今世は『私の理想』の容姿らしいけど‥到底認められないんです! 

文月

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あたしの成長録(成長の過程)

2.二回目の人生? といっても、今世は今世で前世は関係ないですよね? (二回目)

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 ‥どうやら、あたしは輪廻転生というものをして、前世の記憶ってやつがあるらしい。 

 って気が付いたのは、3歳の時。そんな劇的に「あれ!? まさか‥!? 」とかじゃない。ある日突然「そう言えばそうじゃないか? 」って自覚したんだ。
 色んな記憶が残っているわけではない。別に前世に何か特別なことがあったわけでもないんだろう。平凡に生きて平凡に死んだんだろう。記憶を思い出した感想は、「前世は周りに流されただけの何でもない人生を過ごした」「まあ‥でもそれ以外の選択肢はなかったわけだし」ってだけ。
 前世は前世、今世は今世。「まあ‥問題はないんじゃない? 」
 思えば‥そう簡単に割り切れる様なことでもないんだろうけど、その時のあたしは‥(今思い返せば)そう思った。柔軟性っていうより、「そういう仕様」だったんだろう。神様(なのかな? あたしを輪廻転生させた人だ)的にも「そういうこと」はそう重要じゃなかったんだろう。
 とりあえずあたしは、今の自分の状況を把握することにした。
 ハヅキ・グランヴィット
 女。年齢3歳。男爵令嬢
 どうやら貴族って奴らしい。そこら辺が前世とは違う。
 貴族だと何か違うのか? そもそも、前世にも貴族とか‥そういうのあったのか? 今世は前世より「いい条件」なのか? 
 一応考えてみるが‥考えてもしょうがないから止めることにした。
 前世も別に生活に困ってたわけじゃない。身分的なもので多少変わるのかもしれないが、暮らし的には今のところそう変わらない。貴族って言いながらお屋敷に住んでるわけでも、「お嬢様」って呼んで世話をしてくれる者が沢山いるわけではない(どうやら、友だちの貴族令嬢の家にはいるようだ)多分、この家はそんなにお金持ちじゃないんだろう。
 両親と、老齢のメイド、老齢の執事。以上だ。
 メイドが家事全般をこなし、執事は‥よくわかんないけど、お父様のサポート的な仕事をしてる感じ。お父様は「貧乏暇なし」の諺通り、大変お忙しく、殆ど家にいない。お母様は家(領地?? )全般のことをしている様だ。両親が忙しくて構ってくれないのは前世と変わりなく、そこら辺は気にならない。前世もあたしたち兄弟の面倒を見てくれたのは祖父母だった。今は‥メイドと執事がそんな感じかな? 家族(メイドと執事も含め)関係は良好でそこら辺は良かったなって思う。
 両親と祖父母(的なもの)。前世と何ら変わりはないんだけど、変わりがあるとしたら‥前世にはいた兄弟姉妹がいないことかな。あたしはどうやら今世は、一人娘の様だ。
 一人娘だから両親は可愛くって仕方がないらしい。
 あたしを可愛い可愛いって褒めるもんだから記憶が戻ってない時には、自分でも「自分は可愛んだ」って思ってた(‥そんな時も、あたしにもありました)。でも、前世の記憶が戻って、前世にはなかった鏡なるものを見て‥がっかり。
 ‥コレジャナイ感満載。これは‥可愛くないわ~。
 冴えない茶髪(これは鏡を見なくても見えてる)一重の糸目。存在感のない睫毛(これは薄々気付いてて密かにコンプレックスだった)低い鼻(これも同様)。おちょぼ口(これはでも、どうでもいい)
 よく見えないけど‥(※ そんなにいい鏡じゃない)お母様と同じ薄い青い瞳。お母様の瞳の色は綺麗で大好きだから、それは嬉しい。髪色はお父様譲りだ。
 お父様と同じ控えめな印象の細い目。腫れぼったい印象ゼロの「すっきりした瞼」はでも、あたし的には嫌いじゃない。シンプルイズベストだ。よく言えば「涼し気で切れ長の目」といえんでもない。
 アレだな。よく言えば「すっきりした顔」(悪く言えば印象の薄い顔、だけど)
