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ゼッツ編
第44話 変身する戦士
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全世界が戦場と化した中で、太刀打ちできず人口が0となる国が徐々に現れる。
堕天使の攻撃は凄まじく、アメリカの軍隊ですらなんとか1体を倒せる状況だ。
その状況に超級堕天使であるゼッツは圧倒的な勝利にならず、逆に戦力を落としていることに人間を甘く見ていた自分を恨む。
「こうなれば、この戦いに私も参戦するしかありませんね」
そう言って〈ダークネスリングゾーン〉から地球に下りようとする。
その時だった。
なんと結界を突き破り、5人の天使が侵入して来たのだ。
「まさか!?」
驚きを隠せないまま光の矢を放たれるが、サイドステップで攻撃を避ける。
しかし再び放たれる矢に心臓部を撃ち抜かれた。
貫通した傷口から流れ出す血液。
それでも死に近づくことなく、このピンチに最後の手段として左手首に付けた黒き腕輪を右手でかざす。
「変………身………」
血反吐を吐きながら合言葉を口にすると、体は闇に包み込まれる。
天使達は一斉に矢を放ったが、次々と吸い込まれて行く。
「フフ、これ以上攻撃してみなさい。私がより強くなってしまいますよ」
微笑みながら姿を現したのは、ザーガを模した黒き戦士。
天使の1人が攻撃を仕掛けるも、右手で頭を掴まれすぐさま吸収されてしまった。
その複眼に映る無表情な天使達は、突如としてゼッツの全身から放出される霧を浴びる。
すると次第に体は消滅していき、黒き戦士へと吸収された。
「ザーガを模した力を使うのは抵抗はありますが、これは勝利のためです」
黒き翼を背中に出現させ下界に下りて行く。
最後の超級堕天使であり最後の砦である彼女だが、ここで戦わなければ部下達が全滅すると確信していた。
力を蓄えるため、まずアメリカに向かう。
戦車や戦闘機などを次々と吸収し、兵士達を虐殺していった。
「我々堕天使は人間を絶滅させる。そして神に見せつけ後悔させるのです。私達を出来損ないとしたことを!」
彼女の号令にこの場にいるアームド・ダークエンジェル全員が一斉に雄叫びを上げ、戦場を舞った。
一方その頃現場に到着した日本の鈴静は〈サイクロプスハント改〉を構え、堕天使に向けてトリガーを弾く。
撃ち出された銃弾だったが装甲に弾かれ、一撃必殺とはいかない。
再び引き金を弾き放った銃弾だが不意打ちではない攻撃など効くわけがなく、ビームソードで切断されてしまった。
「なに!?」
「愚かな人間め、死にに来たか!」
攻撃の失敗に少し動揺しつつ迫って来る敵。
『剣技が来るよ! 躱してパンチを食らわせるんだ!』
スーの指示通り攻撃をサイドステップで躱し、〈サイクロプスハント改〉を投げ捨てる。
そして繰り出した鉄拳は横っ腹に命中、アームド・ダークエンジェルを吹き飛ばした。
「なんだ!? このパワーは!? グワァァァァァァァァ!?」
あまりの破壊力に悶え苦しむ姿、その隙を彼は見逃さない。
攻撃が命中した箇所を回転蹴りでさらに追い打ちを与える。
傷口を狙われ強烈な激痛で動けない状況。
その隙を突き容赦なく殴りに殴りまくった。
爆殺することもなく、苦しみながらその場で崩れ落ちる。
やはりZDのパワーは凄まじい。
鈴静がそう思うと同時に両腕パーツと両足パーツから大量の蒸気が勢いよく吹き出した。
「これが、パワーを増幅させるための代償か」
『うん。色々調べてみたけど自衛隊が改良したあのパワードスーツの弱点、それは人間が耐えられないほどのオーバースペック。それに加えて僕より優れ過ぎたAIが搭載されていたんだ。おそらくいくら鍛えられた軍人ですら30分も戦えないよ』
「じゃあなんで僕は戦えてるんでしょう?」
彼の不意な質問に、スーはクスリと笑う。
『当たり前じゃないか~ 鈴静は人間じゃない、今は堕天使の力を失っているけれど、それでも肉体の強さは堕天使その物だからね』
正直に返答するスーに鈴静は「確かに、僕は人間じゃないです……」と途中でアームド・ダークエンジェルが光の刃を放って来る。
しかしそれは彼には見えている。
攻撃を瞬時に避け、高く飛び上がる。
そして空中で右足を天に向けて振りかぶった。
「なんだと!?」
「それでも僕は、人間を守りたい!!」
動揺する堕天使に踵落としを繰り出す。
左肩に叩き込まれた一撃に装甲どころか、肉体を貫き粉砕した。
『鈴静……くん?』
光炎が連絡をし始めると、彼の名前を静かに言う。
「すいません。僕は所詮クローンであり、堕天使である。本物じゃない自分が人間を守る資格はないでしょう。でも……僕は……」
『資格がないなんて言わないで! 鈴静くんは鈴静くんよ! たとえあなたがクローンだとしても、私達の仲間なんだから!』
謝罪と戦いの決意を口にすると彼女は鈴静に対して叫んだ。
この戦場で、死ぬわけいかない。
帰れる場所があるのだから。
そう彼は改めて気付かされ、自分も捨てたもんじゃないなと心に刻んだ。
アーマーから吹き出す蒸気を無視し、アームド・ダークエンジェルとの戦闘を再び開始する。
