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十三章 乙女ゲームじゃなくって‥
0(閑話) ~乙女ゲーム ヒロイン「ヒジリ」中間報告~
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(side ナツカ)
‥ホントにナラフィス様という人は分からない。
ラルシュローレ様たちの従兄弟なのに、そのことを公にしないで、「貴族に興味ない」っていいながら、貴族っぽい(って言うのもどうかと思うけど)腹黒い笑顔で(共犯者認定された私に)ラルシュローレ様‥国の将来のことを語ったり‥企んだりする。
かと思ったら、
「ラルシュもサラージも友達だから‥それがちょっと悩むとこだよね~。どっちかに肩入れするとどっちかを泣かせることになるってのがね~」なんて言いながら、お気楽に「単純なる友達の立場で」ラルシュローレ様とサラージ様とヒジリが仲良くなるのを助けたり。
‥だけどこれが友達想いかっていわれると‥なんか「楽しんでるだけだよな~」って感じだったり。
上記の顔が2割。
あとの8割は「全部研究サンプルとして興味あるわ~」って感じだったり。
ああ違うな、7割が研究者の顔で、あと1割は「マリアンちゃんにメロメロな(その彼女の趣味‥乙女ゲーム妄想にまで付き合う)タツキ様」だったな。
ああ、タツキていうのはナラフィス様の「リバーシとしての名前」だ。
彼くらいの高名な学者になると、「ナラフィスって名前の方が好きだから」が通るんだ。(家柄でも我儘ききそうだろうけど‥ナラフィス様はあれで「国でナンバーワン」の学者だから)
研究好きが高じて今では(家柄抜きでも)国内ナンバーワンってちょっと笑える。
いや、この頃ではこの「乙女ゲームの妄想」が研究の域にも達してるから、やっぱり研究者8割だな。
「タツキ様! ヒジリ様の乙女ゲームの進展具合はどんな感じですか~? 」
マリアンが目をキラキラさせてナラフィス様を見た。
マリアンはあの後調べたんだけど、伯爵家の娘だった。
侍女として働くには高位貴族じゃない? って感じだけど、「ナラフィス様のお手がつくかも」って前提なんだろうな。
ナラフィス様好みの顔の高位貴族をわざわざ探して来たんだろう。
高位貴族の娘が、喫茶室の給仕(ナラフィス様専用)になんかよくなったな。
まあ‥貴族の娘だから、父親に言われたら拒否権はないんだろう。父親どころか‥王家からの要請だしね。
でも、ま‥ナラフィス様はかなり変わり者だけど‥玉の輿だよね。結婚しても表立って公爵夫人って名乗れないかも‥だけど、生活は保障されまくってる。王家とつながりが出来る‥って感じでも、一族としては悪い話じゃない。(‥ナラフィス様って将来公爵を継いだっけ?? )まあ‥将来公爵にならなくても、ナラフィス様程の高給取りは国内にもそうはいない(ヒジリなんかは知らないと思うけど)
‥もしかしたら、マリアンの父親も「訳アリ貴族」としか思ってないのかも。だって、マリアンは女ばかり5人姉妹の二女だ。長女はマリアンより2つ年上でナラフィス様と同じ年。そして、顔はマリアンそっくり。
そして、社交界の華と名高い。高位貴族から引く手あまただっていう。
‥王室から打診があったけど、保険で長女は差し出さなかったって感じ?
結構したたかな家なのかな。
そんな諸々の裏事情、きっとナラフィス様だって分かっているだろうが、ナラフィス様は何も言わないし‥多分気にもしていないだろう。
「マリアンちゃん! 久し振り~! 」
今日も到底貴族には見えない無垢な笑顔をマリアンに向けている。
マリアンも‥
どうなんだろ。あの笑顔とかが「計算ずく」「つくってます」だったら怖いけど‥、そんな感じにも見えない。ナラフィス様以上に自然なんだ。
普通に、下町出身の「鄙には稀な美少女」クラス程度の‥可愛い子って感じ。
‥引き続き監視が必要だな。
「それで、乙女ゲーム、ヒロインヒジリの話だけど。この前、メンバーが一人増えた話はしたよね」
って、ナラフィス様。
今日のお昼ご飯の「ローストビーフサンド」を2つ手に取り、一つをマリアンに勧める。
「そうですねえ。ミチル様でしたっけ? リバーシの」
マリアンがお礼を言ってそれを受け取りながら、小首を傾げる。
ちょこん、って感じ。いかにも小動物的な動作。
この子はホントに、仕草が可愛い。あざといけど可愛い。
レースたっぷりの特性お仕着せ似合ってる。可愛い。うん、普通に社交界に出てたら(姉同様)モテモテだっただろう。あ、因みに妹たちもモテモテらしい。
ここで働くのはきっと‥たいした仕事ではないとはいえ(根っからの貴族である)彼女にとってはキツイだろう。でも、そういう不満は彼女の表情には一切表れていない。
いつも楽しそうなんだ。
‥ナラフィス様の事、ホントに好きになった‥とか?
