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水編
第1話サクラ&ウォーター
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「ただいま」
彼女の名前はムロタサクラ、ヒメの友達であり、情報通である。
そんなサクラだが、一人っ子で親が共働き。
だが1人ではない。
「ムーさん」
ムーさんとは母が飼っている赤い熱帯魚である。
その知能は人間の5歳の幼稚園児並み。
だからムーはサクラの悲しい気持ちを察して壺から出て来る。
「ムーさん、今日ね、オタクだからてっ差別されちゃった。しかも教師にだよ。ふざけるなって思ったよ。オタクにだって良いとこがあるのにね」
サクラの言葉にムーはゴツゴツと水槽を叩く。
「そうだよね、教師の奴が悪いよね。まったく、まじ卍だよ」
ため息を吐くサクラは冷蔵庫からアイスクリームが入った紙製のカップと、スプーンを持って座卓で食べ始める。
「うーん! やっぱりお母さんが買って来てくれる○ーパーカップは最高!」
母に感謝しつつ、ムーを見る。
「やっぱかわいいなぁ、ムーさんは」
そう言いながらアイスクリームを食べていると、なにかが壊れる大きい音が聴こえた。
サクラはアイスクリームを置き、自分の部屋に逃げる。
それを見計らってムーは水槽を飛び出し、姿を変える。
その姿はまるで赤い半魚人の少女の様な見た目で、カールがかかった長い赤髪に、赤い瞳をしている。
リビングに入って来た敵の巨大なハンマーを持った女性を見て戦闘体勢に入る。
「へぇー、アタリデビルの気配があるから来てみたら、本当にいたよ」
「戦うんだよね、とりあえず外に出よう。ここじゃ狭すぎる」
「とか言って、ここの住人を守ろうとしてる。そうでしょう。まあそれでも構わないけど」
ムーとデビルは玄関から外に出て、近くの空き地に向かった。
数分後、空き地に到着し、名乗りを始める。
「私はウォーター、水を暗示する者」
「私の名前はクラッシャー、壊すを暗示する者よ」
「破壊とは違うの?」
「破壊はなんでも破壊できる、壊すは物理的にしか壊せない、つまり劣化版ってわけ」
「自分で悲しくならない」
「なるわよ、でも仕方ないわ。作者のジジイのネタがなくなって生まれたのが私なんだから」
「良かった。私は古参のデビルで」
「油断しないでほしいわね、私の能力は触れたもの、もしくは武器で攻撃したものは一発で壊れる。ただし壊したいと思ったものしか壊せない」
「私の能力は水を生成して、自由に操る事ができる」
名乗りが終了し、戦いが始まる。
クラッシャーはハンマーを振りかぶり、ウォーターを攻撃しようとする。
だがそれをウォーターは水でジェット噴射をして躱す。
さらに水の水圧を上げ、水流を細め、ダイアモンドカッターの様にクラッシャーに放つ。
(防げば貫通して死亡する、なら)
そう思ったクラッシャーの決断は。
左に躱す。
しかし予想に反して、ダイアモンドカッターは左に曲がる。
(なに!?)
クラッシャーの横腹を貫通し、血を吐く。
「なかなかやるじゃない」
「あなたが弱いだけ」
「言ってくれるわね」
ハンマーを構え、ウォーターを殺しにかかるクラッシャー。
それでもアタリとの差は簡単には埋められない。
なんとウォーターは肉体を液状化し、クラッシャーの口から入り込んだ。
これでは息ができない。
(隠し能力はこれか!?)
クラッシャーはウォーターを吐き出そうとするが、できない。
(これ以上は、無理)
デビルは人工的に作られた悪魔、だが人間と酷似している事、それは息をしなければ死んでしまう事。
それを知った上でウォーターは液状化し、クラッシャーの口に侵入した。
クラッシャーは苦しみながら、命を落とし、粒子になって消滅した。
液状化を解除し、ウォーターは走って家に戻る。
一方サクラはムーが水槽の中にいないのに気づき、さらに玄関のドアが壊されている事に驚く。
パニくっているサクラを見て、戻って来たウォーターは液状化し、水槽に入り、ムーの姿になる。
そしてコンコンと水槽を叩く。
「あっ、ムーさん、壺の中にいたのね、なんかイタズラで玄関のドアが壊されててマジパニックだよ。これってお父さんに言った方が良いよね」
サクラの言葉にムーは体を縦に揺らす。
「だよね」
サクラは座卓の上に置いたスマホを取り、父に電話する。
繋がった。
「もしもし、お父さん、サクラだけど」
『おう、どうした』
「なんかすごい音が聴こえたの、でっ確認したの、そしたら玄関のドアが壊されてたの」
「それは本当か! すぐに帰るから待ってろよ」
「うん、分かった。後でね」
電話を切り、深いため息を吐いた。
数十分後、母が帰って来て、驚いた表情をしてから、慌ててリビングに入って来る。
「サクラ大丈夫!」
「お母さん、玄関のドアが壊されたの、怖かったよー」
「無事でよかった。一体なんのために犯人はこんな事を」
「犯人の心理なんか分からないよ。それよりどうする。ドアがないから泥棒が入り放題だよ」
「そうね、とりあえず新しいドアを取り付けてもらうしかないでしょ」
「そうだね」
こうして事件は解決。
数週間後、新しいドアが届き、業者が取り付けたのだった。
彼女の名前はムロタサクラ、ヒメの友達であり、情報通である。
そんなサクラだが、一人っ子で親が共働き。
だが1人ではない。
「ムーさん」
ムーさんとは母が飼っている赤い熱帯魚である。
その知能は人間の5歳の幼稚園児並み。
だからムーはサクラの悲しい気持ちを察して壺から出て来る。
「ムーさん、今日ね、オタクだからてっ差別されちゃった。しかも教師にだよ。ふざけるなって思ったよ。オタクにだって良いとこがあるのにね」
サクラの言葉にムーはゴツゴツと水槽を叩く。
「そうだよね、教師の奴が悪いよね。まったく、まじ卍だよ」
ため息を吐くサクラは冷蔵庫からアイスクリームが入った紙製のカップと、スプーンを持って座卓で食べ始める。
「うーん! やっぱりお母さんが買って来てくれる○ーパーカップは最高!」
母に感謝しつつ、ムーを見る。
「やっぱかわいいなぁ、ムーさんは」
そう言いながらアイスクリームを食べていると、なにかが壊れる大きい音が聴こえた。
サクラはアイスクリームを置き、自分の部屋に逃げる。
それを見計らってムーは水槽を飛び出し、姿を変える。
その姿はまるで赤い半魚人の少女の様な見た目で、カールがかかった長い赤髪に、赤い瞳をしている。
リビングに入って来た敵の巨大なハンマーを持った女性を見て戦闘体勢に入る。
「へぇー、アタリデビルの気配があるから来てみたら、本当にいたよ」
「戦うんだよね、とりあえず外に出よう。ここじゃ狭すぎる」
「とか言って、ここの住人を守ろうとしてる。そうでしょう。まあそれでも構わないけど」
ムーとデビルは玄関から外に出て、近くの空き地に向かった。
数分後、空き地に到着し、名乗りを始める。
「私はウォーター、水を暗示する者」
「私の名前はクラッシャー、壊すを暗示する者よ」
「破壊とは違うの?」
「破壊はなんでも破壊できる、壊すは物理的にしか壊せない、つまり劣化版ってわけ」
「自分で悲しくならない」
「なるわよ、でも仕方ないわ。作者のジジイのネタがなくなって生まれたのが私なんだから」
「良かった。私は古参のデビルで」
「油断しないでほしいわね、私の能力は触れたもの、もしくは武器で攻撃したものは一発で壊れる。ただし壊したいと思ったものしか壊せない」
「私の能力は水を生成して、自由に操る事ができる」
名乗りが終了し、戦いが始まる。
クラッシャーはハンマーを振りかぶり、ウォーターを攻撃しようとする。
だがそれをウォーターは水でジェット噴射をして躱す。
さらに水の水圧を上げ、水流を細め、ダイアモンドカッターの様にクラッシャーに放つ。
(防げば貫通して死亡する、なら)
そう思ったクラッシャーの決断は。
左に躱す。
しかし予想に反して、ダイアモンドカッターは左に曲がる。
(なに!?)
クラッシャーの横腹を貫通し、血を吐く。
「なかなかやるじゃない」
「あなたが弱いだけ」
「言ってくれるわね」
ハンマーを構え、ウォーターを殺しにかかるクラッシャー。
それでもアタリとの差は簡単には埋められない。
なんとウォーターは肉体を液状化し、クラッシャーの口から入り込んだ。
これでは息ができない。
(隠し能力はこれか!?)
クラッシャーはウォーターを吐き出そうとするが、できない。
(これ以上は、無理)
デビルは人工的に作られた悪魔、だが人間と酷似している事、それは息をしなければ死んでしまう事。
それを知った上でウォーターは液状化し、クラッシャーの口に侵入した。
クラッシャーは苦しみながら、命を落とし、粒子になって消滅した。
液状化を解除し、ウォーターは走って家に戻る。
一方サクラはムーが水槽の中にいないのに気づき、さらに玄関のドアが壊されている事に驚く。
パニくっているサクラを見て、戻って来たウォーターは液状化し、水槽に入り、ムーの姿になる。
そしてコンコンと水槽を叩く。
「あっ、ムーさん、壺の中にいたのね、なんかイタズラで玄関のドアが壊されててマジパニックだよ。これってお父さんに言った方が良いよね」
サクラの言葉にムーは体を縦に揺らす。
「だよね」
サクラは座卓の上に置いたスマホを取り、父に電話する。
繋がった。
「もしもし、お父さん、サクラだけど」
『おう、どうした』
「なんかすごい音が聴こえたの、でっ確認したの、そしたら玄関のドアが壊されてたの」
「それは本当か! すぐに帰るから待ってろよ」
「うん、分かった。後でね」
電話を切り、深いため息を吐いた。
数十分後、母が帰って来て、驚いた表情をしてから、慌ててリビングに入って来る。
「サクラ大丈夫!」
「お母さん、玄関のドアが壊されたの、怖かったよー」
「無事でよかった。一体なんのために犯人はこんな事を」
「犯人の心理なんか分からないよ。それよりどうする。ドアがないから泥棒が入り放題だよ」
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