 問題はないけど‥正直「コレジャナイ」
 あたしだって人並みに「美しい顔」ってやらに憧れがある。あたしの知ってる美人は前世の幼馴染・ノルン(幼馴染と元夫の顔位覚えているっぽい)だけど、あたしの理想の顔は‥ノルンみたいな「華やか系美人」じゃない。もっとこう‥「血の通ってない様な無機質な美しさ」クールビューティーっていうの? そういうのが理想なんだ。
 あたしみたいに丸顔じゃなくて、卵型でさ、顔もきゅっと小さくてさ、目はきれいなアーモンド形。決してぱっちりしてるわけじゃないけど、あたし程線じゃない「印象深い」目。目鼻立ちはハッキリしてるんだけど、それぞれのパーツが悪目立ちしなくって‥「ちょうどいい(あたし基準)」バランスで収まってる。髪はさらっとしたストレートで‥金より銀派。瞳の色は青か紫‥銀もいいかなあ。睫毛は多めなんだけど、バサバサしてない。真っ白な肌は陶器みたいにツヤツヤできめ細かくてつるつる。触ると、ひんやりしっとりしてるの。
 愛想はお世辞にも良くなくって、寧ろ冷たく見える感じ。
 ‥そんなクールビューティーな「氷の美女様(ハヅキ命名)」は、もうそこにおられるだけで神々しくって近寄りがたい。そう! (ノルンみたいな)『愛される皆のアイドル』とは無関係な存在なんだ。
 皆が遠巻きに眺める‥「高嶺の花的な存在」。
 誰もがその圧倒的な美しさを認めているが、彼女のあまりな塩対応所以に(と、あと嫉妬心)「お高くともりやがって」「何様」的な陰口を(ホントに影で)叩いて、彼女は結果更に遠巻きにされる‥。
 だけど! 氷の美女様は気にしない!
 だって、関係ないから。孤高の美女様にとって周りの「とるに足らん者ども」のことなんてどうでもいいから! (以上、ハヅキの「氷の美女様」劇場でした)
 く~憧れるね!!
 特に、孤高ってのがいいね! カッコイイね! 
 でも悲しいかな。あたしは全然そういう顔ではない。
 努力したところで何ともならないのが生まれもったもの。
 (せめて志だけでも? )ノン! そういう顔じゃないのに、そういう態度取るとか‥あり得ない。分は弁えろって奴だ。勘違い程カッコ悪い物はない。
 といったところで‥それらは皆「空想の中の人」。あたしは生まれてこのかたそういう美女様に会ったことない。絶対そんな人実存しない。おられるなら、是非とも会いたい。
 ‥と思って通った学園(今世は、貴族だけが就学必須の学園がある時代だった)で、そんな美女様にお会いすることが出来たのだ!  
 彼女を見た瞬間「そう! まさにこれ! 」って思った。‥思っただけです。一目惚れしたとかじゃないです。そう言う‥生々しい感情じゃなくて‥そうですね‥あまりの美しさに息を飲んだ‥言葉を失って立ち尽くした‥そういう感じでしょうか? (※ あまり恐れ多いので丁寧口調)
 普通そう言う場合「見てるだけ~」になるんでしょうけど、一回目のことがあるあたしは
「何か行動をしてみねば」
 って思ったんですよ。何もしなければ‥このまま接点もなく「ただ見てるだけ」で終わってしまいますからね。それは勿体ないですよ。
 同じ貴族といえど、貧乏男爵の令嬢であるあたしと違って、美女様は侯爵家の御令嬢。
 ここ(学園)を逃せばもう、二度と会えない!!
 「学園内、生徒はみな平等で身分の貴賤はない」という校風を信じて、果敢にアタックしますよ! 。
 アタックするといっても、「友だちになってください! 」って真正面からアタックしてもきっとダメだろう。兎に角少しでも近くに行きたい‥お目に留めて頂きたい‥と地道に勉強を頑張った(嘘、それこそ「死に物狂い」で勉強しました。お陰で「図書館に妖怪がいるらしい」という噂が立ったほどだ‥)長期休暇があろうとも浮かれて遊びに行くこともなく、勉強だけをただひたすら頑張った。そのお陰で二年生に進級した時に、美女様‥シルヴィア・レンブラント様と同じクラス(なんとS組ですよ!! )になれたときは‥本当にうれしかった。
 学園は、爵位ではなく、成績でクラスが分けられるのだ! 
