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通されたのは、かつては優雅なサロンだったはずの部屋――現在は『第二トレーニングルーム』として改造された空間だった。
「な、なんなのよこの部屋は……! 鉄臭いし、変な機械がいっぱいあるし!」
リリナ・マルスは、泥だらけのドレスの裾を気にしながら、部屋の中をキョロキョロと見回していた。
修道院での強制労働(主にジャガイモ掘り)から逃げ出し、何日もかけて王都へ戻ってきた彼女の姿は、かつての「守ってあげたい令嬢」の面影もなく、ただの薄汚れた家出娘だ。
「でも、大丈夫……。クロード公爵様にお会いすれば、きっと私の魅力で……」
彼女は手鏡を取り出し、厚く塗りたくった化粧を確認した。
やつれた頬はチークで隠し、目の下のクマはコンシーラーで埋めた。
彼女の計算では、無骨な騎士団長などは、涙ながらに縋り付けばイチコロのはずだった。
「お待たせしました」
ガチャリと扉が開き、私がクロード様を伴って入室した。
「クロード様ぁっ!」
私の姿を見た瞬間、リリナは私(マーヤ)の存在を完全に無視し、クロード様に向かってダイブした。
「会いたかったですぅ! リリナ、怖かった! あんな芋だらけの場所、私のいるべき場所じゃありませんの!」
彼女はクロード様の足元に滑り込み、その太ももに抱きつこうとした。
だが。
スッ。
クロード様は無慈悲なまでの反応速度で、半歩後ろに下がった。
リリナの手は空を切り、彼女は無様に床にベシャリと倒れ込んだ。
「あうっ!?」
「……汚い手で触れるな。私のトレーニングパンツは特注品だ。泥がつくと繊維が痛む」
クロード様は見下ろす視線だけで彼女を一刀両断した。
その目は、這い回る虫を見るよりも冷たい。
「ひ、ひどい……! クロード様、どうしてそんなに冷たいの? リリナはこんなに貴方をお慕いしているのに!」
リリナは床に座り込んだまま、涙ながらに訴えた。
上目遣いで、胸元を強調するポーズ。
かつてジュリアン殿下を骨抜きにした必殺技だ。
「見てください、このか弱い腕! 折れそうな足! マーヤ様のようなゴリラ女とは違う、守ってあげたくなる儚さがリリナにはありますわ!」
「……ゴリラだと?」
ピクリ。
クロード様の眉が跳ね上がった。
同時に、部屋の隅に控えていたセバスやメイドたちの目つきも鋭くなる。
「ええ、そうですわ! あんな筋肉だらけの女、女としての魅力なんてありません! クロード様には、リリナのような可愛らしい花がお似合いです!」
リリナは勝機ありと見たのか、さらに捲し立てた。
「私を選んでくださいまし! そうすれば、毎日貴方を癒やして差し上げますわ! こんな鉄臭い部屋も捨てて、また優雅な公爵家に戻しましょう?」
彼女の演説が終わると、部屋には重苦しい沈黙が流れた。
私は扇で口元を隠し、ため息をついた。
(あーあ、地雷を踏み抜いたわね……)
クロード様はゆっくりとリリナの前にしゃがみ込んだ。
「……君は、何か勘違いをしているようだ」
「えっ? 勘違い?」
「君は自分のことを『か弱い』『儚い』と言ったな。……それを魅力だと思っているのか?」
「と、当然ですわ! 女は弱くて可愛いのが一番……」
「愚かだ」
クロード様は吐き捨てるように言った。
「弱さとは、罪だ。自分の足で立てず、他人に寄生し、守られることだけを求める……それは『可愛い』のではなく、『未熟』なだけだ」
「なっ……!?」
「それに比べて、マーヤを見ろ」
クロード様は立ち上がり、私の腰を抱き寄せた。
「彼女の背中には、信念という名の筋肉が宿っている。彼女の腕は、自分の人生を切り開く力に満ちている。……そして何より」
彼は私の二の腕を愛おしそうに撫でた。
