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第二章 魔法の衆と禁じられた書
第十二話 世界樹とエルフの女王
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「目を覚ましなさい、若き旅人よ」
とてもやさしい温かみのある声が聞こえてくる。その声で意識がようやくハッキリとしてきた。目の前にいる人は夢で見たのと同じ特徴を持っていた。あれがエルフなんだ。そのエルフは鮮やかな緑みのある黄色いドレスを身に纏い首には紫色の宝石があしらわれたネックレス、頭にはティアラを身に着けて玉座に座っていた。
部屋の中は花が咲き誇り宙にも満開の花が浮いている。その花の蜜なのかは分からないが部屋中から甘ったるい香りがした。
「あなたがエルフの女王ですね」
おれがそう聞くとエルフはうなずいて答えた。
「ええ。初めまして、私がエルフ族の女王のエルメネルです」
そう名乗った女王からは確かな威厳のようなものを感じた。それに圧倒されておれはすかさず自己紹介する。
「あの、おれはディール・マルトスと言います。年は13です」
自己紹介を終えると女王は目を丸くして驚きながら答えた。
「13!随分と若いのね。まだ私の30分の1も生きていないじゃない」
そうだった、エルフは長命で年をとっても容姿があまり変わらないんだっけ。話で読んだことあったけど本当に長命だったなんて正直信じられない。おれの方も驚いていると隣で眠っていたレイが目を覚ました。おれは寝ぼけて目をこすっているレイに挨拶するように言った。レイが挨拶を終えるとエルメネル女王はこれまでの優しそうな表情から一変して真剣な顔になった。
「メレスから聞いたのですが、なんでもあなた達は私たちにエルフに用があるそうですね。よければ教えていただけませんか」
「話を聞いた後はどうするんですか?おれたちを消すんですか」
「消すなんてとんでもないわ。外の世界から人が来るなんて100年ぶりだからお話が聞きたいだけなのよ」
100年ぶりという言葉が気になったがおれは夢で起きたことを包み隠さずに話した。エルフの里である世界樹が何者かに襲われて焼け落ちるということ、しかしその正体までは分からなかったということ。
「正体が分からないというのは不気味ですね」
エルメネル女王はそう言うと玉座の横に立っていた女性のエルフを呼んだ。
「メレスよ今日から警備を強化するように」
「しかし、この者たちを……人間の言うことを信じるのですか女王!」
「前回行われた”ペンタゴンワッフル”《五種族会議》で話に上がった件の予言がこの子たちの登場により現実味を帯びてきたのです」
「予言とは何のことでしょうか?」
好奇心を抑えられなかったレイが聞くとエルメネル女王は予言について教えてくれた。
「人間の冒険者が世界をひっくり返すという内容の物ですがひっくり返すというのが曖昧で救うのか破滅へと導くのかも分からない状況なのです」
「その予言は信じるに足るものなのですか?」
「予言を行ったのは毎回内容はくだらないが当たるでお馴染みのゴーストのクリスタル一家だったので信用できると思います」
「もしかしてそれが僕たちを指してるっていうんですか!」
「まだ確実とは言えませんが滅多に外から人間など来ないのでその可能性が高いとみています」
おれの頭の中で一つの疑問が生まれた。さっきの話を聞いていると100年ぶりの人間とか外からの人間とか言っているがもしかしてアルテザーン地方にも人間がいるのか?おれはその疑問をエルメネル女王にぶつけた。
「もしかしてアルテザーン地方にも人間が住んでいるんですか?」
「その通りですよ、数は少ないですが小さな集落がいくつかありそこに住んでいます」
アルテザーン地方にも人は住んでいたんだ!多分調査隊の生き残りとかが帰れない代わりに住むことにしたんだろう。
「あのー伝えたい用件も済んだのでそろそろ帰らせてもらってもいいですか?」
「あら、もう帰るのですか?ここに客人として何日か泊って行ってはどうでしょう。サンアスリムの話をもっと聞きたいのですが」
おれが返答に困っているとレイが耳打ちした。
「次の目的地が決まるまでの間まで泊って行った方がいいんじゃないかな。それに襲撃を見過ごすわけにはいかないよ」