まあ‥顔は平凡だけど給料いいし肩書あれだし‥ちょっと腹黒いけど性格悪いわけじゃないし、優良物件だよな。なんとなく一緒にいるうちに情が移った‥とかもあるかも? (← 酷い言い草だな! )
「そうそう」
あ、ナラフィス様がこっちをチラッと見た。‥私が悪口言ってるの(心の中で)察知したかな? アブナイアブナイ‥。
「どんな方ですの? 」
で、またちょこんと首を傾げる。
その可愛さにナラフィス様デレデレ。
‥やってろ! なんで、私が他人のデート現場見せられなならんのだ!
「ん? うん~とね、分かりやすい「さわやか系イケメン」だけど、実はヒジリに病んでるほどの好意を寄せる‥ヤンデレっていうね? 」
マリアンの中では、ヒジリ争奪戦の現状は「リアル乙女ゲーム」の世界なんだ。(ま~キラキラしたメンバー総揃いだから‥まあ‥間違えじゃないかも。)
マリアンヌの中‥っていうか、二人の共通の話題では‥かな。
(ホント‥連絡係が私じゃなきゃあんたら不敬罪で捕まってますよ‥)
「だけど、僕はラルシュルート推しだからね~。ミチルはラルシュのライバル的ポジションだね。かなりの強敵‥それこそ悪役令嬢並みの敵キャラだ。
お色気満載恋愛エキスパートな「分かりやすいさわやかイケメン」というハイスペックさ!
そんな強敵と戦わなきゃならないラルシュは恋愛に不器用で奥手。彼女の事好きなのは間違いないし、本人も自覚したっていうのに、なかなか恋愛に進展しなくてね~。
しかも、更に!! 今ラルシュの幼馴染の侍従がヒジリのことを認めてない‥妨害キャラ的ポジションなんだ」
っていって、また私の方をじっと見る。
‥敵認定止めてもらえません!? 認めてないのは‥そうかもしれないけど、別に妨害する気はありませんけどね!?
‥ホントにナラフィス様という人は分からない。
ラルシュローレ様たちの従兄弟なのに、そのことを公にしないで、「貴族に興味ない」っていいながら、貴族っぽい(って言うのもどうかと思うけど)腹黒い笑顔で(共犯者認定された私に)ラルシュローレ様‥国の将来のことを語ったり‥企んだりする。
かと思ったら、
「ラルシュもサラージも友達だから‥それがちょっと悩むとこだよね~。どっちかに肩入れするとどっちかを泣かせることになるってのがね~」なんて言いながら、お気楽に「単純なる友達の立場で」ラルシュローレ様とサラージ様とヒジリが仲良くなるのを助けたり。
‥だけどこれが友達想いかっていわれると‥なんか「楽しんでるだけだよな~」って感じだったり。
上記の顔が2割。
あとの8割は「全部研究サンプルとして興味あるわ~」って感じだったり。
ああ違うな、7割が研究者の顔で、あと1割は「マリアンちゃんにメロメロな(その彼女の趣味‥乙女ゲーム妄想にまで付き合う)タツキ様」だったな。
ああ、タツキていうのはナラフィス様の「リバーシとしての名前」だ。
彼くらいの高名な学者になると、「ナラフィスって名前の方が好きだから」が通るんだ。(家柄でも我儘ききそうだろうけど‥ナラフィス様はあれで「国でナンバーワン」の学者だから)
研究好きが高じて今では(家柄抜きでも)国内ナンバーワンってちょっと笑える。
いや、この頃ではこの「乙女ゲームの妄想」が研究の域にも達してるから、やっぱり研究者8割だな。
「タツキ様! ヒジリ様の乙女ゲームの進展具合はどんな感じですか~? 」
マリアンが目をキラキラさせてナラフィス様を見た。
マリアンはあの後調べたんだけど、伯爵家の娘だった。
侍女として働くには高位貴族じゃない? って感じだけど、「ナラフィス様のお手がつくかも」って前提なんだろうな。
ナラフィス様好みの顔の高位貴族をわざわざ探して来たんだろう。
高位貴族の娘が、喫茶室の給仕(ナラフィス様専用)になんかよくなったな。
まあ‥貴族の娘だから、父親に言われたら拒否権はないんだろう。父親どころか‥王家からの要請だしね。
でも、ま‥ナラフィス様はかなり変わり者だけど‥玉の輿だよね。結婚しても表立って公爵夫人って名乗れないかも‥だけど、生活は保障されまくってる。王家とつながりが出来る‥って感じでも、一族としては悪い話じゃない。(‥ナラフィス様って将来公爵を継いだっけ?? )まあ‥将来公爵にならなくても、ナラフィス様程の高給取りは国内にもそうはいない(ヒジリなんかは知らないと思うけど)
‥もしかしたら、マリアンの父親も「訳アリ貴族」としか思ってないのかも。だって、マリアンは女ばかり5人姉妹の二女だ。長女はマリアンより2つ年上でナラフィス様と同じ年。そして、顔はマリアンそっくり。
そして、社交界の華と名高い。高位貴族から引く手あまただっていう。
‥王室から打診があったけど、保険で長女は差し出さなかったって感じ?
結構したたかな家なのかな。
そんな諸々の裏事情、きっとナラフィス様だって分かっているだろうが、ナラフィス様は何も言わないし‥多分気にもしていないだろう。
「マリアンちゃん! 久し振り~! 」
今日も到底貴族には見えない無垢な笑顔をマリアンに向けている。
マリアンも‥
どうなんだろ。あの笑顔とかが「計算ずく」「つくってます」だったら怖いけど‥、そんな感じにも見えない。ナラフィス様以上に自然なんだ。
普通に、下町出身の「鄙には稀な美少女」クラス程度の‥可愛い子って感じ。
‥引き続き監視が必要だな。
「それで、乙女ゲーム、ヒロインヒジリの話だけど。この前、メンバーが一人増えた話はしたよね」
って、ナラフィス様。
今日のお昼ご飯の「ローストビーフサンド」を2つ手に取り、一つをマリアンに勧める。
「そうですねえ。ミチル様でしたっけ? リバーシの」
マリアンがお礼を言ってそれを受け取りながら、小首を傾げる。
ちょこん、って感じ。いかにも小動物的な動作。
この子はホントに、仕草が可愛い。あざといけど可愛い。
レースたっぷりの特性お仕着せ似合ってる。可愛い。うん、普通に社交界に出てたら(姉同様)モテモテだっただろう。あ、因みに妹たちもモテモテらしい。
ここで働くのはきっと‥たいした仕事ではないとはいえ(根っからの貴族である)彼女にとってはキツイだろう。でも、そういう不満は彼女の表情には一切表れていない。
いつも楽しそうなんだ。
‥ナラフィス様の事、ホントに好きになった‥とか?
まあ‥顔は平凡だけど給料いいし肩書あれだし‥ちょっと腹黒いけど性格悪いわけじゃないし、優良物件だよな。なんとなく一緒にいるうちに情が移った‥とかもあるかも? (← 酷い言い草だな! )
「そうそう」
あ、ナラフィス様がこっちをチラッと見た。‥私が悪口言ってるの(心の中で)察知したかな? アブナイアブナイ‥。
「どんな方ですの? 」
で、またちょこんと首を傾げる。
その可愛さにナラフィス様デレデレ。
‥やってろ! なんで、私が他人のデート現場見せられなならんのだ!
「ん? うん~とね、分かりやすい「さわやか系イケメン」だけど、実はヒジリに病んでるほどの好意を寄せる‥ヤンデレっていうね? 」
マリアンの中では、ヒジリ争奪戦の現状は「リアル乙女ゲーム」の世界なんだ。(ま~キラキラしたメンバー総揃いだから‥まあ‥間違えじゃないかも。)
マリアンヌの中‥っていうか、二人の共通の話題では‥かな。
(ホント‥連絡係が私じゃなきゃあんたら不敬罪で捕まってますよ‥)
「だけど、僕はラルシュルート推しだからね~。ミチルはラルシュのライバル的ポジションだね。かなりの強敵‥それこそ悪役令嬢並みの敵キャラだ。
お色気満載恋愛エキスパートな「分かりやすいさわやかイケメン」というハイスペックさ!
そんな強敵と戦わなきゃならないラルシュは恋愛に不器用で奥手。彼女の事好きなのは間違いないし、本人も自覚したっていうのに、なかなか恋愛に進展しなくてね~。
しかも、更に!! 今ラルシュの幼馴染の侍従がヒジリのことを認めてない‥妨害キャラ的ポジションなんだ」
っていって、また私の方をじっと見る。
‥敵認定止めてもらえません!? 認めてないのは‥そうかもしれないけど、別に妨害する気はありませんけどね!?
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