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六章 思えば‥フラグだったんだ。
4.ゴシップ王子
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(side ヒジリ)
「まあ、アンタには損なことはちっともないわけじゃない。事前に聞かされてなかった、とか、本当は国が決めたことで、ラルシュ兄がホントにあんたの事好きになったわけじゃないって‥そんな大したことないわけじゃない? 」
全く悪びれた表情も見せず、何となく失礼なことを言うゴシップ王子を、ヒジリは目を半眼にして眺めていた。
サラージには、ヒジリの様子を気にしている感はない。
というか。
サラージは人の顔色とかって、結構関係ない。
基本、言いたいこといってるだけ。
外交だとそういうわけには流石にいかないけど、相手は平民だし、国家の災悪だし、保護して来た国には恩があるだろうし、問題ないっていうスタンス。
‥問題があるのは、サラージの性格。
「だって、ラルシュ兄はホントに優しいし、カッコいいし、賢いし。嫌だと思われるとしたら、寧ろラルシュ兄の方じゃない? あんたは、‥一触即発の爆弾なわけだし。とり得は唯一見かけだけって感じだし。性格きつそうだし」
いつの間にか、ヒジリのベットの横に椅子を置いて座り込んでいる。
‥見舞いに来た、空気の読めん友達か? 帰れ。
「‥‥」
ゴシップ王子からのブラコン王子。
(コイツの言う通り)俺とラルシュが結婚したら、コイツは「気に食わないが国の為に気に入らない女を兄の婚約者として迎えなければいけない苦悩のブラコン王子」から「気に食わない兄嫁をいびる小舅王子」にシフトチェンジするんだろう。毎日、嫁いびりならぬ姉いびりに来るんだろう。
‥ホント、たやすく想像できるわあ。
ってか‥俺は、ラルシュと結婚なんてしないけどね!
なんて、どうでもいいつまらない感想を心に抱きながら、俺はぼんやりと目の前の赤目の王子を眺めていた。
結構、無心の境地って顔して。
で、その横では
「ラルシュお前はそれで納得したのかよ! 」
「それで、とはどういった意味だ」
「ヒジリとの結婚だよ! 生れた時に決められてたって‥お前俺には、一目ぼれしたって言ったよな!? 」
「‥なんで、ミチルがそんなことで怒ってるんだ? 王子として、一目ぼれしたから結婚したいじゃダメなこと位分かるよね? 」
「だけど! 俺に位、本当の事言っても良かったんじゃないのか!? ヒジリに対してもそうだ! 」
ラルシュ様とミチルが、結構感情をむき出しって顔して、
白熱した議論を交わしている。
あんなに怒ったようなミチルとラルシュの顔を見たのは初めてだ。
最も、叫んでいるのはミチルだけで、ラルシュ様は表情こそは穏やかではないが、口調は落ち着いている。
‥というか、さっきからミチル何に対して怒ってるんだ?
俺に対するラルシュの対応に怒ってくれてるのかな、って思ったけど、‥それだけでもないな。
どっちかというと、親しい友人である自分に黙っていたことを怒ってるって感じだな。
あと、親しい友人が家の問題で結婚を決めたことに対する憤りってやつかな?
お前には、幸せになってほしいんだ! って奴だね。友情だね。
それにしても‥
‥全く同じ部屋にいるはずなのに、部屋の温度が10度ほど違いそうだ。
かたや、俺に冷ややかな嘲笑を送っているサラージ(俺も、白け切った顔してるだろうしね)。かたや、熱血討論会な、ラルシュとミチル。
「落ち着け、‥ミチル。俺が、‥国家を震撼させる位の凶暴な魔力をもっているってことは母さんから聞いてた。‥国民を悪戯におびえさせるのは‥俺も、本位じゃない。
恐れられるのも嫌だし‥。
‥言わないでおけるなら、そのほうがいい‥かもしれない。
国家の平和と俺の意志なんて、どっちが優先されるかなんて、火をみるより明らかだろ。俺が幽閉‥監禁? されるのは仕方が無いって思うが‥ラルシュ様がその為に好きな人と結婚できない‥ってのが気の毒‥いや‥悪いな‥って思う」
俺がため息をつきながらミチルをなだめた。
サラージなんて、無視だ。無視!
そして、ラルシュ様を見上げて
「大丈夫です。ラルシュ様、俺‥私も大人ですから一目惚れされされる‥とか夢は持ってません。それに、ラルシュ様のお立場も理解しているつもりです。ですが、昔と今では状況が変わりましたので、話し合いをさせて頂きたいです」
普段通り話すよりは丁寧な口調を心がけて言った。
「‥わかりました」
俺の畏まった様子に、ラルシュもまた真面目な顔をして頷く。
ラルシュと、国家な話し合いの約束を取る。
それぞれが、大人として、国の為‥個人の為‥って話をしているはずだったのに、
口を挟んできたのは、
「‥っていうか。ホント何なの。さっきから‥あんた、男なの? その話し方‥。
なんか、平民って嫌だな。
こう、礼儀がなってないっていうか‥上品さに欠けるって言うか‥親の育て方に問題があるっていうか‥。こんなのを姉って呼ぶのってちょっと‥」
どこまでも空気が読めない、ゴシップ王子、サラージ。
ぷちん。
「‥さっき、状況が変わったって話させていただきましたが。聞いていただけてなかったですかね!? 私はラルシュ様とは結婚しません、だからあなたの義理の姉になることなんて絶対にありませんから!! 」
言ってやった。ああ、言ってやったさ!
急に切れた俺に、サラージがポカンとした顔をして、
直後。
やれやれという顔をした。
‥むっき~!!
無理だ!! 日本人の鋼の忍耐力も‥切れることもあるんだ!!
そのまま、きっっと、ラルシュを見上げ、その瞳を強引に合わせる。
「‥ラルシュ様‥ワタクシ、この方好きになれそうにありませんが!? 」
目が完全に笑っていない超絶美少女な俺。
‥絶対零度を過ぎた怒りの表情って、美しければ美しい程、怖いよね!? (多分)
だから、きっと‥今俺は最高に怖いはずだ!!
「‥‥‥」
真っ白になって、頷くラルシュと
顔が固まって可哀そうなことになって、頷くことすらできないミチル。
「という事で、私はもう国とは一切関係がないので、私のことなんて構って頂かなくて結構なんで!! サラージ様の姉どころか、もうお顔を晒すことすらしませんので! 御心配なく!! 」
勢いよくサラージを睨み付けて、俺は叫んだ。
「ん!? なんだ!? それじゃ俺がお前の事追い出したみたいになるじゃないか! 短気な奴だな!
‥いや、違う。考えなし過ぎる! 出て行くって言って、どうやって、どこに出て行こうっていうのさ! 命を狙われてるって分かってる国民、追い出す王族がいるか!
王族には、すべての国民の命を守る義務があるんだ! 」
メンタルがどうやら強靭らしいサラージは、ヒジリの冷笑がどうやらきいていないらしい。
立ち上がって、ヒジリの前に立つと、怒りをあらわにして、叫んだ。
‥ガキか!!
「私のことなんて、邪魔で厄介な奴としか思ってない奴が、どの面下げて、国民の命を‥よ! 」
思ったのに、つい
売り言葉に買い言葉で、俺もサラージを睨み返して叫ぶ。
「それは、‥口が滑っただけだ! とにかく、出て行くことは許さないからな!! 」
俺と顔が思いの他近かったことに、ばっと赤面して
サラージが勢いよく、顔を逸らし、勢いよく立ち上がって俺と距離を取る。
「なんでアンタに命令されなきゃなんないのよ!! 知ったこっちゃないでしょ?! 私のことなんて!
城には迷惑かけないって言ってるでしょ!! 」
そんなサラージを睨み上げながらなおむ叫ぶ俺に、サラージも
「どこにいったって、この国にいる限り、かかる!! 」
俺を睨み返しながら叫び返した。
こ‥こいつ~!!
そして、いったん口を閉じると、ばっと俺から顔を反らし、真っ赤な顔で
「だから、俺の傍に居るのが一番安心するんだ! 俺が!! 」
叫んだんだ。
「は?! 」
「「え? 」」
‥何だそのセリフ‥お前、ツンデレか~!!?
お前が安心とか、
おりゃ、マジで知ったことないよ?!
「‥‥‥」
こほん。
「大丈夫だ。城は、ドラゴンすら幽閉できるくらいの結界を張れるリバーシが何人もいる。お前を守るのは不本意だが、‥下手に探されて‥国民に要らぬ被害が出るのは一番避けたい。
それに‥今回のことは‥国民にヒジリののことを知らせるいいきっかけにもなる。「美しさゆえに悪の組織から狙われ、困っている美しいリバーシに救いの手を差し伸べ守る優しく美しい王子ラルシュ。それがきっかけに二人の間には愛が‥」とでもしておくか! 」
サラージが咳払いともに、何事もなかったかのようなテンションで提案してきた。
‥また、ゴシップか‥!
しかも、‥ぶれないな、その見出し‥。兄を「美しい」とか‥っ! (笑)
ブラコン・ゴシック王子! これ以上笑わせてくれるな!!
ってか、さっきの発言‥
ラルシュとは結婚しないって言っただろうが!!‥ましてや、お前が弟になる‥とか!! ないわ~。
妙に頭が冷えて、ドン引きしていると、
「とにかく! お前を城から出すことは絶対ないからな! それだけは覚えてろ!! 」
凄いドヤ顔で、サラージが宣言した。
ひいぃ! 発言だけ聞いたら、どこのヤンデレ!?
真っ青になって固まった俺に、影がかかる。
‥ミチル?
なんで、そんな真剣な顔で俺を見る? しかも、ちょっと‥いや、だいぶ近いんだが‥。
「ヒジリは。俺が守る! 一生! ナツミどころかサラージからもな! ‥ラルシュ。お前が、ヒジリを好きだと思ってたからこそ、俺は今まで動かなかったが、お前がそんな「国の為」程度の想いしか持っていないなら、‥俺は動く。一生分の孤独を埋めるパートナーを、俺は逃さない!! 」
にやっと、凄いイケメンな顔で言われても‥。
俺は、真っ赤になった瞬間、真っ白になった。
‥逃してくれえ‥! ヤンデレは、寧ろお前か‥!!
‥ここに居たら、ヤバい‥。なんとかしなければ‥。
見てろ!
修行する→喧嘩無双になる→ナツミに勝利する→ナツミと仲直り→こいつ(サラージ)はぎゃふんといわせる。→ミチルから逃げ切る。
覚悟してろ!! (←? ヒジリは混乱しきっている)
俺の平和は自分で勝ち取る!!
ヒジリは、目的達成に必要な、「怒りのパワー」を原動力として、得た。
「まあ、アンタには損なことはちっともないわけじゃない。事前に聞かされてなかった、とか、本当は国が決めたことで、ラルシュ兄がホントにあんたの事好きになったわけじゃないって‥そんな大したことないわけじゃない? 」
全く悪びれた表情も見せず、何となく失礼なことを言うゴシップ王子を、ヒジリは目を半眼にして眺めていた。
サラージには、ヒジリの様子を気にしている感はない。
というか。
サラージは人の顔色とかって、結構関係ない。
基本、言いたいこといってるだけ。
外交だとそういうわけには流石にいかないけど、相手は平民だし、国家の災悪だし、保護して来た国には恩があるだろうし、問題ないっていうスタンス。
‥問題があるのは、サラージの性格。
「だって、ラルシュ兄はホントに優しいし、カッコいいし、賢いし。嫌だと思われるとしたら、寧ろラルシュ兄の方じゃない? あんたは、‥一触即発の爆弾なわけだし。とり得は唯一見かけだけって感じだし。性格きつそうだし」
いつの間にか、ヒジリのベットの横に椅子を置いて座り込んでいる。
‥見舞いに来た、空気の読めん友達か? 帰れ。
「‥‥」
ゴシップ王子からのブラコン王子。
(コイツの言う通り)俺とラルシュが結婚したら、コイツは「気に食わないが国の為に気に入らない女を兄の婚約者として迎えなければいけない苦悩のブラコン王子」から「気に食わない兄嫁をいびる小舅王子」にシフトチェンジするんだろう。毎日、嫁いびりならぬ姉いびりに来るんだろう。
‥ホント、たやすく想像できるわあ。
ってか‥俺は、ラルシュと結婚なんてしないけどね!
なんて、どうでもいいつまらない感想を心に抱きながら、俺はぼんやりと目の前の赤目の王子を眺めていた。
結構、無心の境地って顔して。
で、その横では
「ラルシュお前はそれで納得したのかよ! 」
「それで、とはどういった意味だ」
「ヒジリとの結婚だよ! 生れた時に決められてたって‥お前俺には、一目ぼれしたって言ったよな!? 」
「‥なんで、ミチルがそんなことで怒ってるんだ? 王子として、一目ぼれしたから結婚したいじゃダメなこと位分かるよね? 」
「だけど! 俺に位、本当の事言っても良かったんじゃないのか!? ヒジリに対してもそうだ! 」
ラルシュ様とミチルが、結構感情をむき出しって顔して、
白熱した議論を交わしている。
あんなに怒ったようなミチルとラルシュの顔を見たのは初めてだ。
最も、叫んでいるのはミチルだけで、ラルシュ様は表情こそは穏やかではないが、口調は落ち着いている。
‥というか、さっきからミチル何に対して怒ってるんだ?
俺に対するラルシュの対応に怒ってくれてるのかな、って思ったけど、‥それだけでもないな。
どっちかというと、親しい友人である自分に黙っていたことを怒ってるって感じだな。
あと、親しい友人が家の問題で結婚を決めたことに対する憤りってやつかな?
お前には、幸せになってほしいんだ! って奴だね。友情だね。
それにしても‥
‥全く同じ部屋にいるはずなのに、部屋の温度が10度ほど違いそうだ。
かたや、俺に冷ややかな嘲笑を送っているサラージ(俺も、白け切った顔してるだろうしね)。かたや、熱血討論会な、ラルシュとミチル。
「落ち着け、‥ミチル。俺が、‥国家を震撼させる位の凶暴な魔力をもっているってことは母さんから聞いてた。‥国民を悪戯におびえさせるのは‥俺も、本位じゃない。
恐れられるのも嫌だし‥。
‥言わないでおけるなら、そのほうがいい‥かもしれない。
国家の平和と俺の意志なんて、どっちが優先されるかなんて、火をみるより明らかだろ。俺が幽閉‥監禁? されるのは仕方が無いって思うが‥ラルシュ様がその為に好きな人と結婚できない‥ってのが気の毒‥いや‥悪いな‥って思う」
俺がため息をつきながらミチルをなだめた。
サラージなんて、無視だ。無視!
そして、ラルシュ様を見上げて
「大丈夫です。ラルシュ様、俺‥私も大人ですから一目惚れされされる‥とか夢は持ってません。それに、ラルシュ様のお立場も理解しているつもりです。ですが、昔と今では状況が変わりましたので、話し合いをさせて頂きたいです」
普段通り話すよりは丁寧な口調を心がけて言った。
「‥わかりました」
俺の畏まった様子に、ラルシュもまた真面目な顔をして頷く。
ラルシュと、国家な話し合いの約束を取る。
それぞれが、大人として、国の為‥個人の為‥って話をしているはずだったのに、
口を挟んできたのは、
「‥っていうか。ホント何なの。さっきから‥あんた、男なの? その話し方‥。
なんか、平民って嫌だな。
こう、礼儀がなってないっていうか‥上品さに欠けるって言うか‥親の育て方に問題があるっていうか‥。こんなのを姉って呼ぶのってちょっと‥」
どこまでも空気が読めない、ゴシップ王子、サラージ。
ぷちん。
「‥さっき、状況が変わったって話させていただきましたが。聞いていただけてなかったですかね!? 私はラルシュ様とは結婚しません、だからあなたの義理の姉になることなんて絶対にありませんから!! 」
言ってやった。ああ、言ってやったさ!
急に切れた俺に、サラージがポカンとした顔をして、
直後。
やれやれという顔をした。
‥むっき~!!
無理だ!! 日本人の鋼の忍耐力も‥切れることもあるんだ!!
そのまま、きっっと、ラルシュを見上げ、その瞳を強引に合わせる。
「‥ラルシュ様‥ワタクシ、この方好きになれそうにありませんが!? 」
目が完全に笑っていない超絶美少女な俺。
‥絶対零度を過ぎた怒りの表情って、美しければ美しい程、怖いよね!? (多分)
だから、きっと‥今俺は最高に怖いはずだ!!
「‥‥‥」
真っ白になって、頷くラルシュと
顔が固まって可哀そうなことになって、頷くことすらできないミチル。
「という事で、私はもう国とは一切関係がないので、私のことなんて構って頂かなくて結構なんで!! サラージ様の姉どころか、もうお顔を晒すことすらしませんので! 御心配なく!! 」
勢いよくサラージを睨み付けて、俺は叫んだ。
「ん!? なんだ!? それじゃ俺がお前の事追い出したみたいになるじゃないか! 短気な奴だな!
‥いや、違う。考えなし過ぎる! 出て行くって言って、どうやって、どこに出て行こうっていうのさ! 命を狙われてるって分かってる国民、追い出す王族がいるか!
王族には、すべての国民の命を守る義務があるんだ! 」
メンタルがどうやら強靭らしいサラージは、ヒジリの冷笑がどうやらきいていないらしい。
立ち上がって、ヒジリの前に立つと、怒りをあらわにして、叫んだ。
‥ガキか!!
「私のことなんて、邪魔で厄介な奴としか思ってない奴が、どの面下げて、国民の命を‥よ! 」
思ったのに、つい
売り言葉に買い言葉で、俺もサラージを睨み返して叫ぶ。
「それは、‥口が滑っただけだ! とにかく、出て行くことは許さないからな!! 」
俺と顔が思いの他近かったことに、ばっと赤面して
サラージが勢いよく、顔を逸らし、勢いよく立ち上がって俺と距離を取る。
「なんでアンタに命令されなきゃなんないのよ!! 知ったこっちゃないでしょ?! 私のことなんて!
城には迷惑かけないって言ってるでしょ!! 」
そんなサラージを睨み上げながらなおむ叫ぶ俺に、サラージも
「どこにいったって、この国にいる限り、かかる!! 」
俺を睨み返しながら叫び返した。
こ‥こいつ~!!
そして、いったん口を閉じると、ばっと俺から顔を反らし、真っ赤な顔で
「だから、俺の傍に居るのが一番安心するんだ! 俺が!! 」
叫んだんだ。
「は?! 」
「「え? 」」
‥何だそのセリフ‥お前、ツンデレか~!!?
お前が安心とか、
おりゃ、マジで知ったことないよ?!
「‥‥‥」
こほん。
「大丈夫だ。城は、ドラゴンすら幽閉できるくらいの結界を張れるリバーシが何人もいる。お前を守るのは不本意だが、‥下手に探されて‥国民に要らぬ被害が出るのは一番避けたい。
それに‥今回のことは‥国民にヒジリののことを知らせるいいきっかけにもなる。「美しさゆえに悪の組織から狙われ、困っている美しいリバーシに救いの手を差し伸べ守る優しく美しい王子ラルシュ。それがきっかけに二人の間には愛が‥」とでもしておくか! 」
サラージが咳払いともに、何事もなかったかのようなテンションで提案してきた。
‥また、ゴシップか‥!
しかも、‥ぶれないな、その見出し‥。兄を「美しい」とか‥っ! (笑)
ブラコン・ゴシック王子! これ以上笑わせてくれるな!!
ってか、さっきの発言‥
ラルシュとは結婚しないって言っただろうが!!‥ましてや、お前が弟になる‥とか!! ないわ~。
妙に頭が冷えて、ドン引きしていると、
「とにかく! お前を城から出すことは絶対ないからな! それだけは覚えてろ!! 」
凄いドヤ顔で、サラージが宣言した。
ひいぃ! 発言だけ聞いたら、どこのヤンデレ!?
真っ青になって固まった俺に、影がかかる。
‥ミチル?
なんで、そんな真剣な顔で俺を見る? しかも、ちょっと‥いや、だいぶ近いんだが‥。
「ヒジリは。俺が守る! 一生! ナツミどころかサラージからもな! ‥ラルシュ。お前が、ヒジリを好きだと思ってたからこそ、俺は今まで動かなかったが、お前がそんな「国の為」程度の想いしか持っていないなら、‥俺は動く。一生分の孤独を埋めるパートナーを、俺は逃さない!! 」
にやっと、凄いイケメンな顔で言われても‥。
俺は、真っ赤になった瞬間、真っ白になった。
‥逃してくれえ‥! ヤンデレは、寧ろお前か‥!!
‥ここに居たら、ヤバい‥。なんとかしなければ‥。
見てろ!
修行する→喧嘩無双になる→ナツミに勝利する→ナツミと仲直り→こいつ(サラージ)はぎゃふんといわせる。→ミチルから逃げ切る。
覚悟してろ!! (←? ヒジリは混乱しきっている)
俺の平和は自分で勝ち取る!!
ヒジリは、目的達成に必要な、「怒りのパワー」を原動力として、得た。
応援ありがとうございます!
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