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夜通し馬車を走らせ、空が白み始めた頃。
私たちは王都の城門前に到着していた。
「と、止まれぇぇ! 何者だ貴様ら!」
門番たちが槍を交差させて立ちはだかる。
無理もない。
朝靄の中から現れたのは、フライパンを持った令嬢と、殺気立った半裸のマッチョ集団、そして漆黒の鎧を纏った大男なのだから。
どう見ても百鬼夜行か、地獄からの使者だ。
「……開けろ」
馬車から降りたクロード公爵が、低く告げた。
兜を脱ぎ、その素顔を晒す。
「ひっ、ク、クロード公爵閣下!?」
門番たちは飛び上がらんばかりに驚き、慌てて敬礼した。
「は、ハッ! し、しかし後ろの不審な集団は……」
「私の『私兵』だ。通せ」
「し、私兵……?(あんな裸族が?)」
門番たちは困惑しているが、騎士団長の命令に逆らえるはずもない。
ギギギ……と重苦しい音を立てて、巨大な城門が開かれた。
「よし、突入よ! 目指すは王城、ジュリアン殿下の寝室!」
私が号令をかけると、ガンツたちが「うおおおお!」と雄叫びを上げて走り出した。
早朝の王都大通りを、筋肉の奔流が駆け抜ける。
早起きのパン屋のおじさんが、あまりの光景に焼きたてのパンを取り落としていた。
◇
王城へのメインストリート。
そこには、予想通りの障害が待ち構えていた。
「そこまでだ、逆賊ども!」
きらびやかな銀の鎧に身を包んだ一団。
王家の守護を司るエリート集団、近衛騎士団の精鋭部隊だ。
その数、およそ五十。
昨日の正規軍(ボルドー率いる雑兵)とは装備の質が違う。
「クロード団長! 貴方ともあろうお方が、なぜそのような下賤な者たちと!」
隊長格の男が剣を抜いて叫ぶ。
「殿下より命令が下っている! 『マーヤ嬢を拘束し、抵抗する者は公爵であろうと排除せよ』と! 大人しく投降されよ!」
「……排除、か」
クロード様は足を止め、深くため息をついた。
「私を排除できると思っているのか? その程度の『筋肉密度』で」
「なっ……!?」
「マーヤ。下がっていろ」
クロード様は私を手で制し、背中の大剣に手をかけた。
ゾクリ。
空気が震えた。
「ちょ、クロード様!? 相手は精鋭ですよ!? 一人でやるおつもり?」
「問題ない。……準備運動にもならん」
彼はゆっくりと大剣を引き抜いた。
その剣身は分厚く、長さは彼の身長ほどもある。
普通の人間なら持ち上げることすら不可能な鉄塊だ。
「かかれぇ! 数は我らが上だ!」
近衛騎士たちが一斉に襲いかかる。
四方八方からの斬撃。
逃げ場はない――はずだった。
「……遅い」
ブンッ!!
クロード様が片手で大剣を横薙ぎにした。
ただそれだけ。
剣術の型も何もない、純粋な暴力としてのスイング。
ドォォォォン!!
「ぐあぁぁっ!?」
「な、なんだこの衝撃波はぁぁ!?」
剣が触れてすらいないのに、巻き起こった風圧だけで先頭の十人が吹き飛んだ。
鎧が紙屑のように凹み、騎士たちが宙を舞う。
「なっ……!?」
残りの騎士たちが恐怖で足を止める。
「隙だらけだ」
クロード様は踏み込んだ。
その一歩が、石畳を粉砕する。
凄まじい加速。
重戦車がトップスピードで突っ込んでいくようなものだ。
「ふんっ!」
彼は剣の腹で、次々と騎士たちを弾き飛ばしていく。
斬ってはいない。
叩いているだけだ。
それでも、人間がピンボールのように弾け飛んでいく様は圧巻の一言。
(す、素晴らしい……!!)
私は戦いの趨勢よりも、彼の体の動きに釘付けだった。
(見て! あの大剣を振るう瞬間の、広背筋の収縮! 肩甲骨がグッと寄って、そこから生み出される爆発的なパワー! そして踏ん張る太ももの大腿四頭筋の膨らみ!)
「はぁ……はぁ……尊い……」
私は恍惚としてその場にへたり込みそうになった。
暴力はいけないことだが、美しく鍛え上げられた筋肉による圧倒的な武力行使は、ある種の芸術だ。
「くそっ、化け物か……! 魔法部隊、撃てぇ!」
後方にいた魔道士たちが杖を構える。
火炎弾が一斉にクロード様に放たれた。
「危ない!」
「無駄だ」
クロード様は避ける素振りすら見せない。
彼は大剣を団扇のようにブンッ! と振った。
ボォォォッ!
