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バラダザ編
第27話 失いし戦士
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ブラックナイト・ダークエンジェルに成ってしまった鈴静を倒した如鬼は、兄である現人と共にコアワーウルフ・ダークエンジェルを撃破するため戦闘を続けていた。
もう少し、もう少しで本元に届く。
その焦りは死神の足音を響かせ、チャンスが死のカウントダウンへと変わりつつあった。
増殖するワーウルフ・ダークエンジェルを蹴散らし、2人は隙を突いて母人狼のカプセルに拳で貫いた。
破れたカプセルから緑の液体が噴水の様に勢い良く吹き出す。
それと同時に悲鳴を上げる堕天使は力なく外へ飛び出した。
消滅していく子人狼、その光景に達成感を感じているとコアワーウルフ・ダークエンジェルの正体が露わになる。
「そんな………お母さん………」
夏華はあまりのショックに足がガクガクと震え、そして愕然とする。
なぜならその正体は堕天使に殺害されたはずの実の母だったからだ。
「夏華………私………私………」
母はすべてを思い出し、後悔に声が小さくなる。
死の間際「ごめんなさい………ごめんなさい………」と謝罪の言葉を言いつづける。
そして涙を流しながら無念そうに命を落とした。
突然の再会と突然の別れ、それは如鬼の感情を爆発させる。
堕天使への怒りの叫びがダイヤツリーに響き渡る。
それに対して現人は右手を強く握りしめ、怒りをグッと堪えるのだった。
一方その頃ヒサ達は敵達の突然の消滅に戸惑いつつ、一旦の終息に安堵していた。
「あの大軍勢はなんだったんだ? いきなり消えやがって」
幕昰がヒサと六問に状況を理解できない様子で表情を歪めながら近づいて行くと、スマホから連絡が来る。
画面に表示されたのは、光炎からの電話だった。
2人にも聴こえるようにスピーカーから音声が出る設定をし、電話に出る。
『もしもし光炎です。如鬼とZDがオオカミ型堕天使の大元を撃破しました。これ以上敵は増殖しないはずです』
「そうか、あとはあいつらの親玉を倒すだけだな」
『その件なんですが。堕天使のボスの1人は生き物を洗脳し堕天使に変える力があります。つまり、ボスを倒さない限り被害者は増えるでしょう』
彼女の話を聞くと、今までの敵も元々は人間だった可能性もなくもない。
そう思うとより堕天使の恐ろしさを3人は改めて感じた。
「堕天使はこの計画で被害者を多く出した。絶対許しちゃいけない」
幕昰の発言には短いながらに重みを感じる。
人の命を簡単に奪う彼ら、そんな相手にたとえ降参されようが容赦はできない。
それに対して光炎は『もちろんです』と返事を返しながら深く受け止める。
「俺達は一旦車で現場を周る。おそらくボスが
近くにいるはずだ」
『分かりました。私も如鬼と連絡して見廻りをしてきます。ではまた後で』
「あぁ、また後で」
通話が切られ幕昰はヒサと六問を連れ、自分の車に向かうのだった。
数十分後、堕天使がいないか警戒しながら運転している幕昰の前に黒き翼を背中に生やした幼き少女が目の前に現れた。
ブレーキをかけ車を止めると、「頼むぞ」と一言口にする。
それにヒサと六問は首を縦に振り、車を降りた。
「お前か。人を洗脳し、手下にしているのは」
「そんな酷いことをするヤツに俺達は絶対に負けない!」
六問の静かな怒りとヒサの激しい怒り。
彼女にとってその言葉は理不尽の極みでしかない。
「あなた達。なぜそんなにも、怒りを露わにしているの? 私の方が怒りたいのに。部下達の無念、ここで晴らす」
バラダゼの目は真面目そのもの。
本当に洗脳してきた者達を部下だと思っているのか?
