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目覚める戦士編
第8話 2人の戦士
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「如鬼さん! よかった。ケガは治ったのかい?」
六問がそう話しかけるとZ3は首を横に振る。
「違います違います。僕は鈴静です」
「鈴静さん? どうしてあなたが?」
不思議そうにこちらを見つめる古代の戦士に、視線を逸らし堕天使へ銃口を向ける。
「それより六問さん。敵はまだ倒れていません。トドメを刺してしまいましょう」
「分かりました」
事情は後で聞くとして、彼の言う通りデュエリスト・ダークエンジェルにトドメを刺そうと破壊のエネルギーを足裏にため込む。
(このままではやられる。だがそれも運命か)
走り出すザーガの姿に堕天使は負けを確信、すると突然怨念達が体を侵食して行く。
青く燃える炎に包み込まれ、鎧が溶けた。
その光景を目の当たりにしたゴアドは強大な危機を察した。
「古代の戦士! 早くあいつを仕留めるんだ! なにかしらのパワーアップをする気だ!」
「これはパワーアップではない………今まで殺してきた者の報いを私は受ける………こうなればもう止められない………化け物と化した醜い者にお前達は皆殺しにされるのだ………」
堕天使の言う恐ろしき発言を聞いた鈴静はスキャナー機能を使用し堕天使の心臓部に向けて〈サイコロプスハント〉のトリガーを弾く。
放たれる銃弾が背中に命中すると同時にザーガの必殺キック〈クラッシャーシュート〉を食らい、アスファルトの道を引きずられていった。
着地した六問が息を切らし疲労感に襲われふらついていると、全員が騒然としている。
なんと青く燃え上がる堕天使の遺体がゆっくりと立ち上がり、咆哮を上げた。
「まさか………間に合わなかったのか………」
怨念の化け物は身構えるゴアドに、手のひらを見せつける。
すると青き火炎が放射され、まともに食らってしまう。
大きく吹き飛ばされ、アスファルトに叩きつけられる。
「ゴアドさーん!?」
思わず声が出た六問に、ゴアドは怪訝そうに立ち上がる。
「叫んでるならあいつを倒すことを考えてくれ………」
強気な発言だが、痛みに耐えているのが分かる。
怨念の化け物を撃破するためザーガの拳が唸るが簡単に受け止められ、逆に地面へ叩きつけられる。
「このままでは全員やられる。それでも、僕は戦う!」
鈴静はスキャナーで敵の弱点を分析し、〈サイコロプスハント〉のトリガーを弾くと銃弾が撃ち出される。
命中し風穴を開けるも、何もなかったようにそちらに振り向く。
「まずい!?」
これではZ3が襲われてしまう。
そう悟った幕昰もリボルバーを連射し気を引かせるが、咆哮を上げながら戦士の方に突っ込んで行く。
すると接近戦に持ち込まれた際に用意していた〈セイバー〉を装備、弱点である頭をカチ割った。
それでも動き続けているが、かなり鈍っている。
鈴静は一旦距離を取り、〈サイコロプスハント〉をスタンバイする。
「今だ六問!! ゴアド!! 2人でダブルキックを食らわせてやれ!!」
幕昰の号令に応えザーガとゴアドはお互いに首を縦に振る。
そしてザーガは足の裏に破壊のエネルギーを溜め、ゴアドは竜の翼を生やす。
タイミングを合わせ高く跳び上がり、ダブルキックを怨念の化け物に食らわせた。
大きく吹き飛ばされた敵は地面に叩きつけられ、再び立ちあがろうとするも必殺の一撃を同時に受け、破壊のエネルギーが全身に廻る。
悲鳴に近い咆哮を上げた次の瞬間、倒れ込みながら爆散し仇方も無くなった。
「みなさん。やりましたね」
