42 / 46
ゼッツ編
第42話 蝕まれる戦士
しおりを挟む
六問の変身した英雄の姿〈オリジンザーガ・ザ・ヒーロー〉は破壊エネルギーを放出し続けることで、近づいた敵すべてを爆散させることができる。
ただし強さの代償として破壊エネルギーが全身を徐々に蝕まれ、最終的に死へ向かう。
戦友だったスティーブの研究結果で判明したこと、幕昰には伏せていためむしろ喜ばれた。
彼はヒサが自分のクローンとしてではなく自分自身として生きてほしかった。
普通に生きてほしかった。
しかしそれも叶わず結果ヒサを苦しめることになってしまった。
死神がこちらにゆっくりとやって来ている気がする。
そんな考えで自身を追い込む中、堕天使達を蹴散らしていく。
「古代の戦士、お前の破壊エネルギーは自身も苦しめている。でなければ命の灯火が消えかかるはずがない」
「君達堕天使はそこまで見えるのかい?」
六問の思わず出た質問にアームド・ダークエンジェルは光の翼を展開し、突進を仕掛ける。
「ふん、その灯火! 今すぐ消してくれる!」
話が噛み合わないままビームソードから放出される光の刃が、連続突きとなって迫る。
だが放出し続ける破壊エネルギーが一瞬のうちに侵食し、爆散した。
「なんであろうと、俺は戦い続ける。そのために生き続けなきゃいけないんだ」
拳を握り締め、走りだすオリジンザーガ。
アームド・ダークエンジェルを吸収し、血肉をエネルギーにする。
そして装甲と光のエネルギーをビームガンとして生成したあと、破壊エネルギーを注ぎ込みながら敵に向かってビームを撃ち込んだ。
「堕天使に……栄光あれぇぇぇぇ!!」
叫び声を上げ爆散する堕天使、それを聞くまもなくビームガンの銃口を再び敵に向けるのだった。
一方ヒサは両腕のリミッターを外し、拳を唸らせていた。
彼の拳は正義の拳、それは偽りではなく真である。
人間として、ザーガとして、この戦いを終わらせる。
クローンだと、偽者だと否定されても、自分は自分だと言葉にするだろう。
「クッ。所詮ザーガのクローンであり、兵器であるお前がなぜここまで私達を苦しめる。偽者が私達に勝てるわけがないはずだ」
空中で浮遊している堕天使のその一言。
それに対してヒサはリボルバーを生成し、破壊エネルギーと共に心臓を撃ち抜いた。
「ガッハッッッッッ!?」
「俺は本物だ! 血の通った人間だ!」
破壊エネルギーに完全に侵食され、爆散する敵。
体力のことを考えリミッターをオン、破壊エネルギーの放出が止まる。
アームド・ダークエンジェルの数が減らない中、六問とゴアドの2人が背中を預けて来た。
「堕天使にはおそらく指揮をしているボスがいるはず。どこか安全なところでこの戦いを見ているんだろう」
「前線に来るのは本当にピンチになった時だと思うよ。でもこの数を見るに出るのはまだ先だろうね」
堕天使達をまとめる大ボスがいることは明白だ。
あとは自分達がどこまで敵を追い詰められるのか?
この場で戦っている人間は3人しかいない。
果たしてザーガ達は戦いを終わらせることできるのか?
