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狂乱の「マッスル・ウェディング」がお開きとなり、夜も更けた頃。
私とクロード様は、ようやく二人きりになれた。
場所は公爵邸の主寝室。
ただし、私の改造によって天井からはロープが垂れ下がり、部屋の隅にはダンベルタワーが鎮座している、どう見てもジムにしか見えない部屋である。
「……ふぅ。長い一日だったな」
クロード様が重厚な扉を閉め、カチャリと鍵をかけた。
その音が、静寂を取り戻した部屋に大きく響く。
祭りの後の静けさ。
そして、これから始まる「夫婦としての時間」への期待と緊張感が、空気中に漂っていた。
「ええ。皆様、とても楽しんでくださったみたいで何よりですわ」
私は努めて明るく振る舞いながら、ドレッサーの前でアクセサリーを外し始めた。
鏡越しに見る自分の顔が、少し赤い気がする。
それは、お酒のせいではない。
(つ、ついに……この時が来てしまったわ)
私はゴクリと喉を鳴らした。
初夜。
それは、夫婦が初めて心と体を重ね合わせる神聖な儀式。
だが、私の脳内を占めているのは、ロマンスよりも「好奇心」だった。
(服の上からでも分かるあの筋肉を、遮るものなく観察できる……! 触診し放題! 計測し放題! これ以上の娯楽があるかしら!?)
私の邪な思考を知ってか知らずか、クロード様が背後から近づいてきた。
「手伝おう」
彼は私の背中に手を回し、ドレスのファスナーをゆっくりと下ろした。
太い指先が、背骨のラインをなぞる。
ゾクリとした感覚に、私は思わず身を震わせた。
「……背中の筋肉も、随分と仕上がってきたな。広背筋下部のラインが美しい」
「あ、ありがとうございます。……懸垂の回数を増やしたおかげですわ」
なんて色気のない会話だろう。
でも、耳元で囁かれる彼のバリトンボイスは、どんな愛の言葉よりも甘く響く。
ドレスが床に滑り落ち、私は薄いシュミーズ姿になった。
少し肌寒い……はずなのに、彼の体温が近くにあるだけで熱い。
「マーヤ」
彼は私を抱き上げ(もちろん片手で)、ベッドへと運んだ。
「きゃっ!」
ボヨンッ!!
彼が私をベッドに下ろした瞬間、ものすごい反発力で体が跳ねた。
そう、これは私が導入した『体幹トレーニング・高反発マットレス』である。
「……やはり、このベッドは落ち着かんな」
「慣れれば、寝返りを打つだけでインナーマッスルが鍛えられますわよ」
「……今夜くらいは、鍛錬を忘れたいのだが」
彼は苦笑しつつ、自身もタキシードを脱ぎ始めた。
ジャケット、ベスト、そしてシャツ。
一枚ずつ剥がされていくたびに、私の鼓動は早鐘を打つ。
そして。
彼の上半身が露わになった。
「っ……!!」
私は息を呑んだ。
間近で見る、破壊的なまでの肉体美。
昼間の式場でも見たけれど、薄暗い寝室の間接照明の下で見ると、その陰影はより深く、より官能的に浮かび上がっていた。
「……どうだ? 幻滅したか?」
彼が少し恥ずかしそうに尋ねる。
体中に刻まれた無数の古傷。
それは彼が騎士として戦ってきた歴史そのものだ。
「いいえ……。芸術ですわ」
私は思わず手を伸ばし、彼の胸板に触れた。
(硬っ……!)