とにかく大元の2体目を倒せば、戦力は大幅に減少する。
決意と共に彼らはザーガの腕輪に右手をかざし、「「変身!!」」と叫ぶ。
2人の体が光に包まれ、古代の戦士へと姿が変わっていく。
すると堕天使の少女も左腕の黒き腕輪を右手で強く握りしめた。
「へん、しん」
片言で掛け声を上げると、闇に包まれる。
次第に肉体が大きくなっていき、漆黒から姿が現れる。
それは金属で作り出された機械仕掛けの巨人。
大きさはなんとおよそ40キロメートル。
漆黒の装甲で全身が構成され、隙間から蒸気を放出している。
両肩にキャノン砲が取り付けられており、発射する弾を食らえば一撃でビルが吹き飛ぶだろう。
その名は〈ゴーレム・ダークエンジェル〉
あまりのデカさに2人は絶句するが、このままではこの町が崩壊してしまう。
「あなた達、絶対に、倒す」
振り下ろされる漆黒の拳、対してヒヤと六問はなにか作戦があるのか、首を縦に振り破壊エネルギーを右手に集中させる。
「六問、ヒヤ、まさか!? あのデカブツを一撃で破壊するつもりか!?」
幕昰の予想通り、2人のザーガが繰り出したパンチとゴーレム・ダークエンジェルのパンチが激突する。
破壊エネルギーが侵食し、激痛に耐えるバラダザ。
「俺達は、負けない! 人間の可能性を信じられないお前達には! 絶対に負けない!」
ヒヤの闘志ある叫び、あまりの強大な一撃に路面がヒビ割れていく。
破壊エネルギーの完全侵食が先か、それともザーガ達が潰れるのが先か。
果たして………
もう少し、もう少しで本元に届く。
その焦りは死神の足音を響かせ、チャンスが死のカウントダウンへと変わりつつあった。
増殖するワーウルフ・ダークエンジェルを蹴散らし、2人は隙を突いて母人狼のカプセルに拳で貫いた。
破れたカプセルから緑の液体が噴水の様に勢い良く吹き出す。
それと同時に悲鳴を上げる堕天使は力なく外へ飛び出した。
消滅していく子人狼、その光景に達成感を感じているとコアワーウルフ・ダークエンジェルの正体が露わになる。
「そんな………お母さん………」
夏華はあまりのショックに足がガクガクと震え、そして愕然とする。
なぜならその正体は堕天使に殺害されたはずの実の母だったからだ。
「夏華………私………私………」
母はすべてを思い出し、後悔に声が小さくなる。
死の間際「ごめんなさい………ごめんなさい………」と謝罪の言葉を言いつづける。
そして涙を流しながら無念そうに命を落とした。
突然の再会と突然の別れ、それは如鬼の感情を爆発させる。
堕天使への怒りの叫びがダイヤツリーに響き渡る。
それに対して現人は右手を強く握りしめ、怒りをグッと堪えるのだった。
一方その頃ヒサ達は敵達の突然の消滅に戸惑いつつ、一旦の終息に安堵していた。
「あの大軍勢はなんだったんだ? いきなり消えやがって」
幕昰がヒサと六問に状況を理解できない様子で表情を歪めながら近づいて行くと、スマホから連絡が来る。
画面に表示されたのは、光炎からの電話だった。
2人にも聴こえるようにスピーカーから音声が出る設定をし、電話に出る。
『もしもし光炎です。如鬼とZDがオオカミ型堕天使の大元を撃破しました。これ以上敵は増殖しないはずです』
「そうか、あとはあいつらの親玉を倒すだけだな」
『その件なんですが。堕天使のボスの1人は生き物を洗脳し堕天使に変える力があります。つまり、ボスを倒さない限り被害者は増えるでしょう』
彼女の話を聞くと、今までの敵も元々は人間だった可能性もなくもない。
そう思うとより堕天使の恐ろしさを3人は改めて感じた。
「堕天使はこの計画で被害者を多く出した。絶対許しちゃいけない」
幕昰の発言には短いながらに重みを感じる。
人の命を簡単に奪う彼ら、そんな相手にたとえ降参されようが容赦はできない。
それに対して光炎は『もちろんです』と返事を返しながら深く受け止める。
「俺達は一旦車で現場を周る。おそらくボスが
近くにいるはずだ」
『分かりました。私も如鬼と連絡して見廻りをしてきます。ではまた後で』
「あぁ、また後で」
通話が切られ幕昰はヒサと六問を連れ、自分の車に向かうのだった。
数十分後、堕天使がいないか警戒しながら運転している幕昰の前に黒き翼を背中に生やした幼き少女が目の前に現れた。
ブレーキをかけ車を止めると、「頼むぞ」と一言口にする。
それにヒサと六問は首を縦に振り、車を降りた。
「お前か。人を洗脳し、手下にしているのは」
「そんな酷いことをするヤツに俺達は絶対に負けない!」
六問の静かな怒りとヒサの激しい怒り。
彼女にとってその言葉は理不尽の極みでしかない。
「あなた達。なぜそんなにも、怒りを露わにしているの? 私の方が怒りたいのに。部下達の無念、ここで晴らす」
バラダゼの目は真面目そのもの。
本当に洗脳してきた者達を部下だと思っているのか?
とにかく大元の2体目を倒せば、戦力は大幅に減少する。
決意と共に彼らはザーガの腕輪に右手をかざし、「「変身!!」」と叫ぶ。
2人の体が光に包まれ、古代の戦士へと姿が変わっていく。
すると堕天使の少女も左腕の黒き腕輪を右手で強く握りしめた。
「へん、しん」
片言で掛け声を上げると、闇に包まれる。
次第に肉体が大きくなっていき、漆黒から姿が現れる。
それは金属で作り出された機械仕掛けの巨人。
大きさはなんとおよそ40キロメートル。
漆黒の装甲で全身が構成され、隙間から蒸気を放出している。
両肩にキャノン砲が取り付けられており、発射する弾を食らえば一撃でビルが吹き飛ぶだろう。
その名は〈ゴーレム・ダークエンジェル〉
あまりのデカさに2人は絶句するが、このままではこの町が崩壊してしまう。
「あなた達、絶対に、倒す」
振り下ろされる漆黒の拳、対してヒヤと六問はなにか作戦があるのか、首を縦に振り破壊エネルギーを右手に集中させる。
「六問、ヒヤ、まさか!? あのデカブツを一撃で破壊するつもりか!?」
幕昰の予想通り、2人のザーガが繰り出したパンチとゴーレム・ダークエンジェルのパンチが激突する。
破壊エネルギーが侵食し、激痛に耐えるバラダザ。
「俺達は、負けない! 人間の可能性を信じられないお前達には! 絶対に負けない!」
ヒヤの闘志ある叫び、あまりの強大な一撃に路面がヒビ割れていく。
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果たして………
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