 爵位は関係ないとはいえ‥入学当時は、貧乏男爵で家庭教師が雇えなかったあたしは成績が振るわず、最低ランクのF組だった。1年F組のメンバー全てそんな感じだったから「仕方がない結果」なのかもしれない。
 つまり‥高位貴族はいい家庭教師が雇える→ 良い成績で入学できる。下級貴族はそれが出来ない →入学時の学力はやっぱり劣る。ってわけ。
 シルヴィア様は最高ランクのS組。王族や公爵のいるクラスだった。才色兼備! 最高! 
 家庭教師様様か? ってわけでもなく、その後もシルヴィア様は学期ごとの試験で好成績を取り続けた。
「シルヴィア様は王子様の婚約者候補の一人でいらっしゃるから」
 F組時代にクラスメイトだったリリアが教えてくれた。
「容姿はあの通り美麗でいらっしゃるけど、あの方ほら‥無表情でいらっしゃるでしょ? ‥成績でアピールをなさっているってわけね」
 高位貴族の話だから、明け透けな言い方を避ける。(あと、周りに人がいないことも確認済みだ)
 高位貴族を敵に回すと恐ろしいからね。
 リリアの話はぶっちゃけ、「美人だけど無表情で世間のウケは悪い」「だから、成績でアピール」ってわけだ。
 え~!? 王子様はそういう感じなん? (知らんけど)趣味わっるい! (知らんのに勝手に決めつけ非難)あの「誰に対しても」クールな表情がいいんじゃん! 縦カールの公爵令嬢なんて王子の前では可愛らしい顔してるけど‥下級貴族に対しては虫を見る様な顔してるぞ? 
 表情筋で国は治まらんとあたしは思うぞ? 
 聡明で冷静な判断力(それはどうか分からんが、そういうイメージ)素晴らしいじゃないか。
 あたしがこころの中で大いに怒っているのも知らず、
「成績でアピール‥でも、エリザベス様(← 縦カールの華やか系美人)もS組でいらっしゃるわよ? 」
 別のクラスメイト・タミーが首を傾げると、リリアが苦笑いして、
「エリザベス様は‥ほら‥お父様が学園長に袖の下を贈ったって話よ。‥ホント、ここだけの話」
 ほんの小声(殆ど読唇術レベル)で言った。
 リリアはクラスで一番の情報網を持っている。
 (リリアほどではないが)Fクラスは学力こそ「アレ」だけど、玉の輿希望の下級貴族が多いため、情報収集能力に優れた者が多かった。(だから、進級してクラスが別れても交友関係を続けていきたい)
 ‥なるほどねえ‥。
 エリザベス様は美貌と愛嬌、ネットワーク(愛想がいいから高位貴族の間では人気がある)。シルヴィア様は学力ってとこかな? 家柄は「どちらも問題ない」らしいから。
 王子様とかどうでもいいけど‥まあ‥この国の為に王子が「いいお后様」選んでくれるといいなあ‥
 そして、新学年。
 シルヴィア様は‥もう、素晴らしい女性だった。
 なんての? ツンツンしてるけど、そこがまた可愛らしいの! (この時代にそういう言葉は勿論ないが、今の言葉で言うところの「ツンデレ」)頑張り屋さんだしさ、人と関わらないのも「怖がらせるから‥」って理由だし‥! う~ん! 可愛い! あたしは挨拶から始めて、毎日話しかけ続け‥最終的には一緒にお昼ご飯を食べるまでに仲を進展することが出来ました! 時間はかかったけどね~。でも、それは「お高く留まってるから」でも勿論「内気だから」でもないよ? 周りから危害を加えられないように責任ある行動をしなければいけないから、だ。
 下々のもんとは違うの! あの愛想バッカリいい、頭ン中花畑の顔だけ公爵令嬢とは違うんよ! 
 ‥なのに、王子が選んだのは、その「お花畑さん」。お花畑さんが正妃で、シルヴィア様は側室だとよ! あたしは、「この国オワタ」って思ったね。
 それだけ。
 学園が終われば身分違いの「(ただの)クラスメイト」と侯爵令嬢の接点はなく、あたしは親の決めた婚約者と結婚して‥また気付けば「それなりの人生」を終えた。

 死ぬ間際。人生を振り返って‥ちょっと勿体ない気もした。
 ‥来世はもうちょっと頑張ってみよう‥。
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