銀杖と騎士

三島 至

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【第一章】一度目のアレイル

僅かな希望/ダグラス視点

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 王女の要望を叶えるため、予定には無かった訓練に向かうべく、ダグラスの一歩後ろにアレイルが位置取り、二人で騎士塔の長い階段を降る。
 各階の踊り場で、何度か他の騎士達とすれ違った。
 隊長と副隊長が揃っているのを見た彼らは、一様に姿勢を正し、道を譲る。
 ダグラス達が通り過ぎた後も、背中に視線が突き刺さっているように感じた。
 今の時間、訓練に参加せず騎士塔に残っている騎士は、これから任務へ向かう所か、非番であるかのどちらかである。
「事務仕事も忙しい副隊長を引き連れて、一体何事だ。重大な案件だろうか」という疑問を、視線で投げてくる彼らは、恐らく後者だろう。

 後ろから響く靴音を聞きながら、ダグラスは漫然と考えた。
 王女を夢中にさせているアレイルの心中は、どうなのだろうと。
 アレイルを連れていると、男女問わず自然と注目を集めるが、当の本人は涼しげなものだ。
 国王の娘を蔑ろにする男では決して無いが、少なくとも、フィリアンティスカに恋愛感情を抱いているようには見えなかった。
 恋愛に関わらず、アレイルが誰かに特別執着する所を想像出来ない。

 王女を前に、普通の恋する少女を先ほど垣間見たダグラスは、彼らがお互い想い合ってくれればいいのに、と願った。
 だがやはり、アレイルが愛や恋にうつつを抜かすのは似合わないし、結局王女の望む感情を彼が抱くとも思えない。

 真面目で忠義に厚い彼の事だから、王女を娶れば、きっと生涯フィリアンティスカだけを大切にするだろう。
 妻になった王女は、恐らく幸せだ。
 なら、別にそれでいいじゃないか。
 やけに王女に肩入れしてしまう自分に言い聞かせるように、ダグラスはそこで考えるのを止めた。

 訓練場は騒然としていた。
 近づくにつれ、剣をぶつける音とは別の、異様な雰囲気をダグラスは感じ取る。
 既に王女が着いているのだろうと思った。
 王族に見られているとなれば、空気が変わるのも頷ける。
 数人の騎士が壁を作り、誰かを囲んでいるのが見えた。
 てっきり、フィリアンティスカとその護衛の騎士だと思ったのだが、よくよく見ると、先程会った護衛とは別人である事が分かる。
 というより、今訓練に精を出しているはずの、見覚えのある部下達であった。

 不躾に王女を取り囲んでいるのかと、頭を抱えたくなりながら、ダグラスは一度アレイルの様子を窺った。
 彼はずっと後を着いてきており、今も無表情でダグラスと同じ方向を見ている。
 アレイルも状況を察しているだろう事を確認し、ダグラスは騎士の塊の中心へ近寄っていった。

「おいお前達、訓練はどうした。休憩にしては、人数が少ないようだが」

 壁になっていた騎士達に退いてもらうため、声を掛ける。
 不意に現れた隊長と副隊長に、振り返った騎士は慌てて道をあけた。
 ダグラスはひとまず王女の顔を確認しようとしたのだが、そこにいたのはフィリアンティスカでは無かったため、用意していた言葉を詰まらせてしまう。

 透き通るような肌の、はっとするほど美しい女性が、困惑顔で立っている。
 まだ若い。細く長い茶髪を、一つに丸く纏めており、指先を、もう片方の手で握りこみながら、不安げに翡翠の瞳を彷徨わせている。

 訓練場の騎士達の動きを止めるほどの容姿をしている彼女は、ダグラス達に気が付くと、表情を明るくした。
 ――正確には、ダグラスの後ろにいる人物を見て、だ。
 その美貌と、美しい瞳を見て、薄っすらと閃くものがあったが、ダグラスの認識が固まる前に、女性が答えを口にした。

「お兄様!」

 遠くで騎士達がどよめく。
「クラヴィスト副隊長の、妹さんか……!」「どうりで綺麗な訳だ」「確かに言われてみれば似ているか」「クラヴィスト家って美形一家なのか?」
 突如現れた謎の美女の正体が分かって、驚きと納得の声があちこちから届く。
 反対に、近くに居た騎士は不意打ちで美女の笑顔をもろにくらい、言葉を失っていた。

 この綺麗な人は、兄のアレイルに用があるようだ。
 約束があったのかと、ダグラスは無言でアレイルに答えを求めたが、彼の表情からは、これが意外な事態なのか、予想していた事なのか、いまいち伝わらなかった。
 アレイルは無表情なりに、たまに顔を顰めたり、舌打ちをしたりする事はある。
 だが今は全く、ぴくりとも顔色を変えないので、分かり辛い。
 しかしダグラスの意図は汲み取ってくれたようだ。
 アレイルは緩く首を横に振った。
 どうやら、妹は突然訪ねて来たらしい。