「この上腕三頭筋のハリ。君のプヨプヨとした脂肪の腕とは、造形美としての次元が違う」
「ぞ、造形美……!?」
「君には足りないものが多すぎる。大胸筋も、広背筋も、そして努力する才能もだ。……そんな『スカスカ』な女に、私が魅力を感じるとでも?」
「そ、そんな……! 筋肉がないとダメなの!? 意味が分からないわよ!」
リリナが絶叫する。
無理もない。彼女の価値観(可愛い=正義)が、ここでは通用しないのだから。
「ええ、分かりませんわよねリリナ様」
私は哀れむように声をかけた。
「この屋敷の共通言語は『マッスル』ですの。貴女の細腕では、ここのドアノブ一つ回せませんわよ?」
「う、うるさい! こんなのおかしいわ! 私はヒロインなのよ! あんたなんかに負けるはずがない!」
リリナは錯乱し、懐から何かを取り出した。
果物ナイフだ。
修道院の食堂から盗んできたのだろう。
「マーヤさえいなければ! あんたがいなくなれば、また私の世界に戻るのよ!」
彼女はナイフを構え、私に向かって突進してきた。
ヒロインにあるまじき凶行。
だが、その動きはあまりにも遅く、そして貧弱だった。
「お嬢様! 下がってください!」
私が動くよりも早く、影が動いた。
メイドのエマだ。
彼女はリリナの前に立ちはだかると、突き出されたナイフを手首のスナップだけでパシッと叩き落とした。
「痛っ!?」
「公爵邸での暴力行為、看過できません!」
「な、なによメイドの分際で! どきなさい!」
リリナがエマを突き飛ばそうと手を伸ばす。
しかし、エマはビクともしない。
逆に、エマはリリナの腕を掴み、軽く捻り上げた。
「なっ……!? 痛い痛い!」
「失礼いたします。……最近、家事の合間に『合気道』も習っておりまして」
エマは涼しい顔でリリナを制圧し、そのまま床に組み伏せた。
その上腕には、メイド服の上からでも分かる美しい力こぶが浮き上がっている。
「うそ……メイドまでゴリラなの……!?」
リリナは絶望の表情で床に這いつくばった。
「お見事ね、エマ。三角筋の使い方が上手くなったわ」
「ありがとうございます、奥様!」
私が褒めると、エマは嬉しそうに微笑んだ。
もはや、この屋敷に「か弱い女性」は一人も存在しないのだ。
「……連れて行け」
クロード様が冷たく命じた。
「衛兵に突き出せ。脱走兵として、今度はもっと警備の厳しい『北の孤島』の監獄へ送られるだろう」
「い、嫌ぁぁぁ! 監獄なんて嫌! ジュリアン様ぁ! 助けてぇぇ!」
リリナが泣き叫ぶが、誰も助けには来ない。
いや、一人だけ、廊下をモップ掛けしていた人物が反応した。
「リ、リリナ……?」
ボロボロの作業着を着たジュリアン(新人バイト)だ。
彼は店から派遣され、今日は屋敷の掃除係をさせられていたのだ。
「ジュリアン様! いたのね! 助けて!」
リリナが目を輝かせる。
しかし、ジュリアンはサッと目を逸らし、猛烈な勢いでモップ掛けを再開した。
「……知らない人だ。僕は忙しいんだ。ノルマが終わらないと夕飯のササミが増量されないんだ……」
「ジュリアン様ぁぁぁ!?」
かつての恋人にも見捨てられ、リリナはセバスとエマによってズルズルと引きずられていった。
廊下の向こうへ消えていく彼女の悲鳴は、公爵邸の誰も気に留めることはなかった。
「……騒がしい客だったな」
クロード様がため息をつく。
「ええ。でも、これで本当に邪魔者は消えましたわ」
私は彼の腕を取り、見上げた。
「おかげで、二人の時間が邪魔されずに済みますわね」
「……ああ。続きをしようか」
「続き?」
「トレーニングの続きだ。……今日は、私の背中に乗って『加重腕立て伏せ』をしてくれる約束だっただろう?」
「ふふっ、そうでしたわね。では、遠慮なく乗らせていただきますわ」
私たちは笑顔でトレーニングルームの奥へと戻っていった。
リリナの襲撃など、私たちの筋肉愛の前では、プロテインのダマほどの影響もなかったのである。
「な、なんなのよこの部屋は……! 鉄臭いし、変な機械がいっぱいあるし!」
リリナ・マルスは、泥だらけのドレスの裾を気にしながら、部屋の中をキョロキョロと見回していた。
修道院での強制労働(主にジャガイモ掘り)から逃げ出し、何日もかけて王都へ戻ってきた彼女の姿は、かつての「守ってあげたい令嬢」の面影もなく、ただの薄汚れた家出娘だ。
「でも、大丈夫……。クロード公爵様にお会いすれば、きっと私の魅力で……」
彼女は手鏡を取り出し、厚く塗りたくった化粧を確認した。
やつれた頬はチークで隠し、目の下のクマはコンシーラーで埋めた。
彼女の計算では、無骨な騎士団長などは、涙ながらに縋り付けばイチコロのはずだった。
「お待たせしました」
ガチャリと扉が開き、私がクロード様を伴って入室した。
「クロード様ぁっ!」
私の姿を見た瞬間、リリナは私(マーヤ)の存在を完全に無視し、クロード様に向かってダイブした。
「会いたかったですぅ! リリナ、怖かった! あんな芋だらけの場所、私のいるべき場所じゃありませんの!」
彼女はクロード様の足元に滑り込み、その太ももに抱きつこうとした。
だが。
スッ。
クロード様は無慈悲なまでの反応速度で、半歩後ろに下がった。
リリナの手は空を切り、彼女は無様に床にベシャリと倒れ込んだ。
「あうっ!?」
「……汚い手で触れるな。私のトレーニングパンツは特注品だ。泥がつくと繊維が痛む」
クロード様は見下ろす視線だけで彼女を一刀両断した。
その目は、這い回る虫を見るよりも冷たい。
「ひ、ひどい……! クロード様、どうしてそんなに冷たいの? リリナはこんなに貴方をお慕いしているのに!」
リリナは床に座り込んだまま、涙ながらに訴えた。
上目遣いで、胸元を強調するポーズ。
かつてジュリアン殿下を骨抜きにした必殺技だ。
「見てください、このか弱い腕! 折れそうな足! マーヤ様のようなゴリラ女とは違う、守ってあげたくなる儚さがリリナにはありますわ!」
「……ゴリラだと?」
ピクリ。
クロード様の眉が跳ね上がった。
同時に、部屋の隅に控えていたセバスやメイドたちの目つきも鋭くなる。
「ええ、そうですわ! あんな筋肉だらけの女、女としての魅力なんてありません! クロード様には、リリナのような可愛らしい花がお似合いです!」
リリナは勝機ありと見たのか、さらに捲し立てた。
「私を選んでくださいまし! そうすれば、毎日貴方を癒やして差し上げますわ! こんな鉄臭い部屋も捨てて、また優雅な公爵家に戻しましょう?」
彼女の演説が終わると、部屋には重苦しい沈黙が流れた。
私は扇で口元を隠し、ため息をついた。
(あーあ、地雷を踏み抜いたわね……)
クロード様はゆっくりとリリナの前にしゃがみ込んだ。
「……君は、何か勘違いをしているようだ」
「えっ? 勘違い?」
「君は自分のことを『か弱い』『儚い』と言ったな。……それを魅力だと思っているのか?」
「と、当然ですわ! 女は弱くて可愛いのが一番……」
「愚かだ」
クロード様は吐き捨てるように言った。
「弱さとは、罪だ。自分の足で立てず、他人に寄生し、守られることだけを求める……それは『可愛い』のではなく、『未熟』なだけだ」
「なっ……!?」
「それに比べて、マーヤを見ろ」
クロード様は立ち上がり、私の腰を抱き寄せた。
「彼女の背中には、信念という名の筋肉が宿っている。彼女の腕は、自分の人生を切り開く力に満ちている。……そして何より」
彼は私の二の腕を愛おしそうに撫でた。
「この上腕三頭筋のハリ。君のプヨプヨとした脂肪の腕とは、造形美としての次元が違う」
「ぞ、造形美……!?」
