8 / 28
8
しおりを挟む
翌朝、九時きっかり。
私は王宮の北門に立っていた。
今日の装いは、特注のダークネイビーのパンツスーツ。
髪はきっちりと後ろでまとめ、伊達メガネ(知的に見える効果がある)を装着。
足元は走り回れるように、ヒールの低い革靴だ。
「よし。戦闘準備完了」
私は懐中時計を確認する。
九時五分前。完璧なオンタイムだ。
門の前には、昨日会ったギルの……いや、ギルさんの部下らしき騎士が待っていた。
「メメリア様ですね。お待ちしておりました。こちらへ」
案内されたのは、煌びやかな王宮の表舞台……ではなく、その裏手にある石造りの堅牢な建物だった。
「ここは?」
「行政棟です。国の頭脳が集まる場所ですね」
騎士はそう言うが、建物からはどす黒いオーラが漂っている。
廊下ですれ違う職員たちの目は死んだ魚のようだし、どこからか「もう無理だ……」「家に帰りたい……」という怨嗟の声が聞こえてくる。
(……嫌な予感がするわ。この空気、決算期の経理部と同じ匂いがする)
私の防衛本能が警鐘を鳴らす中、騎士はある重厚な扉の前で足を止めた。
『宰相執務室』
金色のプレートが輝いている。
「こちらです。閣下がお待ちです」
騎士が扉をノックし、開ける。
「失礼します! 新人をお連れしました!」
私は背筋を伸ばし、颯爽と部屋に入った。
「おはようございます。本日付で配属されました、メメリア・オルコッ……」
挨拶は、途中で止まった。
なぜなら、目の前に広がっていた光景が、あまりにも『地獄』だったからだ。
広い執務室の中は、書類、書類、書類の山だった。
床が見えない。
机も見えない。
書類の塔が迷路のようにそびえ立ち、その隙間を、顔色の悪い文官たちがゾンビのように彷徨っている。
「な……なによこれ……? 古紙回収センター?」
私が呆然としていると、書類の山の一つが崩れ、その奥から一人の男が現れた。
「やあ、来たか。時間通りだな」
執務机(らしき場所)に座り、優雅に羽ペンを走らせていたのは、あのギルだった。
ただし、今日の彼は行商人のローブではない。
王族だけが許される漆黒の軍服に、豪華な肩章。
そして、その胸には「宰相」であることを示す徽章が輝いている。
「……あら、ギルさん。随分と立派なコスプレね」
私が引きつった笑みで言うと、彼はペンを置いて立ち上がった。
その瞬間、周囲の文官たちが一斉に直立不動になる。
「紹介が遅れたな。私はギルバート・フォン・アルカディア。この国の第一王子であり、宰相を務めている」
「……は?」
第一王子? 宰相?
私の脳内データベースが高速検索をかける。
隣国アルカディアの「鉄血宰相」。
冷徹な合理主義者で、国を富ませるためには手段を選ばないという、あの……?
「騙していたわけではない。身分を明かすと、皆が萎縮して本音を話さないのでな」
ギルバート殿下(昇格)は、悪びれもせずニヤリと笑った。
「どうだ? 驚いたか?」
「ええ、驚きました」
私は伊達メガネの位置を直した。
「てっきり、あなたはただの人材コーディネーターかと思っていましたが……まさか、この『ゴミ屋敷』の最高責任者だったとは」
「……ゴミ屋敷?」
「ええ。これのどこが執務室ですか? これはただの『未処理案件の墓場』です!」
私は書類の山を指差して叫んだ。
相手が王子だろうが宰相だろうが関係ない。
この非効率な空間が、私の美学を土足で踏みにじっていることの方が大罪だ。
「見てください、この書類! 日付が三ヶ月前のものですよ!? こっちは承認印が押されてないまま放置されてる! あそこの文官なんて、書類の山に埋もれて寝てるじゃないですか!」
私はズカズカと部屋の中へ進軍した。
「あ、危ないぞメメリア! その辺りは『未決裁の樹海』と呼ばれていて……」
「黙りなさい! 今日から私がここを管理します!」
私は近くにいた文官の手から、書類の束をひったくった。
パラパラと内容を確認する。
「……なるほど。予算申請書、陳情書、報告書がごちゃ混ぜね。優先順位(プライオリティ)の概念がないのかしら」
私は深呼吸をした。
そして、部屋全体に響き渡る声で宣言した。
「全員、作業中止! これより『執務室・大掃除作戦』を開始します!」
文官たちがポカンとしている。
ギルバート殿下だけが、面白そうに腕を組んで見ている。
「まず、部屋の真ん中に線を引いて! 右側を『即時処理』、左側を『ゴミ箱行き』にします!」
「ご、ゴミ箱行き……ですか?」
死にそうな顔をした文官長がおずおずと尋ねる。
「ええ。期限切れの陳情書、内容のない報告書、時候の挨拶だけの書簡。これらは全て資源ゴミです。燃えるゴミの日に出しなさい!」
「し、しかし、貴族からの手紙を捨てるなんて……」
「私が責任を持ちます! 文句があるなら私に言いに来させなさい! 『私が捨てました』と笑顔で答えてあげるから!」
私の迷いのない指示に、文官たちがざわめき始める。
彼らは今まで、上からの顔色を伺って、何も捨てられずにいたのだ。
そこに現れた、責任を取ると言い切る謎の女。
彼らの目に、希望の光が宿り始めた。
「さあ、動いて! まずは床を見せること! それが第一目標よ!」
「は、はいっ!」
「了解しました!」
ゾンビだった文官たちが、水を得た魚のように動き出す。
私はその中心で、次々と運ばれてくる書類を捌いていった。
「これは却下!」
「これは承認、殿下のハンコ待ちボックスへ!」
「これは書き直し、赤ペン入れて突き返して!」
「これは……読めない! 字が汚い! 書き直し!」
バサッ、バサッ、バサッ!
書類が舞う。
私の処理速度は、もはや人間のそれではない。
公爵家で鍛え上げた事務能力と、エリオット殿下の尻拭いで培った「ダメな書類を見抜く目」が火を吹く。
「すごい……」
「なんだあの速さは……」
「女神だ……事務処理の女神が舞い降りた……」
いつしか、文官たちの私を見る目が、崇拝に近いものに変わっていた。
そして一時間後。
あんなに高かった書類の山は、綺麗さっぱり消滅していた。
床が見える。
窓から光が入る。
空気が美味しい。
「ふぅ……。とりあえず、第一段階クリアね」
私は額の汗を拭い、満足げに腰に手を当てた。
部屋の隅には、天井まで届きそうな「処分書類」の山と、綺麗に整頓された「決裁待ち」のトレイが並んでいる。
静まり返った執務室で、パチパチパチ、と拍手の音が響いた。
「見事だ。……まさか、あの一ヶ月分の滞留案件を、わずか一時間で片付けるとは」
ギルバート殿下が、心底感心したように歩み寄ってきた。
「私の目に狂いはなかったようだ。君はまさに、私が求めていた『最強の右腕』だ」
「お褒めにあずかり光栄です、殿下」
私はツンと澄まして答えた。
「ですが、これで終わりではありませんよ。これはただの対症療法。根本的なシステムを変えない限り、また一ヶ月後には元通りです」
「ほう? では、どうすればいい?」
「業務フローの全面見直しが必要です。決裁権限の委譲、ペーパーレス化、そして何より……」
私は殿下の胸元をビシッと指差した。
「トップである殿下が、全ての書類に目を通そうとする『完璧主義』をやめることです。部下を信じて任せる。それが上司の仕事(タスク)です」
その言葉に、ギルバート殿下は一瞬きょとんとし、それから今日一番の大きな声で笑った。
「ははは! 私に説教をするとは! 父上でも遠慮するというのに!」
「残業代に含まれる業務ですので」
「いいだろう。気に入った。……メメリア、君に全権を与える。この執務室を、いや、この国の行政を、君の色に染めてくれ」
殿下は私の手を取り、その甲に恭しく口づけを落とした。
……普通なら、ここでときめく場面なのだろう。
しかし、私は冷静に計算していた。
(この権限委譲……つまり、責任重大ってことよね? 基本給アップの交渉材料(カード)になるわ)
「承知いたしました。では早速ですが、殿下」
私は手を引き抜き、うず高く積まれた「決裁待ちトレイ」をドン!と彼の前に置いた。
「部下が整理したこの重要書類、今日中に全てハンコを押してくださいね。終わるまで帰しませんから」
「……え?」
「定時退社が私の条件です。上司が残っていると帰りづらいので、さっさと片付けてください」
「……鬼か、君は」
「いいえ、メメリアです」
私はニッコリと微笑み、羽ペンを殿下に握らせた。
こうして、私の王宮での初日は、宰相閣下を定時まで監視し続けるという、前代未聞の業務で幕を開けたのだった。
私は王宮の北門に立っていた。
今日の装いは、特注のダークネイビーのパンツスーツ。
髪はきっちりと後ろでまとめ、伊達メガネ(知的に見える効果がある)を装着。
足元は走り回れるように、ヒールの低い革靴だ。
「よし。戦闘準備完了」
私は懐中時計を確認する。
九時五分前。完璧なオンタイムだ。
門の前には、昨日会ったギルの……いや、ギルさんの部下らしき騎士が待っていた。
「メメリア様ですね。お待ちしておりました。こちらへ」
案内されたのは、煌びやかな王宮の表舞台……ではなく、その裏手にある石造りの堅牢な建物だった。
「ここは?」
「行政棟です。国の頭脳が集まる場所ですね」
騎士はそう言うが、建物からはどす黒いオーラが漂っている。
廊下ですれ違う職員たちの目は死んだ魚のようだし、どこからか「もう無理だ……」「家に帰りたい……」という怨嗟の声が聞こえてくる。
(……嫌な予感がするわ。この空気、決算期の経理部と同じ匂いがする)
私の防衛本能が警鐘を鳴らす中、騎士はある重厚な扉の前で足を止めた。
『宰相執務室』
金色のプレートが輝いている。
「こちらです。閣下がお待ちです」
騎士が扉をノックし、開ける。
「失礼します! 新人をお連れしました!」
私は背筋を伸ばし、颯爽と部屋に入った。
「おはようございます。本日付で配属されました、メメリア・オルコッ……」
挨拶は、途中で止まった。
なぜなら、目の前に広がっていた光景が、あまりにも『地獄』だったからだ。
広い執務室の中は、書類、書類、書類の山だった。
床が見えない。
机も見えない。
書類の塔が迷路のようにそびえ立ち、その隙間を、顔色の悪い文官たちがゾンビのように彷徨っている。
「な……なによこれ……? 古紙回収センター?」
私が呆然としていると、書類の山の一つが崩れ、その奥から一人の男が現れた。
「やあ、来たか。時間通りだな」
執務机(らしき場所)に座り、優雅に羽ペンを走らせていたのは、あのギルだった。
ただし、今日の彼は行商人のローブではない。
王族だけが許される漆黒の軍服に、豪華な肩章。
そして、その胸には「宰相」であることを示す徽章が輝いている。
「……あら、ギルさん。随分と立派なコスプレね」
私が引きつった笑みで言うと、彼はペンを置いて立ち上がった。
その瞬間、周囲の文官たちが一斉に直立不動になる。
「紹介が遅れたな。私はギルバート・フォン・アルカディア。この国の第一王子であり、宰相を務めている」
「……は?」
第一王子? 宰相?
私の脳内データベースが高速検索をかける。
隣国アルカディアの「鉄血宰相」。
冷徹な合理主義者で、国を富ませるためには手段を選ばないという、あの……?
「騙していたわけではない。身分を明かすと、皆が萎縮して本音を話さないのでな」
ギルバート殿下(昇格)は、悪びれもせずニヤリと笑った。
「どうだ? 驚いたか?」
「ええ、驚きました」
私は伊達メガネの位置を直した。
「てっきり、あなたはただの人材コーディネーターかと思っていましたが……まさか、この『ゴミ屋敷』の最高責任者だったとは」
「……ゴミ屋敷?」
「ええ。これのどこが執務室ですか? これはただの『未処理案件の墓場』です!」
私は書類の山を指差して叫んだ。
相手が王子だろうが宰相だろうが関係ない。
この非効率な空間が、私の美学を土足で踏みにじっていることの方が大罪だ。
「見てください、この書類! 日付が三ヶ月前のものですよ!? こっちは承認印が押されてないまま放置されてる! あそこの文官なんて、書類の山に埋もれて寝てるじゃないですか!」
私はズカズカと部屋の中へ進軍した。
「あ、危ないぞメメリア! その辺りは『未決裁の樹海』と呼ばれていて……」
「黙りなさい! 今日から私がここを管理します!」
私は近くにいた文官の手から、書類の束をひったくった。
パラパラと内容を確認する。
「……なるほど。予算申請書、陳情書、報告書がごちゃ混ぜね。優先順位(プライオリティ)の概念がないのかしら」
私は深呼吸をした。
そして、部屋全体に響き渡る声で宣言した。
「全員、作業中止! これより『執務室・大掃除作戦』を開始します!」
文官たちがポカンとしている。
ギルバート殿下だけが、面白そうに腕を組んで見ている。
「まず、部屋の真ん中に線を引いて! 右側を『即時処理』、左側を『ゴミ箱行き』にします!」
「ご、ゴミ箱行き……ですか?」
死にそうな顔をした文官長がおずおずと尋ねる。
「ええ。期限切れの陳情書、内容のない報告書、時候の挨拶だけの書簡。これらは全て資源ゴミです。燃えるゴミの日に出しなさい!」
「し、しかし、貴族からの手紙を捨てるなんて……」
「私が責任を持ちます! 文句があるなら私に言いに来させなさい! 『私が捨てました』と笑顔で答えてあげるから!」
私の迷いのない指示に、文官たちがざわめき始める。
彼らは今まで、上からの顔色を伺って、何も捨てられずにいたのだ。
そこに現れた、責任を取ると言い切る謎の女。
彼らの目に、希望の光が宿り始めた。
「さあ、動いて! まずは床を見せること! それが第一目標よ!」
「は、はいっ!」
「了解しました!」
ゾンビだった文官たちが、水を得た魚のように動き出す。
私はその中心で、次々と運ばれてくる書類を捌いていった。
「これは却下!」
「これは承認、殿下のハンコ待ちボックスへ!」
「これは書き直し、赤ペン入れて突き返して!」
「これは……読めない! 字が汚い! 書き直し!」
バサッ、バサッ、バサッ!
書類が舞う。
私の処理速度は、もはや人間のそれではない。
公爵家で鍛え上げた事務能力と、エリオット殿下の尻拭いで培った「ダメな書類を見抜く目」が火を吹く。
「すごい……」
「なんだあの速さは……」
「女神だ……事務処理の女神が舞い降りた……」
いつしか、文官たちの私を見る目が、崇拝に近いものに変わっていた。
そして一時間後。
あんなに高かった書類の山は、綺麗さっぱり消滅していた。
床が見える。
窓から光が入る。
空気が美味しい。
「ふぅ……。とりあえず、第一段階クリアね」
私は額の汗を拭い、満足げに腰に手を当てた。
部屋の隅には、天井まで届きそうな「処分書類」の山と、綺麗に整頓された「決裁待ち」のトレイが並んでいる。
静まり返った執務室で、パチパチパチ、と拍手の音が響いた。
「見事だ。……まさか、あの一ヶ月分の滞留案件を、わずか一時間で片付けるとは」
ギルバート殿下が、心底感心したように歩み寄ってきた。
「私の目に狂いはなかったようだ。君はまさに、私が求めていた『最強の右腕』だ」
「お褒めにあずかり光栄です、殿下」
私はツンと澄まして答えた。
「ですが、これで終わりではありませんよ。これはただの対症療法。根本的なシステムを変えない限り、また一ヶ月後には元通りです」
「ほう? では、どうすればいい?」
「業務フローの全面見直しが必要です。決裁権限の委譲、ペーパーレス化、そして何より……」
私は殿下の胸元をビシッと指差した。
「トップである殿下が、全ての書類に目を通そうとする『完璧主義』をやめることです。部下を信じて任せる。それが上司の仕事(タスク)です」
その言葉に、ギルバート殿下は一瞬きょとんとし、それから今日一番の大きな声で笑った。
「ははは! 私に説教をするとは! 父上でも遠慮するというのに!」
「残業代に含まれる業務ですので」
「いいだろう。気に入った。……メメリア、君に全権を与える。この執務室を、いや、この国の行政を、君の色に染めてくれ」
殿下は私の手を取り、その甲に恭しく口づけを落とした。
……普通なら、ここでときめく場面なのだろう。
しかし、私は冷静に計算していた。
(この権限委譲……つまり、責任重大ってことよね? 基本給アップの交渉材料(カード)になるわ)
「承知いたしました。では早速ですが、殿下」
私は手を引き抜き、うず高く積まれた「決裁待ちトレイ」をドン!と彼の前に置いた。
「部下が整理したこの重要書類、今日中に全てハンコを押してくださいね。終わるまで帰しませんから」
「……え?」
「定時退社が私の条件です。上司が残っていると帰りづらいので、さっさと片付けてください」
「……鬼か、君は」
「いいえ、メメリアです」
私はニッコリと微笑み、羽ペンを殿下に握らせた。
こうして、私の王宮での初日は、宰相閣下を定時まで監視し続けるという、前代未聞の業務で幕を開けたのだった。
1
あなたにおすすめの小説
第一王子は私(醜女姫)と婚姻解消したいらしい
麻竹
恋愛
第一王子は病に倒れた父王の命令で、隣国の第一王女と結婚させられることになっていた。
しかし第一王子には、幼馴染で将来を誓い合った恋人である侯爵令嬢がいた。
しかし父親である国王は、王子に「侯爵令嬢と、どうしても結婚したければ側妃にしろ」と突っぱねられてしまう。
第一王子は渋々この婚姻を承諾するのだが……しかし隣国から来た王女は、そんな王子の決断を後悔させるほどの人物だった。
今日結婚した夫から2年経ったら出ていけと言われました
四折 柊
恋愛
子爵令嬢であるコーデリアは高位貴族である公爵家から是非にと望まれ結婚した。美しくもなく身分の低い自分が何故? 理由は分からないが自分にひどい扱いをする実家を出て幸せになれるかもしれないと淡い期待を抱く。ところがそこには思惑があり……。公爵は本当に愛する女性を妻にするためにコーデリアを利用したのだ。夫となった男は言った。「お前と本当の夫婦になるつもりはない。2年後には公爵邸から国外へ出ていってもらう。そして二度と戻ってくるな」と。(いいんですか? それは私にとって……ご褒美です!)
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
【完結】旦那様、わたくし家出します。
さくらもち
恋愛
とある王国のとある上級貴族家の新妻は政略結婚をして早半年。
溜まりに溜まった不満がついに爆破し、家出を決行するお話です。
名前無し設定で書いて完結させましたが、続き希望を沢山頂きましたので名前を付けて文章を少し治してあります。
名前無しの時に読まれた方は良かったら最初から読んで見てください。
登場人物のサイドストーリー集を描きましたのでそちらも良かったら読んでみてください( ˊᵕˋ*)
第二王子が10年後王弟殿下になってからのストーリーも別で公開中
彼は亡国の令嬢を愛せない
黒猫子猫
恋愛
セシリアの祖国が滅んだ。もはや妻としておく価値もないと、夫から離縁を言い渡されたセシリアは、五年ぶりに祖国の地を踏もうとしている。その先に待つのは、敵国による処刑だ。夫に愛されることも、子を産むことも、祖国で生きることもできなかったセシリアの願いはたった一つ。長年傍に仕えてくれていた人々を守る事だ。その願いは、一人の男の手によって叶えられた。
ただ、男が見返りに求めてきたものは、セシリアの想像をはるかに超えるものだった。
※同一世界観の関連作がありますが、これのみで読めます。本シリーズ初の長編作品です。
※ヒーローはスパダリ時々ポンコツです。口も悪いです。
お飾り妻は天井裏から覗いています。
七辻ゆゆ
恋愛
サヘルはお飾りの妻で、夫とは式で顔を合わせたきり。
何もさせてもらえず、退屈な彼女の趣味は、天井裏から夫と愛人の様子を覗くこと。そのうち、彼らの小説を書いてみようと思い立って……?
だってわたくし、悪女ですもの
さくたろう
恋愛
妹に毒を盛ったとして王子との婚約を破棄された令嬢メイベルは、あっさりとその罪を認め、罰として城を追放、おまけにこれ以上罪を犯さないように叔父の使用人である平民ウィリアムと結婚させられてしまった。
しかしメイベルは少しも落ち込んでいなかった。敵対視してくる妹も、婚約破棄後の傷心に言い寄ってくる男も華麗に躱しながら、のびやかに幸せを掴み取っていく。
小説家になろう様にも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる