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200.猫を被るコリンはメイドさんたちのアイドル
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「しかし、解呪はよかった」
フタバの屋敷に帰って、コリンの部屋に‥と用意された部屋でロナウと一緒に休んでいると、メイドさんが紅茶を淹れてくれた。
コリンの性格は‥あれなんだけど、別に自分に危害を与えない人間には害はない。フタバの家でお世話になってるんだし‥って猫もかぶってる。貴族と違って、表情も豊かで、しかも、(見た目だけだったら)100点満点の可憐なコリンはメイドさんたち‥特にお姉さまウケがすこぶるよかった。
「かわいい~! 」
ってお菓子や果物をくれるお姉さまたちにコリンは(望まれるまま)天使の微笑を向けて‥
「もう~ホントにかわいい~」
‥お姉さまたちは、もう目がハートだ。
そんなこんなで、もう屋敷では「コリンファンクラブ」が出来る勢いだった。
因みに、コリンloveはお姉さまだけじゃない。
「こんなかわいい孫がいたら‥」
って庭師はメロメロだし、
「いっぱい食え! 」
ってコック長もデレデレだ。
コリンは貴族じゃないから、平民の彼らにしても親しみやすいんだろう。
で、今も(お姉さんメイドが淹れてくれた)美味しい紅茶には美味しいお茶菓子がついてるし、部屋には花がいっぱい飾ってある。(コリンはどちらかというとコーヒー派なんだけど「天使は紅茶! 」と紅茶を出される。
カワイ子ちゃんは「コーヒーとクラッカー」じゃなく「紅茶とクッキー! 」ならしい‥。
最初の頃は苦笑いで我慢‥だったコリンも(流石に人並みに遠慮位はする)今ではすっかり慣れて「この前のクッキー美味しかった~♡でも‥もうちょっと甘くない方がいいなあ~」とか希望まで言うようになった。
そんなコリンを見る度、ロナウは中途半端な笑みを浮かべるわけだ。
「猫かぶりが‥」
とか
「皆さん、可愛い顔に騙されないで~。この子、悪魔ですよ~」
とかいう魂の叫びと‥
「‥所詮世の中顔か‥」
‥っていう、やっかみが大半。
「よかった、とは? 」
ロナウが紅茶が入ったカップをソーサーに置きながら、首を傾げる。
コリンは、クッキーを飲み込んでから
「言葉のチョイスが秀逸だった‥って話だ。ロナウにしてはやるな」
にっと笑った。(天使の微笑ではない。あれは、有料)
「‥褒めてるのか貶してるのか分からない言い方だな」
とか言いながらも、ロナウはめったに褒めない友人の言葉に、嬉しそうだ‥けど、素直に喜ぶとカッコ悪いから、苦笑いと照れ隠しで‥カップをまた手に取った。
「ホントは解呪じゃない‥。
シャルルは、誰かから呪われたわけじゃない。
シャルルは魔薬を自分で服用したんだよ‥って、聞いたら‥カールもショックだろうしね」
今はメイドさんには「作戦会議するからごめんね(;´Д`)」って、部屋から出てもらっているから、部屋の中にはコリンとロナウしかいない。外に声が漏れないように、魔法で結界も張っている。コリンは‥そういうへまはしない。
流石にこんな話誰にも聞かせられないからね。
「魔薬って知名度としてどうなの? みんな知ってるものなの? その‥「悪いもの」だって」
ロナウが視線で「どんな感じ? 」って聞いてくる。
コリンは苦笑いして
「名前からして悪いもの‥って感じしかしないよな。
‥まあ‥それはそれとして‥
知名度はそう高くない‥と思うよ。需要がない‥とかじゃなくて、作れる人が少ないって理由でね。それに、やっぱり普通は値段がするよね」
なんていっても手間がかかってる。
「それにね。普通は大量生産されるもんじゃないの。依頼されて、オーダーメードで作る‥って感じ」
「あ~」
ロナウは納得した。
今回は、色々‥イレギュラーってことなんだろう。
「まあ‥だから、ロナウが咄嗟にああいってくれて‥助かった」
(ただ口から何となく出た言葉だとは‥言えない‥)
ロナウは苦笑いすると
「‥でも‥シャルル嬢に入手ルートとかを聞くのが‥聞きにくくなったね。
まさか「カールを伴わずシャルル嬢だけ来てください。犯人を特定するためにシャルル嬢の話が聞きたいんです」‥とか言いにくいよね」
って‥話を変えてごまかした。
「女の子だからね~」
ふう‥とコリンがため息をつく。
貴族だし、恋人でもない男とプライベートで会うのは良くないよね。変な噂を立てられたら困るしね。
友人と会うこと位あるだろう? って思うかもしれないけど‥友人って程僕らは親しくないよね。
「まあ‥シャルル嬢から来てくれる‥でしょう」
うんうん、とロナウが小さく頷きながら言った。
普通は‥来るだろう。
お礼とか‥ね。お詫びとか。流石にね。
それに、「あの人たちなら、あの薬の正体知ってるかも‥」って思ってくれるかもしれないしね。
「シャルル嬢の話が聞けたら、分かることは結構ありそうな気は‥する。取引場所だとか、どういう風に接触してきたのかとか、値段だとか、売り子の名前‥顔だとか、売り子がなぜシャルル嬢を選んだのか‥とか‥は、でも分からないかな? 」
特に値段は気になるよね。
「さあね~。聞きたいこととか‥後で書き出しとこう。フタバちゃんにも後で意見を聞いて‥ね」
ロナウが紙に「聞きたい事リスト」と書いて、さっきコリンが言ったことをメモした。それを落とさない様に注意深く胸のポケットにしまう。
「そうだね」
ロナウとコリンはお互いに納得して、大きく頷きあった。
ふう‥とため息をついて紅茶を口にすると‥紅茶はすっかり冷たくなっていた。
‥流石にこれ以上部屋にこもり続けるのもよくない。もうそろそろ夕飯の時間でメイドさんたちが二人を呼びに来るだろう。
コリンは防音結界を解除して、部屋の扉を開けた。
「あら! コリンちゃん! 紅茶さめちゃったんじゃない? 」
お姉さんメイドが飛んでくる。
「うん。冷めちゃった。疲れちゃったみたいで、ちょっと寝てしまってたみたい。美味しかったからまた飲みたいけど、でも、もう夕飯だから我慢するよ」
コリンはかわい子ぶりっ子な表情を浮かべて言った。
ロナウは扉の向こうで、こっそり胡乱気な表情を浮かべている。
‥稀代の「氷の魔術師」が‥メイドさん相手にかわい子ぶりっ子‥そういえば、ここまでじゃないけどザッカさんや‥特にシークさん相手にもコリンはかわい子ぶりっ子してるな‥。
だけど‥案外‥「ひねくれて同級生相手にはつんけんしてるだけ」で、あのちょっと「憎めない弟」みたいなコリンが素なのかもしれない。
そう思うと、なんかコリンが可愛く思えてきたり‥。
まあ‥でも、この「かわい子ぶりっ子」もあの顔だからこそ出来る‥って感じだな。
どうせ! 世の中所詮顔なんだよ!
心の中でこっそり悪態をつくロナウだった。
フタバの屋敷に帰って、コリンの部屋に‥と用意された部屋でロナウと一緒に休んでいると、メイドさんが紅茶を淹れてくれた。
コリンの性格は‥あれなんだけど、別に自分に危害を与えない人間には害はない。フタバの家でお世話になってるんだし‥って猫もかぶってる。貴族と違って、表情も豊かで、しかも、(見た目だけだったら)100点満点の可憐なコリンはメイドさんたち‥特にお姉さまウケがすこぶるよかった。
「かわいい~! 」
ってお菓子や果物をくれるお姉さまたちにコリンは(望まれるまま)天使の微笑を向けて‥
「もう~ホントにかわいい~」
‥お姉さまたちは、もう目がハートだ。
そんなこんなで、もう屋敷では「コリンファンクラブ」が出来る勢いだった。
因みに、コリンloveはお姉さまだけじゃない。
「こんなかわいい孫がいたら‥」
って庭師はメロメロだし、
「いっぱい食え! 」
ってコック長もデレデレだ。
コリンは貴族じゃないから、平民の彼らにしても親しみやすいんだろう。
で、今も(お姉さんメイドが淹れてくれた)美味しい紅茶には美味しいお茶菓子がついてるし、部屋には花がいっぱい飾ってある。(コリンはどちらかというとコーヒー派なんだけど「天使は紅茶! 」と紅茶を出される。
カワイ子ちゃんは「コーヒーとクラッカー」じゃなく「紅茶とクッキー! 」ならしい‥。
最初の頃は苦笑いで我慢‥だったコリンも(流石に人並みに遠慮位はする)今ではすっかり慣れて「この前のクッキー美味しかった~♡でも‥もうちょっと甘くない方がいいなあ~」とか希望まで言うようになった。
そんなコリンを見る度、ロナウは中途半端な笑みを浮かべるわけだ。
「猫かぶりが‥」
とか
「皆さん、可愛い顔に騙されないで~。この子、悪魔ですよ~」
とかいう魂の叫びと‥
「‥所詮世の中顔か‥」
‥っていう、やっかみが大半。
「よかった、とは? 」
ロナウが紅茶が入ったカップをソーサーに置きながら、首を傾げる。
コリンは、クッキーを飲み込んでから
「言葉のチョイスが秀逸だった‥って話だ。ロナウにしてはやるな」
にっと笑った。(天使の微笑ではない。あれは、有料)
「‥褒めてるのか貶してるのか分からない言い方だな」
とか言いながらも、ロナウはめったに褒めない友人の言葉に、嬉しそうだ‥けど、素直に喜ぶとカッコ悪いから、苦笑いと照れ隠しで‥カップをまた手に取った。
「ホントは解呪じゃない‥。
シャルルは、誰かから呪われたわけじゃない。
シャルルは魔薬を自分で服用したんだよ‥って、聞いたら‥カールもショックだろうしね」
今はメイドさんには「作戦会議するからごめんね(;´Д`)」って、部屋から出てもらっているから、部屋の中にはコリンとロナウしかいない。外に声が漏れないように、魔法で結界も張っている。コリンは‥そういうへまはしない。
流石にこんな話誰にも聞かせられないからね。
「魔薬って知名度としてどうなの? みんな知ってるものなの? その‥「悪いもの」だって」
ロナウが視線で「どんな感じ? 」って聞いてくる。
コリンは苦笑いして
「名前からして悪いもの‥って感じしかしないよな。
‥まあ‥それはそれとして‥
知名度はそう高くない‥と思うよ。需要がない‥とかじゃなくて、作れる人が少ないって理由でね。それに、やっぱり普通は値段がするよね」
なんていっても手間がかかってる。
「それにね。普通は大量生産されるもんじゃないの。依頼されて、オーダーメードで作る‥って感じ」
「あ~」
ロナウは納得した。
今回は、色々‥イレギュラーってことなんだろう。
「まあ‥だから、ロナウが咄嗟にああいってくれて‥助かった」
(ただ口から何となく出た言葉だとは‥言えない‥)
ロナウは苦笑いすると
「‥でも‥シャルル嬢に入手ルートとかを聞くのが‥聞きにくくなったね。
まさか「カールを伴わずシャルル嬢だけ来てください。犯人を特定するためにシャルル嬢の話が聞きたいんです」‥とか言いにくいよね」
って‥話を変えてごまかした。
「女の子だからね~」
ふう‥とコリンがため息をつく。
貴族だし、恋人でもない男とプライベートで会うのは良くないよね。変な噂を立てられたら困るしね。
友人と会うこと位あるだろう? って思うかもしれないけど‥友人って程僕らは親しくないよね。
「まあ‥シャルル嬢から来てくれる‥でしょう」
うんうん、とロナウが小さく頷きながら言った。
普通は‥来るだろう。
お礼とか‥ね。お詫びとか。流石にね。
それに、「あの人たちなら、あの薬の正体知ってるかも‥」って思ってくれるかもしれないしね。
「シャルル嬢の話が聞けたら、分かることは結構ありそうな気は‥する。取引場所だとか、どういう風に接触してきたのかとか、値段だとか、売り子の名前‥顔だとか、売り子がなぜシャルル嬢を選んだのか‥とか‥は、でも分からないかな? 」
特に値段は気になるよね。
「さあね~。聞きたいこととか‥後で書き出しとこう。フタバちゃんにも後で意見を聞いて‥ね」
ロナウが紙に「聞きたい事リスト」と書いて、さっきコリンが言ったことをメモした。それを落とさない様に注意深く胸のポケットにしまう。
「そうだね」
ロナウとコリンはお互いに納得して、大きく頷きあった。
ふう‥とため息をついて紅茶を口にすると‥紅茶はすっかり冷たくなっていた。
‥流石にこれ以上部屋にこもり続けるのもよくない。もうそろそろ夕飯の時間でメイドさんたちが二人を呼びに来るだろう。
コリンは防音結界を解除して、部屋の扉を開けた。
「あら! コリンちゃん! 紅茶さめちゃったんじゃない? 」
お姉さんメイドが飛んでくる。
「うん。冷めちゃった。疲れちゃったみたいで、ちょっと寝てしまってたみたい。美味しかったからまた飲みたいけど、でも、もう夕飯だから我慢するよ」
コリンはかわい子ぶりっ子な表情を浮かべて言った。
ロナウは扉の向こうで、こっそり胡乱気な表情を浮かべている。
‥稀代の「氷の魔術師」が‥メイドさん相手にかわい子ぶりっ子‥そういえば、ここまでじゃないけどザッカさんや‥特にシークさん相手にもコリンはかわい子ぶりっ子してるな‥。
だけど‥案外‥「ひねくれて同級生相手にはつんけんしてるだけ」で、あのちょっと「憎めない弟」みたいなコリンが素なのかもしれない。
そう思うと、なんかコリンが可愛く思えてきたり‥。
まあ‥でも、この「かわい子ぶりっ子」もあの顔だからこそ出来る‥って感じだな。
どうせ! 世の中所詮顔なんだよ!
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