銀杖と騎士

三島 至

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【第一章】一度目のアレイル

予兆【前】

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 会議が終わると扉が開かれ、皆がぞろぞろと退出していく。
 何とか仕事が重複する事だけは避けられたと、ヴァレルが胸を撫で下ろした時、側近が去り際にまた一つ嫌味を吐いた。

「エンフィスもようやく身の程を知ったか?」

 側近の近くを歩く適当な青年を捕まえて話しかけている体だったが、ヴァレルに聞かせているのは明らかだ。
 話を振られた相手は、ヴァレル当人に聞かれる事を気にした様子で、言葉を濁そうとしていたが、概ね同意を返した。
 彼も側近の機嫌を損ねたくは無いようだった。

「いや、ええ……相手があのクラヴィスト殿なら仕方が無いかと……」

「はは……確かに。あのアレイル・クラヴィストと比べるのも酷な話というものか」

 聞かないようにしたくても、出口は一つで、向かう先も同じであるため、会話が耳に入ってしまう。
 側近は故意にゆっくりと歩いて出口を塞いでいた。

(俺、そのアレイル本人なんだけどね……)

 ヴァレルは側近と巻き込まれた青年をぼんやりと見ながら、また下らない嫌がらせをしているなと、少々呆れた。

 ダグラスが騎士塔に戻ったら、真っ先にアレイルを探して、会議で決定した事を告げるだろう。
 その時までに、アレイルも騎士塔に居なければ都合が悪い。
 まだ焦る程では無いが、ヴァレルは早く移動したかった。
 さっさとフードを外し、何食わぬ顔でアレイルに戻らなければならないのだ。
 魔術師塔内なら気兼ねなく転移魔術を使うのだが、反魔術師派が多い場では控えるようにしている。
 側近の前で無闇に魔術を使いたくは無いので、早く人気の無いところへ行きたかった。

「まあ、あまり言ってやるな……」

 嘲笑した側近は、自分で同意を促したくせに、含みを持った言い方で同僚を窘める。そして後ろに立っているヴァレルをちらりと見た。

「奴の想い人は、今やアレイル・クラヴィストの婚約者なのだ。振られ男に、無事な皮膚など無いだろうよ」

 団員達が心配した通りの事を側近は口にした。
 ヴァレル・エンフィスは忌避される魔術師である。
 ただでさえ毒にしかならない存在なのに、長年の想い人である王女を横から掠め取られた彼は、惨めな事この上無い……と言いたいらしい。
 しかしいくらヴァレルを貶めた所で、フィリアンティスカと結婚するアレイルはヴァレル本人なので、痛くも痒くも無いのである。

 ヴァレルの呆れ顔は相手からは見えていない。
 沈黙は言い負かしたからだと取ったらしい側近は、勝ち誇った笑みを浮かべると、靴を高らかに鳴らして会議室を後にした。
 側近に続くように青年もそそくさと出て行った。鬱陶しい音は小さくなっていく。一人残されたヴァレルの周りは途端に静かになった。
 毎日のように嫌味や小言を言われて、慣れてはいる。だが、思わず溜息も吐きたくなるものだ。
 結局ヴァレルは、やけに響く吐息と共に、最後に会議室を出る事になった。
 既に人気は無く、周りに配慮する必要も無い。すぐに転移魔術を発動させる。
 会議室の扉を外側からしっかりと閉めると、爪先を床に打ち鳴らし、魔術師はそこから姿を消した。




 移動したのは騎士塔内の自室だ。
 フードを取り、すばやくローブを脱ぐ。脱いだ物を放ると、手から離れたローブは床に落ちる前に空中で溶けて消えた。略式の魔術を使ったので、棚の魔術書の中に収まっているはずである。
 ダグラスは真っ先に会議室を出ていたから、そろそろ騎士塔に着く頃だ。今にも階段を駆け上って来るだろう。
 アレイルは騎士の上着を寸分の乱れなく身に着け、ずっとここに居ましたよという顔で副隊長室の机に向かった。

 騎士塔内は雑多な音で溢れ、騎士達の気配を感じさせる。その中に、床を叩く靴音も混じっていた。
 音は重く、だが軽快なテンポで石が鳴く。誰かが階段を上ってくるのが分かった。
 音は副隊長室の前まで来ると、ぴたりと止んだ。
 ノックが聞こえる前に、アレイルは自らドアノブを捻り、音の主を出迎える。
 扉の向こうには、先ほど会議で顔を合わせていたダグラスが、片手を上げて立っていた。
 アレイルは涼しい顔で上司を労うと、ダグラスを部屋に招き入れた。

「お疲れ様です、ゲルトナー隊長」

「今戻った。変わりはないか?」

「こちらは問題ありません」

 間に合って良かったと、顔には出さずに安堵する。
 奥から一人掛けの椅子を持ってきて、ダグラスに勧めようとしたが、「いや、会議の内容を伝えたらすぐに出て行くからいい」と断られる。
 ダグラスはいつものように、会議で話した内容を掻い摘んで説明し始めた。
 アレイルもヴァレルとして会議に参加していたので、知っている内容だ。しかし、勿論そんな事は悟らせない。

「もうすぐ来るロッドエリアの使者についてだが……アレイル、お前と、もう一人に接待してもらう事になった。一緒にやってもらうのは、魔術師のディアン・アロンストだ。彼の事は知っているか?」

「はい。直接話した事はありませんが、顔は知っています」

 実際にはヴァレルの時、毎日のように顔を合わせているのだが、アレイルの受け答えとしては知人未満が正しい。
 ダグラスの説明を、自分の認識と齟齬が無いか確認しながら聞く。

「なら、アロンストの紹介はいらないな。じゃあ本題だ。今よりもっと面倒な事になりそうな気がするんだが……王妃様は、塔に閉じ込めたままにしておくらしい。情け無い話、このままロッドエリアの使者を迎えても、騎士隊じゃ不測の事態が起きても対応しきれないだろう。やはり魔術師が居た方が良いという話になって、この人選になった。相手は魔術師の国だからな」

「決定には従います……しかし、私で良いのでしょうか。本来、国王の側近が適任でしょう。それが出来なくても、ゲルトナー隊長とヴァレル・エンフィスの方が望ましいのでは」

 さり気なく不満に思っていたことを口に乗せる。
 そもそも、接待役など騎士の仕事では無い。むしろ言い出した国王の側近の仕事だ。その後ろで警護するのが騎士というものだ。
 しかし、魔術師嫌いを隠そうともしない側近に、ロッドエリアの使者を応対する役目が務まるかと言えば、甚だ不安に思う。
 儘ならぬ現状だ。

「あの側近に任せるのは不安過ぎるからな……かといって俺は口も上手くないし、華がある訳でも無いからな。騎士からはアレイルで満場一致だったんだが、魔術師枠で決まりそうだったヴァレルが、接待役を辞退したんで、アロンストに回ってきた」

 側近への不安は彼も同意見らしい。
 ダグラスは何の事は無いように言っているが、アレイルは先の発言を少し後悔した。結果的に、上司に自身を貶めるような事を言わせてしまったからだ。
 アレイルは一人渋い顔をしていたが、ダグラスは気にした様子も無く、「やっぱり、ヴァレルも気まずいのかねえ」と声の調子を変えた。
 不安を煽る報告から、世間話をするような雰囲気に変わる。

「気まずい……ですか」

 今気まずいのは、どちらかと言うと自分なのだが……と思いながら、ダグラスの真意を探るように聞き返せば、彼は片方の眉を上げて「ヴァレル・エンフィスにとって、アレイルは恋敵だろう?」と返した。

「アレイルと一緒に仕事をするのは、まだ堪えるんじゃないか。嫉妬で何かしてしまうかも知れない、とか考えたのかもしれんし」

「……皆、同じ事を言うのですね」

「他にも誰か言っていたか? ……まあそうだよな、今は皆噂しているか……」

 ダグラスは何か考え込むように言葉を切った。
 側近から言われた嫌味と、含む気持ちは真逆だが、内容はダグラスもあまり変わらない。
 魔術師団の団員達も、ダグラスも、ヴァレルが嫉妬に狂ってアレイルに危害を加えるのではないかと心配しているのだ。
 一体どこまで本気なのか疑問に思う。
 ヴァレルが辞退したのは、ただ同時に一人二役は難しかっただけなのだが――

 ちなみに、一人二役だが、正確には、かなり無理をすれば、出来なくは無い。
 使い魔を自分に化けさせれば良いので、見た目だけなら誤魔化しようもある。
 だが使い魔は本物の実力まで伴わない。見かけだけの身代わりを立てれば、任務に支障をきたす恐れがあった。
 本当に切羽詰った状態で、一瞬誤魔化す程度でなければ、使いたくない手段なのだ。

 思案に耽るダグラスの顔が、一瞬翳った。アレイルは何を言われるのだろうと身構えたが、ダグラスが次に発したのは意外な言葉だった。

「……王女殿下とは順調か?」

「概ね順調だと思います」

 聞かれた問いに対して、即座に澱み無く答えたが、はぐらかされたような感覚があった。
 直感で、ダグラスが本当に言いたかった話題とは違うのだろうと、アレイルは思った。
 だがそれは別として、フィリアンティスカとの関係については、婚約などすっ飛ばして結婚してしまいたいくらいであったので、力強く肯定しておく。
 アレイルが完璧に取り繕った無表情は、怪訝な気持ちも浮かれた心情も浮かべない。

「おいおい固いな。しかし……アレイルはあれだろ、王女殿下が降嫁したら、騎士は辞めるんだろう?」

 狙い通り、ダグラスはアレイルの感情の機微に気付かなかったようだが、彼の寝耳に水な発言に、今度は表情を動かさずにはいられなかった。
 驚いて目を見張るアレイルに対して説明も無く、「もしそうなったら、騎士隊はいよいよ厳しくなるなー」とダグラスは辞める前提の心配をし始める。
 その声はあまりにも軽い。
 騎士を辞めるなど、一言も告げた覚えは無かった。王女と結婚する場合騎士であってはならない、という決まりも無い。
 家を継ぐため、戦場には赴けないという理由であれば自然かもしれないが、国をあげて騎士を誉れとするナイトカリスにおいては、兼任しない方が珍しい。騎士を辞めるといえば、一族全員に反対されるくらいが、世間の思想と言える。
 冗談として言うには、些か不謹慎だ。ダグラスに限って、そんな軽はずみな事を言うとも思えない。

「隊長、私は辞めるつもりはありません」

「そうか? なら、まだ大丈夫か」

 唐突に話を始めておいて、あっさりと意見を翻す彼に、しこりのような違和感を覚える。
 ダグラスが本当に言いたい事は何だろう、と彼の瞳をじっと観察するが、剣の打ち合いと違って、思考は透けてこない。

「――辞めるなら、今のうちだぞ」

 聞き逃してしまいそうな小声で付け加えられた言葉を、アレイルは正確に拾った。
 ダグラスは不穏な事など何も無いというように「じゃあ、俺はまた訓練場に顔出してくる」と普段の声量に戻して言うと、アレイルが呼び止める前に、扉の外へ出て行ってしまった。
 問い詰めようとして、中途半端に手を伸ばしたままの格好で固まったアレイルは、閉まった扉を呆然と眺める。
 音が途絶えた後は、わざわざ追いかけようとはしなかった。

(何なんだ……?)

 腕をゆっくりと下ろすと、今度は顎に手を添えて思案する。
 一人になった副隊長室で、もやもやとした気持ちを抱えた。
 直前に見たダグラスの表情を思い出してみても、今日の彼は、やはり何だかおかしかったように思う。
 国王といい、ダグラスといい、意味深長にも思える言葉を残していくから、胸騒ぎが収まらない。

 そこまで考えて、ふと思い当った。そうだ、国王である。
 今のダグラスに良く似た眼差しを、つい先ほど、会議の時にも見ている。
 あれは、国王の目を染めていたのと同じ、諦めの色に見えたのだ。
 実際の所は分からないが、似ていると分かれば、しっくりと胸に収まった。
 何故彼がそんな目をするのだろう。

 ダグラスが何かを諦めかけているとして、今の話の流れで考えられるのは……ロッドエリアの使者、王妃の幽閉問題、騎士隊の実情、ヴァレルの立場……確かにどれも、悩ましい事ではある。
 しかし、アレイルに騎士を辞めた方が良いと仄めかす理由にはならない気がした。
 騎士はもとより身の危険が付き纏う仕事だ。
 逆に、騎士隊の現状を考えると、アレイルが居なくなってしまうと職務が滞るのでは無いか。少なくともそう自負している。
 だから、ダグラスの考えが分からないのだ。
 いくら考えても、納得出来る答えは見つからなかった。

 あまりすっきりしない中、気持ちを切り替えようとした所で、今しがた閉まったばかりの扉が、突然ノックもなしに再び開いた。
 静かに心臓を跳ねさせたアレイルの前に、扉の隙間から顔だけを覗かせたダグラスが現れる。

「そうそう、言い忘れていた」

 そういえば、立ち去っていく靴音は聞こえなかったな――と思い至る。
 自分の気の抜けように呆れつつ、「はい。何でしょうか」と話を聞く姿勢を作った。

「アレイル、今日訓練場に来る予定はあるか」

 アレイルは副隊長としての事務仕事を抱えているので、訓練の時間は特に決められていない。
 一応、自主的に早朝と晩は欠かさずに行っている。
 二重生活の昼はとにかく忙しいのだ。
 部下に訓練をつける日は前もって日程に組み込まれる場合もあるが、今日に関してはそのような予定は無かった。

「いえ……御用でしたら伺いますが」

「いや……用があるのは俺じゃないんだけどな」

「どなたでしょう」

 何となく煮え切らない態度のダグラスに、まさか国王の側近だろうかと一瞬考えるが、それは無さそうだとすぐに否定する。
 彼ならもっと強引に呼びつけそうなものだ。こちらの予定を確認するかどうかも疑わしい。
 来いという命令形ではなく、わざわざ予定を尋ねるあたりを思うと、部下の誰かかも知れない。

「……騎士塔に戻る途中で王女殿下に会ったんだが……今日、アレイルは訓練場に来るのかって聞かれたんだよ」

「……殿下がいらっしゃっているのですか?」

 不穏から一転し、一瞬でアレイルの脳内が華やいだ。

「ああ。これから訓練場へ向かうって言っていた。護衛の騎士引き連れて。アレイルに会いに行くのかと思ったんだが……――来る予定が無いなら、わざわざ呼ばなくても良い――って言っていたんだよ。単純に訓練を見たいだけかもしれんし……いやでもなあ、あまりにも急だろう? どう考えても、王女はアレイルを見にきたんだと思うんだが……まあ、判断はお前に任せる」

「ご一緒します」

 歯切れの悪い説明を残し、言い逃げしようとしたダグラスより先に、副隊長室から足を踏み出す。
 訪ねるのは三日に一度……と決めたばかりだが、フィリアンティスカがアレイルの仕事場に来ているのに会わない理由は無い。
 今日捌かなければならない書類がたまりつつあったが、見ない事にした。
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