一方その頃Zトレーラーでは救出された如鬼兄弟を救急車で運んでもらい、光炎が上層部に連絡を試みる。
「もしもし、光炎です。緊急事態は承知の上で連絡させていただきました」
『分かっているならやめてほしかったけどねぇ。とりあえず言えるのは現状の装着者達では現在大量発生しているダークエンジェルには勝てない。今まで確認している謎の生命体が戦ってくれているが、頼っていてはこちらのメンツがないと言うぐらいかなぁ』
嫌味な上司の長話に付き合いつつ、彼女も口を動かす。
「こちらも如鬼が重傷を負ってしまいまして、救急車で運んでもらったばかりです」
冷静に発言したが、ため息が漏れ出すのが聞こえてくる。
『君は何をしているんだ。ダークエンジェルはこの世界にうじゃうじゃといるんだよ。そんな時に救急車で運ばせたら狙われるに決まってるでしょ』
「しかし、あのままでは治療もできずに死への道を歩むことになってました。どっちにしろ危険なのは変わりません」
自分の判断の正しいとは思っていない。
堕天使が人間を大量虐殺している中で重傷を負った人達が大勢いる。
病院もすでにパンク状態、戦う者を優先してくれるわけではない。
考えをまとめ発言を続ける。
「とにかくZ3+を鈴静くん用に調整し、現場に向かわせます。戦士達に任せるのがダメなら鈴静くんがいますのでご安心ください」
『………君がザーガを出撃させていること、それがいかに危険なことか………分かっててやっているんだろうね。いつ爆弾が爆発するか分からない。だから彼には前線には出るなと言ったんだよ。なのになぜなのかなぁ?』
「彼は爆弾ではなく列記とした英雄です。戦況を確認したいと思い通信しましたが、どうやら無駄だったみたいですね。では失礼します。」
通信を切り、静かな怒りを噛み締める。
何が爆弾だ。
ヒサや六問のおかげでどこまで敵を撃退できたか。
共にZシリーズを開発してきたジャーミーが言っていた。
『日叉は英雄として戦い続けている。次の戦いに備えて眠りについた彼は、ザーガの腕輪によって夢の世界でも戦い続ける。戦い方を忘れないように。生き地獄とは思はない? 寝ている間も気が休まらないのよ。それでも日叉はカプセルの中で笑ってた。だから、次の戦いで彼が必要となったら。その前にZ1を完成させて驚かせやるんだから』
ジャーミーの言葉を振り返ると、やっぱり好きなんだなと内心で笑った。
「よーし! 鈴静くん。今からZ3+とZDを合体させて、あなた用に調整する。それまで戦いに備えてて!」
「わっ、分かりました!」
光炎の命令に鈴静は敬礼と共に戦闘に備える。
身勝手な行動なのは分かってる。
だがこの戦いを終わらせるにはやるしかない。
その熱意は幕昰にも理解できたのだった。
ただし強さの代償として破壊エネルギーが全身を徐々に蝕まれ、最終的に死へ向かう。
戦友だったスティーブの研究結果で判明したこと、幕昰には伏せていためむしろ喜ばれた。
彼はヒサが自分のクローンとしてではなく自分自身として生きてほしかった。
普通に生きてほしかった。
しかしそれも叶わず結果ヒサを苦しめることになってしまった。
死神がこちらにゆっくりとやって来ている気がする。
そんな考えで自身を追い込む中、堕天使達を蹴散らしていく。
「古代の戦士、お前の破壊エネルギーは自身も苦しめている。でなければ命の灯火が消えかかるはずがない」
「君達堕天使はそこまで見えるのかい?」
六問の思わず出た質問にアームド・ダークエンジェルは光の翼を展開し、突進を仕掛ける。
「ふん、その灯火! 今すぐ消してくれる!」
話が噛み合わないままビームソードから放出される光の刃が、連続突きとなって迫る。
だが放出し続ける破壊エネルギーが一瞬のうちに侵食し、爆散した。
「なんであろうと、俺は戦い続ける。そのために生き続けなきゃいけないんだ」
拳を握り締め、走りだすオリジンザーガ。
アームド・ダークエンジェルを吸収し、血肉をエネルギーにする。
そして装甲と光のエネルギーをビームガンとして生成したあと、破壊エネルギーを注ぎ込みながら敵に向かってビームを撃ち込んだ。
「堕天使に……栄光あれぇぇぇぇ!!」
叫び声を上げ爆散する堕天使、それを聞くまもなくビームガンの銃口を再び敵に向けるのだった。
一方ヒサは両腕のリミッターを外し、拳を唸らせていた。
彼の拳は正義の拳、それは偽りではなく真である。
人間として、ザーガとして、この戦いを終わらせる。
クローンだと、偽者だと否定されても、自分は自分だと言葉にするだろう。
「クッ。所詮ザーガのクローンであり、兵器であるお前がなぜここまで私達を苦しめる。偽者が私達に勝てるわけがないはずだ」
空中で浮遊している堕天使のその一言。
それに対してヒサはリボルバーを生成し、破壊エネルギーと共に心臓を撃ち抜いた。
「ガッハッッッッッ!?」
「俺は本物だ! 血の通った人間だ!」
破壊エネルギーに完全に侵食され、爆散する敵。
体力のことを考えリミッターをオン、破壊エネルギーの放出が止まる。
アームド・ダークエンジェルの数が減らない中、六問とゴアドの2人が背中を預けて来た。
「堕天使にはおそらく指揮をしているボスがいるはず。どこか安全なところでこの戦いを見ているんだろう」
「前線に来るのは本当にピンチになった時だと思うよ。でもこの数を見るに出るのはまだ先だろうね」
堕天使達をまとめる大ボスがいることは明白だ。
あとは自分達がどこまで敵を追い詰められるのか?