「襲撃は自分たちで何とかするだろ。だってあんなに強かったんだぞ」
「だからって放っておけないでしょ。それはディールも同じ気持ちのはずだよ」
おれは押し負けてレイの言うとおりにして泊ることにした。おれたちが泊る旨を伝えるとエルメネル女王は少しだけ待つように言って席を立ち部屋の奥へと消えて行ってしまった。待っていると部屋の奥からエルメネル女王ともう一人のエルフが出てきた。
「こちらが私の娘のエルリシアンです」
エルフは基本的に美形が多いがエルリシアンと呼ばれた彼女は群を抜いて美しい顔立ちをしていた。艶やかな金色の髪はハーフアップになっていてその緑色の瞳はまるで宝石のように輝いていた。
「どうも、私がエルリシアンです」
「「あっ、どうも」」
どこか冷たい感じがする彼女に対しておれたちは二人とも腑抜けた返事をしてしまった。
「今日から泊っている間に何か聞きたいことがあればエルリシアンに聞いてくださいね。さあ里を案内してあげて」
エルメネル女王に背中を押されたエルリシアンは少しだけ面倒そうな感じで渋々了承した。エルリシアンはおれたちをそのまま通過して女王の部屋を出て行った。おれたちが呆気にとられているとエルリシアンはまた部屋に戻ってきておれたちに近づいてきた。
「ついてこないの?さっさと案内なんて終わらせたいんだけど」
「「す、すいません」」
おれたちは早歩きで歩く彼女に置いて行かれないようについて行った。女王の部屋を出るとそこは世界樹の幹の上の部分に位置しているようだった。エルフは世界樹の幹の外側に張られているツタや太い枝に通路や植物でできた建物を作って生活しており、幹の中にも部屋を構えているようだ。やっぱりリッパとベイランドの冒険は史実だった。おれたちが圧巻の景色に驚いているとエルリシアンは幹の通路の外側にある人が数人入れそうな大きさのツタで出来た籠のようなものに乗った。
「下の階層に向かうからこれに乗って」
彼女の言う通りにツタの籠に乗るとガタンと動き出して下に移動し始めた。
「これどうなってるんだ!勝手に動き出したぞ」
おれが驚いているとエルリシアンは呆れたような表情で返した。
「どうも何も”魔法”に決まってるでしょ」
「魔法だって!魔法って炎とか雷を出して攻撃するだけじゃないのか?」
「そんなわけないでしょ。この籠みたいに生活に役立つために使われることもあるのよ」
「へー知らなかったな」
おれとレイは顔を見合わせてうなずきあった。
「まさかあなた達、魔法のこと何も知らないの!」
ここまでテンションが低かったエルリシアンが初めて声を大きくした。それに対しておれは正直に返す。
「魔法なんて使ったこともないし見たことも……あっ!」
おれは3年前のあの惨劇の日にカミオン帝国の騎士が煙突を何も使わずに吹き飛ばしたのを思い出した。あれは魔法だったんだ。
「僕ら魔法のこと何も知らないよね。唯一知っているとすれば魂色で使える魔法が変わるってことぐらいかな」
レイが話しているとツタの籠が停止した。どうやら目的地に着いたみたいだ。エルリシアンの後についていき降りるとツタの籠はひとりでにどこかへ行ってしまった。
エルリシアンが振り返るとさっきまでとは打って変わって別人のような態度で目を輝かせながら話し始める。
「あなた達は運がいいわね。ここにいる間に”数百年に一度の魔術の天才”と呼ばれる私が魔法を使えるようにしてあげるわ!」
おれたちは突然の展開に驚きながらも初めて魔法を使えるようになるかもしれないというワクワクから喜びが爆発した。
「「よっしゃー!」」
その日は、エルフの里の説明を受けて終わった。ここには武器屋もあって覗いてみたが弓矢しか置いてなかったので少しだけ残念だった。おれたちは客人用の宿屋に泊まらせてもらうことになった。
「あなた達は……えっと」
「おれはディール・マルトスだ、よろしく」
「ぼ、僕はレイ・ジェオールです。よろしくお願いします」
「じゃあレイとディール。明日から厳しく修行するわよ」
「どんな修行でもかかってこい!」
おれたちはエルリシアンと別れて宿屋の部屋に入った。
「何か今日のレイ、変だったぞ」
「えっ!変って何がさ」
「いや、エルフの里を案内してもらっている辺りから変だったぞ。ずっとうわの空だったというか妙に顔が赤かったとか。熱とかじゃないよな?」
