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「……平和だ」
ガレリア王宮の執務室。
私はシルヴェスター殿下の向かいの席で、山盛りのクッキーを消費していた。
先日の「食べ歩きデート(という名の騒動)」以来、私たちの連携は妙にスムーズになっていた。
殿下が面倒な貴族を私の元へ送り込み、私がそれを論理と毒舌で撃退する。
その報酬として、極上のスイーツと安眠が提供される。
まさにWin-Winのホワイト職場である。
バンッ!!!
その平和な静寂は、爆発音のような扉の開閉音によって木っ端微塵に砕け散った。
「シルヴェスター!! 貴様、また怪しげな女を城に引き入れたそうだな!!」
怒鳴り声と共に部屋になだれ込んできたのは、巨大な岩のような男だった。
身長は二メートル近いだろうか。
王族の礼服が悲鳴を上げんばかりにパンパンに膨れ上がった筋肉。
短く刈り込んだ金髪に、燃えるような熱血な瞳。
シルヴェスター殿下とは似ても似つかない、暑苦しさの塊のような人物だ。
私はクッキーを咥えたまま固まった。
なんだこのゴリラは。
王宮に動物園が併設されていたなんて聞いていない。
シルヴェスター殿下は、優雅に紅茶のカップを置いた。
「やあ、兄上。ノックくらいしてくださいといつも言っているでしょう。ドアの蝶番(ちょうつがい)の修理費、兄上の予算から引いておきますよ」
「細かいことを言うな! それより、そこの女だ!」
ゴリラ改め、第一王子マクシミリアン殿下は、太い指でビシッと私を指差した。
「貴様だな! 隣国のスチュアート公爵家から来たという、ヴィオレッタとかいう女は!」
私は慌ててクッキーを飲み込み、立ち上がってカーテシーをした。
相手がゴリラでも、一応は王族だ。礼儀は尽くさねばならない。
「お初にお目にかかります、マクシミリアン殿下。ヴィオレッタ・エル・スチュアートでございます」
「ふん! 猫を被っても無駄だぞ! 俺の目は誤魔化せん!」
マクシミリアン殿下はドシドシと足音を立てて私に歩み寄り、至近距離で私の顔を睨みつけた。
圧がすごい。
物理的な質量による威圧感が半端ではない。
「貴様、スパイだな?」
「はい?」
「とぼけるな! 隣国を追放されたと見せかけ、実は我が国の情報を盗み出すために送り込まれた工作員だろう! アークライト王子と結託し、我が国を内部から崩壊させるつもりか!」
あまりの飛躍した論理に、私はポカンとしてしまった。
あのアホなアークライト殿下に、そんな高度な作戦が立てられるわけがない。
彼は今頃、新しいドレスのデザイン選びにでも夢中になっているはずだ。
「あの、殿下。想像力が豊かでいらっしゃるのは素晴らしいことですが、訂正させていただいても?」
「なんだ! 言い訳か! 聞いてやる!」
「まず、私がスパイだとして。こんな目立つ場所で、堂々とクッキーを食べているスパイがどこにいますか?」
「……む? 確かに。スパイとはもっと、天井裏とか床下とかに潜んでいるものだ」
「でしょう? それに、もし私がアークライト殿下と通じているなら、なぜ私が彼から慰謝料をふんだくって……いえ、頂いて、実家の借金をこの国の王子(シルヴェスター様)に肩代わりしてもらっているのですか?」
「借金? 肩代わり?」
マクシミリアン殿下は太い眉を寄せ、困惑したようにシルヴェスターを見た。
「おいシルヴェスター、どういうことだ。この女、金に困っているのか?」
「ええ、そうですよ兄上。彼女は父親に売られた可哀想な令嬢なんです。だから私が保護してあげたんですよ」
シルヴェスター殿下が、面白そうに嘘ではないが真実でもない説明を加える。
「ぬう……そうだったのか。だが! 油断はできん! 金に困っているからこそ、金で寝返る可能性もある! 貴様、ハニートラップというやつだろう! 俺の筋肉を見て欲情し、情報を吐かせようとしても無駄だぞ!」
「していませんし、しません」
私は即答した。
誰が好き好んで、この筋肉ダルマに色仕掛けをするというのか。
私の好みは、もっとこう、知的で細身で……いや、誰のことも想像していない。
「口ではなんとでも言える! 俺は貴様を信用しないぞ。その細腕で、いつ毒を盛るかわからんからな!」
「毒……」
話が通じない。
この筋肉王子、一度思い込んだら一直線に突っ走るタイプだ。
面倒くさい。
非常に面倒くさいが、ここで疑いを晴らしておかないと、今後のスローライフ(仮)に支障が出る。
私はため息をつき、一枚の書類を取り出した。
シルヴェスター殿下との雇用契約書だ。
「マクシミリアン殿下。これをご覧ください」
「なんだこれは。……『契約書』? 字が細かいな! 俺は細かい字を読むと頭痛がするんだ!」
「では、重要な部分だけ読み上げますね。『第五条:ヴィオレッタは、業務に支障がない限り、一日八時間の睡眠と、おやつ休憩を保証される』」
「……は?」
「『第六条:残業は原則禁止。休日出勤をした場合は、代休および特別手当(限定スイーツ)を支給する』」
マクシミリアン殿下は目を白黒させた。
「なんだその、ふざけた条件は」
「ふざけてはいません。私の労働条件です。いいですか殿下、スパイ活動というのは、二十四時間体制の過酷な労働です。いつ見つかるか分からない緊張感、不規則な睡眠、粗末な食事……。そんなブラックな環境、絶対に御免です」
私は胸を張って言い放った。
「私は! 楽をして! 美味しいものを食べて! 昼寝がしたいんです! そんな私が、わざわざリスクを冒してスパイなんて面倒なことをすると思いますか!?」
「……」
マクシミリアン殿下は圧倒されていた。
私のあまりにも堂々とした「怠惰宣言」に、言葉を失ったようだ。
しばらくの沈黙の後、彼は腕組みをして唸った。
「……なるほど。一理ある」
あるのか。
通じたのか。
「確かに、スパイにしては気概が感じられん。貴様の目からは、戦士のようなハングリー精神も、暗殺者のような鋭さも感じない。あるのはただ……『定時に帰りたい』という強い意志だけだ」
「ご理解いただけて光栄です」
「ふん。だが、俺はまだ完全に認めたわけではないぞ! シルヴェスター、この女の管理は貴様が責任を持てよ! もし少しでも怪しい動きをしたら、俺のこの上腕二頭筋が火を吹くからな!」
マクシミリアン殿下は、最後にものすごいポーズで筋肉を見せつけてから、再び嵐のように去っていこうとした。
「あ、待ってください兄上」
シルヴェスター殿下が呼び止める。
「なんだ!」
「来週の予算会議ですが、軍事費の『プロテイン増量計画』、あれ却下しますから」
「なっ!? なぜだ! 兵士の筋肉は国の宝だぞ!」
「その予算を、ヴィオレッタの『おやつ代』に回すことにしましたので」
「貴様ァァァ!! 女にうつつを抜かしおって! 覚えてろよ!」
ドガァァン!
再び扉が悲鳴を上げ、マクシミリアン殿下は去っていった。
廊下から「プロテイン……俺のプロテイン……」という悲痛な叫びが聞こえてくる。
嵐が去った執務室に、再び静寂が戻った。
「……あんなのが第一王子で、この国は大丈夫なんですか?」
私が呆れて尋ねると、シルヴェスター殿下は苦笑した。
「大丈夫だよ。兄上はああ見えて、戦場では無敵の強さを誇るし、兵士からの人望も厚い。政治と計算が壊滅的にできないだけでね」
「だから貴方が裏で操っているわけですね」
「人聞きが悪いな。支えていると言ってくれ」
彼は新しい紅茶を淹れてくれた。
「それにしても、ヴィオレッタ。君の『怠惰宣言』は見事だったよ。兄上を説得(?)できる人間なんて、そうそういない」
「本心ですから。……でも、あの方も『害虫』ではないようですね」
「うん?」
「ただの『暑苦しい大型犬』です。敵意は感じませんでした」
私がそう言うと、シルヴェスター殿下は少しだけ意外そうな顔をして、それから優しく微笑んだ。
「そうか。……君がそう言ってくれるなら、兄上も喜ぶだろう」
その笑顔に、私は少しだけドキッとした。
なんだか、家族の話をする時の彼は、いつもの腹黒さが抜けて、普通の青年のような顔をする。
もしかして、この兄弟、意外と仲が良いのだろうか。
「さて、ヴィオレッタ。兄上が去ったところで、仕事に戻ろうか。君の『おやつ代』を確保するためにもね」
「……その言い方、なんか私が悪女みたいに聞こえるんですけど」
「事実だろう? 一国の軍事予算をマカロンに変えた女なんて、歴史上君だけだよ」
私たちは顔を見合わせて笑った。
こうして、「スパイ疑惑」という名の筋肉嵐は、私の怠惰への情熱によって無事に解決されたのだった。
しかし。
私はまだ知らなかった。
この筋肉王子が、今後事あるごとに「筋肉の素晴らしさ」を説くために私の元を訪れるようになり、私の平穏なティータイムを脅かす常連客(迷惑客)になることを。
ガレリア王宮の執務室。
私はシルヴェスター殿下の向かいの席で、山盛りのクッキーを消費していた。
先日の「食べ歩きデート(という名の騒動)」以来、私たちの連携は妙にスムーズになっていた。
殿下が面倒な貴族を私の元へ送り込み、私がそれを論理と毒舌で撃退する。
その報酬として、極上のスイーツと安眠が提供される。
まさにWin-Winのホワイト職場である。
バンッ!!!
その平和な静寂は、爆発音のような扉の開閉音によって木っ端微塵に砕け散った。
「シルヴェスター!! 貴様、また怪しげな女を城に引き入れたそうだな!!」
怒鳴り声と共に部屋になだれ込んできたのは、巨大な岩のような男だった。
身長は二メートル近いだろうか。
王族の礼服が悲鳴を上げんばかりにパンパンに膨れ上がった筋肉。
短く刈り込んだ金髪に、燃えるような熱血な瞳。
シルヴェスター殿下とは似ても似つかない、暑苦しさの塊のような人物だ。
私はクッキーを咥えたまま固まった。
なんだこのゴリラは。
王宮に動物園が併設されていたなんて聞いていない。
シルヴェスター殿下は、優雅に紅茶のカップを置いた。
「やあ、兄上。ノックくらいしてくださいといつも言っているでしょう。ドアの蝶番(ちょうつがい)の修理費、兄上の予算から引いておきますよ」
「細かいことを言うな! それより、そこの女だ!」
ゴリラ改め、第一王子マクシミリアン殿下は、太い指でビシッと私を指差した。
「貴様だな! 隣国のスチュアート公爵家から来たという、ヴィオレッタとかいう女は!」
私は慌ててクッキーを飲み込み、立ち上がってカーテシーをした。
相手がゴリラでも、一応は王族だ。礼儀は尽くさねばならない。
「お初にお目にかかります、マクシミリアン殿下。ヴィオレッタ・エル・スチュアートでございます」
「ふん! 猫を被っても無駄だぞ! 俺の目は誤魔化せん!」
マクシミリアン殿下はドシドシと足音を立てて私に歩み寄り、至近距離で私の顔を睨みつけた。
圧がすごい。
物理的な質量による威圧感が半端ではない。
「貴様、スパイだな?」
「はい?」
「とぼけるな! 隣国を追放されたと見せかけ、実は我が国の情報を盗み出すために送り込まれた工作員だろう! アークライト王子と結託し、我が国を内部から崩壊させるつもりか!」
あまりの飛躍した論理に、私はポカンとしてしまった。
あのアホなアークライト殿下に、そんな高度な作戦が立てられるわけがない。
彼は今頃、新しいドレスのデザイン選びにでも夢中になっているはずだ。
「あの、殿下。想像力が豊かでいらっしゃるのは素晴らしいことですが、訂正させていただいても?」
「なんだ! 言い訳か! 聞いてやる!」
「まず、私がスパイだとして。こんな目立つ場所で、堂々とクッキーを食べているスパイがどこにいますか?」
「……む? 確かに。スパイとはもっと、天井裏とか床下とかに潜んでいるものだ」
「でしょう? それに、もし私がアークライト殿下と通じているなら、なぜ私が彼から慰謝料をふんだくって……いえ、頂いて、実家の借金をこの国の王子(シルヴェスター様)に肩代わりしてもらっているのですか?」
「借金? 肩代わり?」
マクシミリアン殿下は太い眉を寄せ、困惑したようにシルヴェスターを見た。
「おいシルヴェスター、どういうことだ。この女、金に困っているのか?」
「ええ、そうですよ兄上。彼女は父親に売られた可哀想な令嬢なんです。だから私が保護してあげたんですよ」
シルヴェスター殿下が、面白そうに嘘ではないが真実でもない説明を加える。
「ぬう……そうだったのか。だが! 油断はできん! 金に困っているからこそ、金で寝返る可能性もある! 貴様、ハニートラップというやつだろう! 俺の筋肉を見て欲情し、情報を吐かせようとしても無駄だぞ!」
「していませんし、しません」
私は即答した。
誰が好き好んで、この筋肉ダルマに色仕掛けをするというのか。
私の好みは、もっとこう、知的で細身で……いや、誰のことも想像していない。
「口ではなんとでも言える! 俺は貴様を信用しないぞ。その細腕で、いつ毒を盛るかわからんからな!」
「毒……」
話が通じない。
この筋肉王子、一度思い込んだら一直線に突っ走るタイプだ。
面倒くさい。
非常に面倒くさいが、ここで疑いを晴らしておかないと、今後のスローライフ(仮)に支障が出る。
私はため息をつき、一枚の書類を取り出した。
シルヴェスター殿下との雇用契約書だ。
「マクシミリアン殿下。これをご覧ください」
「なんだこれは。……『契約書』? 字が細かいな! 俺は細かい字を読むと頭痛がするんだ!」
