デビルフェイス

復活編

第１話警察のトラウマ

とあるお葬式。
棺に入っているのは１週間前にデビル事件に巻き込まれ、亡くなった警察官だ。
家族や親、親戚、友達が集まって花を手向ける。
すると突然鬼火が複数現れ、遺体に取り込まれて行く。
「なっ、なんだ！？」
父が驚いた次の瞬間。
なんと、死体が狐の化け物に変貌し、立ち上がった。
「化け物だ！」
その言葉に全員その場から逃げようとする。
だが。
　
「朝のニュースをお届けします。昨日の夜８時頃、葬儀中に亡くなった警察官が突然狐の化け物に変貌し、その場にいた全員を殺害しました。化け物は現在警察官やそれに関わる人物を殺害しており、とても危険です。警察に関係を持つ皆様、家から決して出ず、待機してください」
食堂に流れるテレビのニュース。
それを見たスリープとガルガは驚きの声のあまりカレーを喉に詰まらせる。
「きっ、狐！？」
「まさか、フォックスがこんな時に出るなんて」
「フォックスってスリープとガルガ達フォックスキラー部隊が全滅させたあのフォックス？」
レンコが質問すると、スリープは頷く。
「そうよ、でもあいつらは地獄にも天国にも行けない、言わば亡霊ね。それが人間の死体に取り憑つくと、化け物に変貌する。その力はデビルに匹敵するかもしれない」
「実際に戦っていたから分かるんだ。フォックスの恐ろしさを」
「確か、フォックスは警察、自衛隊、海軍、陸軍などや犯罪者、その関係者を容赦なく殺すのよね。つまりはデビルもそのマスターも、その一族も対象になっているんでしょう。このままだと大変な事になるわ」
レンコの恐怖の予言を聞いたスリープとガルガは「確かに」と返答した。

時間が流れ、セイギは支援級で６時間目の数学の勉強をしていた。
いじめっ子や気分を悪くさせる様な奴もいない。
これもすべてジャスティスのおかげだ。
（俺はただ普通に生きたいだけなんだ。悪い奴はジャスティスの餌食にするとして。うん？ 罪悪感？ そんな物ないねぇ）
勉強をしながらそんな事を思っていると、授業が終わる合図であるチャイムが鳴る。
後は帰りの会を済ませ、帰るだけだ。
その時だった。
女性の先生がなに者かに心臓部を貫かれ、死亡した。
それを見た女子生徒達が悲鳴を上げ、男子生徒達は動揺を隠せない。
（姿が見えない、名前はインビジブルと言ったところかな）
セイギは〈正義の殺人〉とバッグを持って教室を急いで出る。
階段を下り、１階に向かい、敵をおびき出す。
だが近くの交差点のところが精一杯だった。
「ジャスティス！」
〈正義の殺人〉からジャスティスを召喚し、戦闘体勢に入る。
「敵は透明な奴か。まあ俺ならデビルの気配で位置が分かるが」　
いくら透明なろうとも、デビルの気配が分かる以上、意味がない。
「分からない、どこにいるのか分からない、ならば正義か悪か判別してやる」
判別の効果を利用して敵を判別する。
「そこだぁー！」
透明な忍び寄る敵を殴る。
しかし殴った場所はなんと。
「私のペットの口の中だぁー！」
透明化が解除され、姿が明らかになる。
その姿は黒き九尾を思わせ、右手が化け物の顔になっている。
右手の化け物はジャスティスの右手に噛みつき、噛み砕こうとする。
だがジャスティスは力づくで化け物から腕を引き抜き、後ろに下がり、〈シューティングシルバー〉をベルトのスクリューから取り出し、構える。
「まさかこいつは、ニュースでやってた狐の化け物！？」
「私達を化け物呼ばわりですか。私達は絶対なる正義。その事はあなたの相棒がよーく分かってるはずですよ」
「なんだって！？」
「確かに。こいつ、いや、こいつらは完全なる正義だ。俺が勝てる相手じゃない」
「こいつらって、どう言う事だよ」
「それは私達のボスが教えてくれるでしょう」
九尾はそう言うと、右手が変化し、平成○面ライダーの様な腕になる。
「我々は１人にして軍、軍にして正義だ。我々の力、思い知るがいい」
「声が変わった」
「逃げるぞセイギ、こいつには勝つ事は不可能だ」
ジャスティスはセイギを抱っこして、右手でベルトの右サイドボタンを叩き、一気に加速する。
「ボス、追いますか？」
「いや、彼も正義の戦士だ、我々が戦う相手じゃない」
「ねえねえ、これからどうするのボス？」
男の子の声がボスに問いかけて来る。
「そうだなぁ、まずはデビルを殲滅し、その後、偽りの正義を振りかざす奴らを皆殺しにする」
「良いですねぇ。ちょうどデビルを私の物にしたかったんですよ」
「あぁー殺してぇー、早く殺してぇー」
「私の新たなるトランプの力、お見せしましょう」
「殺したい奴がいるの、私を２度も殺したあいつらを」
「姿を消せる俺の力でみんなをサポートしてやりますよ」
「みんな気合い充分の様だな、では行くぞ。これは正義のための戦いだ」
ボス達は決意を新たにし、姿を消した。