今にも倒れそうな六問の喜びの発言に、幕昰が笑みを浮かべ「あぁ、やったな」と言いながら肩を貸した。
その光景にゴアドは内心達成感とこれからの戦いが熾烈な物になると思うと恐怖すら覚える。
なぜなら堕天使の中に強化形態を持つ者が存在すること、その上に立つ超級堕天使がそれよりも強者であることは明白だ。
(俺は神に授けられた力をまだ使いこなせていない。やはり彼らと協力して戦うべきだな)
人間を守ると言う使命、それを果たすためゴアドはザーガとの協力を望んだ。
一方でZ3の通信機能で光炎に連絡する鈴静は白バイに乗り込み、Zトレーラーへ帰還するため走り出す。
「光炎さん。今日はワガママを言ってしまってすいませんでした」
『いいえ。あなたの実力が代わりないことが分かってこちらは満足よ。すぐにZ2を手配するから、これからも装着者として、そして如鬼の先輩としてお願いね』
これで自分も認められた。
苦労が実った瞬間である。
Z2に装着するのは久しぶりだと思いつつ白バイを走らせていると、バイクに乗った如鬼が横付けして来た。
「如鬼さん、ケガが治ったんですね。さあ、一緒にZトレーラーに戻りましょう」
正直言うと光炎が連絡していたのを聞き耳していたので理由は理解している。
30代になっても装着者としての負けず嫌いは変わらないせいか、如鬼をライバル視する様になっていた。
「やっぱり、鈴静さんが私の代わりに戦ってくれたんですね」
「勘違いしないでください。僕は装着者の先輩として如鬼さんの座を奪うつもりでこの場にいます。でも光炎さん優しいですから、Zシリーズの1機を頼んでくれましたよ」
「鈴静さんはこれからはライバルになる、私としては嬉しいです。これからもよろしくお願いします」
意外な反応だったが、成長が見れたことに何か喜びを感じた。
(あなたが休んでいる間にどれだけ成長したのか、実物です)
青信号が点灯し、走り出す2人はライバルとしてどう歩んでいくのか。
そしてZ2はどれほどの性能を持つのか。
乞うご期待。
六問がそう話しかけるとZ3は首を横に振る。
「違います違います。僕は鈴静です」
「鈴静さん? どうしてあなたが?」
不思議そうにこちらを見つめる古代の戦士に、視線を逸らし堕天使へ銃口を向ける。
「それより六問さん。敵はまだ倒れていません。トドメを刺してしまいましょう」
「分かりました」
事情は後で聞くとして、彼の言う通りデュエリスト・ダークエンジェルにトドメを刺そうと破壊のエネルギーを足裏にため込む。
(このままではやられる。だがそれも運命か)
走り出すザーガの姿に堕天使は負けを確信、すると突然怨念達が体を侵食して行く。
青く燃える炎に包み込まれ、鎧が溶けた。
その光景を目の当たりにしたゴアドは強大な危機を察した。
「古代の戦士! 早くあいつを仕留めるんだ! なにかしらのパワーアップをする気だ!」
「これはパワーアップではない………今まで殺してきた者の報いを私は受ける………こうなればもう止められない………化け物と化した醜い者にお前達は皆殺しにされるのだ………」
堕天使の言う恐ろしき発言を聞いた鈴静はスキャナー機能を使用し堕天使の心臓部に向けて〈サイコロプスハント〉のトリガーを弾く。
放たれる銃弾が背中に命中すると同時にザーガの必殺キック〈クラッシャーシュート〉を食らい、アスファルトの道を引きずられていった。
着地した六問が息を切らし疲労感に襲われふらついていると、全員が騒然としている。
なんと青く燃え上がる堕天使の遺体がゆっくりと立ち上がり、咆哮を上げた。
「まさか………間に合わなかったのか………」
怨念の化け物は身構えるゴアドに、手のひらを見せつける。
すると青き火炎が放射され、まともに食らってしまう。
大きく吹き飛ばされ、アスファルトに叩きつけられる。
