45 / 46
ゼッツ編
第45話 喰らい尽くす戦士
しおりを挟む
ゼッツが全世界の武器を吸収して行く中で、目標を日本に定める。
世界の授かれし戦士はすべて倒し、吸収して来た。
次は因縁の相手であるザーガを倒しに向かうことにしたのだ。
「この世界をリセットするため。神に自分達がやってきたことが間違いだったと思い知らせるため。絶対に倒してみせましょう」
決意を硬めると翼を羽ばたかせ、ザーガがいる日本へ向かった。
一方その頃アームド・ダークエンジェルとの戦闘を続けているゴアドはいち早くとんでもない力を持った者が来るのを察知した。
「ようやくボスのお出ましか。天使様が恐れる堕天使、ここで倒す」
「ふん、愚かな。超級堕天使であるゼッツ様がお前達に負けるわけがない。我らよりも強く、そして美しいのだから」
その名を聞いたゴアドを監視している天使の女性は不潔そうに唾を飲む。
「ゼッツ、あなたは決して地球の救世主には成れない。人間がいなければ良いと言う考えは神のやってることを否定することになる。神は常に正しい。それを理解できないあなたには人間に勝てるはずがないのです」
彼女の独り言を言っていると、アームド・ダークエンジェルの1人がその姿を捉えた。
「神に従う者に死を」
ビームソードをターゲットに向けて右に振るうと、無数の光の刃が天使を襲う。
その時だ。
「危ない!!」
その声の正体はZ3+の正式装着者であり、授かれし戦士である如鬼夏華だった。
〈クロキライジン〉と〈シロキフウジン〉を振るうと小さな嵐を巻き起こし、光の刃を相殺した。
「神に従う者に死を」
高速のスピードで迫って来る敵に対し如鬼は〈クロキライジン〉から高出力の電気を纏わせる。
(あなた達の攻撃は単純すぎる)
相手の動きはすでに分析済み。
複眼に映し出される堕天使を戦士の一刀が両断した。
それを見た天使は神がゼッツを恐れている。
だからより強力な力を人間に授けたのだろう。
「あのゼッツを神が恐怖の対象にしている。それほどまでの力を蓄えていると言うことなのでしょうか?」
再び独り言を口にする天使に事情を知らない如鬼はそれを聞いて?マーク浮かべる。
「あなたは……一体?」
彼女の純粋な質問。
それを聞いてため息を吐き、返答し始める。
「私は神の命を受けてやって来た天使です。あなたに力を授けたのも私の仲間でしょう」
「天使、ですか? いや、そんなことより早く逃げてください!」
「いえ、私は堕天使の力を得たゴッド・アーク・ドラゴンに裁きを与えなければいけませんので」
言ってることに納得がいかない如鬼。
ゴッド・アーク・ドラゴンはゴアドの本当の名前、ここまでは分かる。
問題はなぜゴアドに裁きを与えなければいけないのか。
堕天使の力を得たのは元々クローンの鈴静を人間に戻すため。
人を助けて裁かれるなんて矛盾している思った。
その考えは天使にはお見通しのようで、無表情のままこちらをじっと見つめてくる。
「そろそろ最後の戦いが迫っています。人間の運命はあなた達にかかっているのです」
その発言に武者の戦士はイラつきを感じた。
「あなたが天使なのは信じましょう。しかしなにか誤魔化しているように感じます。人を助ける想いはゴアドさんも同じはずです。それなのになぜ裁きを与えなければいけないのか理解できません」
天使に背を向け、2本の刀を強く握りしめる。
ゆっくりと歩き始めると、息を大きく吐いた。
「決してあの人を私は完全に信じているわけではありません。それでも共に戦って強い正義感を感じましたよ」
捨てゼリフを言いながら天使の翼を羽ばたかせて、上空へ飛び立った。
「あの人? ゴアドさんの知り合いですか?」
武者の戦士を見たヒサの質問に西前は「俺の知り合いじゃないなぁ」と返答する。
それに対して鈴静は自然とそちらに向く。
するとスーが分析を開始する。
一瞬の内に分析が終了すると、驚いたように声を上げる。
『如鬼だ! 如鬼が天使になって戻ってきた!』
「如鬼さん。君は選ばれたんですね。スー、そろそろ僕達も戻りましょう。バッテリーが切れてしまいます」
『分かった……バイクを側に移動させるよ』
残念そうに指示を聞くと、白バイに電波を飛ばしてこの場所に走行させる。
「申し訳ないのですがバッテリーが切れてしまうのでここで失礼します」
鈴静の発言に六問はサムズアップした後、ショットガンを生成しポンプアクションを行う。
「あぁ、あとは俺達に任せてくれ」
そう言って破壊エネルギーをショットガンに吸収させ、銃口を堕天使に向け引き金を弾く。
けたたましい銃声と共に大量の弾がばら撒かれると1人のアームド・ダークエンジェルに命中し、爆散させた。
その時だった。
強烈な殺気が彼らは感じる。
あまりにも邪悪、あまりにも最凶の堕天使がこの場に下り立った。
「来たか! 大将!」
「俺達ザーガの真似をして! 必ずお前を倒す!」
ゴアドの気合いある叫び。
ゼッツのあまりにもザーガの似た姿に、ヒサはクローンザーガ達の想いを拳に重ねる。
戦士達を視認した彼女はクスクスと笑い、世界で調達した物質をグレネードランチャーに変換した。
「なに!?」
相手の能力も自分と同じ、それを知ったザーガはこちらも拳銃を生成する。
先にトリガーを弾いたのはゼッツ、発射されたグレネードが彼を襲う。
しかしそこまでは予想済み、コンマ数秒遅れ撃ち出される銃弾。
と、なにか危険を察したオリジンザーガは物質を吸収する構えをとった。
銃弾が命中した瞬間、グレネードの火薬が大爆発を引き起こす。
あまりの爆風に戦士達は全員吹き飛ばされる。
しかし六問だけは足を踏ん張り耐え、爆発を吸収していく。
「まさかここまで火薬を仕込むなんて。すべて取り込めるかどうか」
このままでは町が吹き飛ぶ。
そんなこと、させるわけにはいかない。
その光景を予想していたゼッツは右足に破壊エネルギーを執着させる。
オリジンザーガに向けて走り出し、高く飛び上がる。
飛び蹴りの体勢に入り、ザーガの〈クラッシャーシュート〉によく似た必殺技〈デスペア・ジ・エンド〉を繰り出した。
「しまった!?」
「さようなら、古代の戦士」
必殺技はオリジンザーガの頭に命中、大きく吹き飛ばした。
電信柱に激突、停電を引き起こし明かりが失われる。
爆発は小規模に抑えたものの、確実に死ぬことを理解した。
「俺のせいで!? 六問さん!?」
焦って近づこうとするヒサに「来ないでくれ!!」と叫んで制止させる。
「俺はあともう少しで死を迎える。その前にヒサ君に頼みたいことがある幕昰さんとジャーミー、みんなを頼んだよ」
六問は破壊エネルギーに侵食されながら伝えたいことを伝え、サムズアップする。
その後完全に破壊エネルギーが全身を支配し、爆散させた。
彼の死を、まだ幕昰とジャーミーは知らない。
六問の最後の言葉にヒサは悟った。
自分がこの国を守っていくのだと。
世代交代、その4文字が過ぎった。
「六問さん。俺、戦います。みんなのために」
両拳を強く握りリミッターを解除、漆黒の戦士に向かって走り出す。
決意を胸に彼のパンチは繰り出されるのだった。
世界の授かれし戦士はすべて倒し、吸収して来た。
次は因縁の相手であるザーガを倒しに向かうことにしたのだ。
「この世界をリセットするため。神に自分達がやってきたことが間違いだったと思い知らせるため。絶対に倒してみせましょう」
決意を硬めると翼を羽ばたかせ、ザーガがいる日本へ向かった。
一方その頃アームド・ダークエンジェルとの戦闘を続けているゴアドはいち早くとんでもない力を持った者が来るのを察知した。
「ようやくボスのお出ましか。天使様が恐れる堕天使、ここで倒す」
「ふん、愚かな。超級堕天使であるゼッツ様がお前達に負けるわけがない。我らよりも強く、そして美しいのだから」
その名を聞いたゴアドを監視している天使の女性は不潔そうに唾を飲む。
「ゼッツ、あなたは決して地球の救世主には成れない。人間がいなければ良いと言う考えは神のやってることを否定することになる。神は常に正しい。それを理解できないあなたには人間に勝てるはずがないのです」
彼女の独り言を言っていると、アームド・ダークエンジェルの1人がその姿を捉えた。
「神に従う者に死を」
ビームソードをターゲットに向けて右に振るうと、無数の光の刃が天使を襲う。
その時だ。
「危ない!!」
その声の正体はZ3+の正式装着者であり、授かれし戦士である如鬼夏華だった。
〈クロキライジン〉と〈シロキフウジン〉を振るうと小さな嵐を巻き起こし、光の刃を相殺した。
「神に従う者に死を」
高速のスピードで迫って来る敵に対し如鬼は〈クロキライジン〉から高出力の電気を纏わせる。
(あなた達の攻撃は単純すぎる)
相手の動きはすでに分析済み。
複眼に映し出される堕天使を戦士の一刀が両断した。
それを見た天使は神がゼッツを恐れている。
だからより強力な力を人間に授けたのだろう。
「あのゼッツを神が恐怖の対象にしている。それほどまでの力を蓄えていると言うことなのでしょうか?」
再び独り言を口にする天使に事情を知らない如鬼はそれを聞いて?マーク浮かべる。
「あなたは……一体?」
彼女の純粋な質問。
それを聞いてため息を吐き、返答し始める。
「私は神の命を受けてやって来た天使です。あなたに力を授けたのも私の仲間でしょう」
「天使、ですか? いや、そんなことより早く逃げてください!」
「いえ、私は堕天使の力を得たゴッド・アーク・ドラゴンに裁きを与えなければいけませんので」
言ってることに納得がいかない如鬼。
ゴッド・アーク・ドラゴンはゴアドの本当の名前、ここまでは分かる。
問題はなぜゴアドに裁きを与えなければいけないのか。
堕天使の力を得たのは元々クローンの鈴静を人間に戻すため。
人を助けて裁かれるなんて矛盾している思った。
その考えは天使にはお見通しのようで、無表情のままこちらをじっと見つめてくる。
「そろそろ最後の戦いが迫っています。人間の運命はあなた達にかかっているのです」
その発言に武者の戦士はイラつきを感じた。
「あなたが天使なのは信じましょう。しかしなにか誤魔化しているように感じます。人を助ける想いはゴアドさんも同じはずです。それなのになぜ裁きを与えなければいけないのか理解できません」
天使に背を向け、2本の刀を強く握りしめる。
ゆっくりと歩き始めると、息を大きく吐いた。
「決してあの人を私は完全に信じているわけではありません。それでも共に戦って強い正義感を感じましたよ」
捨てゼリフを言いながら天使の翼を羽ばたかせて、上空へ飛び立った。
「あの人? ゴアドさんの知り合いですか?」
武者の戦士を見たヒサの質問に西前は「俺の知り合いじゃないなぁ」と返答する。
それに対して鈴静は自然とそちらに向く。
するとスーが分析を開始する。
一瞬の内に分析が終了すると、驚いたように声を上げる。
『如鬼だ! 如鬼が天使になって戻ってきた!』
「如鬼さん。君は選ばれたんですね。スー、そろそろ僕達も戻りましょう。バッテリーが切れてしまいます」
『分かった……バイクを側に移動させるよ』
残念そうに指示を聞くと、白バイに電波を飛ばしてこの場所に走行させる。
「申し訳ないのですがバッテリーが切れてしまうのでここで失礼します」
鈴静の発言に六問はサムズアップした後、ショットガンを生成しポンプアクションを行う。
「あぁ、あとは俺達に任せてくれ」
そう言って破壊エネルギーをショットガンに吸収させ、銃口を堕天使に向け引き金を弾く。
けたたましい銃声と共に大量の弾がばら撒かれると1人のアームド・ダークエンジェルに命中し、爆散させた。
その時だった。
強烈な殺気が彼らは感じる。
あまりにも邪悪、あまりにも最凶の堕天使がこの場に下り立った。
「来たか! 大将!」
「俺達ザーガの真似をして! 必ずお前を倒す!」
ゴアドの気合いある叫び。
ゼッツのあまりにもザーガの似た姿に、ヒサはクローンザーガ達の想いを拳に重ねる。
戦士達を視認した彼女はクスクスと笑い、世界で調達した物質をグレネードランチャーに変換した。
「なに!?」
相手の能力も自分と同じ、それを知ったザーガはこちらも拳銃を生成する。
先にトリガーを弾いたのはゼッツ、発射されたグレネードが彼を襲う。
しかしそこまでは予想済み、コンマ数秒遅れ撃ち出される銃弾。
と、なにか危険を察したオリジンザーガは物質を吸収する構えをとった。
銃弾が命中した瞬間、グレネードの火薬が大爆発を引き起こす。
あまりの爆風に戦士達は全員吹き飛ばされる。
しかし六問だけは足を踏ん張り耐え、爆発を吸収していく。
「まさかここまで火薬を仕込むなんて。すべて取り込めるかどうか」
このままでは町が吹き飛ぶ。
そんなこと、させるわけにはいかない。
その光景を予想していたゼッツは右足に破壊エネルギーを執着させる。
オリジンザーガに向けて走り出し、高く飛び上がる。
飛び蹴りの体勢に入り、ザーガの〈クラッシャーシュート〉によく似た必殺技〈デスペア・ジ・エンド〉を繰り出した。
「しまった!?」
「さようなら、古代の戦士」
必殺技はオリジンザーガの頭に命中、大きく吹き飛ばした。
電信柱に激突、停電を引き起こし明かりが失われる。
爆発は小規模に抑えたものの、確実に死ぬことを理解した。
「俺のせいで!? 六問さん!?」
焦って近づこうとするヒサに「来ないでくれ!!」と叫んで制止させる。
「俺はあともう少しで死を迎える。その前にヒサ君に頼みたいことがある幕昰さんとジャーミー、みんなを頼んだよ」
六問は破壊エネルギーに侵食されながら伝えたいことを伝え、サムズアップする。
その後完全に破壊エネルギーが全身を支配し、爆散させた。
彼の死を、まだ幕昰とジャーミーは知らない。
六問の最後の言葉にヒサは悟った。
自分がこの国を守っていくのだと。
世代交代、その4文字が過ぎった。
「六問さん。俺、戦います。みんなのために」
両拳を強く握りリミッターを解除、漆黒の戦士に向かって走り出す。
決意を胸に彼のパンチは繰り出されるのだった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
日本の運命を変えた天才少年-日本が世界一の帝国になる日-
ましゅまろ
歴史・時代
――もしも、日本の運命を変える“少年”が現れたなら。
1941年、戦争の影が世界を覆うなか、日本に突如として現れた一人の少年――蒼月レイ。
わずか13歳の彼は、天才的な頭脳で、戦争そのものを再設計し、歴史を変え、英米独ソをも巻き込みながら、日本を敗戦の未来から救い出す。
だがその歩みは、同時に多くの敵を生み、命を狙われることも――。
これは、一人の少年の手で、世界一の帝国へと昇りつめた日本の物語。
希望と混乱の20世紀を超え、未来に語り継がれる“蒼き伝説”が、いま始まる。
※アルファポリス限定投稿
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる