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十章 ネルという特別な子供
7.迷うってことは
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(side ナツミ)
「大丈夫? 」
いけない。また、考え込んでいた。
声の主は‥カタル様ではなかった。
カタル様は、私たちのことをよく見ている。見張ったいる‥わけでは無く、気にかけてくださっている。
ネル様は、カタル様から報告を受けて‥時々私たちに会いに来て下さる。
あたしが悩んでることカタル様から聞いたのかな? って思ったけど、ネル様も時々は「ふらっと」あたしたちに話しかけられたりすることがあるから‥ただ「たまたま」通りかかってあたしに声を掛けただけかもしれない。
それなのに、「たまたま」見たあたしがこんなんじゃだめだね‥。
考えるのは‥この人が「ぜったい」通りかからない様なところでしなければ‥(別に避けているわけでは無いよ)
この優しい人を‥心配させるなんてとんでもないことだ。
あたしは思いっきり頭を振って
「大丈夫です! あたし、ダメですね~。いつまでもうじうじ同じようなことを‥」
って笑顔を作った‥つもりだったんだけど‥
ネル様に納得されてる様子は、まるでない様だ。
(あたしは誤魔化し笑いも下手みたいだ‥)
「納得してないから‥じゃない? 一つづつ整理していかないと、その場限りの誤魔化しで話を無理やり終わらせても、そのあとずっともやもやしてしまう‥。それって、身体によくないし、こころにも良くないよ。人に嘘をつく以上に、自分を騙すのって‥しんどい」
にこりと微笑まれたネル様に‥
見惚れる。
それが顔に出ちゃってたんだろう。
ネル様は「ナツミ、顔が真っ赤だよ」って、ちょっと揶揄うみたいに‥軽い口調で言った。
「~もう‥」
そんなちょっと砕けたような表情もホントに綺麗すぎるから‥困る。(綺麗っていうより、尊いね)
つい、(目を合わせてられなくて)俯いちゃったけど‥、絶対首まで赤いよね‥。
そんな場合じゃない。
「一つづつ整理していく‥んでしたよね」
あたしはほーと、自分の心を落ち着けるために、深呼吸を一つした。
「あたしの一番の心配事は‥ヒジリのこと。
ヒジリが城に騙されて‥将来城に閉じ込められちゃう‥
だから、あたしは‥あたしはヒジリを助けなくちゃいけない。
ヒジリはあたしの妹分だから」
口に出してみると、‥これはもう「そう決めたことで別に悩むことなんかないじゃないか」って「納得できた」。
「うん」
ネル様はこくり、と頷く。
そして、一際優しくあたしの目を見て微笑まれると‥
「ナツミが悩んでいるのは、自分が城にヒジリを連れて行くきっかけになったこと‥じゃない? 」
静かな声であたしに尋ねられた。
はっとした。
そうかも‥って。
「でも‥私はね、ナツミのあの時の選択は間違ってはいなかったって思う。
王家以外にあの状態のヒジリを生かせておくことは出来なかっただろうから。
悔しいことに、あそこが一番、資金も人材もあるからね。
だからね、あの時、ナツミはヒジリを城に「預けた」。
そうしないと、ヒジリは死んでたし、城は「王子の婚約者であるヒジリを拉致し、殺害した」って「難癖」をつけてここを攻撃しに来たはずだよ。武器商人とここの繋がりなんてありはしないのに、‥そんなこと城には関係ないの。無理やり証拠を捏造してでも、奴らはここに来るだろう」
拉致して、‥殺害した。
背中がぞくっとした。
確かに‥あの時城以外ヒジリを生かしておける所はなかっただろう。
じゃなかったら‥あたし一人で守ったところで、ヒジリはすぐに魔石商人に捕まっただろう。
魔石商人にヒジリが攫われていた‥ていうのが最悪パターン。
彼らは‥どれくらいの組織かは検討はつかないが、きっと問題視されないような規模の組織だろう。そんな組織が「意識不明の子供」を攫ってくる。抵抗はしないといっても、単純に一人の人間の生命を維持するための食糧その他の世話。それって、馬鹿にならない。
きっと、直ぐに「面倒だ、もういいや」って魔力を吸収するだけ吸収して、ヒジリが死ねば‥捨てられただろう。まさに、「使い捨て」だ。
ヒジリの両親に預ける?
無理だ。
ヒジリの両親がどんなにヒジリに愛情があろうと、‥愛情だけではなんともならなかっただろう。一般宅では、無理だ。
ヒジリはきっと確実に死んでしまっていただろう。
そうして死んだヒジリを‥きっと城は「殺害した」って言っただろう。そして、その矛先は「魔石商人」そのものとここ。
‥城にとって「目の上のたんこぶ」を潰す絶好のチャンスとばかりに、奴らは情報を捏造してここを攻撃しただろう。
容易に想像できる‥。
城の「あたしが考える以上の」怖さに‥一瞬心臓をぎゅっと握られたような‥胸の痛みを覚えた。
昔の何も知らなかった自分の行動は‥最良だったのだ。
何も知らなかったのに、何も考えていなかったのに、偶然‥最良だったんだ。
だのに、なんでこんな‥後悔の念しか無いんだろう。
きっと、これは、嫉妬だ。
自分が助けたのに、「ライバルの王子様に」美味しいところだけ持ってかれた‥人魚姫的な‥嫉妬だ。
ようやく「もやもやの正体」がはっきり分かった。
なのに
私の心は、
やっぱり‥晴れなかった。
ずっと、重く暗い感情に支配されている。
「寂しいの? 」
心配そうにネル様が私を見つめる。私は首を振る。
‥昔の私は、親元から離れて‥やっぱりちょっと寂しくなって時々泣くことはあった。
そのたびに、ネル様があたしの頭をなぜてくれた。
今もネル様の小さな手があたしの頭をなぜてくれている。
‥あの頃から私はもうずっと大きくなったのに、ネル様にとって私は、今もあの頼りない子供にしか見えないってことだろうか?
なんだか、ちょっとおかしくて、「昔みたいに」ネル様に甘えるみたいにもたれかかった。
ネル様は華奢な見かけと違い、少しもふらつくことなくあたしを受け止めてくれた。
「優しい年上のお兄ちゃん」
自分の「本当の兄」とは違う、「綺麗で優しい理想のお兄ちゃん」‥幼いころは無邪気にそう思ってたっけ。
ネル様は‥そういえば、あたしより年上なんだ。
でも、魔力が多いせいか‥ネル様の見た目は昔とちっとも変っていない。
透き通った瞳の少年のような姿のままのネル様‥
綺麗な綺麗な‥あたしの「特別」
手が触れてしまわないように、そっと距離をおく。
「いいえ、ネル様。ただ。何も出来ない自分がもどかしいんです。‥何が自分に出来るか、何をすればいいのか‥それがわからないんです。
わかった、こうしよう!
って思ったのに、次の日になったら、でも‥って揺れます‥それが、もどかしくって、悔しくて‥悲しくなります」
真っ直ぐ私を見つめたままネル様は私の話を聞いていた。
迷ってる。
城‥王子‥に対する嫉妬だけじゃない。
ヒジリに対する複雑な想い。憎い‥ような、愛おしい‥ような‥懐かしいような‥想い。
それから、‥自分自身の気持ち。
過去の自分の行動を「あってた」って正当化する自分と、でも‥って反省する自分。
これからどうするか。‥どうしたらいいか。
ネル様は静かに微笑まれると
「迷うっていうことは、‥いいね。反省する余裕が生まれる。
迷って、どう決断しても、結局は後でその判断を後悔することになると思う。だって、迷う程どちらの考え方にも思い入れがあったわけなんだからね。
でも‥それでいいと思う。
後悔して、‥また考える。
「なぜもう一つより、こっちを選んだのか」考える。今、どういう状況か見極めて、何が出来るか考える。
後悔して、反省して‥考えて。
悩んで決断して行動した時には、直ぐにこの行動に移れる。この行動に移る余裕がある。
これしかない! ってろくに迷わずに突き進んだ時には、‥この余裕が無い。
失敗したってことに気付きさえしないかもしれない。
それで、失敗したって気が付いた時には、もうどうしようもなくなっていて‥、荒れて、人のせいにしたりして、‥結局同じ失敗を次にも繰り返す」
静かな声で話す。
一緒に考えて‥悩んで、ずっと傍にいてくれる。
‥私もヒジリにとってこうなりたかった。
否、アドバイスなんてできなくたってよかった。
一緒に悩んで、一緒に泣いて、ただ、一緒にいてあげたかった。
「大丈夫? 」
いけない。また、考え込んでいた。
声の主は‥カタル様ではなかった。
カタル様は、私たちのことをよく見ている。見張ったいる‥わけでは無く、気にかけてくださっている。
ネル様は、カタル様から報告を受けて‥時々私たちに会いに来て下さる。
あたしが悩んでることカタル様から聞いたのかな? って思ったけど、ネル様も時々は「ふらっと」あたしたちに話しかけられたりすることがあるから‥ただ「たまたま」通りかかってあたしに声を掛けただけかもしれない。
それなのに、「たまたま」見たあたしがこんなんじゃだめだね‥。
考えるのは‥この人が「ぜったい」通りかからない様なところでしなければ‥(別に避けているわけでは無いよ)
この優しい人を‥心配させるなんてとんでもないことだ。
あたしは思いっきり頭を振って
「大丈夫です! あたし、ダメですね~。いつまでもうじうじ同じようなことを‥」
って笑顔を作った‥つもりだったんだけど‥
ネル様に納得されてる様子は、まるでない様だ。
(あたしは誤魔化し笑いも下手みたいだ‥)
「納得してないから‥じゃない? 一つづつ整理していかないと、その場限りの誤魔化しで話を無理やり終わらせても、そのあとずっともやもやしてしまう‥。それって、身体によくないし、こころにも良くないよ。人に嘘をつく以上に、自分を騙すのって‥しんどい」
にこりと微笑まれたネル様に‥
見惚れる。
それが顔に出ちゃってたんだろう。
ネル様は「ナツミ、顔が真っ赤だよ」って、ちょっと揶揄うみたいに‥軽い口調で言った。
「~もう‥」
そんなちょっと砕けたような表情もホントに綺麗すぎるから‥困る。(綺麗っていうより、尊いね)
つい、(目を合わせてられなくて)俯いちゃったけど‥、絶対首まで赤いよね‥。
そんな場合じゃない。
「一つづつ整理していく‥んでしたよね」
あたしはほーと、自分の心を落ち着けるために、深呼吸を一つした。
「あたしの一番の心配事は‥ヒジリのこと。
ヒジリが城に騙されて‥将来城に閉じ込められちゃう‥
だから、あたしは‥あたしはヒジリを助けなくちゃいけない。
ヒジリはあたしの妹分だから」
口に出してみると、‥これはもう「そう決めたことで別に悩むことなんかないじゃないか」って「納得できた」。
「うん」
ネル様はこくり、と頷く。
そして、一際優しくあたしの目を見て微笑まれると‥
「ナツミが悩んでいるのは、自分が城にヒジリを連れて行くきっかけになったこと‥じゃない? 」
静かな声であたしに尋ねられた。
はっとした。
そうかも‥って。
「でも‥私はね、ナツミのあの時の選択は間違ってはいなかったって思う。
王家以外にあの状態のヒジリを生かせておくことは出来なかっただろうから。
悔しいことに、あそこが一番、資金も人材もあるからね。
だからね、あの時、ナツミはヒジリを城に「預けた」。
そうしないと、ヒジリは死んでたし、城は「王子の婚約者であるヒジリを拉致し、殺害した」って「難癖」をつけてここを攻撃しに来たはずだよ。武器商人とここの繋がりなんてありはしないのに、‥そんなこと城には関係ないの。無理やり証拠を捏造してでも、奴らはここに来るだろう」
拉致して、‥殺害した。
背中がぞくっとした。
確かに‥あの時城以外ヒジリを生かしておける所はなかっただろう。
じゃなかったら‥あたし一人で守ったところで、ヒジリはすぐに魔石商人に捕まっただろう。
魔石商人にヒジリが攫われていた‥ていうのが最悪パターン。
彼らは‥どれくらいの組織かは検討はつかないが、きっと問題視されないような規模の組織だろう。そんな組織が「意識不明の子供」を攫ってくる。抵抗はしないといっても、単純に一人の人間の生命を維持するための食糧その他の世話。それって、馬鹿にならない。
きっと、直ぐに「面倒だ、もういいや」って魔力を吸収するだけ吸収して、ヒジリが死ねば‥捨てられただろう。まさに、「使い捨て」だ。
ヒジリの両親に預ける?
無理だ。
ヒジリの両親がどんなにヒジリに愛情があろうと、‥愛情だけではなんともならなかっただろう。一般宅では、無理だ。
ヒジリはきっと確実に死んでしまっていただろう。
そうして死んだヒジリを‥きっと城は「殺害した」って言っただろう。そして、その矛先は「魔石商人」そのものとここ。
‥城にとって「目の上のたんこぶ」を潰す絶好のチャンスとばかりに、奴らは情報を捏造してここを攻撃しただろう。
容易に想像できる‥。
城の「あたしが考える以上の」怖さに‥一瞬心臓をぎゅっと握られたような‥胸の痛みを覚えた。
昔の何も知らなかった自分の行動は‥最良だったのだ。
何も知らなかったのに、何も考えていなかったのに、偶然‥最良だったんだ。
だのに、なんでこんな‥後悔の念しか無いんだろう。
きっと、これは、嫉妬だ。
自分が助けたのに、「ライバルの王子様に」美味しいところだけ持ってかれた‥人魚姫的な‥嫉妬だ。
ようやく「もやもやの正体」がはっきり分かった。
なのに
私の心は、
やっぱり‥晴れなかった。
ずっと、重く暗い感情に支配されている。
「寂しいの? 」
心配そうにネル様が私を見つめる。私は首を振る。
‥昔の私は、親元から離れて‥やっぱりちょっと寂しくなって時々泣くことはあった。
そのたびに、ネル様があたしの頭をなぜてくれた。
今もネル様の小さな手があたしの頭をなぜてくれている。
‥あの頃から私はもうずっと大きくなったのに、ネル様にとって私は、今もあの頼りない子供にしか見えないってことだろうか?
なんだか、ちょっとおかしくて、「昔みたいに」ネル様に甘えるみたいにもたれかかった。
ネル様は華奢な見かけと違い、少しもふらつくことなくあたしを受け止めてくれた。
「優しい年上のお兄ちゃん」
自分の「本当の兄」とは違う、「綺麗で優しい理想のお兄ちゃん」‥幼いころは無邪気にそう思ってたっけ。
ネル様は‥そういえば、あたしより年上なんだ。
でも、魔力が多いせいか‥ネル様の見た目は昔とちっとも変っていない。
透き通った瞳の少年のような姿のままのネル様‥
綺麗な綺麗な‥あたしの「特別」
手が触れてしまわないように、そっと距離をおく。
「いいえ、ネル様。ただ。何も出来ない自分がもどかしいんです。‥何が自分に出来るか、何をすればいいのか‥それがわからないんです。
わかった、こうしよう!
って思ったのに、次の日になったら、でも‥って揺れます‥それが、もどかしくって、悔しくて‥悲しくなります」
真っ直ぐ私を見つめたままネル様は私の話を聞いていた。
迷ってる。
城‥王子‥に対する嫉妬だけじゃない。
ヒジリに対する複雑な想い。憎い‥ような、愛おしい‥ような‥懐かしいような‥想い。
それから、‥自分自身の気持ち。
過去の自分の行動を「あってた」って正当化する自分と、でも‥って反省する自分。
これからどうするか。‥どうしたらいいか。
ネル様は静かに微笑まれると
「迷うっていうことは、‥いいね。反省する余裕が生まれる。
迷って、どう決断しても、結局は後でその判断を後悔することになると思う。だって、迷う程どちらの考え方にも思い入れがあったわけなんだからね。
でも‥それでいいと思う。
後悔して、‥また考える。
「なぜもう一つより、こっちを選んだのか」考える。今、どういう状況か見極めて、何が出来るか考える。
後悔して、反省して‥考えて。
悩んで決断して行動した時には、直ぐにこの行動に移れる。この行動に移る余裕がある。
これしかない! ってろくに迷わずに突き進んだ時には、‥この余裕が無い。
失敗したってことに気付きさえしないかもしれない。
それで、失敗したって気が付いた時には、もうどうしようもなくなっていて‥、荒れて、人のせいにしたりして、‥結局同じ失敗を次にも繰り返す」
静かな声で話す。
一緒に考えて‥悩んで、ずっと傍にいてくれる。
‥私もヒジリにとってこうなりたかった。
否、アドバイスなんてできなくたってよかった。
一緒に悩んで、一緒に泣いて、ただ、一緒にいてあげたかった。
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