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灯side
あれから季節は巡って、僕たちは大学を最短コースで卒業して、研修医として和都さんが勧めてくれた星霜院家が持つ病院で働いている。
僕と風吹は、俗に言うエリートコースらしく看護師の女性たちに人気が高いようだ。風吹はエリートコースのイケメン枠。僕はエリートコースのかわいい枠らしい。身長的には風吹と一緒なんだけどとは思ったが、おそらく顔の問題だと風吹が言っていたのでそれが理由だと思う。
僕たちが番なのは、あまり知られていないようで、番になりたいとアプローチを受けることが度々。風吹はほぼ毎日のように、女性陣にアピールされているみたいだった。僕も風吹もハイネックのインナーを着ているからか、番なしだと思われているようだった。
今日も今日とて風吹へのアピールがすごい。
まあ、確かに僕の風吹はかっこよくて顔も美人さんで、頭も良くて、僕と同じくらいスタイルもいい。でも風吹は僕の番なんだから、誰のものにもさせる予定はないけどね。
僕たちは、小児科医になることを目指して日々励んでいる。ちょうど今の研修科が小児科だから、二人でたくさん学びながら、子供たちと仲良くなったりして、よく声をかけられる。
この小児科での僕たちはいつも話題の中心にいると言っても過言ではないと思う。子供のお母さんたちに人気でどこに行っても話の中心にされている。
風吹は採血上手なクール系イケメン先生。僕は採血上手な怪我しがちキュート系イケメン先生とか、この間話したお母さんたちが言っていた。僕の怪我しがちは余計なお世話だ。これでも減ったんだからな!
採血上手は言わずもがな、氷空と海莉くんの輸血と採血の賜物だろう。
そうそう、一緒に暮らして早6年、一人だけさん呼びは寂しいとのことで、海莉くんと呼ぶようになったんだ。風吹は二人とも呼び捨てで呼んでる。
二人は、基本家で過ごしてもらっている。出かけても二人だけで遠くにはいかないように約束をして、なるべく家にいてもらうように話し合ったんだ。
和都さんが言っていた通り、海莉くんは貧血気味になり、氷空と同じように、眠そうな日が増えていった。ただ氷空と違って週に1回、採りすぎない量の採血だからか、症状の進行は緩やかだった。
それでも6年も経てば、しっかり症状が出ていて、運動をしていても免疫力が下がっていて、どこで具合が悪くなるかが予想できないから、遠出は4人でという約束になった。
氷空はあれからかなり成長して、小学生体型から高校生くらいには見える青年体型にまで成長した。それでも胃が小さくなっていて、量が食べられなくてほっそりしているけど。海莉くんも具合が悪い日は食べれなくて、番う前よりかは全体的にほっそりしている。僕と風吹より背が高いけど、線が細いから小さく見えるときが多々ある。
氷空の髪の色素は栄養が行き渡るようになっても戻らず、白いままだった。海莉くんも若干色素が抜けてるらしくて、この間「氷空とおそろいだね。」なんて話していた。
今日は、二人の定期検診で、和都さんがこの病院に来て、機材を借りて検診する日だった。
氷空も海莉くんも病院が苦手というか、一種のトラウマになっているみたいで、和都さんが迎えに行って、一緒に病院に入らないと入口で固まってしまうレベルで嫌っている。
そんな二人が検診が終わったみたいで、海莉くんが杖をつく氷空を支えながら歩いてくる。僕に気づいて手を振ってくれる。
6年一緒に暮らして、あんなに頼もしいかっこいいお兄さんだと思っていた海莉くんは、年齢的にはおじさんの部類に入るかもしれないが線が細く風吹に負けないくらいの美人さんだから、たまに僕たちよりも若く見られることがある。
まあ簡単に言えば、6年の間に氷空と海莉くんという大好きな家族が、とてつもなくかわいく見えるようになった。だから僕たちはかわいいと言うし、氷空の頭を撫でたりしちゃう。
「灯くん、お疲れ様。」
「氷空と海莉くんも検診お疲れ様!和都さんも元気そうだった?」
「ああ、変わりなく元気そうだったよ。」
一般診療が終わる時間帯に、氷空と海莉くんの検診があったから、待合室には患者さんはほぼいないから、静かな院内でお互いどう過ごしてたとか、どんな仕事したとか会話をしていたら、急に院内が騒がしくなった。
聞こえてきた単語を合わせると、どうやら救急車で運ばれてきたみたいだ。ナースステーションの近くだったから、走ってきた看護師さんの声がよく聞こえる。
「今っ、運ばれてきた子供なんですけど、AB型Rhらしくて、輸血パックの量が微妙に足りないみたいなんですけどっ。」
「まじか。うちのスタッフにいたかな。親御さんは?」
「交通事故みたいで一緒に、来てないんです。」
「あちゃ~。どうするか…。近くの病院にあるか聞いてみるわ。」
「お願いします!」
僕と同じ血液型だ。そう思っていたら、視界に何かを言おうとしてる氷空が入った。僕は、その口を手で押さえて名乗り出た。
「あ、僕、同じ血液型です。いけます?」
「まじか!明星くんナイス!助かる!」
「採血は風吹がいいけど、二人のこと置いていけないからしょうがないね!風吹は二人のこと見てて!」
「分かった。ほどほどにな。」
「うん!氷空も海莉くんもダイジョブだよ!すぐ戻ってくるから!」
少し震えて呼吸の荒い氷空と、その手を強く握ってる海莉くんをまとめてぎゅっと抱きしめてから看護師さんと一緒に採血室に駆け込んだ。
あれから季節は巡って、僕たちは大学を最短コースで卒業して、研修医として和都さんが勧めてくれた星霜院家が持つ病院で働いている。
僕と風吹は、俗に言うエリートコースらしく看護師の女性たちに人気が高いようだ。風吹はエリートコースのイケメン枠。僕はエリートコースのかわいい枠らしい。身長的には風吹と一緒なんだけどとは思ったが、おそらく顔の問題だと風吹が言っていたのでそれが理由だと思う。
僕たちが番なのは、あまり知られていないようで、番になりたいとアプローチを受けることが度々。風吹はほぼ毎日のように、女性陣にアピールされているみたいだった。僕も風吹もハイネックのインナーを着ているからか、番なしだと思われているようだった。
今日も今日とて風吹へのアピールがすごい。
まあ、確かに僕の風吹はかっこよくて顔も美人さんで、頭も良くて、僕と同じくらいスタイルもいい。でも風吹は僕の番なんだから、誰のものにもさせる予定はないけどね。
僕たちは、小児科医になることを目指して日々励んでいる。ちょうど今の研修科が小児科だから、二人でたくさん学びながら、子供たちと仲良くなったりして、よく声をかけられる。
この小児科での僕たちはいつも話題の中心にいると言っても過言ではないと思う。子供のお母さんたちに人気でどこに行っても話の中心にされている。
風吹は採血上手なクール系イケメン先生。僕は採血上手な怪我しがちキュート系イケメン先生とか、この間話したお母さんたちが言っていた。僕の怪我しがちは余計なお世話だ。これでも減ったんだからな!
採血上手は言わずもがな、氷空と海莉くんの輸血と採血の賜物だろう。
そうそう、一緒に暮らして早6年、一人だけさん呼びは寂しいとのことで、海莉くんと呼ぶようになったんだ。風吹は二人とも呼び捨てで呼んでる。
二人は、基本家で過ごしてもらっている。出かけても二人だけで遠くにはいかないように約束をして、なるべく家にいてもらうように話し合ったんだ。
和都さんが言っていた通り、海莉くんは貧血気味になり、氷空と同じように、眠そうな日が増えていった。ただ氷空と違って週に1回、採りすぎない量の採血だからか、症状の進行は緩やかだった。
それでも6年も経てば、しっかり症状が出ていて、運動をしていても免疫力が下がっていて、どこで具合が悪くなるかが予想できないから、遠出は4人でという約束になった。
氷空はあれからかなり成長して、小学生体型から高校生くらいには見える青年体型にまで成長した。それでも胃が小さくなっていて、量が食べられなくてほっそりしているけど。海莉くんも具合が悪い日は食べれなくて、番う前よりかは全体的にほっそりしている。僕と風吹より背が高いけど、線が細いから小さく見えるときが多々ある。
氷空の髪の色素は栄養が行き渡るようになっても戻らず、白いままだった。海莉くんも若干色素が抜けてるらしくて、この間「氷空とおそろいだね。」なんて話していた。
今日は、二人の定期検診で、和都さんがこの病院に来て、機材を借りて検診する日だった。
氷空も海莉くんも病院が苦手というか、一種のトラウマになっているみたいで、和都さんが迎えに行って、一緒に病院に入らないと入口で固まってしまうレベルで嫌っている。
そんな二人が検診が終わったみたいで、海莉くんが杖をつく氷空を支えながら歩いてくる。僕に気づいて手を振ってくれる。
6年一緒に暮らして、あんなに頼もしいかっこいいお兄さんだと思っていた海莉くんは、年齢的にはおじさんの部類に入るかもしれないが線が細く風吹に負けないくらいの美人さんだから、たまに僕たちよりも若く見られることがある。
まあ簡単に言えば、6年の間に氷空と海莉くんという大好きな家族が、とてつもなくかわいく見えるようになった。だから僕たちはかわいいと言うし、氷空の頭を撫でたりしちゃう。
「灯くん、お疲れ様。」
「氷空と海莉くんも検診お疲れ様!和都さんも元気そうだった?」
「ああ、変わりなく元気そうだったよ。」
一般診療が終わる時間帯に、氷空と海莉くんの検診があったから、待合室には患者さんはほぼいないから、静かな院内でお互いどう過ごしてたとか、どんな仕事したとか会話をしていたら、急に院内が騒がしくなった。
聞こえてきた単語を合わせると、どうやら救急車で運ばれてきたみたいだ。ナースステーションの近くだったから、走ってきた看護師さんの声がよく聞こえる。
「今っ、運ばれてきた子供なんですけど、AB型Rhらしくて、輸血パックの量が微妙に足りないみたいなんですけどっ。」
「まじか。うちのスタッフにいたかな。親御さんは?」
「交通事故みたいで一緒に、来てないんです。」
「あちゃ~。どうするか…。近くの病院にあるか聞いてみるわ。」
「お願いします!」
僕と同じ血液型だ。そう思っていたら、視界に何かを言おうとしてる氷空が入った。僕は、その口を手で押さえて名乗り出た。
「あ、僕、同じ血液型です。いけます?」
「まじか!明星くんナイス!助かる!」
「採血は風吹がいいけど、二人のこと置いていけないからしょうがないね!風吹は二人のこと見てて!」
「分かった。ほどほどにな。」
「うん!氷空も海莉くんもダイジョブだよ!すぐ戻ってくるから!」
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