岩だ。
温かい岩盤だ。
指先が沈み込まないほどの弾力。
「大胸筋上部の厚みが、先月よりも増していますわね。……ベンチプレスの重量を上げました?」
「……ああ。君を守るために、な」
「僧帽筋(そうぼうきん)の盛り上がりも素敵。ここ、少し凝っていますわよ」
私が肩の筋肉を揉むと、彼は「んっ」と小さく声を漏らした。
「そこは……効くな」
「三角筋中部もパンパンですわ。……ふふ、新郎というのも重労働ですものね」
私は夢中で彼の体をまさぐった……いや、触診した。
上腕、前腕、腹直筋。
どこを触ってもパーフェクトな仕上がり。
私の手は止まらない。
「ああっ、この外腹斜筋(がいふくしゃきん)の溝……! 指が挟まりそうですわ! なんてセクシーなカット!」
「マ、マーヤ……くすぐったい」
「そしてこの脊柱起立筋! 深い谷間ができています! ここに水を流したら、そのまま下まで一滴もこぼさずに到達しそうですわ!」
「……例えが独特すぎる」
私のマニアックな称賛に、クロード様は困ったように笑っていたが、やがてその表情が変わった。
私の手をガシッと掴み、動きを止める。
「……もう、検査は終わりか?」
「えっ? いえ、まだ大腿四頭筋(太もも)のチェックが……」
「却下だ」
彼は私を強い力で引き寄せ、高反発マットレスの上に押し倒した。
ボヨン、と跳ねる体を、彼の重厚な体が上から抑え込む。
「これからは……私の番だ」
「クロード様……」
彼の瞳が、熱を帯びて光っている。
そこにはもう、筋肉への評価も、トレーナーとしての目線もない。
ただ一人の男としての、強烈な情熱だけがあった。
「君の筋肉も……私がチェックさせてもらおう」
「えっ……あ、お手柔らかに……」
彼の大きな手が、私の腰を撫でる。
ゴツゴツとした掌の感触。
タコだらけの指。
それらが肌に触れるたびに、私の体の奥が熱くなっていく。
「……柔らかいな」
「そ、そんなことありませんわ! 腹筋だって割れていますし!」
「いや。……女性らしい、柔らかさだ」
彼は私の首筋に顔を埋め、甘噛みした。
「んっ……!」
「いつもは強がっていても……君は、女の子だ」
「……当たり前ですわ」
私は彼の広い背中に腕を回し、しがみついた。
広背筋の頼もしい広さ。
この背中が、これからはずっと私を守ってくれる。
「クロード様……電気、消してくださいまし」
「……なぜだ? 君の美しいトライセプス(上腕三頭筋)が見えないぞ」
「茶化さないでください! ……恥ずかしいのです」
「ふっ……可愛いな」
彼が指を鳴らすと、魔道具の照明がフッと落ちた。
部屋は月明かりだけの世界になる。
暗闇の中で、衣擦れの音と、互いの呼吸音だけが響く。
「愛している、マーヤ」
「私もです、クロード様」
私たちは唇を重ねた。
トレーニングの時の掛け声とは違う、甘く濡れた吐息が漏れる。
「……んっ、クロード様、そこは……」
「大殿筋(だいでんきん)か? 力が入っているぞ」
「ち、違います……! もっと……優しく……」
「力を抜け。……ストレッチをする時と同じだ。深呼吸をして」
「……はぁ……、はい……」
ロマンチックなんだか、トレーニングなんだか分からない会話。
でも、繋がった手と手から伝わる体温は、確かに愛おしいものだった。
高反発マットレスが、私たちの愛のリズムに合わせて激しく揺れる。
トランポリンの上で愛し合っているような奇妙な感覚だったが、体幹が鍛えられている私たちには造作もないことだった。
こうして、私たちの初夜は更けていった。
筋肉への賛美と、尽きることのない愛の言葉と共に。
◇
翌朝。
「……おはよう、マーヤ」
「おはようございます、クロード様」
私たちは同じベッドで目覚めた。
カーテンの隙間から朝日が差し込んでいる。
「体は、痛くないか?」
彼が心配そうに聞いてくる。
私は自分の体を確認した。
全身に心地よい倦怠感がある。
まるで、限界まで追い込んだトレーニングの翌日のようだ。
「ええ、大丈夫ですわ。……むしろ、心地よい筋肉痛(のようなもの)です」
「そうか。……それはよかった」
彼は安心して微笑み、そしてサイドテーブルに手を伸ばした。
そこには、昨夜のうちに用意しておいたシェイカーがあった。
「……朝の一杯、いくか?」
「ええ、もちろん」
私たちはベッドの上で、プロテイン入りのグラスを掲げた。
「私たちの、新しい朝に」
「乾杯マッスル」
チンッ。
グラスが触れ合う音が、幸せな一日の始まりを告げる。
「さあ、飲み干したらランニングに行きますわよ! 有酸素運動で脂肪を燃焼させないと!」
「……新婚初日からか。手厳しいな」
「夫婦円満の秘訣は、共通の趣味(筋トレ)ですもの!」
私はシーツを跳ね除け、窓を開け放った。
入ってくる風は、希望と活力に満ちていた。
最強の筋肉夫婦の伝説は、まだ始まったばかりだ。
私とクロード様は、ようやく二人きりになれた。
場所は公爵邸の主寝室。
ただし、私の改造によって天井からはロープが垂れ下がり、部屋の隅にはダンベルタワーが鎮座している、どう見てもジムにしか見えない部屋である。
「……ふぅ。長い一日だったな」
クロード様が重厚な扉を閉め、カチャリと鍵をかけた。
その音が、静寂を取り戻した部屋に大きく響く。
祭りの後の静けさ。
そして、これから始まる「夫婦としての時間」への期待と緊張感が、空気中に漂っていた。
「ええ。皆様、とても楽しんでくださったみたいで何よりですわ」
私は努めて明るく振る舞いながら、ドレッサーの前でアクセサリーを外し始めた。
鏡越しに見る自分の顔が、少し赤い気がする。
それは、お酒のせいではない。
(つ、ついに……この時が来てしまったわ)
私はゴクリと喉を鳴らした。
初夜。
それは、夫婦が初めて心と体を重ね合わせる神聖な儀式。
だが、私の脳内を占めているのは、ロマンスよりも「好奇心」だった。
(服の上からでも分かるあの筋肉を、遮るものなく観察できる……! 触診し放題! 計測し放題! これ以上の娯楽があるかしら!?)
私の邪な思考を知ってか知らずか、クロード様が背後から近づいてきた。
「手伝おう」
彼は私の背中に手を回し、ドレスのファスナーをゆっくりと下ろした。
太い指先が、背骨のラインをなぞる。
ゾクリとした感覚に、私は思わず身を震わせた。
「……背中の筋肉も、随分と仕上がってきたな。広背筋下部のラインが美しい」
「あ、ありがとうございます。……懸垂の回数を増やしたおかげですわ」
なんて色気のない会話だろう。
でも、耳元で囁かれる彼のバリトンボイスは、どんな愛の言葉よりも甘く響く。
ドレスが床に滑り落ち、私は薄いシュミーズ姿になった。
少し肌寒い……はずなのに、彼の体温が近くにあるだけで熱い。
「マーヤ」
彼は私を抱き上げ(もちろん片手で)、ベッドへと運んだ。
「きゃっ!」
ボヨンッ!!
彼が私をベッドに下ろした瞬間、ものすごい反発力で体が跳ねた。
そう、これは私が導入した『体幹トレーニング・高反発マットレス』である。
「……やはり、このベッドは落ち着かんな」
「慣れれば、寝返りを打つだけでインナーマッスルが鍛えられますわよ」
「……今夜くらいは、鍛錬を忘れたいのだが」
彼は苦笑しつつ、自身もタキシードを脱ぎ始めた。
ジャケット、ベスト、そしてシャツ。
一枚ずつ剥がされていくたびに、私の鼓動は早鐘を打つ。
そして。
彼の上半身が露わになった。
「っ……!!」
私は息を呑んだ。
間近で見る、破壊的なまでの肉体美。
昼間の式場でも見たけれど、薄暗い寝室の間接照明の下で見ると、その陰影はより深く、より官能的に浮かび上がっていた。
「……どうだ? 幻滅したか?」
彼が少し恥ずかしそうに尋ねる。
体中に刻まれた無数の古傷。
それは彼が騎士として戦ってきた歴史そのものだ。
「いいえ……。芸術ですわ」
私は思わず手を伸ばし、彼の胸板に触れた。
(硬っ……!)