「ゴアドさーん!?」
思わず声が出た六問に、ゴアドは怪訝そうに立ち上がる。
「叫んでるならあいつを倒すことを考えてくれ………」
強気な発言だが、痛みに耐えているのが分かる。
怨念の化け物を撃破するためザーガの拳が唸るが簡単に受け止められ、逆に地面へ叩きつけられる。
「このままでは全員やられる。それでも、僕は戦う!」
鈴静はスキャナーで敵の弱点を分析し、〈サイコロプスハント〉のトリガーを弾くと銃弾が撃ち出される。
命中し風穴を開けるも、何もなかったようにそちらに振り向く。
「まずい!?」
これではZ3が襲われてしまう。
そう悟った幕昰もリボルバーを連射し気を引かせるが、咆哮を上げながら戦士の方に突っ込んで行く。
すると接近戦に持ち込まれた際に用意していた〈セイバー〉を装備、弱点である頭をカチ割った。
それでも動き続けているが、かなり鈍っている。
鈴静は一旦距離を取り、〈サイコロプスハント〉をスタンバイする。
「今だ六問!! ゴアド!! 2人でダブルキックを食らわせてやれ!!」
幕昰の号令に応えザーガとゴアドはお互いに首を縦に振る。
そしてザーガは足の裏に破壊のエネルギーを溜め、ゴアドは竜の翼を生やす。
タイミングを合わせ高く跳び上がり、ダブルキックを怨念の化け物に食らわせた。
大きく吹き飛ばされた敵は地面に叩きつけられ、再び立ちあがろうとするも必殺の一撃を同時に受け、破壊のエネルギーが全身に廻る。
悲鳴に近い咆哮を上げた次の瞬間、倒れ込みながら爆散し仇方も無くなった。
「みなさん。やりましたね」
今にも倒れそうな六問の喜びの発言に、幕昰が笑みを浮かべ「あぁ、やったな」と言いながら肩を貸した。
その光景にゴアドは内心達成感とこれからの戦いが熾烈な物になると思うと恐怖すら覚える。
なぜなら堕天使の中に強化形態を持つ者が存在すること、その上に立つ超級堕天使がそれよりも強者であることは明白だ。
(俺は神に授けられた力をまだ使いこなせていない。やはり彼らと協力して戦うべきだな)
人間を守ると言う使命、それを果たすためゴアドはザーガとの協力を望んだ。
一方でZ3の通信機能で光炎に連絡する鈴静は白バイに乗り込み、Zトレーラーへ帰還するため走り出す。
「光炎さん。今日はワガママを言ってしまってすいませんでした」
『いいえ。あなたの実力が代わりないことが分かってこちらは満足よ。すぐにZ2を手配するから、これからも装着者として、そして如鬼の先輩としてお願いね』
これで自分も認められた。
苦労が実った瞬間である。
Z2に装着するのは久しぶりだと思いつつ白バイを走らせていると、バイクに乗った如鬼が横付けして来た。
「如鬼さん、ケガが治ったんですね。さあ、一緒にZトレーラーに戻りましょう」
正直言うと光炎が連絡していたのを聞き耳していたので理由は理解している。
30代になっても装着者としての負けず嫌いは変わらないせいか、如鬼をライバル視する様になっていた。
「やっぱり、鈴静さんが私の代わりに戦ってくれたんですね」
「勘違いしないでください。僕は装着者の先輩として如鬼さんの座を奪うつもりでこの場にいます。でも光炎さん優しいですから、Zシリーズの1機を頼んでくれましたよ」
「鈴静さんはこれからはライバルになる、私としては嬉しいです。これからもよろしくお願いします」
意外な反応だったが、成長が見れたことに何か喜びを感じた。
(あなたが休んでいる間にどれだけ成長したのか、実物です)
青信号が点灯し、走り出す2人はライバルとしてどう歩んでいくのか。
そしてZ2はどれほどの性能を持つのか。
乞うご期待。
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