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第4話殺意に笑う集団
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持ち上げられるヤマトの体。
周囲を見回すと拳の一撃で葬ったはずの殺人鬼達が何の前触れもなく復活している。
「なに!?」
「だから言っただろう、我々は不死身だと」
男はナイフを構え、ヤマトの胸に刺そうとする。
しかしヤマトの強烈なチョップで掴み上げていた腕が切断される。
床に着地し、再び加速する。
殺人鬼達を殴り殺すも、復活する。
(なんなんだ、まるで無限ループじゃないか)
透視を使い、男性トイレを確認する。
そこにはもうあの人物の姿はなかった。
(クソ、こいつらは囮だったのか。いや、最初から俺は薄々気づいていた。だが数が数だ。対処していればいずれ取り逃がしていたんだろうな)
自分の中で納得しつつ、ズボンの左ポケットから鉄製の警棒を取り出し、腕のスナップで引き伸ばす。
さらに眷属の力で強度を強化し、そして一気に加速。
切り裂きの殺人鬼達の集団をまるで剣で切り裂く様に警棒でぶった斬った。
「我々はこの町を支配する。そのためには殺戮をしなければならない」
「他の者の情報によると3人の能力者を送り込んだそうだ」
「その能力者さん早く殺したいなぁ~」
「俺、あいつら、皆殺しに、する」
霧の中に潜む黒ずくめのローブを着た殺人鬼達が路地で会話をする異様な光景。
ナイフ、鉤爪、包丁、大剣から殺した者達の血が滴り落ちる。
彼らが名乗るジャック・ザ・リッパーとはイギリスで起きた連続殺人事件の犯人のあだ名である。
なぜあだ名なのかと言うと、まだ犯人は捕まっていないからである。
と言うのも殺人事件に感化された模倣犯が多すぎたり、警察がすべての刃物による殺人をジャック・ザ・リッパーの仕業として処理してしまったからだ。
さらに19世紀の事件であり、すでに死亡していると思われる。
この結果ジャック・ザ・リッパーは映画の題材にされ、ゲームやアニメなどにも固有の名前として登場している。
「我々切り裂きの殺人鬼達は人を殺す事を目的としている」
「そのためにここにいる」
「不死身の私達は殺戮をいつでも楽しめる」
「殺す、殺す、殺す!」
4人は霧に溶け込む様に姿を消そうとする。
しかし人の気配を感じ、戦闘体勢に入る。
「あんた達が死刑囚すか? 確か1人しかいないと聞いたんすけど」
霧の中でランは警棒を構え、ニヤリと笑う。
「我々の餌食になりたい様だな」
「早く、あいつ、殺したい」
「別にいいよ、殺っちゃえ~」
大男はランに襲いかかり、大剣を左にフルスイングする。
ランは警棒を手から離す。
すると警棒が銃弾の様に勢いよく飛んで行き、大男の腹を貫いた。
「ウゴーーーー!?」
あまりの激痛に叫びを上げると、さらに警棒が大男に襲いかかる。
「おー鈍い鈍い」
余裕そうな表情を浮かべるラン。
「こいつの能力は念動力だ! 我々が勝てる相手ではない!」
切り裂きの殺人鬼達の1人であるナイフを持つ骸骨のマスクを着けた男が注意換気を呼びかけるが、もう遅い。
警棒1本での高速乱れ打ち。
ランが警棒をキャッチした頃には大男に風穴が大量に空いていた。
「さて、次は誰っすか?」
切り裂きの殺人鬼達3人は怖気付いた様に1歩、また1歩後ずさりする。
「処刑対象は逃げちゃダメっすよ。この世で悪い事したんだから、あの世で後悔するが良いっす」
3本の警棒を取り出し、左腕をスナップさせ引き伸ばし、手から離そうとする。
だがそれはできない。
なぜなら大男が後ろから攻撃を仕掛けて来たからだ。
しかしランは念動力で大男を空中に浮かばさせる。
驚きながらもすぐに余裕を取り戻し、3人の方を見る。
「だからダメって言ってるじゃないっすか。私に猿芝居は通じないっす」
「おのれー」
「貴様の様な者にコケにされる筋合いはない!」
「なに興奮してるのよ。私達が間抜けに見られるじゃない」
小柄でウサギの骸骨を思わせる仮面を被った者が呆れた様に可愛らしい声で言い放つ。
「今回はここまでにするべきか」
「俺は良いと思う」
「私も~」
「賛成、する」
4人はランの殺害を諦めると、霧が晴れて行く。
それと同時に4人の姿が消えた。
「逃した。霧と共に消えるなんて、どう思います? ミガニシ先輩」
ランの呼びかけに、車の裏に隠れていたミユが出て来る。
「霧を発生させ、再生能力持ち。テレポートができる。切り裂きの殺人鬼達と言う集団。検索しても出て来ない」
「となるとキカギ先輩のところへ早く行かなきゃっすね」
会話を終え、ランとミユはデバイスのGPSで位置を特定し、ヤマトがいるファミレスへ向かった。
ランの念動力を利用して移動していると、あっという間にヤマトがいるファミレスに到着する。
2重のガラスのドアを開ける。
するとヤマトが警棒で切り裂きの殺人鬼達の集団と戦闘を行っていた。
良く見ると、殺された者達が昔のゲームに登場するスクロールすると復活する敵の様に、いつの間にか復活している。
まさに組み手状態。
「おーい。早く手伝ってくれよ。こいつら復活してキリがないんだ」
ヤマトの余裕のない声に、ミユは自分の特殊能力を発動するのだった。
周囲を見回すと拳の一撃で葬ったはずの殺人鬼達が何の前触れもなく復活している。
「なに!?」
「だから言っただろう、我々は不死身だと」
男はナイフを構え、ヤマトの胸に刺そうとする。
しかしヤマトの強烈なチョップで掴み上げていた腕が切断される。
床に着地し、再び加速する。
殺人鬼達を殴り殺すも、復活する。
(なんなんだ、まるで無限ループじゃないか)
透視を使い、男性トイレを確認する。
そこにはもうあの人物の姿はなかった。
(クソ、こいつらは囮だったのか。いや、最初から俺は薄々気づいていた。だが数が数だ。対処していればいずれ取り逃がしていたんだろうな)
自分の中で納得しつつ、ズボンの左ポケットから鉄製の警棒を取り出し、腕のスナップで引き伸ばす。
さらに眷属の力で強度を強化し、そして一気に加速。
切り裂きの殺人鬼達の集団をまるで剣で切り裂く様に警棒でぶった斬った。
「我々はこの町を支配する。そのためには殺戮をしなければならない」
「他の者の情報によると3人の能力者を送り込んだそうだ」
「その能力者さん早く殺したいなぁ~」
「俺、あいつら、皆殺しに、する」
霧の中に潜む黒ずくめのローブを着た殺人鬼達が路地で会話をする異様な光景。
ナイフ、鉤爪、包丁、大剣から殺した者達の血が滴り落ちる。
彼らが名乗るジャック・ザ・リッパーとはイギリスで起きた連続殺人事件の犯人のあだ名である。
なぜあだ名なのかと言うと、まだ犯人は捕まっていないからである。
と言うのも殺人事件に感化された模倣犯が多すぎたり、警察がすべての刃物による殺人をジャック・ザ・リッパーの仕業として処理してしまったからだ。
さらに19世紀の事件であり、すでに死亡していると思われる。
この結果ジャック・ザ・リッパーは映画の題材にされ、ゲームやアニメなどにも固有の名前として登場している。
「我々切り裂きの殺人鬼達は人を殺す事を目的としている」
「そのためにここにいる」
「不死身の私達は殺戮をいつでも楽しめる」
「殺す、殺す、殺す!」
4人は霧に溶け込む様に姿を消そうとする。
しかし人の気配を感じ、戦闘体勢に入る。
「あんた達が死刑囚すか? 確か1人しかいないと聞いたんすけど」
霧の中でランは警棒を構え、ニヤリと笑う。
「我々の餌食になりたい様だな」
「早く、あいつ、殺したい」
「別にいいよ、殺っちゃえ~」
大男はランに襲いかかり、大剣を左にフルスイングする。
ランは警棒を手から離す。
すると警棒が銃弾の様に勢いよく飛んで行き、大男の腹を貫いた。
「ウゴーーーー!?」
あまりの激痛に叫びを上げると、さらに警棒が大男に襲いかかる。
「おー鈍い鈍い」
余裕そうな表情を浮かべるラン。
「こいつの能力は念動力だ! 我々が勝てる相手ではない!」
切り裂きの殺人鬼達の1人であるナイフを持つ骸骨のマスクを着けた男が注意換気を呼びかけるが、もう遅い。
警棒1本での高速乱れ打ち。
ランが警棒をキャッチした頃には大男に風穴が大量に空いていた。
「さて、次は誰っすか?」
切り裂きの殺人鬼達3人は怖気付いた様に1歩、また1歩後ずさりする。
「処刑対象は逃げちゃダメっすよ。この世で悪い事したんだから、あの世で後悔するが良いっす」
3本の警棒を取り出し、左腕をスナップさせ引き伸ばし、手から離そうとする。
だがそれはできない。
なぜなら大男が後ろから攻撃を仕掛けて来たからだ。
しかしランは念動力で大男を空中に浮かばさせる。
驚きながらもすぐに余裕を取り戻し、3人の方を見る。
「だからダメって言ってるじゃないっすか。私に猿芝居は通じないっす」
「おのれー」
「貴様の様な者にコケにされる筋合いはない!」
「なに興奮してるのよ。私達が間抜けに見られるじゃない」
小柄でウサギの骸骨を思わせる仮面を被った者が呆れた様に可愛らしい声で言い放つ。
「今回はここまでにするべきか」
「俺は良いと思う」
「私も~」
「賛成、する」
4人はランの殺害を諦めると、霧が晴れて行く。
それと同時に4人の姿が消えた。
「逃した。霧と共に消えるなんて、どう思います? ミガニシ先輩」
ランの呼びかけに、車の裏に隠れていたミユが出て来る。
「霧を発生させ、再生能力持ち。テレポートができる。切り裂きの殺人鬼達と言う集団。検索しても出て来ない」
「となるとキカギ先輩のところへ早く行かなきゃっすね」
会話を終え、ランとミユはデバイスのGPSで位置を特定し、ヤマトがいるファミレスへ向かった。
ランの念動力を利用して移動していると、あっという間にヤマトがいるファミレスに到着する。
2重のガラスのドアを開ける。
するとヤマトが警棒で切り裂きの殺人鬼達の集団と戦闘を行っていた。
良く見ると、殺された者達が昔のゲームに登場するスクロールすると復活する敵の様に、いつの間にか復活している。
まさに組み手状態。
「おーい。早く手伝ってくれよ。こいつら復活してキリがないんだ」
ヤマトの余裕のない声に、ミユは自分の特殊能力を発動するのだった。
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