり、段々とガードが崩れて行く。
その隙を見逃さず、スパークの蹴りが顔面に命中し、大きく吹き飛ばす。
床に叩きつけられるが、すぐ様立ち上がり、ガスマスクの位置を調整し、ひと呼吸する。
「結構良い物くらっちまったぜ」
「褒め言葉どうも。私の攻撃は岩をも砕く。まっ、あなたがなんで私の攻撃を防げるか知らないけど」
「そりゃ悪魔は人間、はたまた岩より頑丈だからな。これぐらい当然だろ」
相手は人間ではない。
それぐらいとっくにコサメとスパークは分かっている。
今更言われる筋合いはなかった。
とっ、コサメがさっき入って来たドアから、微かだが開く音が聞こえる。
そして足音も。
それもゆっくりと歩いている。
「おっと、新しいデビルの登場か」
ウイルスの言うデビルとは。
コサメは後ろを振り返り正体を確認する。
その姿はまるでアメリカの若者の様な風貌で、パーカーを着ており、フードで頭を完全に隠し、スマイルをしている白い仮面で顔を見えない様にしている。
武器にはウイルスが持っているのとは違う6倍スコープが取り付けてある金色のハンドガンと刃渡りおよそ50センチ程のかなり長いサバイバルナイフを所持している。
「お前か、コンビニ強盗殺人の常習犯ってのは」
「そちらは学校をウイルスで混乱に陥れ、その間に金を盗む凶悪犯じゃないですか」
理解が追いつかないコサメに、分かる話題が飛び込んで来た。
「マスター気をつけて。こいつらと戦うから庇ってる余裕ないかも」
「ほーう、今までが庇っていたと言えるのか? ただ攻撃して来ただけに見えたが」
「うっ、うるしゃい! どうせあなたのマスターは3キロギリギリで待機してる臆病者なんでしょう!」
イカレるスパークにため息を吐く謎のデビル。
「それぐらい当たり前の事でしょう。マスターが死んだら元も子もないですからね。まあ初心者にはお決まりの間違いです。デビルは自分を守る者じゃない自分が犯人だと分からない様にする手段、おっと、死ぬ相手に少し喋りすぎましたかね」
「その前に名を名乗れ、それがデビルのルールだ」
「そうでしたね。私の名前はコイン。金を暗示する者です。正直言いましょう、ガスマスクのあなたのおかげで仕事が簡単に済みました。だが、気にくわない!」
「俺はウイルス、伝染病を暗示する者だ」
「私の名前はスパーク、電気を暗示する者よ」
全員名乗りが終わったところで、スパークは電気を全身に纏い、ウイルスはハンドガンの銃口をスパークに向け、コインはハンドガンの銃口をウイルスに向けた。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~

菱沼あゆ
キャラ文芸
 突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。  洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。  天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。  洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。  中華後宮ラブコメディ。

敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される

clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。 状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

男装官吏と花散る後宮〜禹国謎解き物語〜

春日あざみ
キャラ文芸
<第8回キャラ文芸大賞にて奨励賞をいただきました。応援ありがとうございました!> 宮廷で史書編纂事業が立ち上がると聞き、居ても立ってもいられなくなった歴史オタクの柳羅刹(りゅうらせつ)。男と偽り官吏登用試験、科挙を受験し、見事第一等の成績で官吏となった彼女だったが。珍妙な仮面の貴人、雲嵐に女であることがバレてしまう。皇帝の食客であるという彼は、羅刹の秘密を守る代わり、後宮の悪霊によるとされる妃嬪の連続不審死事件の調査を命じる。 しかたなく羅刹は、悪霊について調べ始めるが——? 「歴女×仮面の貴人(奇人?)」が紡ぐ、中華風世界を舞台にしたミステリ開幕!

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

処理中です...