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復活編
第2話狐達の歪んだ正義
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九尾が現れて1ヶ月。
警察は痛手をくらい、軍隊も次々と兵士が死んで行く。
そんな中軍隊のロボットスーツ室に新たな機体が投入された。
それはまるでドラゴンの様なフレームをしており、赤と白が基調とされている。
「サイバ、これが〈Z4〉に次ぐ新たな機体、〈ジークフリート〉だ」
「ジークフリート、不死身の英雄とされた竜殺しの名ですね」
「そうだ。〈ジークフリート〉は〈Z4〉とは違い対デビル戦を想定して作られている」
「武器はなんですか?」
「ブレイドの〈バルムンク〉。火炎放射機の〈ファフニール〉」
「〈ジークフリート〉と言うぐらいなのですから、なにかあるんですよね」
「そうだ。肉眼では見えないバリアを背中以外の箇所から展開し、敵の攻撃を防ぐ事ができる」
「なぜ背中にはバリアを展開できないのですか?」
「脱出装置に部品が干渉するためにできなかったそうだ」
「そこは「伝説の通りに作ったらこうなった」とかじゃないんですね」
レンコの冷静なツッコミに、隊長は思わず苦笑い。
「制作者はそんなロマンを追い求める奴らじゃないからな、とにかくこれに乗ってデビル、そしてフォックスと戦ってくれ」
「分かりました。使いこなしてみせます」
レンコは冷たい目をしているが、心の中は熱く燃えている。
とっ、事件があったと知らせるサイレンが鳴る。
「では早速使わせていただきます」
「あぁ、頼んだぞ」
〈ジークフリート〉に乗り込み、バリアを展開。
〈バルムンク〉を構え、出撃した。
一方その頃、高齢ドライバーを殺害している糸を暗示するデビル、ヤーンは九尾と戦っていた。
(なんだこいつ、デビルでもない人間でもない。それ以上の化け物だわ)
ヤーンはなんでも切断する糸を操り、九尾に攻撃する。
糸が命中し、バラバラになる。
だがすぐに全身が再生され、元どおりになる。
「貴様の糸など、我々にとってはただのおもちゃにすぎない。大人しく死ぬが良い」
「ダメですよ、こいつは私の改造兵器にするんですから」
「そうだな、これぐらいの戦闘力なら十分だろう」
九尾の背中から触手を伸ばし、ヤーンに向かって襲いかかる。
(こいつの操り人形になってたまるか。私はマスター達の復讐を果たす、そのために負けられないのよ)
マスターの復讐、それはマスターの息子を植物人間にした高齢ドライバー達を殺すこと。
だから死ねない。
そんな時だった。
デビルの気配がする。
それは大アタリのデビル、ブレイクだった。
「貴様もデビルか?」
「通りすがりの破壊者だ、覚えておけ」
ブレイクは破壊のエネルギー弾を作り、放つ。
まともにうけるが、再生する。
「なに? 俺の破壊の力はすべてを破壊する、それがたとえ再生能力でさえも、なのになぜだ」
「ふん、我々にはそんな物は効かない」
「私のトランプの4、エンジェルギフトはどんな攻撃もなかった事にします」
「マジでチートじゃないか!」
「なんでも破壊するお前が言うか?」
ブレイクが九尾に苦戦している間にヤーンはその場から逃げ出す。
「待て!」
「あなたに追いかける余裕がありますかねぇ!」
九尾は背中から触手を伸ばし、ブレイクに襲いかかる。
「破壊」
「エンジェルギフト」
破壊された事をなかった事にし、触手がブレイクに突き刺さる。
「なっ、なにを!?」
「あなたの能力はとても素晴らしい、私達の部下にしてあげましょう」
「やめろ! せめて、せめて殺してくれ!」
「ダメです、だってあなたの能力が私達にとって必要な物なんですから」
ブレイクは九尾によって洗脳、改造が施され、部下にされてしまった。
夜のヒジラシ家。
スパークはいつもゲームで遊んでいるブレイクがゲームをやる約束したにもかかわらず、家にいないのに不安を感じていた。
「どうしたのスパーク、そんな顔して」
「ブレイクが帰って来ないの。お父さんが言ってたけど、朝からデビル狩りに出たって。だけど帰って来ない。〈破壊の殺人〉は存在しているのに、帰って来ない。もしかしてブレイクになにかあったんじゃないかって」
「そうだよね、でもあのチートのブレイクだよ、あっ、でもそれ以上のデビルもいるのかな。うーうん、きっと帰って来る、そう信じよう」
「うん、そうする」
悲しげな表情を浮かべるスパークに、コサメは中古で500円で買ったプロレスのゲームを見せる。
「なにそれ」
「プロレスだよ。結構安かったから興味ないけど買っちゃった。一緒にやろ、ブレイクの代わりになれるかわからないけど」
「ありがとうコサメ。よーし、遊ぶぞー!」
スパークが無理して言っているのは分かっている。
だがそれを言ったところで、スパークがご機嫌を損ねるだけ。
ならせめて、ブレイクの代わりにゲームをやって、気を紛らわせ、楽しい思い出を作ってあげる事が、コサメがスパークにやってあげられる事だった。
警察は痛手をくらい、軍隊も次々と兵士が死んで行く。
そんな中軍隊のロボットスーツ室に新たな機体が投入された。
それはまるでドラゴンの様なフレームをしており、赤と白が基調とされている。
「サイバ、これが〈Z4〉に次ぐ新たな機体、〈ジークフリート〉だ」
「ジークフリート、不死身の英雄とされた竜殺しの名ですね」
「そうだ。〈ジークフリート〉は〈Z4〉とは違い対デビル戦を想定して作られている」
「武器はなんですか?」
「ブレイドの〈バルムンク〉。火炎放射機の〈ファフニール〉」
「〈ジークフリート〉と言うぐらいなのですから、なにかあるんですよね」
「そうだ。肉眼では見えないバリアを背中以外の箇所から展開し、敵の攻撃を防ぐ事ができる」
「なぜ背中にはバリアを展開できないのですか?」
「脱出装置に部品が干渉するためにできなかったそうだ」
「そこは「伝説の通りに作ったらこうなった」とかじゃないんですね」
レンコの冷静なツッコミに、隊長は思わず苦笑い。
「制作者はそんなロマンを追い求める奴らじゃないからな、とにかくこれに乗ってデビル、そしてフォックスと戦ってくれ」
「分かりました。使いこなしてみせます」
レンコは冷たい目をしているが、心の中は熱く燃えている。
とっ、事件があったと知らせるサイレンが鳴る。
「では早速使わせていただきます」
「あぁ、頼んだぞ」
〈ジークフリート〉に乗り込み、バリアを展開。
〈バルムンク〉を構え、出撃した。
一方その頃、高齢ドライバーを殺害している糸を暗示するデビル、ヤーンは九尾と戦っていた。
(なんだこいつ、デビルでもない人間でもない。それ以上の化け物だわ)
ヤーンはなんでも切断する糸を操り、九尾に攻撃する。
糸が命中し、バラバラになる。
だがすぐに全身が再生され、元どおりになる。
「貴様の糸など、我々にとってはただのおもちゃにすぎない。大人しく死ぬが良い」
「ダメですよ、こいつは私の改造兵器にするんですから」
「そうだな、これぐらいの戦闘力なら十分だろう」
九尾の背中から触手を伸ばし、ヤーンに向かって襲いかかる。
(こいつの操り人形になってたまるか。私はマスター達の復讐を果たす、そのために負けられないのよ)
マスターの復讐、それはマスターの息子を植物人間にした高齢ドライバー達を殺すこと。
だから死ねない。
そんな時だった。
デビルの気配がする。
それは大アタリのデビル、ブレイクだった。
「貴様もデビルか?」
「通りすがりの破壊者だ、覚えておけ」
ブレイクは破壊のエネルギー弾を作り、放つ。
まともにうけるが、再生する。
「なに? 俺の破壊の力はすべてを破壊する、それがたとえ再生能力でさえも、なのになぜだ」
「ふん、我々にはそんな物は効かない」
「私のトランプの4、エンジェルギフトはどんな攻撃もなかった事にします」
「マジでチートじゃないか!」
「なんでも破壊するお前が言うか?」
ブレイクが九尾に苦戦している間にヤーンはその場から逃げ出す。
「待て!」
「あなたに追いかける余裕がありますかねぇ!」
九尾は背中から触手を伸ばし、ブレイクに襲いかかる。
「破壊」
「エンジェルギフト」
破壊された事をなかった事にし、触手がブレイクに突き刺さる。
「なっ、なにを!?」
「あなたの能力はとても素晴らしい、私達の部下にしてあげましょう」
「やめろ! せめて、せめて殺してくれ!」
「ダメです、だってあなたの能力が私達にとって必要な物なんですから」
ブレイクは九尾によって洗脳、改造が施され、部下にされてしまった。
夜のヒジラシ家。
スパークはいつもゲームで遊んでいるブレイクがゲームをやる約束したにもかかわらず、家にいないのに不安を感じていた。
「どうしたのスパーク、そんな顔して」
「ブレイクが帰って来ないの。お父さんが言ってたけど、朝からデビル狩りに出たって。だけど帰って来ない。〈破壊の殺人〉は存在しているのに、帰って来ない。もしかしてブレイクになにかあったんじゃないかって」
「そうだよね、でもあのチートのブレイクだよ、あっ、でもそれ以上のデビルもいるのかな。うーうん、きっと帰って来る、そう信じよう」
「うん、そうする」
悲しげな表情を浮かべるスパークに、コサメは中古で500円で買ったプロレスのゲームを見せる。
「なにそれ」
「プロレスだよ。結構安かったから興味ないけど買っちゃった。一緒にやろ、ブレイクの代わりになれるかわからないけど」
「ありがとうコサメ。よーし、遊ぶぞー!」
スパークが無理して言っているのは分かっている。
だがそれを言ったところで、スパークがご機嫌を損ねるだけ。
ならせめて、ブレイクの代わりにゲームをやって、気を紛らわせ、楽しい思い出を作ってあげる事が、コサメがスパークにやってあげられる事だった。
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