「君には足りないものが多すぎる。大胸筋も、広背筋も、そして努力する才能もだ。……そんな『スカスカ』な女に、私が魅力を感じるとでも?」
「そ、そんな……! 筋肉がないとダメなの!? 意味が分からないわよ!」
リリナが絶叫する。
無理もない。彼女の価値観(可愛い=正義)が、ここでは通用しないのだから。
「ええ、分かりませんわよねリリナ様」
私は哀れむように声をかけた。
「この屋敷の共通言語は『マッスル』ですの。貴女の細腕では、ここのドアノブ一つ回せませんわよ?」
「う、うるさい! こんなのおかしいわ! 私はヒロインなのよ! あんたなんかに負けるはずがない!」
リリナは錯乱し、懐から何かを取り出した。
果物ナイフだ。
修道院の食堂から盗んできたのだろう。
「マーヤさえいなければ! あんたがいなくなれば、また私の世界に戻るのよ!」
彼女はナイフを構え、私に向かって突進してきた。
ヒロインにあるまじき凶行。
だが、その動きはあまりにも遅く、そして貧弱だった。
「お嬢様! 下がってください!」
私が動くよりも早く、影が動いた。
メイドのエマだ。
彼女はリリナの前に立ちはだかると、突き出されたナイフを手首のスナップだけでパシッと叩き落とした。
「痛っ!?」
「公爵邸での暴力行為、看過できません!」
「な、なによメイドの分際で! どきなさい!」
リリナがエマを突き飛ばそうと手を伸ばす。
しかし、エマはビクともしない。
逆に、エマはリリナの腕を掴み、軽く捻り上げた。
「なっ……!? 痛い痛い!」
「失礼いたします。……最近、家事の合間に『合気道』も習っておりまして」
エマは涼しい顔でリリナを制圧し、そのまま床に組み伏せた。
その上腕には、メイド服の上からでも分かる美しい力こぶが浮き上がっている。
「うそ……メイドまでゴリラなの……!?」
リリナは絶望の表情で床に這いつくばった。
「お見事ね、エマ。三角筋の使い方が上手くなったわ」
「ありがとうございます、奥様!」
私が褒めると、エマは嬉しそうに微笑んだ。
もはや、この屋敷に「か弱い女性」は一人も存在しないのだ。
「……連れて行け」
クロード様が冷たく命じた。
「衛兵に突き出せ。脱走兵として、今度はもっと警備の厳しい『北の孤島』の監獄へ送られるだろう」
「い、嫌ぁぁぁ! 監獄なんて嫌! ジュリアン様ぁ! 助けてぇぇ!」
リリナが泣き叫ぶが、誰も助けには来ない。
いや、一人だけ、廊下をモップ掛けしていた人物が反応した。
「リ、リリナ……?」
ボロボロの作業着を着たジュリアン(新人バイト)だ。
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「ジュリアン様! いたのね! 助けて!」
リリナが目を輝かせる。
しかし、ジュリアンはサッと目を逸らし、猛烈な勢いでモップ掛けを再開した。
「……知らない人だ。僕は忙しいんだ。ノルマが終わらないと夕飯のササミが増量されないんだ……」
「ジュリアン様ぁぁぁ!?」
かつての恋人にも見捨てられ、リリナはセバスとエマによってズルズルと引きずられていった。
廊下の向こうへ消えていく彼女の悲鳴は、公爵邸の誰も気に留めることはなかった。
「……騒がしい客だったな」
クロード様がため息をつく。
「ええ。でも、これで本当に邪魔者は消えましたわ」
私は彼の腕を取り、見上げた。
「おかげで、二人の時間が邪魔されずに済みますわね」
「……ああ。続きをしようか」
「続き?」
「トレーニングの続きだ。……今日は、私の背中に乗って『加重腕立て伏せ』をしてくれる約束だっただろう?」
「ふふっ、そうでしたわね。では、遠慮なく乗らせていただきますわ」
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