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ゼッツ編
第38話 逆らう戦士
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天使は神が生み出した使いである。
神の言う事を素直に聞き、この世の者に助言や力を与える存在。
そんな中神に逆らった天使は黒き翼の堕天使と成り、悪魔と同じ扱いを受ける。
諸説あるが1人の堕天使は大悪魔の称号〈サタン〉を悪魔から直々に与えられたことがあったそうだ。
堕天使の力を2つ背負った西前は息を荒く、そして足を引きつらせながら住んでいるアパートの自室に戻る。
するとカギを閉め誰もいないはずの部屋から足音が聞こえてきた。
予想がついている彼はため息を吐き「天使様、今更俺に何の用だ」と呼びつける。
現れたのは神の使いである天使の女性、あの時とまったく変わらない彼女は表情を変えず西前の顔一点を見つめる。
「あなたに神からのご報告です。神の力を持ちながら堕天使の力を使うあなたにはとても失望したと」
「子どもが堕天使に変身させられて、黙ってられるか! もしあんただったら倒してたのかよ!」
天使の彼女にとって神の言葉が絶対である。
表情を変えず西前を見つめ続け、言葉を続ける。
「堕天使ならば容赦なく消します。それが神の命令です」
「1人の命より大勢の命、あんた達の考えがそうなら構わない。だとしても………」
その続きを言おうとした時、殺気を感じた彼は玄関を出てカギを閉める。
駐車場に向かうと目の前に現れたのは、Z3によく似た黒き戦士だった。
「こいつは?」
「悪いが司令官の命令だ。君を確保させてもらう」
サブマシンガン〈アーチャーD〉の銃口を向け、ゆっくりと近づいて来る禁断の戦士。
「まさか守っている者達に牙を剥けられるとはな」
「見たことないものを拒絶する。もしくは調べたくなる。人間とはそう言うものだ。さあ、ご同行を願おうか」
変身をする暇がないのは分かっている。
だがこのままでは実験材料にされるだろう。
「何の用か知らないが、あんたとは仲良くできない」
「だとしても来てもらう。それが上の命令なんだ」
逃げる体勢に入ったその時、攻撃の閃光が雨の如くこちらに降り注ぐ。
2人共間一髪のところで避けると、敵の正体が街灯に照らされる。
「さすがは授かれし戦士に禁断の戦士。我らの攻撃をいとも簡単に躱すとは」
「だが人間であるお前達を逃すわけにいかない。覚悟しろ!」
突然現れたアームド・ダークエンジェルの2人、武器にはブラックナイト・ダークエンジェルの剣を応用しゼッツが開発した黒き光の刃であるビームソードを装備している。
AIが知らせてくれなければ確実に戦死していた。
冷や汗をかく現人と対照的に西前は隙を突きゴッドアークドラゴン・カオスウィングに変身、〈カオスバロン〉を装備し堕天使に向かって連射する。
だがビーム弾を瞬時に躱され、急接近された挙句タックルを食らった。
「ぐはぁ!?」
「いくら我らの力を所持しいても、使いこなせなければ意味はない!」
勢いのまま電柱に突っ込み、背中を大打する。
あまりの衝撃に住人達が慌てて起き出した。
「あれは?」
「ニュースで発表されてた自衛隊のパワードスーツだったけ?」
夫婦が彼らの戦う姿を見て、危険を感じ子どもを起こしに行く。
人間嫌いな堕天使にとって逃がすわけがない相手だ。
1人のアームド・ダークエンジェルが夫婦に後ろから飛びかかろうとする。
「させん!!」
その時現人が〈アーチャーD〉を連射し、こちらに気を引かせる。
命中した銃弾だったが装甲が硬く、傷にもならない。
しかし標的はZDに向くと「邪魔をするなぁぁぁぁぁぁ!!」と叫び声を上げながらビームソードを豪快に振るい、光の刃を飛ばして来た。
それでもAIによる的確な避け方の指示を観て、攻撃をサイドステップで躱す。
「現人さん! これを!」
装甲車から降りてきた部下が投げ渡して来たのは、4連装ミサイルランチャー〈ワイバーン〉だ。
キャッチした武器と腰のケーブルを繋げ、バッテリーに電力を供給させる。
「ふん!!」
トリガーを弾き放たれる4弾のミサイルは高速で飛行するアームド・ダークエンジェルを追尾し、全弾が命中する。
あまりの爆裂に装甲が剥がれ落ち、地面に叩きつけられる。
「こんなところで………私は………」
なんとか立ち上がろうとするが〈アーチャーD〉の追撃を喰らい、その場で崩れ落ちた。
あまりの爆発音に子ども達と避難していた夫婦は驚きを隠せないまま、命を優先し振り返らずその場を離れる。
するとサイレンの鳴り響く音とともに、Zトレーラーが駆けつけた。
Z3+を装着した如鬼がアサルトライフルである〈バスター〉を装備した状態で出撃して来る。
夫婦と子ども達を視認すると「大丈夫ですか? 速やかに避難所に向かってください」と優しい口調で指示を出す。
ヒサと六問もZトレーラーから降りると不安な顔をした幼い子を見て初代古代の戦士は首を1回縦に振る。
「ヒサくん、如鬼くん、俺はこの家族を避難所に連れて行く。最近堕天使の出現率がかなり上がっているからね」
六問の話を聞き2人は納得した様子で「「分かりました」」と返事を返し、目的地に向かう。
アームド・ダークエンジェルの軍団が次々と人間を殺害している。
当たり前の日常を取り戻すため、戦士達は戦いを続けるのだった。
神の言う事を素直に聞き、この世の者に助言や力を与える存在。
そんな中神に逆らった天使は黒き翼の堕天使と成り、悪魔と同じ扱いを受ける。
諸説あるが1人の堕天使は大悪魔の称号〈サタン〉を悪魔から直々に与えられたことがあったそうだ。
堕天使の力を2つ背負った西前は息を荒く、そして足を引きつらせながら住んでいるアパートの自室に戻る。
するとカギを閉め誰もいないはずの部屋から足音が聞こえてきた。
予想がついている彼はため息を吐き「天使様、今更俺に何の用だ」と呼びつける。
現れたのは神の使いである天使の女性、あの時とまったく変わらない彼女は表情を変えず西前の顔一点を見つめる。
「あなたに神からのご報告です。神の力を持ちながら堕天使の力を使うあなたにはとても失望したと」
「子どもが堕天使に変身させられて、黙ってられるか! もしあんただったら倒してたのかよ!」
天使の彼女にとって神の言葉が絶対である。
表情を変えず西前を見つめ続け、言葉を続ける。
「堕天使ならば容赦なく消します。それが神の命令です」
「1人の命より大勢の命、あんた達の考えがそうなら構わない。だとしても………」
その続きを言おうとした時、殺気を感じた彼は玄関を出てカギを閉める。
駐車場に向かうと目の前に現れたのは、Z3によく似た黒き戦士だった。
「こいつは?」
「悪いが司令官の命令だ。君を確保させてもらう」
サブマシンガン〈アーチャーD〉の銃口を向け、ゆっくりと近づいて来る禁断の戦士。
「まさか守っている者達に牙を剥けられるとはな」
「見たことないものを拒絶する。もしくは調べたくなる。人間とはそう言うものだ。さあ、ご同行を願おうか」
変身をする暇がないのは分かっている。
だがこのままでは実験材料にされるだろう。
「何の用か知らないが、あんたとは仲良くできない」
「だとしても来てもらう。それが上の命令なんだ」
逃げる体勢に入ったその時、攻撃の閃光が雨の如くこちらに降り注ぐ。
2人共間一髪のところで避けると、敵の正体が街灯に照らされる。
「さすがは授かれし戦士に禁断の戦士。我らの攻撃をいとも簡単に躱すとは」
「だが人間であるお前達を逃すわけにいかない。覚悟しろ!」
突然現れたアームド・ダークエンジェルの2人、武器にはブラックナイト・ダークエンジェルの剣を応用しゼッツが開発した黒き光の刃であるビームソードを装備している。
AIが知らせてくれなければ確実に戦死していた。
冷や汗をかく現人と対照的に西前は隙を突きゴッドアークドラゴン・カオスウィングに変身、〈カオスバロン〉を装備し堕天使に向かって連射する。
だがビーム弾を瞬時に躱され、急接近された挙句タックルを食らった。
「ぐはぁ!?」
「いくら我らの力を所持しいても、使いこなせなければ意味はない!」
勢いのまま電柱に突っ込み、背中を大打する。
あまりの衝撃に住人達が慌てて起き出した。
「あれは?」
「ニュースで発表されてた自衛隊のパワードスーツだったけ?」
夫婦が彼らの戦う姿を見て、危険を感じ子どもを起こしに行く。
人間嫌いな堕天使にとって逃がすわけがない相手だ。
1人のアームド・ダークエンジェルが夫婦に後ろから飛びかかろうとする。
「させん!!」
その時現人が〈アーチャーD〉を連射し、こちらに気を引かせる。
命中した銃弾だったが装甲が硬く、傷にもならない。
しかし標的はZDに向くと「邪魔をするなぁぁぁぁぁぁ!!」と叫び声を上げながらビームソードを豪快に振るい、光の刃を飛ばして来た。
それでもAIによる的確な避け方の指示を観て、攻撃をサイドステップで躱す。
「現人さん! これを!」
装甲車から降りてきた部下が投げ渡して来たのは、4連装ミサイルランチャー〈ワイバーン〉だ。
キャッチした武器と腰のケーブルを繋げ、バッテリーに電力を供給させる。
「ふん!!」
トリガーを弾き放たれる4弾のミサイルは高速で飛行するアームド・ダークエンジェルを追尾し、全弾が命中する。
あまりの爆裂に装甲が剥がれ落ち、地面に叩きつけられる。
「こんなところで………私は………」
なんとか立ち上がろうとするが〈アーチャーD〉の追撃を喰らい、その場で崩れ落ちた。
あまりの爆発音に子ども達と避難していた夫婦は驚きを隠せないまま、命を優先し振り返らずその場を離れる。
するとサイレンの鳴り響く音とともに、Zトレーラーが駆けつけた。
Z3+を装着した如鬼がアサルトライフルである〈バスター〉を装備した状態で出撃して来る。
夫婦と子ども達を視認すると「大丈夫ですか? 速やかに避難所に向かってください」と優しい口調で指示を出す。
ヒサと六問もZトレーラーから降りると不安な顔をした幼い子を見て初代古代の戦士は首を1回縦に振る。
「ヒサくん、如鬼くん、俺はこの家族を避難所に連れて行く。最近堕天使の出現率がかなり上がっているからね」
六問の話を聞き2人は納得した様子で「「分かりました」」と返事を返し、目的地に向かう。
アームド・ダークエンジェルの軍団が次々と人間を殺害している。
当たり前の日常を取り戻すため、戦士達は戦いを続けるのだった。
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