デビルフェイス

ガトリングレックス

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フォックスキラー編

第4話カスタムヒューマンポリス

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うって変わって警察署。
ここにいる中年の警察官。
彼の名はシン、名字はない。
かつて家族がいたが、ある事件に巻き込まれて亡くし、今では1人でアパートに住んでいる。
みんなが食堂の給食を食べる中、シンは自分が作ったお弁当を食べる。
と言っても冷凍食品を詰めただけだが、それでも自分が作った物なのだから一応節約はできている。
お弁当を食べていると、同僚のキクチタカヒロが隣に座る。
「シン」
「なんだよキクチ。デビル事件の事か?」
シンの勘は当たり、びっくりするタカヒロ。
「そうだ。この事件によって10000人強が死んでいる。軍隊が数を減らしてくれているが、それでも駆除が追いついてない。俺達も気をつけないと殺されるぞ」
「確かにな。フォックスの様にデビルの中にも警察を恨む奴がいるかもしれないからな」
フォックス。それは第2次世界大戦にて日本に勝つために送り込まれた改造人間である。
最初は上手くいっていたが、自分達がいるのに核爆弾を落とされると改造人間の1人が知り、拡散、全員が避難し、戦争が終わる。
アメリカに戦闘機で帰るが、その際改造人間は用済みなのだと知り、アメリカに到着した際、基地にいた兵士を全滅させ、潜伏。
そして2005年、改造人間達はフォックスと言うテロ組織を設立、警察連続殺人テロを起こす。
それが6年にも続いた。
その時に戦った歴戦の戦士こそシンなのだ。
その事は警察なら誰もが知っていた。
「もしデビルと会ったら、どうする?」
「そりゃ戦うさ。俺にはその力がある」
シンはなにか切なそうに言う。
「無理して戦うな。それで死んだら同僚としてどうすれば良いんだ」
「悪い。そこまで心配してくれてるのに」
「失言を言うのは構わない。だがちゃんと謝ってくれ。お前は失言が多いんだからな」
呆れた様に言うタカヒロに苦笑いを返した。

昼食を食べ終え、仕事に戻る。
パトカーに乗り込み、町を巡回する。
数十分後、信号無視をした赤い軽を発見。
サイレンを鳴らし、軽を追跡。
「そこの赤い軽止まりなさーい」
スピーカーから発せられるシンの呼び声に気づき、あろう事か軽はスピードを上げる。
「俺から逃げきれると思うな」
シンはアクセルを強く踏み、スピードを上げる。
サイレンに気づいた車達が避けて行く。
自慢のドライブテクニックで、すぐに軽に追いつく。
「止まりなさーい」
軽の前を取り、スピードを落とす。
それに動揺したのか、軽が急ブレーキをかけ、停止した。
それにしてはすごい雑音だが、止まったのだから良いだろう。
停止させたパトカーからシンは降り、軽を確認する。
「なんだこれは」
驚くのは無理もない。
ホイールとタイヤを半分切断されているのだから。
シンは動揺しつつ、軽の中を窓から確認する。
中には70代ほどの女性が運転席にいて、血を吐いて死んでいる。
とにかく、通信機でこの事を伝える。
「こちら28。信号無視をした車を発見。その後追跡し、停止させたが、ドライバーは死亡しており、ホイールとタイヤが半分に切断されている」
『分かった。すぐに援護を向かわせる』
通信機を切り、援護を待った。

数十分後、刑事やデータ収集班が到着し、調べて行く。
「これは。随分とすごい事になってるなぁ」
「まさにこれは不可能犯罪。デビルの仕業に間違いないな」
警察もこの5年でデビルの事は理解している。
フォックスの警察殺人テロの事もあり、理解が早くなったのだろう。
カギがしまったドアを破壊し、死体をブルーシートで隠す。
「死体は科捜研に回すとして、身元は分かったのか」
「はい、名前はミナカズエ、76歳、専業主婦、アパートで夫と娘と住んでいます。死因ですが、ピアノ線の様な物で体内を切断された不可解な物です」
「分かった。最近高齢ドライバーを狙った不可能犯罪が増えている。これ以上の被害を増やさないためにも、高齢者から運転免許を取り上げてもらいたい物だ」
死体が大型の車で運ばれて行き、シン達も警察署に戻った。

「解剖の結果。体内がズタズタになっていたんですが、外側は無傷でした。とても人間技とは思えません。やはりデビルの仕業かと」
科捜研の報告に、納得の刑事2人。
「これは軍隊案件だな」
「そうですね、俺達じゃどうにもならないでしょうから」
刑事2人はそう話をして、自分の仕事に戻った。

とある病室。
そこに寝ているのは中学生の男子だった。
そして見舞に来ている母と父。
「ガイ。あなたが交通事故で眠り続けて、8年経つわね」
「大丈夫だぞ、お前の仇はヤーンがとってくれてるからな」
ヤーンそれはデビルの名前。
夫婦は息子の復讐ためにデビルを使い、高齢ドライバーを殺害させていた。
息子がそんな事を望んでいないと知らずに。
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