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「カシウス・ベルンシュタイン公爵……」
私は脳内の貴族名鑑データベースを瞬時に検索し、目の前の男の情報を照合した。
隣国ガレリア帝国の筆頭公爵。
二十四歳。独身。
戦場では先陣を切って敵をなぎ倒し、社交界では気に入らない相手を論破、あるいは物理的に黙らせることからついた異名が『狂犬』。
(危険人物(レッド・カード)ね)
私は即座に警戒レベルを引き上げた。
ジェラルド殿下が「無害なバカ」だとしたら、この男は「有害な猛獣」だ。関われば、私の平穏な隠居計画(実務生活)に支障をきたす恐れがある。
「盗み聞きとは、他国の重鎮にあるまじき趣味ですね」
私はスカートの埃を払うふりをしながら、冷静に距離を取った。
「盗み聞き? 人聞きが悪いな。俺はただ、夜風に当たろうとここに来たら、眼下で面白い喜劇(コメディ)が始まっただけだ」
カシウス公爵は、面白くてたまらないといった様子で肩を震わせている。
「傑作だったぞ。『損益分岐点』に『逸失利益』か。色ボケした王子の婚約破棄に対し、金と効率で殴り返す令嬢など初めて見た」
「お褒めいただき光栄です。ですが、あれは殴り返したのではなく、正当な精算業務です」
「くくっ、あの状況で業務と言い切るか。その肝の据わり方、俺の好みだ」
男が一歩、こちらに踏み出してくる。
長身だ。一九〇センチはあるだろうか。威圧感が凄まじい。
私は反射的に後退るが、背後はすぐにテラスの壁だった。
「それで? 王太子を袖にして、これからどうするつもりだ? 泣き寝入りして修道院か?」
「まさか。修道院は生産性がありません。実家に帰り、領地経営に専念します」
「もったいないな」
カシウス公爵の声が、不意に甘く、低くなった。
「お前のような面白い女、あんな退屈な国に埋もれさせておくのは惜しい」
彼との距離が縮まる。
香水の匂いではない。微かに香る、革と鉄、そして煙草の匂い。
「……公爵閣下。私に近づかないでいただけますか? 貴方のその猛獣のようなオーラは、私の安眠を妨げるリスクがあります」
「ははっ、俺を猛獣扱いか。いい度胸だ」
その時だった。
ダンッ!!
乾いた音が夜のテラスに響いた。
カシウス公爵の右手が、私の顔の横、壁に叩きつけられたのだ。
いわゆる『壁ドン』である。
世のご令嬢ならば、頬を染めて「きゃっ」と声を上げ、吊り橋効果で恋に落ちる場面かもしれない。
男の顔が至近距離にある。
整いすぎた、しかし野性味溢れる美貌。
燃えるような赤い瞳が、私を射抜いている。
「逃がさないぞ。俺はお前が欲しくなった」
公爵が囁く。
低音のボイスが鼓膜を震わせる。
しかし、私の視線は彼の瞳ではなく、その右手に釘付けになっていた。
「……あの、公爵閣下」
「なんだ? 今さら怖くなったか?」
「いえ。壁が」
「あ?」
「今、壁から『ミシッ』という嫌な音がしましたが」
私は彼の腕の下から、壁の状態を凝視した。
予想通りだ。彼の手が叩きつけられた箇所を中心に、漆喰にピキピキと亀裂が入っている。
「……」
「……」
沈黙。
カシウス公爵が、自分の手と壁を交互に見る。
「おいおい、ムードのない女だな。男が求愛(アプローチ)している時に、壁の心配か?」
「当然です。ここは王宮のテラスです。文化財保護法により、王宮の損壊は重罪。修繕費は一級建築士を呼ぶ必要があるため、ざっと見積もっても金貨五十枚は下りません」
私は懐から手帳を取り出し、サラサラとメモを取り始めた。
「状況証拠として記録させていただきます。カシウス公爵による、過度な筋力行使による器物損壊。時刻は二十時二十分」
「……お前、マジか」
公爵が呆れたように呟く。