「気のせいじゃないかなー。だってこんな絵本の中みたいなところに来たら誰でも興奮でこうなっちゃうと思うよ」
会話を終えたおれたちはそれぞれふかふかのベッドに潜り込んだ。なんとか無事で済んで本当に良かった。明日からは魔法習得のための修行があるんだ。興奮して眠れないと思ったが一日中歩き回っていたのであっさりと眠りについた。
とてもやさしい温かみのある声が聞こえてくる。その声で意識がようやくハッキリとしてきた。目の前にいる人は夢で見たのと同じ特徴を持っていた。あれがエルフなんだ。そのエルフは鮮やかな緑みのある黄色いドレスを身に纏い首には紫色の宝石があしらわれたネックレス、頭にはティアラを身に着けて玉座に座っていた。
部屋の中は花が咲き誇り宙にも満開の花が浮いている。その花の蜜なのかは分からないが部屋中から甘ったるい香りがした。
「あなたがエルフの女王ですね」
おれがそう聞くとエルフはうなずいて答えた。
「ええ。初めまして、私がエルフ族の女王のエルメネルです」
そう名乗った女王からは確かな威厳のようなものを感じた。それに圧倒されておれはすかさず自己紹介する。
「あの、おれはディール・マルトスと言います。年は13です」
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そうだった、エルフは長命で年をとっても容姿があまり変わらないんだっけ。話で読んだことあったけど本当に長命だったなんて正直信じられない。おれの方も驚いていると隣で眠っていたレイが目を覚ました。おれは寝ぼけて目をこすっているレイに挨拶するように言った。レイが挨拶を終えるとエルメネル女王はこれまでの優しそうな表情から一変して真剣な顔になった。
「メレスから聞いたのですが、なんでもあなた達は私たちにエルフに用があるそうですね。よければ教えていただけませんか」
「話を聞いた後はどうするんですか?おれたちを消すんですか」
「消すなんてとんでもないわ。外の世界から人が来るなんて100年ぶりだからお話が聞きたいだけなのよ」
100年ぶりという言葉が気になったがおれは夢で起きたことを包み隠さずに話した。エルフの里である世界樹が何者かに襲われて焼け落ちるということ、しかしその正体までは分からなかったということ。
「正体が分からないというのは不気味ですね」
エルメネル女王はそう言うと玉座の横に立っていた女性のエルフを呼んだ。
「メレスよ今日から警備を強化するように」
「しかし、この者たちを……人間の言うことを信じるのですか女王!」
「前回行われた”ペンタゴンワッフル”《五種族会議》で話に上がった件の予言がこの子たちの登場により現実味を帯びてきたのです」
「予言とは何のことでしょうか?」
好奇心を抑えられなかったレイが聞くとエルメネル女王は予言について教えてくれた。
「人間の冒険者が世界をひっくり返すという内容の物ですがひっくり返すというのが曖昧で救うのか破滅へと導くのかも分からない状況なのです」
「その予言は信じるに足るものなのですか?」
「予言を行ったのは毎回内容はくだらないが当たるでお馴染みのゴーストのクリスタル一家だったので信用できると思います」
「もしかしてそれが僕たちを指してるっていうんですか!」
「まだ確実とは言えませんが滅多に外から人間など来ないのでその可能性が高いとみています」
おれの頭の中で一つの疑問が生まれた。さっきの話を聞いていると100年ぶりの人間とか外からの人間とか言っているがもしかしてアルテザーン地方にも人間がいるのか?おれはその疑問をエルメネル女王にぶつけた。
「もしかしてアルテザーン地方にも人間が住んでいるんですか?」
「その通りですよ、数は少ないですが小さな集落がいくつかありそこに住んでいます」
アルテザーン地方にも人は住んでいたんだ!多分調査隊の生き残りとかが帰れない代わりに住むことにしたんだろう。
「あのー伝えたい用件も済んだのでそろそろ帰らせてもらってもいいですか?」
「あら、もう帰るのですか?ここに客人として何日か泊って行ってはどうでしょう。サンアスリムの話をもっと聞きたいのですが」
おれが返答に困っているとレイが耳打ちした。
「次の目的地が決まるまでの間まで泊って行った方がいいんじゃないかな。それに襲撃を見過ごすわけにはいかないよ」
