今時な死神と不死身な嫌われ者

ガトリングレックス

文字の大きさ
5 / 29

第5話瞳に映る頭蓋骨

しおりを挟む
「死神ネットに接続」
ミユの左目に瞳にドクロマークが浮き出ると、声に気づき、切り裂きの殺人鬼達ジャック・ザ・リッパーの3人が襲いかかる。
しかしランが念動力サイコキネシスで動きを封じる。
「殺害するターゲット、この場にいる切り裂きの殺人鬼達ジャック・ザ・リッパー
「おい、あいつらに攻撃を集中しないか。呪文がマジで怖いんだけど」
「なにを言っているんだお前は。あの様なこけおどしを怖がってどうする」
「殺害方法、心臓麻痺」
その言葉が発せられた瞬間、この場にいる切り裂きの殺人鬼達ジャック・ザ・リッパー全員が心臓麻痺を起こし倒れる。
が、遺体が消滅すると同時に再び復活する。
「くっ。私の能力でも倒せないなんて」
ミユは頭痛に顔を歪ませ、左手で頭を押さえる。
ミユの能力は死神ネットにアクセスし、キーワードを言う事でターゲットを様々な方法で死亡させる事ができる。
その代わり能力を使用すると脳に大きな負担がかかる。
なぜ彼女が死神ネットにパソコンなしでアクセスできるのかは不明だが、この能力を利用し、色々な仕事を担当している。
「やれやれ、これでは我々の長所を生かせない」
「俺は降りるぜ。もうこいつらと戦うのはまっぴらだ」
「私も降りる。この様な者達に勝てるわけがない」
全員戦闘を放棄すると、霧が晴れて行く。
それと同時に姿が消えた。
「この仕事は長くなりそうだ」
ヤマトは警棒を折り畳み、ため息を吐きながら、惨状をこの目に焼き付けた。

彼は殺人鬼。
彼は悪魔デビル
彼らは正義の断罪身勝手な殺人を繰り返し、今も逃亡中。

「ストロンギスト、こいつの通帳のパスワードを教えてくれ」
『3167だ』
銀行の前で40代ほどの男性はパスワードを本の中の相棒に教えてもらい、銀行に入る。
通帳を機械に投入し、言われた通りのパスワードを入力する。
すべての金を引き出し、財布に入れ、バッグに詰める。
外に出ると、遅い昼ごはんの事を考える。
(今日はなにを食べ様かな。コンビニ弁当も良いけど、ファミレスも捨てがたい)
悩みながら道を歩いていると、スパゲッティのチェーン店を発見。
(よし、今日はあそこにしよう)
信号機のところで止まり、青信号になると、横断歩道を渡る。
「ちょっとあなた」
誰かに呼び止められた気がして後ろを振り返る。
そこには白バイの男性警察官が立っていた。
「なんですか?」
「最近能力者の殺人事件が多発しているんです。外に出ず、家で待機してください」
「いや、ここには観光に来たんですよ。あなたも気をつけた方が良い。俺は欲に正直なんです。邪魔をされるとプツンとキレてしまう。そんな障害を持っているんですよ。分かるでしょう。この目が証拠です」
見て分かる通り、左目の瞳が左に泳いでいる。
それを分かっていて警察官は呼び止めた。
顔立ちがあの殺人鬼と合致している。
(あのヤマダセイギがこの町にいるなんて。絶対にここで捕まえてやる)
頭の中で考えを巡らせると、捕まえる方法を考える。
「もしかして警察官さん。俺を捕まえる。そんな事を思ってません?」
「そうだヤマダセイギ。お前はこの何十年の間に何百人の人を殺して来た。署に一緒に来てもらう」
「俺は食事をするんですよ。邪魔をするなら、消えてもらいましょうか」
ヤマダセイギと言われた殺人鬼の言葉に答える様に〈正義の殺人〉と言う本をバッグから取り出し、怪物を召喚する。
黒い姿をしており、白い2本の角。頭の真ん中にイナズマの様な白い傷。すべての者を威圧する白い複眼。胸下に埋め込められている白き宝石。背中にはカブトムシを思わせる羽。腕から放出する白いビームカッター。足と一体化しているギアが搭載された白く鋭いレッグトリガー。
「バッ、化け物!?」
「ストロンギスト、頼む」
「分かった」
ストロンギストと言われた化け物は警察官の首を掴み上げる。
「破壊」
その言葉を言い放った途端警察官のすべてが消滅した。
「どうする? 人に見られた可能性があるが」
「記憶を消す能力でもみ消してくれ」
「分かった」
ストロンギストは記憶操作でこの場にいる人間の今起きた事の記憶を消す。
そしてヤマダセイギは〈正義の殺人〉にストロンギストを戻す。
「ありがとな」
『当然の事だ。誰にもセイギを殺させない。俺はそう誓ったのだから』
「さすがは俺の相棒だぜ」
彼らは正義を語り、悪人を殺戮するサイコキラー。
店に入ると、案内された席に座る。
「なぜ人間は障害者と言う言葉を作ったのか知ってるか?」
『知らないな』
 「それは人の一障一生を害なす者と書いて障害者だかららしい」
『なるほど。筋は通っているな』
「そうして人間は障害者を分類し、差別し、追いやって行く。悲しい話だ」
『俺はセイギを良き相棒と思っている。裏切る様な事は絶対にしない』
「分かってるよ。そう言えばトランスフォーム、この町、かなり都会だから犯罪が多いと思うんだ。その時はよろしくな」
『おう、任せておけ!』
セイギの頼みに〈変身の殺人〉と言う本の中にいるトランスフォームが可愛いらしい声で返事をする。
こうしてランチタイムを楽しむセイギなのであった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

裏切りの代償

中岡 始
キャラ文芸
かつて夫と共に立ち上げたベンチャー企業「ネクサスラボ」。奏は結婚を機に経営の第一線を退き、専業主婦として家庭を支えてきた。しかし、平穏だった生活は夫・尚紀の裏切りによって一変する。彼の部下であり不倫相手の優美が、会社を混乱に陥れつつあったのだ。 尚紀の冷たい態度と優美の挑発に苦しむ中、奏は再び経営者としての力を取り戻す決意をする。裏切りの証拠を集め、かつての仲間や信頼できる協力者たちと連携しながら、会社を立て直すための計画を進める奏。だが、それは尚紀と優美の野望を徹底的に打ち砕く覚悟でもあった。 取締役会での対決、揺れる社内外の信頼、そして壊れた夫婦の絆の果てに待つのは――。 自分の誇りと未来を取り戻すため、すべてを賭けて挑む奏の闘い。復讐の果てに見える新たな希望と、繊細な人間ドラマが交錯する物語がここに。

後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~

菱沼あゆ
キャラ文芸
 突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。  洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。  天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。  洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。  中華後宮ラブコメディ。

男装官吏と花散る後宮〜禹国謎解き物語〜

春日あざみ
キャラ文芸
<第8回キャラ文芸大賞にて奨励賞をいただきました。応援ありがとうございました!> 宮廷で史書編纂事業が立ち上がると聞き、居ても立ってもいられなくなった歴史オタクの柳羅刹(りゅうらせつ)。男と偽り官吏登用試験、科挙を受験し、見事第一等の成績で官吏となった彼女だったが。珍妙な仮面の貴人、雲嵐に女であることがバレてしまう。皇帝の食客であるという彼は、羅刹の秘密を守る代わり、後宮の悪霊によるとされる妃嬪の連続不審死事件の調査を命じる。 しかたなく羅刹は、悪霊について調べ始めるが——? 「歴女×仮面の貴人(奇人?)」が紡ぐ、中華風世界を舞台にしたミステリ開幕!

短編【シークレットベビー】契約結婚の初夜の後でいきなり離縁されたのでお腹の子はひとりで立派に育てます 〜銀の仮面の侯爵と秘密の愛し子〜

美咲アリス
恋愛
レティシアは義母と妹からのいじめから逃げるために契約結婚をする。結婚相手は醜い傷跡を銀の仮面で隠した侯爵のクラウスだ。「どんなに恐ろしいお方かしら⋯⋯」震えながら初夜をむかえるがクラウスは想像以上に甘い初体験を与えてくれた。「私たち、うまくやっていけるかもしれないわ」小さな希望を持つレティシア。だけどなぜかいきなり離縁をされてしまって⋯⋯?

敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される

clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。 状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。

【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました

いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。 子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。 「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」 冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。 しかし、マリエールには秘密があった。 ――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。 未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。 「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。 物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立! 数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。 さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。 一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて―― 「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」 これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、 ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー! ※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。

処理中です...