「マジです。外交問題に発展する前に、早急に事務官へ申告し、弁償の手続きを行うことを推奨します。請求書(インボイス)の宛先はガレリア帝国大使館でよろしいですか?」
「ふっ……くくくっ!」
突如、カシウス公爵が天を仰いで爆笑した。
「はーっはっは! 最高だ! 俺の壁ドンを受けて、請求書の話をした女は世界でお前だけだぞ、メリアドール!」
「笑い事ではありません。構造体にダメージがいっていた場合、耐震性にも影響します」
「気に入った! ますます気に入ったぞ!」
公爵は私の警告など意に介さず、ニヤリと笑って私の顎を指で持ち上げた。
「おい、メリアドール。商談だ」
「……商談?」
その単語に、私の眉がピクリと反応する。
愛だの恋だのと言われるより、よほど興味をそそる響きだ。
「俺の国へ来い。ガレリア帝国だ」
「お断りします。貴国は軍事国家であり、治安維持コストが高すぎます。私の肌には合いません」
「待遇は保証する。俺の屋敷の管理を一任したい」
「屋敷の管理?」
「ああ。俺の部下どもは荒くれ者ばかりでな。屋敷の経理も備品管理も杜撰(ずさん)で崩壊寸前だ。お前のような『計算できる女』が必要なんだ」
それは、思いがけないオファー(提案)だった。
隣国ガレリア。
確かに野蛮な国だが、経済規模は我が国の倍以上。
もし、その公爵家の資産運用を任されるとしたら……?
私の脳内で、電卓が高速で弾かれた。
未知の市場。莫大な予算。そして、手付かずの経営改革。
それは、合理主義者(わたし)にとって、垂涎の的とも言える『未開拓の鉱脈』ではないか。
ゴクリ、と喉が鳴る。
「……条件は?」
「時給換算で、今の王太子妃教育の倍を出そう」
「福利厚生は?」
「週休二日。有給あり。さらに、俺の『婚約者』という肩書きをつけて、あらゆる貴族の干渉からお前を守ってやる」
「婚約者? それは不要なオプションです。業務の邪魔になります」
「形式上だ。俺も、寄り付く有象無象の女どもを追い払う魔除けが欲しい。利害は一致しているはずだ」
魔除け。
なるほど、ビジネスパートナーとしての契約結婚(仮)か。
それならば感情という不確定要素(バグ)が入り込む余地はない。
ジェラルド殿下との「おままごと」より、よほど建設的で論理的な提案だ。
私は顎に添えられた彼の手を、ペシリと払いのけた。
そして、彼を正面から見据える。
「……悪くないお話(ディール)です。ですが、即決はリスクが高い。一度持ち帰って検討(アサイン)させていただきます」
「ほう? 俺を待たせるのか?」
「当然です。契約書の内容も確認せずにサインするバカはいません」
「くくっ、いいだろう。待ってやる」
カシウス公爵は、愉快そうに口の端を吊り上げた。
「だが、覚悟しておけ。俺は欲しいものは必ず手に入れる主義だ。お前がどんなに計算高く逃げ回ろうと、必ず俺の計算式(テリトリー)に引きずり込んでやる」
「それはどうも。ですが私の計算式は複雑怪奇ですよ? 解読できると思わないことです」
私は優雅に一礼した。
「では、失礼いたします。壁の修繕依頼、お忘れなく」
「ああ、肝に銘じておくよ」
私は背を向け、今度こそテラスを後にした。
背中に突き刺さる熱い視線を感じながらも、私はあくまで冷静な足取りを崩さなかった。
だが、私の心拍数は、平常時よりわずかに――三パーセントほど上昇していた。
(……危険な男)
計算できない要素を持っている。
だが、同時に。
(――金貨五十枚の壁の修繕費を、笑って流せる財力……魅力的だわ)
商談相手としては、上客かもしれない。
私は馬車に乗り込みながら、早くも新たな事業計画(ガレリア・プラン)のシミュレーションを開始していた。
これが、私と『狂犬』公爵との、奇妙な関係の始まりだった。
私は脳内の貴族名鑑データベースを瞬時に検索し、目の前の男の情報を照合した。
隣国ガレリア帝国の筆頭公爵。
二十四歳。独身。
戦場では先陣を切って敵をなぎ倒し、社交界では気に入らない相手を論破、あるいは物理的に黙らせることからついた異名が『狂犬』。
(危険人物(レッド・カード)ね)
私は即座に警戒レベルを引き上げた。
ジェラルド殿下が「無害なバカ」だとしたら、この男は「有害な猛獣」だ。関われば、私の平穏な隠居計画(実務生活)に支障をきたす恐れがある。
「盗み聞きとは、他国の重鎮にあるまじき趣味ですね」
私はスカートの埃を払うふりをしながら、冷静に距離を取った。
「盗み聞き? 人聞きが悪いな。俺はただ、夜風に当たろうとここに来たら、眼下で面白い喜劇(コメディ)が始まっただけだ」
カシウス公爵は、面白くてたまらないといった様子で肩を震わせている。
「傑作だったぞ。『損益分岐点』に『逸失利益』か。色ボケした王子の婚約破棄に対し、金と効率で殴り返す令嬢など初めて見た」
「お褒めいただき光栄です。ですが、あれは殴り返したのではなく、正当な精算業務です」
「くくっ、あの状況で業務と言い切るか。その肝の据わり方、俺の好みだ」
男が一歩、こちらに踏み出してくる。
長身だ。一九〇センチはあるだろうか。威圧感が凄まじい。
私は反射的に後退るが、背後はすぐにテラスの壁だった。
「それで? 王太子を袖にして、これからどうするつもりだ? 泣き寝入りして修道院か?」
「まさか。修道院は生産性がありません。実家に帰り、領地経営に専念します」
「もったいないな」
カシウス公爵の声が、不意に甘く、低くなった。
「お前のような面白い女、あんな退屈な国に埋もれさせておくのは惜しい」
彼との距離が縮まる。
香水の匂いではない。微かに香る、革と鉄、そして煙草の匂い。
「……公爵閣下。私に近づかないでいただけますか? 貴方のその猛獣のようなオーラは、私の安眠を妨げるリスクがあります」
「ははっ、俺を猛獣扱いか。いい度胸だ」
その時だった。
ダンッ!!
乾いた音が夜のテラスに響いた。
カシウス公爵の右手が、私の顔の横、壁に叩きつけられたのだ。
いわゆる『壁ドン』である。
世のご令嬢ならば、頬を染めて「きゃっ」と声を上げ、吊り橋効果で恋に落ちる場面かもしれない。
男の顔が至近距離にある。
整いすぎた、しかし野性味溢れる美貌。
燃えるような赤い瞳が、私を射抜いている。
「逃がさないぞ。俺はお前が欲しくなった」
公爵が囁く。
低音のボイスが鼓膜を震わせる。
しかし、私の視線は彼の瞳ではなく、その右手に釘付けになっていた。
「……あの、公爵閣下」
「なんだ? 今さら怖くなったか?」
「いえ。壁が」
「あ?」
「今、壁から『ミシッ』という嫌な音がしましたが」
私は彼の腕の下から、壁の状態を凝視した。
予想通りだ。彼の手が叩きつけられた箇所を中心に、漆喰にピキピキと亀裂が入っている。
「……」
「……」
沈黙。
カシウス公爵が、自分の手と壁を交互に見る。
「おいおい、ムードのない女だな。男が求愛(アプローチ)している時に、壁の心配か?」
「当然です。ここは王宮のテラスです。文化財保護法により、王宮の損壊は重罪。修繕費は一級建築士を呼ぶ必要があるため、ざっと見積もっても金貨五十枚は下りません」
私は懐から手帳を取り出し、サラサラとメモを取り始めた。
「状況証拠として記録させていただきます。カシウス公爵による、過度な筋力行使による器物損壊。時刻は二十時二十分」
「……お前、マジか」
公爵が呆れたように呟く。
「マジです。外交問題に発展する前に、早急に事務官へ申告し、弁償の手続きを行うことを推奨します。請求書(インボイス)の宛先はガレリア帝国大使館でよろしいですか?」
「ふっ……くくくっ!」
突如、カシウス公爵が天を仰いで爆笑した。
「はーっはっは! 最高だ! 俺の壁ドンを受けて、請求書の話をした女は世界でお前だけだぞ、メリアドール!」
「笑い事ではありません。構造体にダメージがいっていた場合、耐震性にも影響します」
「気に入った! ますます気に入ったぞ!」
公爵は私の警告など意に介さず、ニヤリと笑って私の顎を指で持ち上げた。
「おい、メリアドール。商談だ」
「……商談?」
その単語に、私の眉がピクリと反応する。
愛だの恋だのと言われるより、よほど興味をそそる響きだ。
「俺の国へ来い。ガレリア帝国だ」
「お断りします。貴国は軍事国家であり、治安維持コストが高すぎます。私の肌には合いません」
「待遇は保証する。俺の屋敷の管理を一任したい」
「屋敷の管理?」
「ああ。俺の部下どもは荒くれ者ばかりでな。屋敷の経理も備品管理も杜撰(ずさん)で崩壊寸前だ。お前のような『計算できる女』が必要なんだ」
それは、思いがけないオファー(提案)だった。
隣国ガレリア。
確かに野蛮な国だが、経済規模は我が国の倍以上。
もし、その公爵家の資産運用を任されるとしたら……?
私の脳内で、電卓が高速で弾かれた。
未知の市場。莫大な予算。そして、手付かずの経営改革。
それは、合理主義者(わたし)にとって、垂涎の的とも言える『未開拓の鉱脈』ではないか。
ゴクリ、と喉が鳴る。
「……条件は?」
「時給換算で、今の王太子妃教育の倍を出そう」
「福利厚生は?」
「週休二日。有給あり。さらに、俺の『婚約者』という肩書きをつけて、あらゆる貴族の干渉からお前を守ってやる」
「婚約者? それは不要なオプションです。業務の邪魔になります」
「形式上だ。俺も、寄り付く有象無象の女どもを追い払う魔除けが欲しい。利害は一致しているはずだ」
魔除け。
なるほど、ビジネスパートナーとしての契約結婚(仮)か。
それならば感情という不確定要素(バグ)が入り込む余地はない。
ジェラルド殿下との「おままごと」より、よほど建設的で論理的な提案だ。
私は顎に添えられた彼の手を、ペシリと払いのけた。
そして、彼を正面から見据える。
「……悪くないお話(ディール)です。ですが、即決はリスクが高い。一度持ち帰って検討(アサイン)させていただきます」
「ほう? 俺を待たせるのか?」
「当然です。契約書の内容も確認せずにサインするバカはいません」
「くくっ、いいだろう。待ってやる」
カシウス公爵は、愉快そうに口の端を吊り上げた。
「だが、覚悟しておけ。俺は欲しいものは必ず手に入れる主義だ。お前がどんなに計算高く逃げ回ろうと、必ず俺の計算式(テリトリー)に引きずり込んでやる」
「それはどうも。ですが私の計算式は複雑怪奇ですよ? 解読できると思わないことです」
私は優雅に一礼した。
「では、失礼いたします。壁の修繕依頼、お忘れなく」
「ああ、肝に銘じておくよ」
私は背を向け、今度こそテラスを後にした。
背中に突き刺さる熱い視線を感じながらも、私はあくまで冷静な足取りを崩さなかった。
だが、私の心拍数は、平常時よりわずかに――三パーセントほど上昇していた。
(……危険な男)
計算できない要素を持っている。
だが、同時に。
(――金貨五十枚の壁の修繕費を、笑って流せる財力……魅力的だわ)
商談相手としては、上客かもしれない。
私は馬車に乗り込みながら、早くも新たな事業計画(ガレリア・プラン)のシミュレーションを開始していた。
これが、私と『狂犬』公爵との、奇妙な関係の始まりだった。
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