岩だ。
温かい岩盤だ。
指先が沈み込まないほどの弾力。
「大胸筋上部の厚みが、先月よりも増していますわね。……ベンチプレスの重量を上げました?」
「……ああ。君を守るために、な」
「僧帽筋(そうぼうきん)の盛り上がりも素敵。ここ、少し凝っていますわよ」
私が肩の筋肉を揉むと、彼は「んっ」と小さく声を漏らした。
「そこは……効くな」
「三角筋中部もパンパンですわ。……ふふ、新郎というのも重労働ですものね」
私は夢中で彼の体をまさぐった……いや、触診した。
上腕、前腕、腹直筋。
どこを触ってもパーフェクトな仕上がり。
私の手は止まらない。
「ああっ、この外腹斜筋(がいふくしゃきん)の溝……! 指が挟まりそうですわ! なんてセクシーなカット!」
「マ、マーヤ……くすぐったい」
「そしてこの脊柱起立筋! 深い谷間ができています! ここに水を流したら、そのまま下まで一滴もこぼさずに到達しそうですわ!」
「……例えが独特すぎる」
私のマニアックな称賛に、クロード様は困ったように笑っていたが、やがてその表情が変わった。
私の手をガシッと掴み、動きを止める。
「……もう、検査は終わりか?」
「えっ? いえ、まだ大腿四頭筋(太もも)のチェックが……」
「却下だ」
彼は私を強い力で引き寄せ、高反発マットレスの上に押し倒した。
ボヨン、と跳ねる体を、彼の重厚な体が上から抑え込む。
「これからは……私の番だ」
「クロード様……」
彼の瞳が、熱を帯びて光っている。
そこにはもう、筋肉への評価も、トレーナーとしての目線もない。
ただ一人の男としての、強烈な情熱だけがあった。
「君の筋肉も……私がチェックさせてもらおう」
「えっ……あ、お手柔らかに……」
彼の大きな手が、私の腰を撫でる。
ゴツゴツとした掌の感触。
タコだらけの指。
それらが肌に触れるたびに、私の体の奥が熱くなっていく。
「……柔らかいな」
「そ、そんなことありませんわ! 腹筋だって割れていますし!」
「いや。……女性らしい、柔らかさだ」
彼は私の首筋に顔を埋め、甘噛みした。
「んっ……!」
「いつもは強がっていても……君は、女の子だ」
「……当たり前ですわ」
私は彼の広い背中に腕を回し、しがみついた。
広背筋の頼もしい広さ。
この背中が、これからはずっと私を守ってくれる。
「クロード様……電気、消してくださいまし」
「……なぜだ? 君の美しいトライセプス(上腕三頭筋)が見えないぞ」
「茶化さないでください! ……恥ずかしいのです」
「ふっ……可愛いな」
彼が指を鳴らすと、魔道具の照明がフッと落ちた。
部屋は月明かりだけの世界になる。
暗闇の中で、衣擦れの音と、互いの呼吸音だけが響く。
「愛している、マーヤ」
「私もです、クロード様」
私たちは唇を重ねた。
トレーニングの時の掛け声とは違う、甘く濡れた吐息が漏れる。
「……んっ、クロード様、そこは……」
「大殿筋(だいでんきん)か? 力が入っているぞ」
「ち、違います……! もっと……優しく……」
「力を抜け。……ストレッチをする時と同じだ。深呼吸をして」
「……はぁ……、はい……」
ロマンチックなんだか、トレーニングなんだか分からない会話。
でも、繋がった手と手から伝わる体温は、確かに愛おしいものだった。
高反発マットレスが、私たちの愛のリズムに合わせて激しく揺れる。
トランポリンの上で愛し合っているような奇妙な感覚だったが、体幹が鍛えられている私たちには造作もないことだった。
こうして、私たちの初夜は更けていった。
筋肉への賛美と、尽きることのない愛の言葉と共に。
◇
翌朝。
「……おはよう、マーヤ」
「おはようございます、クロード様」
私たちは同じベッドで目覚めた。
カーテンの隙間から朝日が差し込んでいる。
「体は、痛くないか?」
彼が心配そうに聞いてくる。
私は自分の体を確認した。
全身に心地よい倦怠感がある。
まるで、限界まで追い込んだトレーニングの翌日のようだ。
「ええ、大丈夫ですわ。……むしろ、心地よい筋肉痛(のようなもの)です」
「そうか。……それはよかった」
彼は安心して微笑み、そしてサイドテーブルに手を伸ばした。
そこには、昨夜のうちに用意しておいたシェイカーがあった。
「……朝の一杯、いくか?」
「ええ、もちろん」
私たちはベッドの上で、プロテイン入りのグラスを掲げた。
「私たちの、新しい朝に」
「乾杯マッスル」
チンッ。
グラスが触れ合う音が、幸せな一日の始まりを告げる。
「さあ、飲み干したらランニングに行きますわよ! 有酸素運動で脂肪を燃焼させないと!」
「……新婚初日からか。手厳しいな」
「夫婦円満の秘訣は、共通の趣味(筋トレ)ですもの!」
私はシーツを跳ね除け、窓を開け放った。
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