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19.足りないもの(side 柊)☆
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(名前もないモブとの交わりを感じさせる表現があります。ご注意ください)
何かを手に入れると、嬉しくなる半面、もっともっと欲しくなる。
今まで何が足りなかったのかってことに気付かされる。
「手に入って嬉しい」はやがて、「持ってて当たり前」になって、「もっと他に欲しいものはあるんじゃないか? 」になる。
俺はいわば飢えた獣のようなんだ。
何でも持ってるくせに、「ないもの」を妬んで‥欲しがる。
何が欲しいかわからないから、片っ端から手に入れたいって思ってしまう。
いっそのこと、「何かが足りないな」位の環境ならばその「何か」を得るために努力できる普通の人間になったかもしれない。だけど、俺は何でも持っていて‥だけど、肝心なものを何も持ってなかった。
そのことに気付いた切っ掛けは、ふとした‥ちょっとした変化だった。
一つ目の変化はうんと子供の頃のことだった。
俺の食事の支度をしながらばあやはその日もその日の出来事やなんかを話してくれた。
新聞に載っていることではない。当時6歳だった俺はもう新聞も読んでいたけど、ばあやが俺に話すのはそんなことじゃなく、近所のネコが空き地に集まっていた‥とかそんな「他愛もない」話だった。
俺が「猫が集会をするのは、猫同士がコミュニケーションを図り連携を強化する為らしいね」って言ったら、大袈裟に驚いて(驚いたような様子を見せて ←今思えばあれは大袈裟に驚いた振りしただけだった気がする)ニコニコ笑って
「若様は賢くていらっしゃいますねえ」
って言った。
昔身の回りの世話をしてくれていたばあやが俺に「嬉しそうに」言った! 普段笑顔で俺に話しかける者なんていなかったから、俺は素直に嬉しいって思った。(それどころか、凄く特別なことのように思ったんだ)
(子供だった俺は単純に)本を読んだことを教えてあげたらばあやが喜ぶなら、俺はもっと本を読んでばあやに教えてあげようって思った。
褒められた経験は、あった。
昔いっぱい母親に褒められた。
だけど、いつからか、母親は俺のことを嫌いになって、俺のことを褒めることはなくなった。
俺は、「顔も見たくない」って‥母親の目につかないこの離れに移された。
だけど、苛められていたわけじゃない。ばあやは毎日俺を心配して食事を運んできてくれたし「今は奥様も取り乱しておられるだけで、いずれはご家族のところに戻れますよ」って言ってくれた。
それを言う時のばあやの顔は寂し気で? いや‥困っている? 苦しそう? ‥とにかく暗くって、俺はばあやにそんな顔させてしまっていることが何よりも嫌だった。
「俺が母様に謝ったら、母様は俺を許してくれるかも‥」
そう考えた(純粋だった)子供の頃の俺は、何とかして母親に接触する術を考えたが、ばあやに頼んでも、庭師に頼んでもそれはかなわなかった。
なら、手紙を書こうって思った。
ばあやに渡した手紙は母親に渡ったであろうが、母親が俺に会いに来てくれることはなかった。
落ち込んだ俺は、母親の愛、家族の団欒‥あれはもう、過去のことで今の俺にはもう二度と手に入らないものなんだっていやという程実感させられた。
俺は‥誰かに褒められるよろこびを知って、だけど、褒めて欲しい人にはもう二度と褒められることがないってことを知った。
‥仕方がないって諦めた。諦めないと、悲しくて何とかなりそうな気がしたから。
俺はそうやって諦めることを覚えた。
そんなある日、弟が俺に会いに来た。親たちに内緒で離れに忍び込んだんだ。
弟は父親に似ていて、俺や母親とは似ていないように見えた。
‥ああ、だから、母様は弟の顔は見れるんだ。
母様は俺の顔が嫌い‥つまり自分の顔が嫌いなんだろう。だから、父親似の弟は嫌われないんだ。いいな‥。
そう思った。(そのうち、そういうことではないって分かったけど、その時はそう思っていた)
弟は朗らかに笑う優しい子だった。
俺を見て、何が嬉しいのかニコニコして、何かを一生懸命話しかけていた。
その顔に‥イラっと来たのは確かだ。
母親は‥あんな風には笑わない。ひっそりと‥息子の俺が言うのは変な話なんだけど‥百合の花が咲くように控えめに淑やかに微笑む。
あの笑顔が好きだったのに、あの笑顔はある時から、俺に向けられることはなくなった。
今でも母様はああやって微笑んでるの? 母様はあの笑顔をこの子に向けてるの? ‥あの時はそう思って、憎くなった。(そうだ、初対面の時は俺は弟に安心感なんか抱かなかったんだ。寧ろ、弟のことは憎いって思ったんだ)
ちくっと胸が痛くなり、その痛みはやがて激しい怒りに変わった。(当時の俺は、かなり気が短かったんだ)
「帰れよ! 」
って叫んだら、その声に驚いた離れの使用人が飛んで来て、弟を連れて帰った。
‥そういえば、あの時ばあやは止めさせられたんだ。
俺が弟を泣かせたことに対する責任を取らされて‥俺の監督不行き届き‥とか適当な理由で。
まあ、普段から母親の俺に対する意見が煙たかったんだろうから、今回のことは丁度いい機会だったんだろう。
今回のことで、母親にもっと嫌われ、ばあやさえも取り上げられた。
それもこれも、母様に嫌われる俺の顔のせい。
そんな風に思ったら、自分の顔が憎くて仕方がなくなった。思えば前髪を伸ばすようになったのは、俺の意思だった。それを母親が良しとしたから、それ以降俺は前髪を伸ばしていたんだ‥。
それ以降、俺の離れには特定の人間が来ることはなくなった。俺のことを知って、俺の味方になる者が出来るのは面倒って思ったからだろう。
二つ目の変化は、人によって「好きな人間」と「特別嫌いな人間」と「どうでもいい人間」がいるってことに気付いたことだ。
それは‥もう少し大きくなってからだったと思う。
人間的に好きとか顔が好き‥とかそういう話ではない。
同じ様に食事を持ってくる、掃除をする‥それだけなんだけど、そういうのがある。
そういうのは、その人が部屋に入ってきた瞬間に分かる。
そういうのはきっと、顔や態度に出ていたのだろう。俺に特別嫌われた人間は、それ以降二度と来ることはなかった。口の軽い「どうでもいい人間」が「あの子、若様が怖いから絶対行きたくない! って大騒ぎしたんですよ。失礼な子ですよね」って教えてくれた。
‥そんなにあからさまに嫌いって態度取ってたんだ。
少なからずショックを受けたのを覚えている。
そんな時、「好きな人間」の一人の若い女が俺にモーションをかけて来た。女は俺に「若様、私の事好きなんでしょ? 態度に出てますよ」っていって‥クスクスと‥妖艶な笑みを浮かべた。そして‥「おかわいそうな若様‥」って女は言ったんだ。
今まで感じたことのない充足感は、身体的なものからきているのか、心理的なものから来ているのかはその時は分からなかった。
だけど、若い俺が知ってしまった充足感を再び得たいと願うのは何ら不思議なことではなかっただろう。
充足感、安心感。あと温もり。‥確かに今自分が生きてるっていう実感。
だけど、その安心感はその時だけで、自分の手から離れた瞬間‥肌が離れた瞬間‥急激に冷めていくのを感じた。
安定が欲しい。そして、絶対的な安心が。
そうして「一時の安心感」を知った俺は、それが持続しないことを知り、落胆した。
俺がつかみかけた何かは、全部俺の手のひらから零れ落ちて‥最後には空っぽな俺が残るだけ‥。
楠に会った今、俺にとっての安心も安定も楠だ。
楠が欲しくてたまらないのは、魂の枯渇を埋めたいから‥。
それは、多分、暗闇で灯りを求めるのと同じ行為。
暗いのは、嫌だから。
寒いのよりも、嫌だから。
寒いなら、縮こまって座り込んでいればいい。でも、暗いと何もしようと思えなくなる。
もう駄目だって思う。
動けなくなる。
明るさは、‥希望だ。
これがあるから、なんとかやっていけるって思える。
今自分にとってのそれが楠だから、‥自分は楠を求めて止まない。
欲しいものを知ってしまった‥本当に欲しいものが分かった俺は、それが欲しくてたまらないんだ。
「柊さんは、火だから」
楠が言った。
それはそうだろうって納得できた。
寂しくって、焦がれて、手に入れたものも全部焼き尽くして‥
今まで沢山のものを失ってきた
だけど寂しくて
人を求めた。
欲しいものが分からなくて、何もかもを欲しがっていた時は終わりだ。
今は、もうなんでもかんでも欲しがったりはしない。
俺が欲しいものは今、楠、たった一つなんだ。
黙って窓の外に映る研究室を見た。
研究室は、前に立つ本社ビルの陰になっているから、夜になって本社ビルの電気が消えると、真っ暗になる。
夜景とかとは‥無縁の景色になる。
ぼんやりと、楠がパソコンを操作している姿が闇に浮かぶみたいに映っている。
‥楠は「坎」水の卦だ。それも、特に強い。俺の火の卦をゆうに凌駕している位強い。
‥多分、楠は「ひと」ではない。
‥幽霊でも、「臣霊」(この前伊吹さんに聞いた)でも勿論ない。
‥もっと、特別なもの。
‥あの天音って子もきっと‥。
‥ひとじゃない。
‥あの二人は、いくら何でも強すぎる。
‥そんなことは‥でも、どうでもいい。
‥俺にとって楠はもともと特別だから‥。
‥俺は、楠が「欲しい」
‥まったく、火の力の消された世界はどんな平然な世界なのだろうか。
‥それこそ、俺が望む世界だ。
その気持ちが強くなり、‥平然ではいられなくなる。
何かを手に入れると、嬉しくなる半面、もっともっと欲しくなる。
今まで何が足りなかったのかってことに気付かされる。
「手に入って嬉しい」はやがて、「持ってて当たり前」になって、「もっと他に欲しいものはあるんじゃないか? 」になる。
俺はいわば飢えた獣のようなんだ。
何でも持ってるくせに、「ないもの」を妬んで‥欲しがる。
何が欲しいかわからないから、片っ端から手に入れたいって思ってしまう。
いっそのこと、「何かが足りないな」位の環境ならばその「何か」を得るために努力できる普通の人間になったかもしれない。だけど、俺は何でも持っていて‥だけど、肝心なものを何も持ってなかった。
そのことに気付いた切っ掛けは、ふとした‥ちょっとした変化だった。
一つ目の変化はうんと子供の頃のことだった。
俺の食事の支度をしながらばあやはその日もその日の出来事やなんかを話してくれた。
新聞に載っていることではない。当時6歳だった俺はもう新聞も読んでいたけど、ばあやが俺に話すのはそんなことじゃなく、近所のネコが空き地に集まっていた‥とかそんな「他愛もない」話だった。
俺が「猫が集会をするのは、猫同士がコミュニケーションを図り連携を強化する為らしいね」って言ったら、大袈裟に驚いて(驚いたような様子を見せて ←今思えばあれは大袈裟に驚いた振りしただけだった気がする)ニコニコ笑って
「若様は賢くていらっしゃいますねえ」
って言った。
昔身の回りの世話をしてくれていたばあやが俺に「嬉しそうに」言った! 普段笑顔で俺に話しかける者なんていなかったから、俺は素直に嬉しいって思った。(それどころか、凄く特別なことのように思ったんだ)
(子供だった俺は単純に)本を読んだことを教えてあげたらばあやが喜ぶなら、俺はもっと本を読んでばあやに教えてあげようって思った。
褒められた経験は、あった。
昔いっぱい母親に褒められた。
だけど、いつからか、母親は俺のことを嫌いになって、俺のことを褒めることはなくなった。
俺は、「顔も見たくない」って‥母親の目につかないこの離れに移された。
だけど、苛められていたわけじゃない。ばあやは毎日俺を心配して食事を運んできてくれたし「今は奥様も取り乱しておられるだけで、いずれはご家族のところに戻れますよ」って言ってくれた。
それを言う時のばあやの顔は寂し気で? いや‥困っている? 苦しそう? ‥とにかく暗くって、俺はばあやにそんな顔させてしまっていることが何よりも嫌だった。
「俺が母様に謝ったら、母様は俺を許してくれるかも‥」
そう考えた(純粋だった)子供の頃の俺は、何とかして母親に接触する術を考えたが、ばあやに頼んでも、庭師に頼んでもそれはかなわなかった。
なら、手紙を書こうって思った。
ばあやに渡した手紙は母親に渡ったであろうが、母親が俺に会いに来てくれることはなかった。
落ち込んだ俺は、母親の愛、家族の団欒‥あれはもう、過去のことで今の俺にはもう二度と手に入らないものなんだっていやという程実感させられた。
俺は‥誰かに褒められるよろこびを知って、だけど、褒めて欲しい人にはもう二度と褒められることがないってことを知った。
‥仕方がないって諦めた。諦めないと、悲しくて何とかなりそうな気がしたから。
俺はそうやって諦めることを覚えた。
そんなある日、弟が俺に会いに来た。親たちに内緒で離れに忍び込んだんだ。
弟は父親に似ていて、俺や母親とは似ていないように見えた。
‥ああ、だから、母様は弟の顔は見れるんだ。
母様は俺の顔が嫌い‥つまり自分の顔が嫌いなんだろう。だから、父親似の弟は嫌われないんだ。いいな‥。
そう思った。(そのうち、そういうことではないって分かったけど、その時はそう思っていた)
弟は朗らかに笑う優しい子だった。
俺を見て、何が嬉しいのかニコニコして、何かを一生懸命話しかけていた。
その顔に‥イラっと来たのは確かだ。
母親は‥あんな風には笑わない。ひっそりと‥息子の俺が言うのは変な話なんだけど‥百合の花が咲くように控えめに淑やかに微笑む。
あの笑顔が好きだったのに、あの笑顔はある時から、俺に向けられることはなくなった。
今でも母様はああやって微笑んでるの? 母様はあの笑顔をこの子に向けてるの? ‥あの時はそう思って、憎くなった。(そうだ、初対面の時は俺は弟に安心感なんか抱かなかったんだ。寧ろ、弟のことは憎いって思ったんだ)
ちくっと胸が痛くなり、その痛みはやがて激しい怒りに変わった。(当時の俺は、かなり気が短かったんだ)
「帰れよ! 」
って叫んだら、その声に驚いた離れの使用人が飛んで来て、弟を連れて帰った。
‥そういえば、あの時ばあやは止めさせられたんだ。
俺が弟を泣かせたことに対する責任を取らされて‥俺の監督不行き届き‥とか適当な理由で。
まあ、普段から母親の俺に対する意見が煙たかったんだろうから、今回のことは丁度いい機会だったんだろう。
今回のことで、母親にもっと嫌われ、ばあやさえも取り上げられた。
それもこれも、母様に嫌われる俺の顔のせい。
そんな風に思ったら、自分の顔が憎くて仕方がなくなった。思えば前髪を伸ばすようになったのは、俺の意思だった。それを母親が良しとしたから、それ以降俺は前髪を伸ばしていたんだ‥。
それ以降、俺の離れには特定の人間が来ることはなくなった。俺のことを知って、俺の味方になる者が出来るのは面倒って思ったからだろう。
二つ目の変化は、人によって「好きな人間」と「特別嫌いな人間」と「どうでもいい人間」がいるってことに気付いたことだ。
それは‥もう少し大きくなってからだったと思う。
人間的に好きとか顔が好き‥とかそういう話ではない。
同じ様に食事を持ってくる、掃除をする‥それだけなんだけど、そういうのがある。
そういうのは、その人が部屋に入ってきた瞬間に分かる。
そういうのはきっと、顔や態度に出ていたのだろう。俺に特別嫌われた人間は、それ以降二度と来ることはなかった。口の軽い「どうでもいい人間」が「あの子、若様が怖いから絶対行きたくない! って大騒ぎしたんですよ。失礼な子ですよね」って教えてくれた。
‥そんなにあからさまに嫌いって態度取ってたんだ。
少なからずショックを受けたのを覚えている。
そんな時、「好きな人間」の一人の若い女が俺にモーションをかけて来た。女は俺に「若様、私の事好きなんでしょ? 態度に出てますよ」っていって‥クスクスと‥妖艶な笑みを浮かべた。そして‥「おかわいそうな若様‥」って女は言ったんだ。
今まで感じたことのない充足感は、身体的なものからきているのか、心理的なものから来ているのかはその時は分からなかった。
だけど、若い俺が知ってしまった充足感を再び得たいと願うのは何ら不思議なことではなかっただろう。
充足感、安心感。あと温もり。‥確かに今自分が生きてるっていう実感。
だけど、その安心感はその時だけで、自分の手から離れた瞬間‥肌が離れた瞬間‥急激に冷めていくのを感じた。
安定が欲しい。そして、絶対的な安心が。
そうして「一時の安心感」を知った俺は、それが持続しないことを知り、落胆した。
俺がつかみかけた何かは、全部俺の手のひらから零れ落ちて‥最後には空っぽな俺が残るだけ‥。
楠に会った今、俺にとっての安心も安定も楠だ。
楠が欲しくてたまらないのは、魂の枯渇を埋めたいから‥。
それは、多分、暗闇で灯りを求めるのと同じ行為。
暗いのは、嫌だから。
寒いのよりも、嫌だから。
寒いなら、縮こまって座り込んでいればいい。でも、暗いと何もしようと思えなくなる。
もう駄目だって思う。
動けなくなる。
明るさは、‥希望だ。
これがあるから、なんとかやっていけるって思える。
今自分にとってのそれが楠だから、‥自分は楠を求めて止まない。
欲しいものを知ってしまった‥本当に欲しいものが分かった俺は、それが欲しくてたまらないんだ。
「柊さんは、火だから」
楠が言った。
それはそうだろうって納得できた。
寂しくって、焦がれて、手に入れたものも全部焼き尽くして‥
今まで沢山のものを失ってきた
だけど寂しくて
人を求めた。
欲しいものが分からなくて、何もかもを欲しがっていた時は終わりだ。
今は、もうなんでもかんでも欲しがったりはしない。
俺が欲しいものは今、楠、たった一つなんだ。
黙って窓の外に映る研究室を見た。
研究室は、前に立つ本社ビルの陰になっているから、夜になって本社ビルの電気が消えると、真っ暗になる。
夜景とかとは‥無縁の景色になる。
ぼんやりと、楠がパソコンを操作している姿が闇に浮かぶみたいに映っている。
‥楠は「坎」水の卦だ。それも、特に強い。俺の火の卦をゆうに凌駕している位強い。
‥多分、楠は「ひと」ではない。
‥幽霊でも、「臣霊」(この前伊吹さんに聞いた)でも勿論ない。
‥もっと、特別なもの。
‥あの天音って子もきっと‥。
‥ひとじゃない。
‥あの二人は、いくら何でも強すぎる。
‥そんなことは‥でも、どうでもいい。
‥俺にとって楠はもともと特別だから‥。
‥俺は、楠が「欲しい」
‥まったく、火の力の消された世界はどんな平然な世界なのだろうか。
‥それこそ、俺が望む世界だ。
その気持ちが強くなり、‥平然ではいられなくなる。
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