「では、重要な部分だけ読み上げますね。『第五条:ヴィオレッタは、業務に支障がない限り、一日八時間の睡眠と、おやつ休憩を保証される』」
「……は?」
「『第六条:残業は原則禁止。休日出勤をした場合は、代休および特別手当(限定スイーツ)を支給する』」
マクシミリアン殿下は目を白黒させた。
「なんだその、ふざけた条件は」
「ふざけてはいません。私の労働条件です。いいですか殿下、スパイ活動というのは、二十四時間体制の過酷な労働です。いつ見つかるか分からない緊張感、不規則な睡眠、粗末な食事……。そんなブラックな環境、絶対に御免です」
私は胸を張って言い放った。
「私は! 楽をして! 美味しいものを食べて! 昼寝がしたいんです! そんな私が、わざわざリスクを冒してスパイなんて面倒なことをすると思いますか!?」
「……」
マクシミリアン殿下は圧倒されていた。
私のあまりにも堂々とした「怠惰宣言」に、言葉を失ったようだ。
しばらくの沈黙の後、彼は腕組みをして唸った。
「……なるほど。一理ある」
あるのか。
通じたのか。
「確かに、スパイにしては気概が感じられん。貴様の目からは、戦士のようなハングリー精神も、暗殺者のような鋭さも感じない。あるのはただ……『定時に帰りたい』という強い意志だけだ」
「ご理解いただけて光栄です」
「ふん。だが、俺はまだ完全に認めたわけではないぞ! シルヴェスター、この女の管理は貴様が責任を持てよ! もし少しでも怪しい動きをしたら、俺のこの上腕二頭筋が火を吹くからな!」
マクシミリアン殿下は、最後にものすごいポーズで筋肉を見せつけてから、再び嵐のように去っていこうとした。
「あ、待ってください兄上」
シルヴェスター殿下が呼び止める。
「なんだ!」
「来週の予算会議ですが、軍事費の『プロテイン増量計画』、あれ却下しますから」
「なっ!? なぜだ! 兵士の筋肉は国の宝だぞ!」
「その予算を、ヴィオレッタの『おやつ代』に回すことにしましたので」
「貴様ァァァ!! 女にうつつを抜かしおって! 覚えてろよ!」
ドガァァン!
再び扉が悲鳴を上げ、マクシミリアン殿下は去っていった。
廊下から「プロテイン……俺のプロテイン……」という悲痛な叫びが聞こえてくる。
嵐が去った執務室に、再び静寂が戻った。
「……あんなのが第一王子で、この国は大丈夫なんですか?」
私が呆れて尋ねると、シルヴェスター殿下は苦笑した。
「大丈夫だよ。兄上はああ見えて、戦場では無敵の強さを誇るし、兵士からの人望も厚い。政治と計算が壊滅的にできないだけでね」
「だから貴方が裏で操っているわけですね」
「人聞きが悪いな。支えていると言ってくれ」
彼は新しい紅茶を淹れてくれた。
「それにしても、ヴィオレッタ。君の『怠惰宣言』は見事だったよ。兄上を説得(?)できる人間なんて、そうそういない」
「本心ですから。……でも、あの方も『害虫』ではないようですね」
「うん?」
「ただの『暑苦しい大型犬』です。敵意は感じませんでした」
私がそう言うと、シルヴェスター殿下は少しだけ意外そうな顔をして、それから優しく微笑んだ。
「そうか。……君がそう言ってくれるなら、兄上も喜ぶだろう」
その笑顔に、私は少しだけドキッとした。
なんだか、家族の話をする時の彼は、いつもの腹黒さが抜けて、普通の青年のような顔をする。
もしかして、この兄弟、意外と仲が良いのだろうか。
「さて、ヴィオレッタ。兄上が去ったところで、仕事に戻ろうか。君の『おやつ代』を確保するためにもね」
「……その言い方、なんか私が悪女みたいに聞こえるんですけど」
「事実だろう? 一国の軍事予算をマカロンに変えた女なんて、歴史上君だけだよ」
私たちは顔を見合わせて笑った。
こうして、「スパイ疑惑」という名の筋肉嵐は、私の怠惰への情熱によって無事に解決されたのだった。
しかし。
私はまだ知らなかった。
この筋肉王子が、今後事あるごとに「筋肉の素晴らしさ」を説くために私の元を訪れるようになり、私の平穏なティータイムを脅かす常連客(迷惑客)になることを。
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