 ダグラスが一歩下がり、前を譲ってやると、アレイルは心得たように先を進んだ。
 彼が足を踏み出した事で、人垣が割れ、一人一人の顔が見やすくなる。

 すると、妹から離れたところにも、騎士以外の人物が立っている事に、ダグラスは気が付いた。
 物珍しげに囲まれるでもなく、目立って注目されるでもなく、ひっそりと佇んでいるのは、見覚えのある護衛を従えた、王女フィリアンティスカであった。

 アレイルも王女の姿を認識したらしく、彼は先に「殿下」と呼びかけた。
 それを受けて妹は、少し不満そうに、眉を下げたように見えた。

 アレイルの呼びかけによって、今初めて王女の存在に気が付いたように、騎士達はやや驚いた素振りを見せた。
 声を抑えて、「あれが王女……?」と怪訝そうに呟くものもいる。

 騎士隊隊長のダグラスと違い、階級が低い騎士達は、王女の姿を初めて目にする者も多いだろう。
 渡り廊下での検問にしても、あれは珍しい事だったのだ。
 しかし、王女の側には、物々しく護衛の騎士が控えているというのに、何故不思議そうにしているのだと、部下達の反応を疑問に思う。

 部下達は、アレイルの美しい妹にちらちらと目をやって、王女と見比べているようだった。
 またぼそりと、「ヴァレル・エンフィスが夢中になっている王女って、絶世の美女じゃなかったか?」と聞こえてくる。
 そこでようやく得心がいった。

 千年に一度の魔術師、ヴァレル・エンフィスは、王女フィリアンティスカに懸想している。
 王女への愛の告白は、ここ数年、毎日欠かすことが無い……いや、無かった。
 アレイル・クラヴィストと、フィリアンティスカとの婚約が決まってからは、ぱたりと途切れてしまったが、これは有名な話だ。

 そして、ヴァレルは王女を口説く時、必ず彼女の容姿を褒め称える。
 勿論見た目以外も好きらしいが、フィリアンティスカの波打つ黒髪や、青い瞳を褒めない日は無い。

 ヴァレル・エンフィスは色んな意味でかなりの有名人であるが、彼が心底惚れ込み、何年も片想いしている王女の噂も、同時に広まっているのだ。

 ヴァレルがあまりにも想い人の美しさを語るものだから、一度もフィリアンティスカを見たことが無い人は、彼女の容姿に夢を持つらしかった。
 魔術師団団長を骨抜きにする王女は、傾国の美女に違いない、と。

 笑顔一つ浮かべない王女を見やる。
 ダグラスはフィリアンティスカの事を、少し気の毒に思った。
 彼女はいつも固い表情をしているが、無理をして感情を押し込めているようにも思えた。
 勝手に容姿を想像されて、いざ本物を見れば「期待はずれだ」という反応をされたら、誰だって不快に思うだろう。

 親子ほど歳の離れたダグラスからすれば、フィリアンティスカは純粋に可愛らしい少女のように見えるが、客観的に言ってしまうと、彼女の容姿は十人並みであった。
 婚約者が規格外に麗しい容姿の持ち主であるから、並ぶと尚更である。
 フィリアンティスカは、大げさな褒め言葉と、噂と現実とのギャップに傷ついていたのかもしれない。

 ヴァレルが振られ続けたのは、実はそれが原因なのではないかと思った。

 アレイルに呼ばれたフィリアンティスカは、心なしか嬉しそうに見えた。
 僅かな変化であったし、ダグラスの思い違いかもしれなかったが、周りの声よりも、婚約者にじっと意識を向けているフィリアンティスカの事が、健気に思える。

「ごきげんよう、レイ」

 彼女はあくまで平静に、声を弾ませる事なく、アレイルの愛称を呼んだ。
 これにはまた、アレイルの妹が眉を顰めたのを、ダグラスは偶然見てしまった。
 アレイルが形式通りの挨拶をすると、王女はやや演技がかった仕草で、不満を口にする。

「あら、愛称で呼び合う事になったと思ったのだけど、私の勘違いだったかしら」

「……貴女は間違っていません。失礼いたしました。……フィスカ」

「突然来てしまって、迷惑だった?」

「そのような事は……荒っぽい所ですが、どうぞ、安全な場所からご覧になっていて下さい。フィスカが見ていて下さるなら、騎士達もより訓練に身が入るでしょう」

 二人とも少しも楽しげには見えないのだが、会話だけ聞けば随分と親しげであった。
 騎士達の間にも動揺が見て取れる。
 ダグラスも二人の会話が気になっていたので、部下達を訓練に戻らせるのも忘れて、傍観者の一人となっていた。

 フィリアンティスカは、ぽつんと取り残された、アレイルの妹を近くに呼び寄せると、皆に紹介した。

「私の新しい侍女なの。レイの妹……リシェアーナよ。美人でしょう。一緒に見学させても構わないわよね」

 めったに見られない美女を前に、騎士達は勢い良く首肯する。アレイルの顔を見て「いいですよね、副隊長」と念を送る者さえいた。
 これは、今日の訓練には気合が入りそうである。

 リシェアーナは、期待と不安が入り混じった表情で、兄のアレイルを見上げていた。
 それを見てダグラスは、ああこの妹は、兄を慕っているのだなと、先ほどからの彼女の態度の理由を把握した。
 リシェアーナは、王女に嫉妬しているのだ。
 隠せていないのは、まだ一人前とは言えないが。
 だが逆に、フィリアンティスカはリシェアーナの事を気に入っているように見える。
 新しい侍女と言っていた。今初めて見たダグラスにも分かるのだ、リシェアーナはとても分かりやすい。
 フィリアンティスカは、わざわざ一介の侍女を紹介した。
 リシェアーナに、訓練中の兄を見せてやろうとしたのではないかと思う。
 本当は自分が見たかっただけかもしれないし、本命は両方だとは思うが。

「構いませんか、隊長」

 全て任せるつもりだったダグラスだが、王女の話を聞いたアレイルから、許可を求められた。
 勿論快諾して、訓練場の端に王女が座るための椅子を用意するよう、近くに居た騎士に指示を出す。

 アレイルには婚約者の話し相手になってもらい、ダグラスは監督に回ろうと思ったのだが、王女は剣を振る副隊長を所望しているらしかった。

「レイは、訓練に参加しないの?」

 あからさまに見たそうにしていたので、思わず助け舟を出す。

「彼は強すぎて、他の騎士達では相手にならないんですよ」

 庇ったのは、フィリアンティスカの事ではない。
 王女の前で、アレイルに倒される騎士を不憫に思っての事だ。
 日々の訓練を見ていても、かなり一方的な打ち合いになるのは明白である。
 彼女が騎士隊の実情をどれほど知っているかは分からないが、脆弱な騎士の、あまりにも情けない試合を見せるのも憚られた。

「そう……」

 フィリアンティスカは目に見えて気落ちした。
 側で控えるリシェアーナも残念そうにしている。
 王女の目的を分かった上で見学を許可した事もあり、ダグラスは少し申し訳なく思う。

 それにしても、うちの副隊長は人気者だなあと、何気なくアレイルを見ると、彼は真剣な眼差しで王女を見詰めて、僅かに眉を寄せていた。
 どうしたと問う間も無く、アレイルはダグラスに向き直って、口を開いた。

「隊長、お相手願えますか」

 この話の流れでいくと、まるで王女に良い所を見せたかったように聞こえる。
 彼はめったに仕事に私情を挟まないので、珍しいものを見た。
 なんだ、上手くやっているじゃないか――――
 王女と副隊長の距離感に、小さな満足感を得たダグラスは、ここは花を持たせてやろうと、軽く承諾の返事をした。
 しかしアレイルは見透かしたように釘を刺して来る。

「隊長。フィスカの……殿下の前だからといって、手加減は無用でお願いします」

 相手を倒すという意気込みを感じ取り、ダグラスは己の内に喜びが沸きあがるのを感じた。

 いつまでも、自分に剣で挑んでくれるというのは、嬉しいものだ。
 権力で押し潰すのでも無く、お飾りに仕立て上げるのでも無く、彼は真っ直ぐにダグラスを見る。
 きちんと、騎士の自分を見ている。
 だが、この喜びは、楽しさとは少し違った。久しぶりに綺麗なものを見たような感覚だった。
 昔なら、嬉々として相手をしたかもしれない。
 強い相手との試合に緊張と期待をしただろう。ダグラスにはアレイルが眩しかった。
 自分にはもう、あんな目は出来ないのだと思った。

「婚約者の前で負けてもいいのか?」

「最初から負けるつもりはありませんので」

「そうか、じゃあ俺も勝つつもりでやるぞ」

「望む所です」

 剣に手を掛けたアレイルが、一瞬フィリアンティスカに微笑みかけたように見えた。ダグラスも剣を手に取る。

 運ばれてきた壁際の椅子に、フィリアンティスカとリシェアーナが腰を掛けて、護衛の騎士が控えるのを確認すると、ダグラス達は訓練場の中央に移動した。
 アレイルと、美貌のリシェアーナが居る事、王女が見に来ている事で、騎士達もいつもよりよく動く。
 彼らも中央のダグラス達に注目していた。

 早朝の訓練に、騎士達は顔を出さないので、ダグラスとアレイルの試合は珍しいと思っているのだろう。
 これが良い刺激になってくれればいいとは思うが、どこか他人事にも感じていた。

 踏み込み、剣を振りかざすと、余計な思考を飛ばす。
 アレイルが定期的に相手をしてくれるおかげで、体は訛っていない。
 激しく剣を打ちつけると、どこかで息を呑む声が聞こえた。
 周りは自分達の試合に見入っているらしかった。

 アレイルは強い。だが――
 感情が凪いでいく。
 ダグラス自身は、未来を思い描く事はとうに止めていた。
 ナイトカリスにはまだ、希望がある。
 だが、時間は僅かしか残されていなかった。



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