「襲撃は自分たちで何とかするだろ。だってあんなに強かったんだぞ」
「だからって放っておけないでしょ。それはディールも同じ気持ちのはずだよ」
おれは押し負けてレイの言うとおりにして泊ることにした。おれたちが泊る旨を伝えるとエルメネル女王は少しだけ待つように言って席を立ち部屋の奥へと消えて行ってしまった。待っていると部屋の奥からエルメネル女王ともう一人のエルフが出てきた。
「こちらが私の娘のエルリシアンです」
エルフは基本的に美形が多いがエルリシアンと呼ばれた彼女は群を抜いて美しい顔立ちをしていた。艶やかな金色の髪はハーフアップになっていてその緑色の瞳はまるで宝石のように輝いていた。
「どうも、私がエルリシアンです」
「「あっ、どうも」」
どこか冷たい感じがする彼女に対しておれたちは二人とも腑抜けた返事をしてしまった。
「今日から泊っている間に何か聞きたいことがあればエルリシアンに聞いてくださいね。さあ里を案内してあげて」
エルメネル女王に背中を押されたエルリシアンは少しだけ面倒そうな感じで渋々了承した。エルリシアンはおれたちをそのまま通過して女王の部屋を出て行った。おれたちが呆気にとられているとエルリシアンはまた部屋に戻ってきておれたちに近づいてきた。
「ついてこないの?さっさと案内なんて終わらせたいんだけど」
「「す、すいません」」
おれたちは早歩きで歩く彼女に置いて行かれないようについて行った。女王の部屋を出るとそこは世界樹の幹の上の部分に位置しているようだった。エルフは世界樹の幹の外側に張られているツタや太い枝に通路や植物でできた建物を作って生活しており、幹の中にも部屋を構えているようだ。やっぱりリッパとベイランドの冒険は史実だった。おれたちが圧巻の景色に驚いているとエルリシアンは幹の通路の外側にある人が数人入れそうな大きさのツタで出来た籠のようなものに乗った。
「下の階層に向かうからこれに乗って」
彼女の言う通りにツタの籠に乗るとガタンと動き出して下に移動し始めた。
「これどうなってるんだ!勝手に動き出したぞ」
おれが驚いているとエルリシアンは呆れたような表情で返した。
「どうも何も”魔法”に決まってるでしょ」
「魔法だって!魔法って炎とか雷を出して攻撃するだけじゃないのか?」
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「へー知らなかったな」
おれとレイは顔を見合わせてうなずきあった。
「まさかあなた達、魔法のこと何も知らないの!」
ここまでテンションが低かったエルリシアンが初めて声を大きくした。それに対しておれは正直に返す。
「魔法なんて使ったこともないし見たことも……あっ!」
おれは3年前のあの惨劇の日にカミオン帝国の騎士が煙突を何も使わずに吹き飛ばしたのを思い出した。あれは魔法だったんだ。
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エルリシアンが振り返るとさっきまでとは打って変わって別人のような態度で目を輝かせながら話し始める。
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おれたちは突然の展開に驚きながらも初めて魔法を使えるようになるかもしれないというワクワクから喜びが爆発した。
「「よっしゃー!」」
その日は、エルフの里の説明を受けて終わった。ここには武器屋もあって覗いてみたが弓矢しか置いてなかったので少しだけ残念だった。おれたちは客人用の宿屋に泊まらせてもらうことになった。
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「どんな修行でもかかってこい!」
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「えっ!変って何がさ」
「いや、エルフの里を案内してもらっている辺りから変だったぞ。ずっとうわの空だったというか妙に顔が赤かったとか。熱とかじゃないよな?」
「気のせいじゃないかなー。だってこんな絵本の中みたいなところに来たら誰でも興奮でこうなっちゃうと思うよ」
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