その姿を見たザーガのヒサとオリジン・ザーガである六問はお互い首を立てに振り、破壊エネルギーを執着させた蹴りで敵を爆殺させるのだった。
堕天使の攻撃は凄まじく、アメリカの軍隊ですらなんとか1体を倒せる状況だ。
その状況に超級堕天使であるゼッツは圧倒的な勝利にならず、逆に戦力を落としていることに人間を甘く見ていた自分を恨む。
「こうなれば、この戦いに私も参戦するしかありませんね」
そう言って〈ダークネスリングゾーン〉から地球に下りようとする。
その時だった。
なんと結界を突き破り、5人の天使が侵入して来たのだ。
「まさか!?」
驚きを隠せないまま光の矢を放たれるが、サイドステップで攻撃を避ける。
しかし再び放たれる矢に心臓部を撃ち抜かれた。
貫通した傷口から流れ出す血液。
それでも死に近づくことなく、このピンチに最後の手段として左手首に付けた黒き腕輪を右手でかざす。
「変………身………」
血反吐を吐きながら合言葉を口にすると、体は闇に包み込まれる。
天使達は一斉に矢を放ったが、次々と吸い込まれて行く。
「フフ、これ以上攻撃してみなさい。私がより強くなってしまいますよ」
微笑みながら姿を現したのは、ザーガを模した黒き戦士。
天使の1人が攻撃を仕掛けるも、右手で頭を掴まれすぐさま吸収されてしまった。
その複眼に映る無表情な天使達は、突如としてゼッツの全身から放出される霧を浴びる。
すると次第に体は消滅していき、黒き戦士へと吸収された。
「ザーガを模した力を使うのは抵抗はありますが、これは勝利のためです」
黒き翼を背中に出現させ下界に下りて行く。
最後の超級堕天使であり最後の砦である彼女だが、ここで戦わなければ部下達が全滅すると確信していた。
力を蓄えるため、まずアメリカに向かう。
戦車や戦闘機などを次々と吸収し、兵士達を虐殺していった。
「我々堕天使は人間を絶滅させる。そして神に見せつけ後悔させるのです。私達を出来損ないとしたことを!」
彼女の号令にこの場にいるアームド・ダークエンジェル全員が一斉に雄叫びを上げ、戦場を舞った。
一方その頃現場に到着した日本の鈴静は〈サイクロプスハント改〉を構え、堕天使に向けてトリガーを弾く。
撃ち出された銃弾だったが装甲に弾かれ、一撃必殺とはいかない。
再び引き金を弾き放った銃弾だが不意打ちではない攻撃など効くわけがなく、ビームソードで切断されてしまった。
「なに!?」
「愚かな人間め、死にに来たか!」
攻撃の失敗に少し動揺しつつ迫って来る敵。
『剣技が来るよ! 躱してパンチを食らわせるんだ!』
スーの指示通り攻撃をサイドステップで躱し、〈サイクロプスハント改〉を投げ捨てる。
そして繰り出した鉄拳は横っ腹に命中、アームド・ダークエンジェルを吹き飛ばした。
「なんだ!? このパワーは!? グワァァァァァァァァ!?」
あまりの破壊力に悶え苦しむ姿、その隙を彼は見逃さない。
攻撃が命中した箇所を回転蹴りでさらに追い打ちを与える。
傷口を狙われ強烈な激痛で動けない状況。
その隙を突き容赦なく殴りに殴りまくった。
爆殺することもなく、苦しみながらその場で崩れ落ちる。
やはりZDのパワーは凄まじい。
鈴静がそう思うと同時に両腕パーツと両足パーツから大量の蒸気が勢いよく吹き出した。
「これが、パワーを増幅させるための代償か」
『うん。色々調べてみたけど自衛隊が改良したあのパワードスーツの弱点、それは人間が耐えられないほどのオーバースペック。それに加えて僕より優れ過ぎたAIが搭載されていたんだ。おそらくいくら鍛えられた軍人ですら30分も戦えないよ』
「じゃあなんで僕は戦えてるんでしょう?」
彼の不意な質問に、スーはクスリと笑う。
『当たり前じゃないか~ 鈴静は人間じゃない、今は堕天使の力を失っているけれど、それでも肉体の強さは堕天使その物だからね』
正直に返答するスーに鈴静は「確かに、僕は人間じゃないです……」と途中でアームド・ダークエンジェルが光の刃を放って来る。
しかしそれは彼には見えている。
攻撃を瞬時に避け、高く飛び上がる。
そして空中で右足を天に向けて振りかぶった。
「なんだと!?」
「それでも僕は、人間を守りたい!!」
動揺する堕天使に踵落としを繰り出す。
左肩に叩き込まれた一撃に装甲どころか、肉体を貫き粉砕した。
『鈴静……くん?』
光炎が連絡をし始めると、彼の名前を静かに言う。
「すいません。僕は所詮クローンであり、堕天使である。本物じゃない自分が人間を守る資格はないでしょう。でも……僕は……」
『資格がないなんて言わないで! 鈴静くんは鈴静くんよ! たとえあなたがクローンだとしても、私達の仲間なんだから!』
謝罪と戦いの決意を口にすると彼女は鈴静に対して叫んだ。
この戦場で、死ぬわけいかない。
帰れる場所があるのだから。
そう彼は改めて気付かされ、自分も捨てたもんじゃないなと心に刻んだ。
アーマーから吹き出す蒸気を無視し、アームド・ダークエンジェルとの戦闘を再び開始する。
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