「えっ……?」
炎がかき消された。
風圧で。
魔法を物理で消したのだ。
「そんなバカな……」
魔道士たちが呆然としている間に、クロード様は彼らの目前に迫っていた。
「……魔法に頼る前に、腹筋を鍛えろ。声量が足りん」
「ひぃぃぃっ!」
睨まれただけで魔道士たちが気絶する。
わずか数分。
五十人の精鋭部隊は、地面に転がる鉄屑の山と化していた。
クロード様は大剣を血振り……ではなく、風圧で埃を払うように一振りして、鞘に収めた。
カチン。
その音が、戦闘終了の合図だった。
「……終わったぞ、マーヤ」
彼は何事もなかったかのように戻ってきた。
息一つ切らしていない。
汗一滴すら流していない。
「ク、クロード様……!」
私は駆け寄り、彼の手を両手で握りしめた。
「凄いですわ! 今の回転斬り、外腹斜筋(がいふくしゃきん)のひねりが完璧でした! それに最後の踏み込み、ヒラメ筋のキレが最高!」
「……そこか?」
彼は呆れたように苦笑したが、満更でもなさそうだ。
「君を守るためだ。……少し、張り切りすぎたかもしれん」
「いいえ! 最高のショーでしたわ! ああ、今の貴方なら、ドラゴンだって素手で倒せそうです!」
「……ドラゴンか。プロテイン代わりになるなら、狩ってきてもいいが」
彼が冗談を言うなんて。
私は嬉しくなって、思わずその太い腕に抱きついた。
「きゃーっ! 頼もしい! 一生ついていきますマッスル!」
「……っ! こ、公衆の面前だぞ……!」
硬い筋肉の感触に頬ずりすると、彼が茹でダコのように赤くなった。
最強の騎士団長も、私のスキンシップには防戦一方だ。
「お嬢、イチャイチャしてるとこ悪いんですがね」
後ろで見ていたガンツが、倒れた騎士たちを跨いでやってきた。
「城門は目の前だ。……ここからが本番だぜ」
見上げれば、巨大な王城が朝日に照らされて聳え立っている。
あの中に、元凶であるジュリアン王子がいる。
「ええ、そうね」
私はクロード様の腕から離れ(名残惜しいが)、パンパンとドレスの埃を払った。
スイッチを切り替える。
ここからは、筋肉フェチの変態ではなく、冷徹な「悪役令嬢」の時間だ。
「行きましょう。殿下の朝食の時間にお邪魔して、プロテイン入りの泥水でも振る舞って差し上げなくては」
「……性格が悪いな」
クロード様が笑う。
「誰のせいだと思っているんですの」
私たちは顔を見合わせ、不敵に笑った。
最強の筋肉カップル(?)と、愉快なマッチョたち。
いざ、王城へ殴り込みである。
「開門ッ!!」
クロード様の一喝で、王城の正門が破壊(物理)された。
さあ、ジュリアン。
恐怖の朝礼の始まりよ。
私たちは王都の城門前に到着していた。
「と、止まれぇぇ! 何者だ貴様ら!」
門番たちが槍を交差させて立ちはだかる。
無理もない。
朝靄の中から現れたのは、フライパンを持った令嬢と、殺気立った半裸のマッチョ集団、そして漆黒の鎧を纏った大男なのだから。
どう見ても百鬼夜行か、地獄からの使者だ。
「……開けろ」
馬車から降りたクロード公爵が、低く告げた。
兜を脱ぎ、その素顔を晒す。
「ひっ、ク、クロード公爵閣下!?」
門番たちは飛び上がらんばかりに驚き、慌てて敬礼した。
「は、ハッ! し、しかし後ろの不審な集団は……」
「私の『私兵』だ。通せ」
「し、私兵……?(あんな裸族が?)」
門番たちは困惑しているが、騎士団長の命令に逆らえるはずもない。
ギギギ……と重苦しい音を立てて、巨大な城門が開かれた。
「よし、突入よ! 目指すは王城、ジュリアン殿下の寝室!」
私が号令をかけると、ガンツたちが「うおおおお!」と雄叫びを上げて走り出した。
早朝の王都大通りを、筋肉の奔流が駆け抜ける。
早起きのパン屋のおじさんが、あまりの光景に焼きたてのパンを取り落としていた。
◇
王城へのメインストリート。
そこには、予想通りの障害が待ち構えていた。
「そこまでだ、逆賊ども!」
きらびやかな銀の鎧に身を包んだ一団。
王家の守護を司るエリート集団、近衛騎士団の精鋭部隊だ。
その数、およそ五十。
昨日の正規軍(ボルドー率いる雑兵)とは装備の質が違う。
「クロード団長! 貴方ともあろうお方が、なぜそのような下賤な者たちと!」
隊長格の男が剣を抜いて叫ぶ。
「殿下より命令が下っている! 『マーヤ嬢を拘束し、抵抗する者は公爵であろうと排除せよ』と! 大人しく投降されよ!」
「……排除、か」
クロード様は足を止め、深くため息をついた。
「私を排除できると思っているのか? その程度の『筋肉密度』で」
「なっ……!?」
「マーヤ。下がっていろ」
クロード様は私を手で制し、背中の大剣に手をかけた。
ゾクリ。
空気が震えた。
「ちょ、クロード様!? 相手は精鋭ですよ!? 一人でやるおつもり?」
「問題ない。……準備運動にもならん」
彼はゆっくりと大剣を引き抜いた。
その剣身は分厚く、長さは彼の身長ほどもある。
普通の人間なら持ち上げることすら不可能な鉄塊だ。
「かかれぇ! 数は我らが上だ!」
近衛騎士たちが一斉に襲いかかる。
四方八方からの斬撃。
逃げ場はない――はずだった。
「……遅い」
ブンッ!!
クロード様が片手で大剣を横薙ぎにした。
ただそれだけ。
剣術の型も何もない、純粋な暴力としてのスイング。
ドォォォォン!!
「ぐあぁぁっ!?」
「な、なんだこの衝撃波はぁぁ!?」
剣が触れてすらいないのに、巻き起こった風圧だけで先頭の十人が吹き飛んだ。
鎧が紙屑のように凹み、騎士たちが宙を舞う。
「なっ……!?」
残りの騎士たちが恐怖で足を止める。
「隙だらけだ」
クロード様は踏み込んだ。
その一歩が、石畳を粉砕する。
凄まじい加速。
重戦車がトップスピードで突っ込んでいくようなものだ。
「ふんっ!」
彼は剣の腹で、次々と騎士たちを弾き飛ばしていく。
斬ってはいない。
叩いているだけだ。
それでも、人間がピンボールのように弾け飛んでいく様は圧巻の一言。
(す、素晴らしい……!!)
私は戦いの趨勢よりも、彼の体の動きに釘付けだった。
(見て! あの大剣を振るう瞬間の、広背筋の収縮! 肩甲骨がグッと寄って、そこから生み出される爆発的なパワー! そして踏ん張る太ももの大腿四頭筋の膨らみ!)
「はぁ……はぁ……尊い……」
私は恍惚としてその場にへたり込みそうになった。
暴力はいけないことだが、美しく鍛え上げられた筋肉による圧倒的な武力行使は、ある種の芸術だ。
「くそっ、化け物か……! 魔法部隊、撃てぇ!」
後方にいた魔道士たちが杖を構える。
火炎弾が一斉にクロード様に放たれた。
「危ない!」
「無駄だ」
クロード様は避ける素振りすら見せない。
彼は大剣を団扇のようにブンッ! と振った。
ボォォォッ!
「えっ……?」
炎がかき消された。
風圧で。
魔法を物理で消したのだ。
「そんなバカな……」
魔道士たちが呆然としている間に、クロード様は彼らの目前に迫っていた。
「……魔法に頼る前に、腹筋を鍛えろ。声量が足りん」
「ひぃぃぃっ!」
睨まれただけで魔道士たちが気絶する。
わずか数分。
五十人の精鋭部隊は、地面に転がる鉄屑の山と化していた。
クロード様は大剣を血振り……ではなく、風圧で埃を払うように一振りして、鞘に収めた。
カチン。
その音が、戦闘終了の合図だった。
「……終わったぞ、マーヤ」
彼は何事もなかったかのように戻ってきた。
息一つ切らしていない。
汗一滴すら流していない。
「ク、クロード様……!」
私は駆け寄り、彼の手を両手で握りしめた。
「凄いですわ! 今の回転斬り、外腹斜筋(がいふくしゃきん)のひねりが完璧でした! それに最後の踏み込み、ヒラメ筋のキレが最高!」
「……そこか?」
彼は呆れたように苦笑したが、満更でもなさそうだ。
「君を守るためだ。……少し、張り切りすぎたかもしれん」
「いいえ! 最高のショーでしたわ! ああ、今の貴方なら、ドラゴンだって素手で倒せそうです!」
「……ドラゴンか。プロテイン代わりになるなら、狩ってきてもいいが」
彼が冗談を言うなんて。
私は嬉しくなって、思わずその太い腕に抱きついた。
「きゃーっ! 頼もしい! 一生ついていきますマッスル!」
「……っ! こ、公衆の面前だぞ……!」
硬い筋肉の感触に頬ずりすると、彼が茹でダコのように赤くなった。
最強の騎士団長も、私のスキンシップには防戦一方だ。
「お嬢、イチャイチャしてるとこ悪いんですがね」
後ろで見ていたガンツが、倒れた騎士たちを跨いでやってきた。
「城門は目の前だ。……ここからが本番だぜ」
見上げれば、巨大な王城が朝日に照らされて聳え立っている。
あの中に、元凶であるジュリアン王子がいる。
「ええ、そうね」
私はクロード様の腕から離れ(名残惜しいが)、パンパンとドレスの埃を払った。
スイッチを切り替える。
ここからは、筋肉フェチの変態ではなく、冷徹な「悪役令嬢」の時間だ。
「行きましょう。殿下の朝食の時間にお邪魔して、プロテイン入りの泥水でも振る舞って差し上げなくては」
「……性格が悪いな」
クロード様が笑う。
「誰のせいだと思っているんですの」
私たちは顔を見合わせ、不敵に笑った。
最強の筋肉カップル(?)と、愉快なマッチョたち。
いざ、王城へ殴り込みである。
「開門ッ!!」
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