この場で戦っている人間は3人しかいない。
果たしてザーガ達は戦いを終わらせることできるのか?
一方その頃Zトレーラーでは救出された如鬼兄弟を救急車で運んでもらい、光炎が上層部に連絡を試みる。
「もしもし、光炎です。緊急事態は承知の上で連絡させていただきました」
『分かっているならやめてほしかったけどねぇ。とりあえず言えるのは現状の装着者達では現在大量発生しているダークエンジェルには勝てない。今まで確認している謎の生命体が戦ってくれているが、頼っていてはこちらのメンツがないと言うぐらいかなぁ』
嫌味な上司の長話に付き合いつつ、彼女も口を動かす。
「こちらも如鬼が重傷を負ってしまいまして、救急車で運んでもらったばかりです」
冷静に発言したが、ため息が漏れ出すのが聞こえてくる。
『君は何をしているんだ。ダークエンジェルはこの世界にうじゃうじゃといるんだよ。そんな時に救急車で運ばせたら狙われるに決まってるでしょ』
「しかし、あのままでは治療もできずに死への道を歩むことになってました。どっちにしろ危険なのは変わりません」
自分の判断の正しいとは思っていない。
堕天使が人間を大量虐殺している中で重傷を負った人達が大勢いる。
病院もすでにパンク状態、戦う者を優先してくれるわけではない。
考えをまとめ発言を続ける。
「とにかくZ3+を鈴静くん用に調整し、現場に向かわせます。戦士達に任せるのがダメなら鈴静くんがいますのでご安心ください」
『………君がザーガを出撃させていること、それがいかに危険なことか………分かっててやっているんだろうね。いつ爆弾が爆発するか分からない。だから彼には前線には出るなと言ったんだよ。なのになぜなのかなぁ?』
「彼は爆弾ではなく列記とした英雄です。戦況を確認したいと思い通信しましたが、どうやら無駄だったみたいですね。では失礼します。」
通信を切り、静かな怒りを噛み締める。
何が爆弾だ。
ヒサや六問のおかげでどこまで敵を撃退できたか。
共にZシリーズを開発してきたジャーミーが言っていた。
『日叉は英雄として戦い続けている。次の戦いに備えて眠りについた彼は、ザーガの腕輪によって夢の世界でも戦い続ける。戦い方を忘れないように。生き地獄とは思はない? 寝ている間も気が休まらないのよ。それでも日叉はカプセルの中で笑ってた。だから、次の戦いで彼が必要となったら。その前にZ1を完成させて驚かせやるんだから』
ジャーミーの言葉を振り返ると、やっぱり好きなんだなと内心で笑った。
「よーし! 鈴静くん。今からZ3+とZDを合体させて、あなた用に調整する。それまで戦いに備えてて!」
「わっ、分かりました!」
光炎の命令に鈴静は敬礼と共に戦闘に備える。
身勝手な行動なのは分かってる。
だがこの戦いを終わらせるにはやるしかない。
その熱意は幕昰にも理解できたのだった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
日本の運命を変えた天才少年-日本が世界一の帝国になる日-
ましゅまろ
歴史・時代
――もしも、日本の運命を変える“少年”が現れたなら。
1941年、戦争の影が世界を覆うなか、日本に突如として現れた一人の少年――蒼月レイ。
わずか13歳の彼は、天才的な頭脳で、戦争そのものを再設計し、歴史を変え、英米独ソをも巻き込みながら、日本を敗戦の未来から救い出す。
だがその歩みは、同時に多くの敵を生み、命を狙われることも――。
これは、一人の少年の手で、世界一の帝国へと昇りつめた日本の物語。
希望と混乱の20世紀を超え、未来に語り継がれる“蒼き伝説”が、いま始まる。
※アルファポリス限定投稿
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる